第9回会議の内容 - 佐世保市

佐世保市の教育を考える市民会議
第9回議事録
第9回「佐世保市の教育を考える市民会議」会次第
日時:平成 14 年 7 月4日(木)19:00∼21:00
場所:アルカスSASEBO
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開会
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会長あいさつ
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協議
(1)各分科会からの報告
・第1分科会
家庭教育支援のための分科会
・第2分科会
地域の信頼に応える学校づくり分科会
・第3分科会
共育をめざす地域づくり分科会
(2)質疑及び意見交換
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その他
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事務局からの連絡
閉会
【理事】
こんばんは。皆様には大変お忙しい中を御出席をいただきまして,ありがとうござ
います。
それではただ今から,第9回目となりますが,本市の教育を考える市民会議を開催
させていただきます。
今日は,○○委員,○○委員,お二人が欠席でございます。それでは,○○ 会長さ
ん,よろしくお願いいたします。
【会長】
皆様こんばんは。空梅雨になるんじゃないかというような天気が続いておりました
けど,どうやら雨も降りましたし,上がりますと結構暑くなって,どうやら夏らしく
なってきております。
本日も,皆様におかれましては,何かとお忙しい中を御出席をいただきまして,あ
りがとうございます。市民会議は4月から三つの分科会に分かれまして,答申に向け
て論議を重ねていただいておるところでございます。4月 17 日の全体会で,8月ま
で分科会が行われることになっているが,その途中で,各分科会の状況を知りたいの
で全体会を開いてほしいという委員の方々の御要望がございました。本日の全体会を
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開催する次第でございます。
本日は各分科会の座長さんから,これまで分科会で論議されましたことの概要を短
時間で恐縮ですけども,15 分程度で御報告をいただきたいと思っております。その後,
御報告をいただきましたことにつきまして,50 分ほど質疑や意見交換を行いまして,
最後に今後の会議の進め方について,御確認をいただきたいというふうに思っており
ます。
それでは,早速でございますが,第1分科会「家庭教育支援のための分科会」から,
○○座長さんに御報告をお願いいたします。
【座長】
では,第1分科会「家庭教育支援のための分科会」の中間報告をいたします。お手
元の資料をお開きください。資料に沿って御説明をさせていただきます。恐れ入りま
すが,読ませていただきますのでお目をお通しください。
本分科会は,4回の定例分科会と1回の自主研究会を開催いたしました。定例分科
会では,家庭教育支援をめぐる各委員さんの御意見の聴取を行ってまいりました。特
に,家庭教育に対する考え方には,委員御自身の経歴,例えば世代とか性別,経験,
立場などが,大変反映しやすいということがわかりまして,意見を集約した形での提
言書を作成するに当たっては,まず,多様な経歴を持つ委員相互の理解を深める必要
性があると思われました。よって本分科会は,ブレーンストーミング,いわゆる各自
が自由に妙案を出し合い,決して批判をしないというような会議の形式方式でこれま
で進めております。
また,家庭教育支援に関する佐世保市行政当局,具体的に言いますと,教育委員会
と子育て家庭課でございます。それらの考え方及び現在佐世保市で行われている施策
の内容についての共通理解を深める必要があると思われましたので,自主研究の場を
設けまして,家庭教育に対する委員のそれぞれの考え方の幅を広げる一助といたしま
した。
私どもの話し合いの中では,毎回,本来「私事」である家庭教育を公的に支援する
ことの難しさが大きな話題となってまいりました。
分科会の現段階では,目指すべき家庭,あるいは家庭教育とはどういうものか,い
わゆる提言の「幹」に当たる部分でございます。また,子どもが健やかに育つ家庭づ
くりのために,有効に働く支援の方向と方法にはどのようなものがあるか。同様,「枝」
と「葉」に当たる部分でございます。それらに関して,並列的に論議をしております
が,残り3回の分科会の中でこれを集約し,委員全員の家庭教育向上への願いを反映
した提言書を作成したいと考えております。
今回までに行いました内容が下に記載しておりますのでごらんください。
まず最初に,家庭教育支援の「幹」に関する部分の意見についてでございます。5
項目ございますので読み上げます。
まず1番目,教育の根本は家庭教育にある。家庭には学校や地域の協力を得て子ど
もを健やかに育てる責任がある,という意見。
それから2番目,家庭とは,「私(わたくし)」的存在でありますが,「私」が集まっ
て「公(おおやけ)」となります。家庭は社会の最も基本の構成要素でありますが,現
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在は基本である家庭のひずみ,例えば崩壊状況とか孤立化とか,過保護とか,それら
による教育力の低下が散見されます。その結果,「公」の教育資源である学校や地域と
の連携に支障を来し,相互の不信感が生じたのでないかという意見が出ております。
また,3番目としましては,家庭とは子どもが健やかに成長していく。成長とは社
会的自立が最終的な目標でございます。それに対して,親を初めとする愛情を持った
大人が子どもに働きかける場所だと考えられますし,子どもにとって,家庭は安定し
た居場所でなくてはなりません。しかしながら,現在見られる孤独な子育て環境,あ
るいは経済性・効率性優先の社会環境の中では,親は子育てを楽しむゆとりを持つこ
とが難しいのではないか。子育ては損という風潮の改善の必要があるという御意見が
出ております。
4番目に,これは教育としての課題としては,非常に重要だと思いますが,教育と
は,大人である私たちが未来にありたい姿,あるいはあってほしい姿を考えることで
あると考えます。しかしながら,価値観の多様化を前に,家庭教育のあり方を考える
難しさは,委員各自が認めるところであり,異なる意見も百出しております。
また,教育の支援を考えるスタンスとしては,いわゆる福祉分野の「措置」とか「支
給」などに代表とされる対処療法的な論議のみに終始することは避けたいという思い
も委員の間にはございます。その意味で,目指す家庭の役割の方向性について論議を
いたしました。
その中で,目指す家庭像として,三つが出てまいりまして,社会に開かれた家庭,
家族成員がコミュニケートする家庭,子どもを自立へ導く家庭を目指す。ただし,こ
の目指す方向の一方的な押しつけでは支援としての効果が希薄であるという御意見が
多々出ておりましたので,それに対する有効な啓発方法についての論議を今後展開し
たいと考えております。
また,5番目には家庭教育の意識啓発を進めるとき一番問題となりますのは,啓発
が必要な層に届かないことであるという御意見が,さまざまな子ども会活動,PTA
活動をした委員さんの中からたくさん出ております。そして,また子どもの成長に重
要な支障が生じるため,個別的な支援が必要な家庭もございます。啓発並びにセーフ
ティネット機能を持つ家庭教育支援の窓口をどのようにつくると,市全体として効率
的な支援ができるのかということを考えるべきではないかと思われます。特に,教育・
児童福祉・小児保健など,子どもに関する窓口を集中してわかりやすいものにするべ
きではないかという意見がありました。
これは,いわゆる「幹」に当たる部分ですが,この「枝」と「葉」の,いわゆる具
体論になりますと,アイデアに富んだ各委員さんの御意見がございました。今後これ
らを集約するに当たり,2点のことを考える必要があると思います。一つには,佐世
保の地域性を生かした家庭教育支援の内容・方法を考えるという視点。二つめには,
時宜性・緊急性の高い家庭教育支援の内容をという視点を考える。どれを一番にする
か,どれを大項目にするかという問題が出てくると思います。
それでは,「枝」と「葉」に関する意見の中で,項目を三つに分けましたので,順に
説明をいたします。
まず,項目1,啓発の部分です。家庭教育というのは,啓発という部分がかなりあ
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ると思うんですけれども,まず最初に,家庭における生活習慣の確立について考える。
例えば,あいさつ・マナー・手伝い・小遣いの使い方などを子どもにどう伝えていく
か等に関する家庭教育の学究。一緒にものをつくったりとか,あるいは食の大切さの
伝達。佐世保の食資源を体験したりとか,親子,家族で料理体験等が出ておりました。
それから家庭読書の習慣。朝の読書習慣や幼児期の絵本体験。これはファーストブッ
ク運動などが福祉の方ではやられているかと思いますが,それを発展的に活用する必
要もあるかと思います。それから,親子学習の勧め。「休テレビ運動」というような標
語も出ておりましたが,それとか,親子で学ぶ「楽しい教科書」の考案など。これら
の事業を,気軽に自由にだれでも参加可能な子育て講座などの開催によって普及徹底
を図るということ。
それから,項目2,子育ての場づくりです。一つ目には親子が育ち合う拠点として,
地域子育てセンターを充実させる。あるいは精選させる。それは孤独な子育て状況の
お母さんたちが集まり,触れ合い,話し合い,相談し情報を得て,仲間づくりをする
場としての位置づけがなされるという御意見。
それから,子育てに関する情報を発信する。情報化の中で,やはり子育てをする家
庭には情報が届かないというような御意見があり,子どもに関する情報の集約を,例
えば子育てイエローページ,パンフレットとか冊子,あるいはホームページなどを立
ち上げるという御意見。それから子育て支援専門スタッフの育成。これに関しまして
は,やはり支える人,サポーターを育成するという,専門のスタッフを育成する必要
性があるということ。それから,母親だけに育児が,子育てが偏りがちな昨今,父親
の子育て参加の促進,例えばお父さんの勉強室の開催とか,参観日に行くとか。それ
からお父さんと先生の出会いの場を形成するとか。こういうことが子育ての場づくり。
すなわち子育ての孤独を解消するための方法として,現在挙げられております。
最後の項目3でございますが,家庭や地域との連携。この中である委員さんから,
佐世保の市民憲章の趣旨に沿って,郷土愛豊かな子どもたちを育成するために,佐世
保と佐世保の学校や地域の連携を強化するということを考えるべきだ。その方法論と
しては,例えば学校と先生方との子育て学習会及び地域,企業との子育て学習会。こ
れは学習会というかかたい名称がついておりますけども,横・縦の連携を強化するよ
うな,そういう場をつくる必要がある。そして家庭教育の向上を図り,家庭教育の重
要性についての社会認識を高める必要があるという意見。
それから,最後になりますが,こういう活動をマスメディア等を通じて,「連携強化
の必要性」について広報する必要性があるという御意見も出ております。
以上,もう,まことに中間報告で申しわけない形になっておりますが,今後もこう
いうことに関しまして,議論を深めたいと思います。
以上,第1分科会の報告を終わります。
【会長】
どうもありがとうございました。時間もまだ十分余っておりますけども,これは,
後で討論の時間の方に回させていただきたいと思います。
それでは次に,第2分科会の「地域の信頼に応える学校づくり分科会」の御報告を,
○○座長さん,よろしくお願いいたします。
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【座長】
皆さんこんばんは。第2分科会です。第2分科会の「地域の信頼に応える学校づく
り分科会」の中間報告をさせていただきます。
まず,この中間報告をつくるに当たりまして,私自身が感じたことではございます
が,教育を変えるということは,社会を変えるということになりますので,膨大なエ
ネルギーが必要になりますので,今さらながらとんでもない任を引き受けたな と痛感
しております。
まず,進行状況から御説明いたします。まず,第1回の分科会で,地域における学
校に対する評価・現状と問題点について自由討議を行いました。想像したとおり,あ
まり芳しい評価ではございませんでした。それを踏まえまして,第2回,第3回に各
委員さんからの提言と,それに対する補足説明と討議を行いました。それを踏まえま
して,6月6日に,佐世保市の今の現状について,ちょっと各委員さんの認識を高め
ていただきたいということもありまして,第1回自主研究会ということで,佐世保市
教育委員会の方から佐世保市の学校教育の現状と今後の取り組みについてのヒアリン
グを受けまして,それについての自由討議を行いました。
第4回目に,各提言に対する討議検討を行いまして,今後の骨格づくりと申します
か,それについて今深めているところでございます。
中間報告でございまして,各委員さんの提言による検討課題でございます。a),b),
c)とか振っておりますのが,大体当分科会の幹に当たる部分になると思いますが,
まずa)学力向上のために。学校週5日制による基礎学力の低下を防止するためには
どうしたらいいかということで,少人数教育の導入。特に小学校低学年ですね。その
ためには,可能であれば少人数学級にするし,不可能であればチームティーチングを
取り入れるとか,学校ボランティアを導入するということとか。
2番目でございますが,「学校改革」はほぼイコール「教員改革」という考え方で,
資質の改革をということで,当然でございますが,初任者研修も含めますし,中堅も
含めますが,管理職も含む教職員研修の充実を行う。職場研修であるとか,カウンセ
リング研修等を行う。そのためには当然,市立の教員研修センターの充実・拡張が必
要であるということになってくると思います。
3番目に,教育の連続性の確立ということで,現状の,小学校は小学校,中学校は
中学校,高校という,自己完結的,断続的な教育を改善して,それぞれの子どもさん
は連続して学んで成長していくわけでございますので,幼児教育,小学校教育,小学
校教育と中学校教育,中学校と高校というふうに学校間の教員の交流・連携の確立と
いうのを目指していく。
4番目に,学びの動機づけのために,仮称でございますけども,「教育カルテ」とい
うのを導入して,いわゆる各子どもたちの評価ではなくて,児童生徒と保護者,担任
の三者面談による成長記録というものを幼児期からずっと上げていけば,それぞれの
子どもさんの,ある面で,ある時期の問題であるとか,そのときの希望であるとか,
そういうものの記録が継続されますので,それを踏まえて的確な指導ができるんじゃ
ないか。
5番目でございますが,各学校のレベルアップを図るために,どういう評価をする
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かということになってまいりますが,第三者の学校評価組織を設立して,各学校の評
価をオープンにして,それぞれの学校に,競争原理じゃございませんけれども,各学
校のレベルを上げていくというような提言がなされておりました。
b)でございます。学校のスリム化。現在の学校はありとあらゆる問題が,学校の
方に向いておりまして,学校自身の機能が機能不全になるほどに肥大化しているとい
う問題を改善しない限り,地域の信頼に応える学校に変革していくのが不可能ではな
いかという御意見がありまして,そのためには,学校の肥大化を改善し,学校が教育
の場であるという本来の姿に復帰するためには,1番目,学校・家庭・地域の役割・
責任分担の明確化ということで,第1分科会, 第3分科会とも協議検討するようにな
っていますけども,学校の責任と役割を明確にする。2番目に個々の児童・生徒に合
ったと申しますか,適した,ゆとりある指導を行うためには,現在の3学期制では,
学校の方の事務等が大変でございますので,2学期制を導入して,それによって時間
的,または精神的ゆとりを得まして,個々の生徒さんの指導に当たりたいという意見
がございます。
3番目には,学級崩壊を防止するためには,多動傾向児の早期発見・早期介入が必
要でございますので,現在大体6歳前後で行われております就学時健診の1年ぐらい
前に,就学予備健診というのを導入すると。そのためには,そこで子どもさんたちを
判定するためには,専門家であります児童精神科医でございますとか,臨床心理士の
方々の増員を行わない限り,その健診制度の導入は難しいことである。以上でござい
ます。
2枚目でございます。不登校・いじめの増加に対応するためにということで,現在
もう不登校とかいじめの問題は,学校と保護者間で解決できないような複雑な問題も
抱えておりますし,そういうことの相談窓口といいますか,対処窓口といいますか,
そういうことのために仮称ではございますが,「教育相談所」を設立したらどうだろう
か。そのためにはやっぱりスクールカウンセラー等々の増員が必要ではないかという
ことでございます。
c)でございますが,地域に「開かれた学校」づくりのためにということで,各学
校情報の公開。そのためには,保護者・地域に学校をオープンにする。今日,資料が
配られております○○小学校みたいに,学校公開日の拡充と,現在制度化されており
ます学校評議員制度の活用と充実。それとまた,公開授業を行うとか,そういうこと
によって,地域や保護者に学校の情報を公開していく。当然,情報公開がなければ,
前に申しました,第三者学校評価組織の方も評価ができませんので,そういう開かれ
た学校づくりを進めていく。
次に,今非常に問題となっております青少年の凶悪犯罪を含めまして,「こころ」の
教育の重要性でございます。モラルの低下が社会全般に見られる中に,やっぱり子ど
もたちに社会性,公共性のモラルを持った,自立した子どもたちを育成するために,
道徳教育の充実と実践。そのためには,学校の先生のみならず社会人の方々にも参加
していただいた社会人講座を開設したらどうだろうかということでございます。それ
と関連いたしまして,大体欧米では,教会が担っているような,そういう倫理観とか
道徳観の教育が,学校の方に日本では来ているのが現状でございますが,生命の尊厳
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と死の概念というものの実体験を伴った道徳教育。具体的に言いますと,最近はほと
んどの方が,お年寄りも含めまして,95%以上の方が病院でお亡くなりになられます。
そうなりますと,昔みたいに畳の上での大往生ということで,家族にみとられての御
臨終ということが少なくなっているのでございます。そういう中で,子どもたちが,
例えば同居だったり,同居でなくてもいいんですが,優しかったおじいちゃん,おば
あちゃん,身内 の方の御臨終に立ち会うであるとか,葬儀には出ると思うんですけど
も,そういう中で,火葬に立ち会って,元気だった,優しかったおじいちゃん,おば
あちゃんの骨を拾うとか,そういう体験が,どうしても子どもたちにショックを与え
るとかいう理由で,今少ないのが現状でございます。そういう体験を,やっぱりして
くることによって,命の尊厳であるとか,死というものの概念を子どもなりにも今ま
では収得してきたのではないかと思われます。そのためにも,そういうことを,その
重要性を家庭や地域に向けて,もう一回再確認をしていただけたら。そういう ことが
重要な道徳教育ではないかという御意見もございました。
次のe)でございますが,当分科会でも,やっぱり適正に欠ける教職員の方の問題
が出てまいりまして,どんな組織でも,適正に欠ける方はいらっしゃるわけでござい
ますけども,そうなりますと,教育システムの改善,そこに人事と書いてありますが,
それは常に県教育委員会の専権事項ということであるわけでございますが,私どもは
佐世保の市民であると同時に,県民税を納めている県民でございますので,県教育委
員会にもこの分科会として提言・要望したい。すべての人事に関しては,専権 事項と
いうことでございまして,我々分科会としても,若干フラストレーションがたまって
おりますので,「組織は人」という観点から,政府レベルでは一時「教員免許更新制度」
の導入が検討されたが見送られた経過がある。
1.教員として,適正のある有望な新人教員を採用するためには,仮採用して一定
期間の研修時期を経て適正・能力を判断して本採用するというような,採用制度に変
えたらどうだろうか。学校の組織活性と職員の意欲向上のためには,努力した教員が
報われるような教員の評価制度の改革をしたらどうだろうか。当然,県教委としては
一番のポイントに押されているとは思うんですけども。
3番目には,特色ある・魅力ある学校づくりというふうに,どこの市民会議等でも
テーマが挙がっておりますが,そのためには,やっぱり,人と物と金を導入しない限
り,現在ある人員と現在ある予算の中で特色を出せと言われても,なかなか困るとい
うような意見もございますし,佐世保市の方では今年度から予算については措置がと
られているようでございますけども,そのためには,管理・運営能力にすぐれた管理
職の方を登用していただく。その上で,学校長の裁量権を拡大していただくことによ
って,その組織の活性化を図っていくということでございます。この意見が出たとき
に,やっぱり管理職の先生方の能力が不足していたら,裁量権を持たせたら大変なこ
とになるという御意見がございましたので,管理職の方の登用に関しても,一応意見
を入れた形になっております。
そのほかにも,国際性の問題でありますとか,佐世保らしい子どもとかいうテーマ
で提言が出ておりますが,それについては今後当分科会の方でまた再度検討いたしま
して,提言書が作成できるように努力していきたいと思います。
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以上でございます。
【会長】
どうもありがとうございました。それでは,最後に第3分科会「共育をめざす地域
づくり分科会」の○○座長さんから御報告お願いいたします。
【座長】
それでは,第3分科会の「共育をめざす地域づくり分科会」の中間報告をさせてい
ただきます。ほかの分科会よりちょっと枚数が多くなっておりますので,少し余分に
時間がかかると思います。幸い,二つの分科会の座長さんが比較的早く進めてくださ
いましたので,できるだけ時間内でと心がけますが,時間オーバーするかもしれませ
ん。よろしくお願いいたします。
まず,最初に御説明しなければいけませんのは,第3分科会はほかの二つの分科会
より一度余分にやってございます。できるだけ,少し進んだというような形にしたい
と思っておりましたが,まだまだ議論が残されている状況です。そうした中での中間
報告となります。それでは,お手元の資料に沿って御説明させていただきます。
これまでの進行状況です。まず,第1回,第2回,第3回,第4回,第5回と行っ
てまいりました。まず第1回,4月 17 日の開催ですが,このときに第3分科会とし
ての意見集約アプローチとしまして,KJ法による「島づくり」,「教育を巡る課題」
についての各委員さんの意見をキーワードごとに分類していくというような方向を決
めました。そうした中で,第1回のときに出されました意見といいますのが,そこに
挙がっている中心的な項目で,こうした項目が第2回,第3回,第4回と続くことに
なりました。それでは,まず第1回のときに出されました御意見を紹介させていただ
きます。
まず,「佐世保らしさ」の共通認識の形成。どういう方向性を持ったらいいのだろう
か。それから,若い人が戻りたくなるような街へ−自分の街を語れるように。次に,
体験学習の場づくりを−地域の人々の交流の場としても。それから,子育ては親育て
てあるということで,ここでは,父親の孤立が挙げられました。参加できる場・参加
できる何かを考えていかなければいけないのではないか。そして,それと共通してお
りますが,大人の仕事からの解放の必要性。活動の時間が必要であるだろうというこ
とです。一方,子どもの視点からは,学校週5日制で生まれた時間の活用をどうする
かといった点が指摘されております。そうした全体的な中で,地域活動の拠点づくり
−自然環境・生態系・スポーツ・自然博物館など,ボランティア育成等が挙げられて
おります。さらにはこのときに,教員研修の充実といったことが,この回と次回にわ
たって挙げられておりますが,これは第2分科会の方へ,提言として回させていただ
いております。
第2回で話されましたことといいますのは,第1回で出されたことが深まっていく
過程が中心的なんですが,その中で子育て支援サポーター養成の制度化。見守ってく
れる大人の存在が非常に大事なのではないかといったことが,具体的に挙げられてお
ります。そして,大人の地域的なつながりを育成するためにはどうしたらいいのだろ
うかというようなことで,公民館とか,小学校単位の広さの地域を考えるといいので
はないだろうか。それから大人が語り合える,それから学べる場づくり,大人が動き
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やすい地域づくりというようなことが挙げられました。その中で,やはり大人が仕事
から解放されること。これにはどうしても企業の協力といったことが挙げられます。
しかしながら,今こうして私たちが市民会議で話し合っております,その家庭の問題,
家庭の崩壊及び地域共同体の崩壊現象というのは,これまでの日本の高度経済成長の
中,父親が企業・職場に取り込まれた中で起こってきている背景を考えなければいけ
ないだろうと思います。そうした中で,特に注意しなくてはいけないのは,父 親不在
現象という現象です。これは,逆にいいますと,お父さんは物理的にいるんだけれど
も,精神的な存在となっていないという現象です。ですから,「亭主元気で留守がよい」
というキャッチフレーズが一時はやりました。これは,まだ救いのある状況なんです。
お父さんのことを気にかけています。ところが,いてもいないのと同じというような
状況,これは非常に重症だと思います。家族の心の中に存在していない状況。こうし
たことを考えていきますと,それと同時に,孤独な母親の存在,逆に孤独な父親とい
ったことが挙げられるだろうと思います。
次のページに参ります。そのときに,教師のことについても挙げられました。地域
に帰り,地域活動の一員として活動する必要があるのではないかと。それから地域に
埋もれた人材発掘,このときに退職者とか高齢者の人材活用。既存の施設の活用,活
性化へ。さらには,企業の社会的貢献についても話されました。そのときに,行政化
や企業のボランティア休暇制度などのことが挙げられております。
第3回の場合も,さらに深める形になりましたが,特に,ハード面,拠点となる場
所をどうとらえたらいいか。それからソフト面,人に関することです。ですからここ
でも場というところをどう考えるか。それから人をどう育てていくか。そうした場所
と人とのことが話されました。
第4回は6月 11 日の開催ですが,ここで,現在も,これから議論を深めていかな
ければならないことが話されたわけです。それといいますのは,地域の活動及びそう
した活動の運用単位をどうとらえ,どう考えていくのか,ここが非常に今後も大事な
点になるであろうと思います。地域の教育力再生の場として,現在町内公民館それか
ら町内会を一つの単位として考えていく視点がございます。しかしながら,疑問の一
つとして挙げられておりますことが,町内会単位の活動というのは,人々の価値観の
多様化によって廃れてきた経緯がある。「昔を再び」では機能しないであろうというこ
とです。
それから疑問の二つ目,上意下達式の活動方法は若い世代の多様な生き方に合わな
いのではないだろうか。つまり,活動をするにしても,その活動単位の枠組みは緩や
かにした方がよいであろうということです。さらに,もう一つの組織ネットワークの
あり方なんですが,目的別の自主的なネットワークの必要性ということです。やりた
い人がやりたいことをやる自主的方式。区域を越えた集まり。具体的に言いますなら
ば,例えば「YOSAKOI祭」です。こうしたことなどは自主的な活動に負ってい
るのではないか。また,企業とか地域の活動単位も含まれておりますけれども,そう
した一つのイメージです。もう一つ話されたことといいますのは,人的教育力として
のボランティアの育成・普及について,どのように取り組んでいったらいいだろうか。
体験学習を支える人的ネットワークを形成する場合,ボランティアをどう募るのか。
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地域コミュニティー,地域クラブ・教育クラブ・児童センター・公民館。それから,
企業の協力を求める場合,企業にボランティア活動への理解を深めてもらう。その前
に,ボランティア休暇制度の運用。それから,まず,企業に求める前に,行政が率先
してボランティア休暇制度の導入などを図っていただいたらどうだろうかということ
です。
さらには,こうしたボランティアの人的ネットワークを活発化させる場合,エコマ
ネーという地域通貨制度というのが今全国に広がっておりますが,こうした制度の運
用も一つの案として考えられます。さらには,こうした活動の拠点となる総合教育セ
ンターの新設といったことも挙げられました。
そうした中で,佐世保市の現状を知るためには,私たちが勉強しなければいけない
ということで,第1回目の自主研究会を開きまして,佐世保市の行政・団体等の取り
組みと現状について,関係機関よりヒアリングをさせていただきました。
そして,第5回で,全体会の今日に向けての中間報告,具体的提言づくりという形
で行ってきたわけです。
以上の過程で ,浮かび上がってきた像といいますのは,2番目の中間提言の案です。
そこを今から目通しをさせていただきます。
まず,基本的な柱として,地域分科会としましては,生きる力を養うために ,これ
はいろんなとらえ方がございますが,まず,子どもの自立心・社会性の育成に向けて,
地域としてどう援助をしていったらよいのだろうかということです。そのために必要
なことは,今までの議論の中で浮かび上がってきたことです。地域の活発な交流と連
携。人と場の必要性です。まず,短期・中期的施策といいますか,これはある意味で
は緊急を要する施策でもつながると思います。完全学校週5日制に地域性としてどう
対応していくか。受け皿づくりといったことも考えられます。1番目として,学校教
育だけでは難しい体験学習。これは,子ども・親子の双方を対象として考えたもので
すが,どちらにも必要性があるということです。それは体験学習の中で失敗や成功の
過程を経験して,達成感の喜びの獲得,そうしたことを目指すものである。そして,
それは遊び,その中でも,異なる年齢集団活動の取り組み,地域子ども会,児童会,
生徒会といろいろ挙げられるだろうと思います。自然体験,農業体験,物づくり体験,
スポーツ,文化,通学合宿等いろいろ挙げられました。その中で,考えなくてはいけ
ないのは,障害を持つ子どもとの共生,それから男女共同参画の考え方をベースに入
れなければいけないということです。
2番目として,体験学習を支える人的教育力 の組織。これを形成していくというこ
と。そのためには,ボランティアを中心とした組織活動。そして各自の自発性を尊重
してできるところからというような,無理な設定はしない方がいいのではないかとい
うことです。
次のところは,家庭分科会との連携になると思うんですが,そうした地域コミュニ
ティーから子育て支援ネットワークを形成していく。こうした子育て支援ネットワー
クがかかわる部分,孤立する母親,あるいは幼児虐待,いじめ,不登校への対応,そ
うしたことが関連してくるだろうと思います。こういうものが,できれば制度化して
いってもらいたい。つまり,こうしたネットワークに対して,行政が率先してという
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よりは,行政に望むことといいますのは,このネットワーク支援,つまりネットワー
クへの信用供与という働きを求められるわけです。こうしたネットワークは勝手に動
いているのではありません。行政は信頼してお任せしていますよというようなサポー
トです。そうした形が非常に重要なのではないかと思います。そしてこうした今まで
の中から浮かび上がったことは,先ほど社会を変えることは非常に難しいという言葉
が出ました。確かにそうだと思います。そのためには,まず元気な大人という一つの
姿です。地域の大人が変わることがまず大事であり,地域の大人のつながりを形成し
ていくことであろうと思います。こうしたことわざがございます。「他人と過去は変え
られない。自分と未来は変えられる」ということなんですが,一人ひとりがそうした
気持ちを持っていれば,大きな力とつながっていくだろうと考えます。その元気な大
人から浮かび上がってくるというのは,人間関係の信頼性の回復であり,認め合うと
いう関係性であろうと思います。こういう元気な大人をつくり出すために,企業の協
力の必要性,それから,先ほどの繰り返しにな りますが,行政によるボランティア休
暇制度。そして先ほど御説明いたしましたネットワークへの信用供与という形です。
3番目に参ります。体験活動の拠点としまして,設備を求めるというのではなくて,
「自然な場所」の確保。できるだけ自然に恵まれたというような場所です。それから
既存の施設を利用していく方向へ考えていこうということが出されました。そして,
空き施設の活用。この空き施設の活用といったことから「学社融合」への課題といっ
たことが出されました。学校を核にした地域の交流。空き教室などの活用。そして,
学校開放による「社会教育」。地域の人材の授業参加による「社会教育」などが考えら
れます。
そして,4番目としましては,先ほど,これが今後も議論を重ねていくところです
が,活動運用の単位をどう考えていったらよいか。これは今後も議論が必要なところ
です。
そして,こうした短期・長期的なものとして挙げた活動のどれもが,3年から5年
ごとぐらいの見直しを図る必要性があります。それを絶えず行うことで,しっかりし
たものとして成長し,またつくりあげられていくだろうと思います。。
次に,長期的な施策の方ですが,佐世保のグランドデザイン,つまり「佐世保らし
さ」をどう求めていくかといったことがやはりどうしても問われてきます。そのとき
に,3本の柱といったことが挙げられます。まず,これまでの縦軸としての時間的な
歴史です。ここには先人の知恵等が詰まっております。歴史があって,そして,現在
の姿があるわけです。そして横軸として,現在の佐世保市の姿,どういう状況なのか。
そして未来へつなげていく,そこに子どもの姿があるわけです。
その中で,多くの議論を重ねてきた中で,必ず出てきたのが,佐世保の自然といっ
たことが何度も触れられております。そうすると,佐世保らしさといった場合に,美
しい西海の町というイメージが一つ出てきます。海に面し山を背にした風光明媚で豊
かな自然環境,そうした中での自然体験,これは次世代後世に伝える財産としての自
然環境であろうと思います。そうした中で,この自然環境をまず残していくための積
極的な取り組みと実践。エコクラブであったりエコライフ,大気汚染,ゴミ問題ある
いはリサイクル。そうしたことから消費一辺倒の生活見直しなどが考えられます。あ
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るいは循環型社会といったことも考えられるでしょう。専門家にお聞きしましたら,
佐世保市は現在,20 万都市の規模の中では,環境の状況はまだ良好だそうです。これ
は考えてみましたらば,大企業,大工場が比較的少ないことが,逆に幸いしていると
考えられるんです。しかしながら,これは今後どのようになっていくかわかりません。
しかし,現状が良好であったからといって,それでいいということではないと思いま
す。そうした点で,この環境への視点。そのために,自然科学技術への関心を高めて
いく。自然科学館・児童館・博物館,そうしたものの必要性なんですが,佐世保市地
域教育の拠点としての,そうした「させぼ総合教育センター」新設の検討といったこ
とが挙げられて おります。また,このセンター に求められる機能としましては ,国際
理解,国際交流推進のまち,姉妹都市交流。ここにやはり佐世保のグランドデザイン
とかかわってまいりますが,ひとつ国際理解・国際交流推進といった場合に,開かれ
た都市というイメージが出てきます。住みやすいまちといったものは,一体何が大事
なのかといったときに,必ず人間関係がいいといったことが挙げられます。つまり,
よそから来る人々に対する開放性ということも 含まれるのですが,ここでバリアフリ
ーという視点を挙げさせていただいております。これは心理的なバリアフリー といっ
たことがまず第一です。ここには信頼関係があるということ。それから物理的な目標
としては,建物とか道路とか,そういった点でのバリアフリー。いわゆる障害を持つ
子どもの教育の充実。それに対応する環境,さらにはバリアフリー,同じく男性,女
性という,そういう性別におけるバリアフリーも考えられるだろうと思います。です
から,男女共同参画の視点がここに入ることは言うまでもありません。そして 佐世保
市の未来へつなげるといったことで,「させぼっ子」,どういう「子ども観」,「子ども
像」を求めるのかといったことが問われてまいります。国際理解・国際交流・高度情
報操作能力。そうしたことをもし掲げるのであれば,それに対応した教育のあり方と
いったことが問われることと思います。順序が逆になってしまいましたが,3本の柱
の縦軸の一つである,佐世保への歴史的な認識,歴史・伝統・文化の形成。さらには,
こうした点から高齢者への視点,そうしたことも考えられるであろうと思います。
ちょっと時間が長くなって申しわけございません。以上で終わらせていただきます。
【会長】
どうもありがとうございました。少し,予定より,早く御報告の方は終わっており
ますが,大変丁寧に資料を用意していただいておりますので,ここで5分ほど休憩を
して,後の議論の方を少し長目にとらせていただきたいと思います。それでよろしい
ですかね。それでは,ただ今から5分ほど休憩をいたしまして,7時 50 分から話し
合いをいたします。
それでは,時間になりました。おそろいになりましたので,再開をさせていただき
ます。
ただ今,3座長さんから大変明快な,また皆様方の大変緻密な御討議の結果という
ことで,豊富な内容を持った御報告をいただきまして,まことにありがたく思ってお
ります。会長,副会長はこれで何とかいけるんではないかということで,少しにこに
こいたしておりますけども。ただ今お話をお聞きになりまして,それぞれ分かれて議
論をしておったわけでございますけども,他の分科会からの意見につきまして御不明
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の点,あるいは御意見等ございましたら,どうぞ御遠慮なくお願いをいたします。
この後,この出されましたものについて,討議を深めていくという趣旨でございま
すので,活発に御意見,御質問いただければいいと思います。どなたからでもよろし
いですのでよろしくお願いいたします。
【委員】
○○と申します。第2分科会の「地域の信頼に応える学校づくり」の報告について,
御質問をしたいと思います。
私,この報告を聞いておりまして,実はこの分科会には一度も傍聴には行けなかっ
たんです。それで今日の報告だけを聞いて質問するので,大変失礼なことを申し上げ
るかもしれませんけれども,私の率直な感想を言いたいと思います。
この報告を聞きながら,学校改革イコール教員改革という考えでということであり
ましたけども,確かに今の時代,そういうことを言われていますけれども,「教員改革」,
教員というのをどういうふうな資質を持った人間とお考えなのでしょうか。
それと,b)のスリム化のところですが,学校の肥大化を改善し,そこは今いろい
ろ挙がっています,子どもの生活指導,かれこれすべて学校が請け負っていると。で
すから学力向上のためには,学校がもっとスリム化してということで,そこに,「学校
が『教育の場』という本来の姿に復帰する」ということを書いてありますけれども,
「教育の場」という,その教育をどのようにお考えであられるのか,その「教育の場」
というのが,学力をつける場なのか。そこはちょっと,私は矛盾するんじゃないかな
と思って聞いておりました。私たちは,教育は子どもの,特に小中学校は,人格を形
成するという大きな責任がありますので,教職員自身が自分自身の人格をちゃんと持
たないと,やはり子どもの人格はしっかりしたものにならないわけですから,一人ひ
とりの教員がそれぞれ個性とかポリシーを持っているわけです。だから,いろんな教
員が私はいて当たり前と思うもんですから,教員の姿を同一に,同じようにそういう
研修と評価によってするということは,非常に厳しい学校になるんじゃないかなと感
じました。
それと3点目に,学級崩壊の防止のためということで,就学予備健診をもっと早く
ということでございましたけれども,子どもの成長というのは,どんなふうにとらえ
られているのかなと思いました。私も就学児健康診断にかかわったことございますけ
れども,本当に子どもというのは,入学前の3カ月というのはものすごく成長するん
です。10 月に面接した子どもさんが,3月にはもう見違えるほど全く変わっておりま
す。それほど子どもの成長は短時間で,就学期の,就学前の子どもの成長は早いので
す。その辺が私は,子どものとらえ方というのを,お尋ねしたいなと思っております。
以上の3点です。すみません,よろしくお願いいたします。
【座長】
御質問について私から答えていいのかどうかちょっと悩みましたけども,まず,第
1点でございますね。そこの学校改革イコールだけではなくて,ちょんちょんがつい
ておりますので,学校は教職員を変えればいいということだけじゃなくて,当然,保
護者も含む家庭も変わっていかなきゃいけないわけでございますから,第1の御質問
の,教職員という概念でございますかね,をどういうふうにとらえるかということで
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ございましょうか。だから,当然それは,それぞれ職種はございますし,専門職とい
うことでございますので,先ほどから○○委員さんの方から出た,それぞれ個性ある
先生方がいらっしゃるわけでございますから,それはそれなりのとらえ方をしないと,
どの組織でもいけないと思うんです。すべての人が画一的な組織の中で画一的な人格
であるとか,画一的な能力を持てるかというと,そういうことじゃなくて,ここで申
しています研修等は,当然その資質アップであったり,そういうことを目指している
わけでございまして,すべての教職員を画一的に統一してしまおうとか,そういう意
図ではございません。
そして,次は「教育の場」ということでございましたね。「教育の場」の中には当然
そういう人格形成とか,道徳教育,それは入っております。ただ,家庭ができる基本
的な生活習慣というものまでも,学校に求められても困るということで,それは家庭
分科会とかそういうこと,先ほどから発表があっておりますが,そっちの方でやって
いただく。あくまでも学校は,学問というか,知識を教える場というだけのとらえ方
は第2分科会はしておりません。
第3番目の質問の,就学予備健診のことでございますが,私も二十何年か子どもを
診ておりますから,どの成長の過程が,どこでキャッチアップしてくるかは,十分存
じておりますが,今特に問題になっておりますのは,もう就学時健診で初めて見つか
る自閉症であるとか,そういうのが,もっと早く見つかっていらっしゃれば,親御さ
んのショックも少なかっただろうし,もっと早く何らかの介入とか,そういうことが
できるんではなかったかということが,就学時健診の中でいろいろ問題になってきて
おりますので。5歳のときちょっと多動傾向があるから,即ADHDであるとか,多
動児であるとか決めるんじゃなくて,その段階で当然,専門家に診ていただいて,も
う少し様子を見ましょうとか,これはちょっと早目にカウンセリングをしましょうと
か,そういうことをやるために,前倒しでやったらどうか。その6歳のときにやって,
早過ぎるとか遅過ぎるとかの論議じゃなくて,早目にそういう方は早期発見してあげ
た方が親御さんのためにもなるしということの趣旨でございます。
以上でございます。
【会長】
ほかに,ございませんでしょうか。
【委員】
よろしいですか。質問させていただきます。委員の○○です。第2分科会にです。
よくまとめられて,私感心しているんですけども,二つ,ぜひ次に議題に上げてほ
しいのを言わせていただきます。
一つ検討していただきたいのは,ちょっと厳しいかもわからないけど,児童生徒に
よる教員の評価。かなり厳しいと思います。少なくとも,中学校の段階ではできるん
じゃないかなと思っているんですよ。
それと,少しオーバーラップしますけども,2番目,佐世保市だけの,例えば共通
テストの実施。小学校4年及び6年。中学校1年及び3年。これは1年飛びましたら,
4年生は6年になりますから,継続して1年置きぐらいでやっていただきたい。その
バックグラウンド,背景です。新しく,例えば,仮称ですけども,児童文化館とか,
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今ある佐世保市教育センターを一緒にした,総合教育センターをつくっていただくと
仮定した場合に,そのソフト面で,共通テストの実施という場合には,どのようにや
るか。先生方プロですので,教育の目標は三つあるわけです。さっきから出ています
知的領域,認知面。算数の,例えば分数計算ができるかとか,掛け算がどうなのか。
それと2番目,情意領域。やる気,悲しいんだとか,ある物語を読んでうれしいとか,
悲しいとか,そういうふうな情意領域。それと技能領域。体育とかです。認知 領域,
情意領域,技能領域を評価できるような共通テストです。そこら辺,ちょっと難しい
ですかね。先生方は,例えば教材の分析で,単元目標の分析として,横軸に例え れば,
認知面ならば,階層性になって,知識,理解,知識の面が一番低いです。知識,理解,
応用,分析,総合,評価と6段階になっておりますから,算数なら算数をやるときに,
知識の面はどれなのか。知識を変換したレベルはどれなのか。そういうようなことを
きちんとやった上での,認知情域の,そこら辺はもし,共通理解がとれないとしたら,
そこで佐世保市の総合教育センターが生きてく ると思うんです。そこでいろいろ検討
をして,例えばすぐ,共通テストをやれとか,児童生徒による教員の評価をやれとい
うんじゃなくて,そういうようなことも将来やる必要もあると。そのための,いろい
ろな勉強会あたりを総合教育センターでやる。今,日本の教育はすごいです。国立大
学でも,もう数年したら国立じゃないようになるんです。私,○○高専教員ですけど,
しばらくしたら独立行政法人化になるんですよ。大学は,国立大学は国で面倒見きれ
ないんです。文部科学省自身が,トップサーティを選ぶわけです。国立,公立,私立,
合わせて 30 大学を選ぶ。そのような大きな流れですから,我々,義務教育の段階に
おいても,ある程度先を見て,児童生徒による教員の評価あたりもある程度,数年後
にはやる必要もあるし,共通テスト,本当は国自身が共通テストをやってほしいんで
すけども,それが無理ならば,佐世保だけででも。ただ,算数の計算ができるとか,
分数の計算ができるとか,理科の何かができるとか,社会のどういうのじゃなくて,
さっき申しました,認知,情意,技能。そういうふうなのをチェックできるような評
価共通テストをやってほしい。これはぜひ第2分科会で,あとまたいろいろ検討なさ
れてほしいという私の願いです。
以上です。
【会長】
どうもありがとうございました。
【委員】
それと,ちょっと,すみませんつけ加えます。○○高専では,我々の全生徒による
教員評価をやっております。もし,よろしければインターネットでごらんになってく
ださい。
【会長】
どなたか第2分科会の方は。御検討くださいということですから,御検討いたしま
すという……。
【座長】
私がお答えするのが妥当かどうか。御質問の一部が,私専門じゃないので,理解し
ていない部分もあるんですけど,その共通テストのことなんですけども。第2分科会
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でも,児童生徒もしくは保護者より評価をどうするかとかいう意見もちょっと出たこ
とがございます。その中で,今,○○委員さんの方から,中学生レベルでということ
だったんですが,その評価方法をある程度考えないと,その児童生徒に迎合したよう
な先生が評価されるようであっては,それは長く続かないだろうということ。検討課
題としては,どのような評価を持って,評価システムといいますか,評価制度を持っ
てくるかということに尽きると思います。それと共通テストのことも,他都市ではや
られてますし,第2分科会でも第三者評価機関などを設ける場合には,そういう各学
校のレベルアップを図るためには,基礎データとして,ある程度そういうものが必要
ではないかという意見も出たことは出ておりました。だから,それが具体的に,情緒
面とか認知面とか技能面とか,そういうところまでは私も専門職じゃございませんの
でよくわかりませんが,そういう御意見も一時出ておりました。だから,今後検討す
るかどうかを,まず第2分科会の中で諮りたいと思いますけど。
【会長】
どうもありがとうございました。
今の御質問で,教員の評価ですか,先生おっしゃるのは。授業の評価ですか,教員
の評価なのか。
【委員】
ちょっと説明が不足しましてすみません。授業の評価です。どのような授業を行う
か。例えば,うちの学校でしたら,シラバス,授業概要を子どもたちが持っておりま
すから,例えば私,物理でしたならば,2年生の物理は前期はこれだけやる。後期は
これだけします。実験はこれだけやります。じゃあ,学生はどういうふうにやるかと
いえば,先生が意欲を持っているかとか,先生がシラバス,授業概要に沿ってやって
いるかとか。質問には優しく答えるかとか,授業のやり方による評価です。それと同
時に,学生自身が自己評価もしております。自分は先生が言われたのを,板書以外で
も,例えばきちんとノートをとるかとか。宿題はきちんとやっているかとか。そうい
うなのを,自分の評価及び先生の授業の評価です。教員の人格とかなんとかじゃあり
ませんので。授業の評価です。
以上です。
【会長】
ただ今のことに,共通テストももちろん結構ですが,何か,第2分科会で御意見の
ある方があれば……。はい,どうぞ。第2分科会でなくても,もちろん。
【委員】
第2分科会のことではあるんですが,学校のスリム化で。私も一つ賛成なんですけ
ども,学校のスリム化。学校,家庭,地域の役割り,責任分担の明確化というのが必
要だと思うんです。だけども,昭和 40 年代ですかね,余りにも明確化し過ぎて,こ
れは地域のことだから学校はやらないよ,例えば学校内の地域児童会の取りやめとか,
いろんなことが起こってきています。ですから,責任の役割分担を明確にすることは
大切ですけども,それをお互いに支援していくような体制を同時にしなければ,責任
の押しつけ合いだというような形になると思うんですので,その体制というのも,つ
まり一緒に共通となっておりますので,やっていかなきゃいけない問題かなと思い,
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ひとつ気をつけて,考えていきたいと思っております。
【座長】
集中砲火を浴びている第2分科会ですけども。今の○○委員さんの御提言,まこと
にそうだと思います。ここで書いているのは,決してその,スリム化をするというこ
とは非常に大前提でございますけども,あまりにも責任を明確化し過ぎて,それは,
お互いに責任を押しつけ合う場ではなくて,当然そこはかみ合ってこないといけませ
ん。そこの第1,第3分科会との協議の中でかみ合いを検討するわけでございますけ
ども,これがあまりにも行き過ぎますと,当然,学校はここまで,あとはよろ しく,
になってしまいますので,ここの危険性を含んでおることは,重々私も承知しており
ますし,そこは簡単に,言葉では書くことはできますけども,実際にどのように第1,
第3分科会とすり合わすと申しますか,協議をしていくことが重要だということだと
思います。
【委員】
座長さんが一生懸命頑張っておられますけど,三つの分科会の中で,学校がやはり
一番皆さん関心の的であるし,教育というとすぐ学校教育と同列で語られるぐらいで
すから,今いろいろ御意見があるのは当然なんですが,でも御質問は御質問として,
御意見は御意見として,当然我々は受けとめてやっていかなきゃならないんですが,
この場は同時に,我々が学校を考えるときに,地域とのかかわり,家庭とのかかわり
というのは当然考えるわけです。それで,我々が考えている分を,地域で考えられた
ときに,自分たちが協議した中で,学校とのかかわりをこういうふうに考えていると,
こういうふうに地域の立場から提言したいと,あるいは家庭から学校に対してはこう
いうふうな提言をしたいということを少し,ここでやっておった方が,次に持ち帰っ
たときに,やりやすいのかなと。逆もあるんです。学校の立場から,それこそ分担で
切ってしまうんじゃなくて,全体でやるべきことを見て,その中で,学校はこれしま
す。だから,学校が地域に対して,あるいは家庭に対して,こういう御支援ができる
んじゃないかと。そのつながりがどういうふうに見ているかということです。三つの
分科会で分けて,それぞれ提言されるのですが,最終的にやはり統一した,統合した
佐世保市の教育ということで統合されていくわけですから,その視点の話も学校の方
にも少しいただければ,先ほどの御意見とか提言もさらに深められるんじゃないかと
思いますので,よろしくお願いします。
【会長】
ありがとうございました。第2分科会では学校のスリム化ということについて,何
かもう少し具体的に御検討になった結果,例えば,私は第3分科会でいろいろ話を伺
っておりますけども,第2分科会ではこういう意見なんだけどということで,議論を
進めていく上で参考にさせていただけるような,そのスリム化について少し具体的な
お話というのは,行われておるのかどうか。
【座長】
スリム化ということの中で具体的に出ているのは,その2学期制とか,そういうの
は出てますけども,まだ,家庭と地域との役割分担に関しましては,具体的な検討段
階には,まだ第2分科会は入っておりません。
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【委員】
○○です。ただ今第1分科会,第3分科会の御報告をお伺いしまして,例えば,第
1分科会の方では,家庭における生活習慣の確立というようなことを,啓発の項目の
ところに書いてございましたけれども,そういったことを現在非常に学校に頼ってお
られる部分というのがあるんじゃなかろうかということを,この責任分担の明確化は,
自分が学校におりますので,学校の立場で申し上げたんですけれども,そういったこ
とを念頭に置きまして申し上げたかなと思います。例えば,第3分科会の方では,地
域コミュニティーのところで,いじめとか不登校に対しての対応ということで,学校
と地域の連携というんでしょうか。そういったことで出されているんじゃなかろうか
と,ちょっと今日の報告を伺いまして,自分なりに納得したというか,そういう形で
自分の中で消化をしていけたんじゃないかなというふうに自分で思いました。そうい
ったところをそれぞれの分科会で考え合っていけば,こうして第2分科会の中に書い
てあります「責任分担の明確化」というのが,押しつけ合う,学校は知らないという
ようなことではなくて,どうしたってその線を引くことはできないと思うんです。絶
対に重なっている部分というのは出てきます,集合っていうんですか,円が二つかい
てあって,重なっているところがあって,必ずそういうところがあるようです。そこ
をお互いに話し合うというのか,協力をし合う,信頼関係を結び合える。そういうふ
うになっていったら,自然と責任分担とか役割というのが見えてくるのではなかろう
かと。そのためにも,ちょっと第2分科会の中に書いていましたけれども,学びの動
機づけのところで「教育カルテ」というのを書いてあったかと思うんですけども,そ
こにありますように,保護者と担任,学校側がもっとこう話し合える,もっといろん
なことで協力し合えるんではなかろうかなと。そうしたときに,その「教育カルテ」
みたいなものがあれば,さらに充実した学びの場としての学校とか,生徒に対する学
びのモチベーションというんですか,そういったものを持たせてやれるんじゃないの
かなというような方向での話ではなかったかなと思いますので,つけ加えさせてくだ
さい。
以上です。
【会長】
どうもありがとうございました。ほか,何かございませんでしょうか。はい,どう
ぞ。
【委員】
失礼します。私,暇人なものですから,ある程度分科会を聞かせていただきました。
後ろから拝聴していると,非常に勉強になりまして,活字を追って難しい本を読むよ
りも,随分2時間いろいろな勉強をさせていただけるなと思っております。
学校分科会もたしかすべて後ろで聞かせていただいたと思うんですけど。学校の教
員として聞いていると,やっぱり学校と保護者の間に一つ壁があり過ぎたんだなとい
うのをよく感じるんです。だから,さっき○○委員さんの方からも言われたように,
スリム化する話じゃなくって,その前段階として,多分それもお考えだと思うんです
けど,学校と保護者とのその壁というのをどうやって取り払うか。学校分科会 でも,
とんでもない教員の話も出まして,○○委員さんと,後ろにいらっしゃる学校教育課
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の次長さんと,苦虫かみつぶしたような顔をされているのをちょっと覚えてるんです
けど,そういうのもあったんです。こう,いろいろ話を聞いていると,やっぱり開か
れた学校と言いながらも,なかなか学校の先生がどういう仕事をやっているのかとい
うこともまだ理解していただいてない部分,それから保護者の方の意見というか,考
え方というものを私たちが聞く場もあるだろうなという考えはあります。だから,そ
こら辺の兼ね合いというのをどう持っていくかということも,スリム化とあわせてや
っぱりどうしても外せないところだろう。この会が終わってから何回か,エレベータ
ーをおりる前で,委員さんたちといろいろ話をさせていただいて,なるほど,こうい
う意見もあるんだなというのは,非常に私としてもためになりますし,そこら辺がも
のすごく,目の前に教師と保護者というのがいながら,なかなかひざを割って話すと
いう機会が薄れていたんだなというのは感じました。
【委員】
私は2分科会ですが,1,3の分科会もほとんど参加させていただきましたが,い
ろんな思いがあります。先ほど出ました教育関係の問題も,それから2学期制の問題
も私の現場での経験の思いの中から,今○○委員さんから出ましたように,保護者と,
そして子どもたちとのコミュニケーションをとりながらお互いの学びを確認しながら
という部分での問題であったんですけれども,いわゆるボランティアとかそれからコ
ミュニティーとかという言葉が随分今の報告でも出てまいりました。○○小学校をち
ょっと例に出すのもおかしいんですが,学校開放デーの裏に,ふれあいルーム開設を
しましたということで,挙げておりますが,これは一つの私の試みです。スクールボ
ランティアさんを地域の方,あるいは保護者の方に募集しまして,ここにもいらっし
ゃる○○委員さんも実はうちの学校のスクールボランティアとして,毎週月曜日の午
前中,うちの学校のふれあいルームに来ていただいているんですが。そのふれあいル
ームの中で,子どもたちは生き生きと地域の方とコミュニケーションを図っている。
これがやがて,地域の皆さんが子育てや,あるいは育児についての相談の場と広がっ
ていけばいいかなというふうに思っております。明日,学校開放をしますが,ふれあ
いルームも開設をしましたので,見ていただきたいというふうに思っております。実
際,○○委員さんがスクールボランティアとして学校へ来てくださっておりますので,
ちょっと御感想を聞かせていただけたらと思います。
【委員】
こんばんは,○○です。私は一度ちょっと欠席いたしましたが,そのほか,開設さ
れましてから, ほとんど出かけております。その中で感じますことは,個人的にでは
ありますが,近所にいる子どもで,そこはちょっとお母さんがいらっしゃらない家庭
で,いつもうちに遊びに来る子どもがいるんですが,私が学校に行っていると,休み
時間だけが開放されて,子どもたちが来るわけですけど,いるかいないか,ちょっと
やっぱり見に来るんですね。「やあっ」て手を挙げて,「あっ,来てた」って言って,
顔を見てもういなくなるんですけど,それだけでも,何か自分を見てくれている人が
いるっていう,子どもは自分の存在感を認めてもらうだけですごくうれしいんじゃな
いかと思います。だから,特別に,この子どもに何かをしてあげようとか,私自身ま
だ何ができるかわからずに,皆さん見えている方,何かできるかもしれないという,
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ただ,子どもと遊ぶだけでもいいかもしれないという軽い気持ちで見える方,何かほ
かにもっと気持ちを持って見えている方もあるのかもしれませんが,私の場合はそう
やって,顔見知りの近所の子どもたちが顔を見に来て,「あっ,また今日来てくれてい
て,自分たちを見てくれている」という,子どもたちが認識をしてくれれば,それで
大分,自分としての役割を果たせるのかなと思っております。今から,どういう展開
になっていくかおもしろいなと思いながら,毎回参加させていただいておりますが,
もう本当に,子どもたちの,ちょっとしたこと,逆に子どもたちから教わることがあ
るっていうんですか,そういうことで,今度はそこに出てきているスクールボランテ
ィアをしている大人同士のつながりの場にまた広がっていけば,またそれから,今は
ただ子どもたちが遊びに来る場だけでしかありませんが,それが子育てに悩んだお母
さんとか,そういう方がちょっと学校をのぞいてみようかとか,自分の子どもの様子
も,そういうときにちょっと見てこようかとかっていう,本当に開かれた場になって
くれればもっといいと思っております。これからのますますの発展を祈っております。
【委員】
それで先ほどの,三者の役割をはっきりしましょうという話に戻るんですけれども,
やはり,一気にぽんと戻すのは,私は大変難しいと思っています。やはり,だれかが
どこかで仕掛けをしていかないといけないんだろうと。それは今学校なのかなと。学
校が今何ができるのかなと,三者の役割分担を明確にしながら,御家庭に返すものを
どういう形で返していくか,地域でどういう形で返していくか,支援等をどういうふ
うに利用させながら地域に戻していくかということを,今このふれあいルームを通し
て一つやってみているところですし,学校開放デーをもう一度いたします。年2回い
たしますが,そこの部分で,あっ,学校の先生たちっていうのはこういう,先ほど○
○委員さんから,教員の評価の問題,授業の評価の問題が出ましたけれども,私は果
たして子どもたちの能力に,評価する能力があるかという問題から,これは議論して
いかなければいけない。これは第2分科会が預かりましたので,多分第2分科会でや
っていくんだろうと思いますが,その辺のところを学校開放デーの中で,しっかり見
ていただきながら,いろんな条件整備を,学校が中心となってやれる分はやっていこ
う。逆に今度は御家庭,地域がなされる部分というのはあると思うんですね。先ほど
○○座長さんから出ましたように,もう端的にやらなきゃいけない。急ぐことという
のは,やはり地域から発信されても,それは学校はしっかり受けとめないといけない
し,家庭も受けとめることなんだろうと思います。だから,やはり私は一つのふれあ
いルーム,一つの学校開放デーを一つの場として,三者の役割分担を明確にしていき
たいなというふうに考えてやっております。
もう一つ提言しましたのは,学校2学期制ですけれども,この辺について,ほかの
分科会の皆さんの御意見がいただけたらうれしいなと思っております。
【会長】
いかがでございましょうか,2学期制について,御意見のある委員の方がおられま
したら。はい,どうぞ。
【委員】
○○ですが,学校2学期制については,私も学校現場におりますので,ぜひ実践で
20
きるように,ということを考えております。第2分科会で学校のスリム化ということ
も挙がっておりますけど,大変学校が多忙感をきわめておりまして,先ほど○○委員
からも学校は「教育の場」という,その「教育の場」という重い言葉がありましたけ
ど,本当に,学校は今何をやりたいのか,何をさせてほしいのかというところがなか
なかできないでいる。もう,年々仕事量とか,しなくちゃいけないことがふえてきて
おるわけですから,つけ加えるなら何かを削っていく,何かを削ることで新しいもの
をまた入れていくというような状況をつくり出さないと,今のままではもう飽和状態
になっているんじゃないかなと。そういった意味では,2学期制というのは,ある程
度の効果があるのではないだろうか。一つ一つの行事が少しずつ減っていきますし,
また,ただ単純に,通知表を出すとか成績表を出すとか,テストが回数が減るとかい
うことだけじゃなくて,いろんな場面で評価はしていくんですから,必ずしも3学期
間の評価を,通知表を発行しないのも,きちっと保護者の方々にお知らせすることが
できるのではないか。前期・後期制にしていってもできるんじゃないか。そういった
ことで,2学期制を取り入れようというところで,先ほどから何人かの先生方のお話
の中からありますように,保護者の方との壁をやはり取り払わないとできないんじゃ
ないかな。これはもう,保護者の方の御理解を得ないと,学校だけが2学期制をして
みたいというようなことでは,ちょっと無理じゃないか。「ああ,なるほど,そんなこ
とで学校は2学期制にしてほしいのか」というようなところをたくさん発信していか
なくちゃいけない。そういったことで,やっぱり広報活動といいますか,みんなに知
らせていくことを,学校は一生懸命取り組まなくちゃいけない。
中学校の場合,やはり2学期制になりますと,前期の部分で基礎をやり,後期の部
分で展開・発展する部分をつくっていく。そしてまた,ここには○○委員さんもおら
れますけど,中学校の後期の部分になりますと,進路という場面で大変忙しさが増し
てまいりますし,子どもたちと一緒に接触する時間が必要なんでございますけど,今
の学校の状況ではそういった時間がとれてない状況ですから,ぜひ,そういったこと
でとってみたら。
また,そういった中になりますと,どうもやはり,今の夏休みが必ずしも7月 20
日から8月いっぱいという,そこら辺が適当なのかなと。やはり,全国でも,仙台と
かでは,2学期制があっていますけど,あちらは東北なもんですから,夏休みがぐん
と短いんですね。そのかわり冬休みが長いわけですけど。九州で夏休みを短くして,
冬休みを長くするというように簡単にはいかないかもしれませんけど,そこら辺のや
り方とか,やはりそこら辺を考えていくときに,どうしても学校とそれから家庭との
共通理解を持たなくちゃいけない。
また,先生たちがそういったことで,いろんな研修をしたり,子どもたちと触れ合
う場というのをたくさんつくっていただくことによって,先ほどから出ております,
教員の資質向上というのにも大いに役立つんじゃないかと思いますので,学校2学期
制については,ここ第2分科会ならずとも,私たちもしっかり勉強していける方向に
努力をする必要があるんじゃないのかなということを感じています。
以上でございます。
【会長】
21
どうもありがとうございました。はい,どうぞ。
【委員】
その2学期制というのは非常にいいことじゃないかと思うんですけども,どうせす
るなら,そのとき,要するに,初めを9月にする。そうすると,大した数ではないけ
ど,留学生との,その時期がずれてきますから,せっかく留学したのに,帰ってくる
とまた1年下がるんじゃないかと思うんです。だから,9月からすれば,向こうとも
合うわけだから,そういうことは心配なくなるんで,何も桜のときに,学校に行かな
きゃいけないというようなのはないんで,9月から始めるというふうにしたらどうで
しょう。
【委員】
第2分科会でそれが議論されたとき,ちょうど欠席をいたしまして,そこで問題提
起って,ことだったろうと思うんですが,小中学校の2学期制と高等学校の場合は,
少し状況が違うかもしれませんけども,高等学校も既に動いております。佐世保市内
でも2学期制に踏み切る学校も出てきております。ただ,すべてバラ色のシステムと
いうのはございませんで,2学期制も当然問題点があります。なければ,すべてがも
う変わっているはずです。文部科学省は全国一律にもう変えていったはずです。ただ,
置かれている状況,プラスもマイナスもあるし,テストについても,テスト回数が少
なくなって,定期考査も少なくなっていいだろうと,確かにそういう面もありますけ
ども,生徒からするとこれは試験範囲は広くなるんですね。ですから,やはりこれで
は,例えば高等学校の場合,週6時間とか,7時間授業というのがあります。それを
前期・後期制にすると,もう生徒はギブアップするくらいの広い範囲のテストをしな
けりゃならなくなってくる。そうすると,2学期制でありながら,さらに回数を多く
してもうちょっとテストせんと対応できないんじゃないかなというのがあって,何の
ための2学期制かわけわからんようになってくる部分もあるし,何よりも行事がばら
ばらになりますと,スポーツの大会とか,あるいは中体連とか,いろんなことが出て
きます。したがいまして,必ずしもプラスばっかりじゃありません。プラスももちろ
んあるので,結局我々がそのときに,今の課題が解決されるからというよりも,どう
も学校とか地域とか,家庭との全体的な協力があるところで,初めてそれは踏み切ら
れるんですね。今の問題は,ここで解決されると,単純に考えると少し高等学校の場
合はありますので,それぞれプラスはあるけども踏み切れるかなというところで考え
ているのが現状なんですね。
それから,今ちょっとありましたけれども,2学期制は9月までなんですね。10 月
から後期が始まります。したがいまして,現実にどうなりますかというと,7月の終
わりに,従来であれば終業式があるんですが,それはありません。ただ,明日から夏
休みだよと,しっかり勉強しなさいと,元気に過ごしなさいと。9月になったら出て
きますので,元気だったねということで始まって,9月も終わりになって,それで前
期終りだよと。二,三日休んで,学校へ生徒が出てきますんで,今日から2学期だよ
ということで。3学期制を前提というか,それで夏休みと冬休みとか,年末年始の,
生徒から見ると春休みなんですけども,年度末,年度始めの休業日を踏まえた,非常
にリズムがいいんですよね。それと休業日をそのまましておって2学期制にすると,
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生徒の面からするとかなり無理が,何だかおかしいんですよね。ですからありますよ
うに,同時にそれは夏の長期休業,冬の長期休業,それから年度末,年度始めの休業
のあり方を少し見直していかないと少し無理があるんじゃないかなと思っております。
その辺は大学の方はかなり柔軟にできるんですけどね。7月いっぱい授業して,8月,
9月を休みにするとか,そういうことはできるんですが,公立の学校の場合は,やっ
ぱり県の条令できちっと決められておりますので,そこのところは,考えるならもう
全体的に考えないと,なかなか難しいことがあるなと,私は思っております。
【委員】
○○委員さん,留学生は9月入学でいいんですけども,国内を転校していく 子ども
が困るんですよね。長崎県は9月が入学で,佐賀県は4月が入学だと大変困りますの
で,そこまでは行っておりません。2学期制と,今○○委員さんから出ましたように,
それから○○委員さんからも出ましたように,私は教育カルテを絡めて第2分科会で
話を進めているところです。
【会長】
はい,どうぞ。
【委員】
第2分科会の○○です。2学期制の問題でなくても構いませんか。
【会長】
結構です。
【委員】
私は,それぞれの分科会をほぼ全部傍聴させていただいているんですけど,先日第
3分科会を傍聴させていただいたときに,○○委員さんだったかと思います。地域の
方々に,地域というのは,保護者とか全部含めて地域だと思いますけども,地域の方々
に子どもたち,もしくは学校に目を向けてもらうということが大事なんだということ
をおっしゃっていたと思います。私は,それはとても大事なことだと思います。例え
ば,学校開放デーであるとか,ふれあいルームなども,学校が仕掛ける形での地域へ
の働きかけですよね。たまたま私の中学校でも ,昨日と今日,地区懇談会が行われて
おりまして,学校に地域の方に来ていただいたりして,懇談会をしているところなん
ですけども,ぜひ第3分科会の方で,地域に老人会とか,生涯学習推進会とか,いろ
いろな団体とかがありますけれども,そういったところに,学校に,子どもたちに目
を向けてもらえるような何か,そういった方向での話をちょっと出していただいて,
検討していただければいいなあというふうに思いますけども。
【座長】
よろしいでしょうか。第3分科会の方で,何度か「学社融合」というような形で,
地域と学校との 連携について,ちょうど○○委員が実践されていらっしゃるようなこ
とが出たんですね。ただしそのときに,学校にどこまで開放を求められるか,その地
域が協力するにしても,入っていく壁ですね。そのことで,学校管理の問題とか時間
的なこととか,そういったことを考えたときに,やはりここは,地域と学校との話し
合いの場が必要で,どこまで双方でできるのか,こうした兼ね合いがなされなければ
実行になりませんね。ですから途中で,地域だけの話し合いではこれは無理だなとい
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うようなことで,2回ほど出たんですが,途中で終わり,そのことについて煮詰めた
話し合いにはなりませんでした。ですが,今日の提言の中ではやはり「学社融合」へ
の課題として,こうした形で出させていただいております。ですから,ここはやはり,
第2分科会も第1分科会も全部で含めて,同じテーマを双方で話し合っていかなけれ
ばいけないものであろうと思うんです。
【委員】
よろしくお願いします。
【委員】
そのとおりです。このふれあいルームを開きますのに,昨年1年間はやはりエネル
ギーをかなり使いました。地域の公民館長さん,児童民生委員さん,そういう方たち
に学校に来ていただいて話し合いを持ったり,あるいは私と教頭が全部の公民館を回
ってお話をさせていただいたり,あるいはPTAの役員さん方とお話を煮詰めていき
ながら,今年できました。だから,やはりここまで来るのに1年間の助走は要りまし
た。いきなりというのは大変難しゅうございます。
【会長】
はい,どうぞ。
【委員】
第3分科会の ○○です。今,学校開放の話が出たんですけども,私の場合は ○○小
学校が行っている学校開放も非常に大事だと思っているんですけども,私の場合はち
ょっと違った学校開放を。第3分科会の方でも意見を言っているんですけども,学校
を地域の人に開放する。それは,授業時間に開放するんじゃなくて,時間外に地域の
人たちがどれだけ学校に入って来れるか。そういうところを援助するというか,話を
少し別の角度で,話していただきたいなということで私は第3分科会の方には提言を
しているつもりなんです。だから,2種類ある,学校を開放するということは。それ
が一つ。
それと,ここの会議は1,2,3が,お互いにこういうことを話していただきたい
という形の会議だろうと思いますので,2の方にちょっと要望といいますか,ぜひ論
議していただきたいと思うのが,スリム化という問題がありましたので,やっぱり学
校が本来の「教育の場」に戻っていくためには,学校の先生が非常に忙し過ぎるんじ
ゃないのかと思います。そういう意味では,中学校の部活動は一体何なんだろうかと
いうように思います。そういう意味で,やっぱり学校の先生が地域に帰ってくれる形
で,第3分科会の方でも挙げているんですけども,地域に帰っての地域活動をすると。
部活動を極力地域の人に見てもらうと,そういうのもやっぱり一つの制度化じゃない
だろうかと思いますので,一つ提案として論議をしていただきたいというように思い
ます。
それから,第1分科会の方で子育て支援とい いますか,子育て支援のセンターづく
りといいますか,そういうのを整備するというようなことも,拠点ですね,挙がって
おりますので,これは第3分科会の地域コミュニティークラブといいますか,そうい
うクラブづくりとやっぱり相乗りするんじゃないかというように思います。そういう
意味では,お互いがお互いのセンターづくりをするのでは非常にむだが発生するので,
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やっぱりその辺を一緒に,ダブらないようにというのはおかしいですけど,ダブって
もうまく活用して,できるような選択という手も考えないといけないんじゃないかな
というように思います。
以上です。
【会長】
どうもありがとうございました。
【委員】
ちょっといいですか。
【会長】
はい,どうぞ。
【委員】
第3分科会から○○ですが,今同じ分科会にいる○○委員さんの方から,中学校等
の部活動の件が出てきたんですけども,私は中学校にいる者として,部活動をする中
でのことで,地域の方々にやっていただくというのも,ある一面,また触れ合うとこ
ろではあります のでいい面もあると思うんです。しかし,ただ今中学校でやっていま
す部活動というのは,本当に唯一子どもと先生方が一つのボールを追ったり,汗を流
して一緒に活動できる場といいますか,中学校なんかになりますと,学年が違ったり,
教科が違ったりすると,生徒と全く触れ合うことのできない先生たちがたくさんある
わけですが,そういった中で,本当に部活動,佐世保で今行っています部活動はいろ
んな意味で効果があり,教育活動の中で,随分貢献しているものではないかなと思い
ます。子どもたちがやはり悩み相談をやってみたり,先生と本当に心親しく話をし,
その中でまたいろんなことを教えてもらい,学校の授業の,勉強の時間だけで学ぶこ
とのできないものを,その部活の中でお互い汗を流しながら,活動しながら学んでい
っていると思う ので,中学校の教師にとって,大変負担にはなっていると言う人もお
られますが,やっている方々は,大変効果ある活動だと思っておりますので,第2分
科会の方で,さっきはスリム化の話をしながら,矛盾しているような話をしているん
ですけど,そんなら戻せと言われたら,やはり中学校の方ではちょっと待っていただ
きたいと,せめて子どもと触れ合って一緒になる時間を,これだけの時間ぐらいは確
保してほしいなというのが,現状の私の気持ちです。
以上でございます。
【委員】
失礼します。今学校,私休んでいるんですけど,部活には行っているんです。とい
いますのも,今 ○○委員さんの方から言われましたけれども,私はここのところ,学
級担任を持たせていただいておりません。授業で学級に行くだけなんです。そうした
中で,生徒とじかに触れ合えるのは部活動しかないんです。しかも,いろんな学年,
いろんな学年といったって,中学校は三つしかありませんけれども,3学年の子が来
まして,部活動の中で,やっていける指導というのは,中学校で一番問題になります
生徒指導という ものです。その中でも,非常に効果が絶大です,正直言って。だから,
例えば自分が学級担任していたころでも,自分の学級の生徒がいろんなことで問題行
動があったり,悩んだりしたときに,私が担任ですけど,私ではなくて,部活動の顧
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問の先生とも,お話をしていただいたりとか,そうしたことで,生徒が非常に前向き
になっていったりという経験をたくさん持ちました。今でも,授業の中では見えない
生徒の姿というのは,部活動の中で見ることができたりとか,やっぱりそういった姿
を見るにつけ,今は,本当は学校を休んでいるんですけど,「先生部活見に来て」と言
われたら,「今休みやけん来い切らん」とかは言い切れないんです,正直言って。「見
に来て」と言われたら,「うん,行く」と言ってしまっている自分がいて。「ごめん,
赤ちゃんがおるけん,途中ばってん帰るけん」と言いながら,「2時間だけね」とか言
ったりとか,そんなことで今行ったりしているんですけれども。やはり,中学校の部
活動,地域の人に,見ていただけるのは本当にありがたいです。例えば,自分の学校
でも地域の方が指導に来てくださったり,保護者の方が一緒に練習してくださったり,
もうそれは本当にありがたくて,そうしていただくことによって,私たちの負担も非
常に軽減されているというのは事実です。それと並行して,やっぱり私たちもそれに
参加をしたいという強い意向は持っております。
以上です。
【会長】
はい。○○委員どうぞ。
【委員】
部活の効用は今言われたとおりで,ただ,これもいろいろプラスもマイナスもとい
うか,マイナスはないでしょうけど,結局教師の忙しさというものなんでしょうね。
最初にありました,教育とは何かということとかかわってくる。それから言いますと,
部活動も,これは立派な教育であって,特別教育活動なんです。異年齢集団といって,
喜びも悲しみもともにして頑張っていく,大変重要な場面なんです。けども,それと
スリム化,確かに教師は忙しいので,じゃあ,スリム化するためにそれをとるかどう
か。確かに中国に行ったら,そういう学校がたくさんありましてびっくりしました。
今中国に修学旅行に行って,話していますと, 中国では5時過ぎまで,3年生なんか
8時まで勉強しているんです。すごい勉強量なんですけど,いつじゃあ部活動するの
と,うちの生徒が聞くんですね。部活動はないんです。その後すぐ帰ってしまうとい
うことで。ただ,あれでいいのかなと思いもするんですが,確かに,じゃあ,教師は
どこで勉強するのかというのもあるんです。自分の専門を深めるために,じゃあ,ど
こでするのかということがあって。日常はいいんですけども,もし部活動問題となる
ならば,休みの日も出て来なけりゃならないと。それこそ地域で動くべき時間に,あ
るいは,家庭でお父さん,お母さんをやるべき時間にもやはり出てきてやらなきゃな
らないというのが,問題があるとすればあるだろうなと思います。ただ,教育上の意
味は大変大きい。そういう,ある意味のボランティア的な精神で学校は支えられてい
るんだろうと思っております。
それで,ちょっと別件で,ほかの分科会にも質問してみたいなと思いまして。第3
分科会にお願いをしたいんですが。第3分科会の1ページの報告の下のところに,父
親不在現象ということで,父親はだめじゃないかと,仕事場から家庭に帰れというふ
うに聞こえるんですけども,これは確かにそういう面があるんですが,ただ,それこ
そ父親は家に帰れというだけでは,帰れんですね,現実の問題として。ですから問題
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にするならば,それは母親があり,子どもがおり,社会があり,仕事場があり,その
中で,その父親が今どういう状態にあるかということを見きわめて呼びかけていかな
いと,できたらそこまで踏み込んでほしいなと思います。
それから,企業戦士とか,脱会社人間とか,そういう言葉をよく使いますけども,
実は,今の日本の政治,経済,社会はいろんな危機的な状況にありますが,かつて頑
張ったこの人たちが支えてきたんですね。それを単純に戻れと言うだけでは,やはり
問題は解決しないだろうと思うんです。少し難しい問題ですが,やはりそういう働く
ことと,一生懸命働くことと,あるいは家族と一緒に生きていくということと,それ
から学校を中心にこういう学んでいくということが,今一番根元的なことで,ばらば
らになってしまったんです。勉強することと生きること,どういうふうにつながって
いるのか見えなくなってきている。あるいは,一生懸命勉強することと働くことと,
働くことと生きることがどういうふうにつながっているのか。深いところでどういう
ふうにつながっているのか,見えなくなってきているところに問題があるだろうと思
います。したがいまして,地域で頑張ることと働くことが,これが別のことになって,
働くことをやめて地域に戻りなさいという発想をしたら,やはり三者を分離した考え
方につながりますので,その辺を踏まえた議論をしていただきたいと思います。
【委員】
まず,その件ですけども,確かに企業の理解がないと,帰ればおまんまの食い上げ
ということになります。ちょっと提案として出てきたのは,市役所で休暇をとる人た
ちに,例えば学級参観日とかに休暇をとるお父さんたちに,スムーズにとれるような
体制が整えられないものかというようなところまでは出てきています。帰れというだ
けじゃ,もちろんそういうふうにならないということは認識して,どうやったらいい
だろうかという議論をされているんです。
それから一つ,もう時間がないみたいなので,お願いしておきたいのは,さっきの,
学校・家庭・地域の役割分担というところの中で,学校の給食問題。他の市町村では,
中学の給食があっているところが結構あるんですね。佐世保はゼロなんですね。それ
がいいことか悪いことか,それから,つい先日,市議会の方で,小学校の朝の給食と
いうような話まで出てきてちょっと驚いたんですけども,そういうのをちょっと議論
して,今日は議論に上がっていないみたいですから,どういうのがいいのかなという
ことを。私は個人的に意見を持っておりますが,皆さんでちょっと議論していただき
たいなというお願いをいたします。
【会長】
どうも,ありがとうございました。今,○○委員さんおっしゃっていただきました
ように,時間の方がもう9時5分前でございます,いろいろ御意見をいただきまして
ありがとうございました。
第1分科会に対する御意見,御注文がほとんどなかったのが,私自身としてはいさ
さか気がかりで,○○座長の御説明が余りにも明快で,質問がなかったせいかもしれ
ません。座長の方から逆に,御注文だとか,お問い合わせなんかあればお願いいたし
ます。
【座長】
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先ほど,学校給食のことが出ましたけれども,中学の学校給食,あるいは先ほど議
会で出たと聞いております朝食までを学校にお願いするのかということにつきまして
は,家庭教育の中でも深めていく必要があるということで,「啓発」の部分のイ)の部
分で,「食の大切さ」の中で加味して考えておりますので,こちらで論議の方を深めて
いきたいと思っております。
【会長】
どうもありがとうございました。それでは,まだいろいろと御意見は多分時間があ
ればおありだと思います。この後また,分科会に入るということで,残念ながら全体
会というのは,しばらくないわけでございますが,この後,分科会の後に,企画委員
会というのが9月に行われることになりますので,今日の各分科会からの御報告と,
それから補てんの論議をお考えいただいて,それぞれの分科会で,議論を深めていた
だければというふうにこの会では申し上げたいと思います。
次回の会議は,第1分科会は,もう御承知と思いますが,7月 22 日,月曜日の 19
時,第2分科会の方が7月 23 日,火曜日の 19 時。第3分科会が7月の 25 日,19 時
からということになっております。会場はいずれもアルカスSASEBOの3階のこ
の会議室,大会議室Aでございます。
それでは,事務局の方で何か連絡があったようでございます。
【理事】
先ほど,これからの会議の進め方ということでございますが,あと,第3分科会が
2回ほど。あと第1と第2は3回ほど,一応予定しております。9月の中旬ぐらいま
でに,一応各分科会の意見をまとめていただいて,9月の末からこのように,第1分
科会から報告をしていただいて,それについて議論をしていく。そして,次の日も全
体会になります。そして,第2分科会から報告していただいて,それについて議論す
る。第3分科会からまた報告していただいて,そして,また微調整があるかもしれま
せんが,最終的に全体会を開いて,分科会の報告・総括というようなことで,一応考
えておりますので,まだこのような議論といいますか,皆さんのお考えを聞く機会が
あるのかなと思っております。
もう少し後になったら,そういったことで,今度は起草委員会が発足してまいりま
して,まとまったものについて,これを整理していっていただくという世界になるだ
ろうということで,進めていただきたいと思います。
事務局からは以上でございます。
【会長】
それでは,本日の全体会議はこれで一応終了ということにさせていただきます。後,
事務局の方から,ただ今お話のように,講演会についてのお願いがあるということで
ございますので,委員の方々にはお残りをいただければと思います。
どうもありがとうございました。
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