三沢市の農業の振興に関する計画(案) (地域の農業の振興に関する地方公共団体の計画) 「農業振興地域の整備に関する法律施行規則第4条の4第1項第27号」 平成26年 月 日 青森県三沢市 1 策定 1 趣旨 本市の農業・農村を取り巻く状況は、農業従事者の高齢化や後継者不足、米 価の下落、農畜産物価格の低迷等によって厳しさを増しており、集落等を中心 とした地域農業の活性化が緊急の課題となっている。 一方で、少子高齢化や核家族化の進行など社会情勢の変化を背景として、宅 地、福祉施設用地等の非農業的土地需要が生じている。 農業振興地域における土地利用については、昭和49年に農業振興地域整備 計画を策定し、農用地の有効利用と集団的農用地確保に留意しながら、農業上 の土地利用と非農業的土地利用との計画的な調整を行っているところであるが、 本市の基幹産業となっている農業の伸び悩みがみられる中で、特に、農業従事 者の急速な高齢化や後継者不足については早急に対処し、これを解消するため、 就労条件の改善や持続可能な経営体の育成など地域農業発展のための環境づく りを進めることが求められている。 三沢市総合振興計画では、 「働き暮らせるまちづくり」を掲げ、やる気と能力 のある経営感覚に優れた担い手の育成・確保を図るとともに、担い手への農用 地の利用集積を進めることによる経営基盤の強化を進め、消費者ニーズなど社 会の潮流を素早く捉えた生産から販売流通までを結びつけた産業づくりによる 農業所得の向上を目指していくこととしている。 本計画は、こうした背景を踏まえ、地元農畜産物の新たな流通販売の環境を 整備し、地域農業を担う持続的な農業経営を育成、確保するために必要な措置 を講じ、もって本市の農業・農村の活性化に資することを目的に策定するもの である。 2 三沢市地域の概要 (1)計画の対象区域 農業振興地域内とする。 (2)三沢市の農業の現状(動向)と課題 本市農業の現状は、これまで農業を基幹産業として米、畜産、野菜を 組み合わせた複合経営を展開しながら発展してきたが、近年は、主要農 産物である米をはじめ野菜等の価格低迷により農業産出額の伸びが停滞 している。 2 また、農業従事者の高齢化と新規就農者など新たな担い手の伸び悩み により、生産体制の脆弱化が進んでおり、深刻になっている。 このため、今後、本市農業の持続的な発展のためには、やる気と能力 のある経営感覚に優れた担い手の育成と確保を図るとともに、担い手へ の農用地の利用集積を進めることによる経営基盤の強化を進め、消費者 ニーズなど社会の潮流を素早く捉えた生産から販売流通までを結びつけ た産業づくりによる農業所得の向上を目指していく。 (3)三沢市の土地利用の現況等 本市の総面積は 12,008ha で、そのうち田畑が 4,212ha(35%)で全体の 1/3 以上を占め、次いで雑種地が 1,581ha(13.2%)、山林が 1,504ha(12.5%)、 宅地が 1,300ha(10.8%)、原野が 802ha(6.7%)、牧場が 206ha(1.7%)、池 沼が 1ha(0.1%)、三沢基地(1,564ha)及び三沢対地射爆場を含めたその他 が 2,402ha(20%)となっている。 農業振興地域面積は 8,138ha の指定となっており、このうち農用地区 域は 3,484ha 指定されている。その内訳は、農地が 3,301ha(94.8%)、 農業用施設用地が 22ha(0.6%)、採草放牧地が 147ha(4.2%)、混牧林 地以外の山林原野が 14ha(0.4%)となっている。 農業振興地域の状況 農 農 種 別 用 (単位:ha) 地 混 地 総面積 牧 農 業 混牧林 林 地 用 施 地以外 設 用 の山林 地 原野 その他 採 草 計 樹園 田 畑 計 放牧地 地 農業振興地域 8,138 2,105 1,826 0 3,931 147 4,078 0 30 1,980 2,050 農用地区域 3,484 2,035 1,226 0 3,301 147 3,448 0 22 14 0 農振白地域 4,654 70 600 0 630 0 630 0 8 1,966 2,050 ※平成22年度農業振興地域整備計画管理状況地域別概要調書より (4)土地改良事業等の実施状況 土地改良事業名、 国営相坂川左岸農業水利 県営相坂川左岸地区かんが 事業 い排水事業 開田事業 事業の種類等 事業地区名 三沢市深南地区 三沢市ほか1市4町 三沢市ほか1市4町 事業施行者 深南土地改良区 国 青森県 3 受益面積(ha) 58.87ha 5,888ha 4,233ha 工期(着工年度~ 着工 昭和32年度 着工 昭和53年度 着工 昭和58年度 完了年度) 完了 昭和32年度 完了 平成22年度 完了 平成22年度 (5)効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する農用地の利用の集積の状況 認定農業者制度を活用した認定農業者の育成と確保を主体的に進め、農地 を効率的に活用し生産性の向上を図るために、地域ぐるみの話し合いによる 利用権の設定、作業受委託の推進等により担い手の規模拡大を図っていく必 要がある。また、集落の営農形態など様々な実情を生かした集落営農の組織 化などを促進し、効率的かつ安定的な経営体の育成と確保に努める。 担い手への農地利用集積面積 経営体数 (団体数) 農用地利用集積面積 計 自己 借入地 所有 うち田 認定農業者 (単位:経営体(団体)、ha) 農作業 うち田 受委託 うち田 うち田 236 1,615 673 1,244 468 371 205 133.3 122.2 13 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 1 10.0 6 10 5 1 1 ― ― 39 236 ― 236 ― ― ― ― ― うち特定農業 法人等 特定農業法人(認定 農業者以外) 特定農業団体 基本構想水準到達 農業者 今後育成すべき農 業者 ※平成22年度担い手への農地利用集積面積等の状況調査より 3 三沢市の農業振興の方向及び方策等 (1)地域の特性に応じた農業振興の方向 ① 担い手の育成と確保 中核的担い手農家の支援体制を確立し、安定的な農業経営のもとに、 地域の人材育成を図る。 4 ② 販売流通の拡大 安全・安心で良質な農畜産物のブランド化や、消費者ニーズに対応し た、安定的かつ多様な流通販売体制を図る。 ③ 循環型農業の推進 耕種農家と畜産農家が連携し、良質な土づくりの展開により、資源の 有効利用を図る。 ④ 生産基盤の整備 農道・水路の基盤整備による農地の集積を推進し、生産技術体制の向 上を図る。 ⑤ 安定した経営の確立 効率的で安定的な収益性の高い農業経営の確立を図る。 (2)振興計画により目指す農業振興の方策 安心・安全で信頼される確かな品質の農産物の生産により競争力強化 を図ります。 地域の農業に触れる場を継続的かつ、時代に対応した形で提供し、消 費者の地域農業への理解とともに地元食材の情報提供に努めます。 観光事業との連携により販路・流通の拡大を図ります。 (3)振興計画の達成状況(定期的検証の結果) 毎年度、定期的に三沢産農産物の販路促進に貢献しているか検証をす る。 4 三沢市の土地利用の方向 本市の総面積は 12,008ha であり、このうち農用地は 3,484ha を占めてい る。現在の農業振興地域面積は 8,138ha の指定となっている。土地利用の 動向は、道路、学校、公園等の整備に伴う公共用地の拡大、住宅地及び工 場等の造成により年間約 13ha が農地からの改廃や転用がなされているが、 ほぼそれに見合う面積が山林原野から農用地へ転換してきた。しかし、近 年は、厳しい農業情勢や後継者不足等により農用地の開発が進まないこと に加え、農業以外の分野からの土地利用の需要が多いこと等からみても改 廃や転用は今後も進むものと考えられ、農用地は減少傾向で推移していく ものと見込まれている。 このため、農業的土地利用と他の土地利用との計画的な調整を図り、無 秩序な改廃や転用を抑制するとともに、農地流動化による農業生産を営む 5 者への農用地の集積、利用度の低い農用地に係る不作付け地解消などによ る農地の有効利用や農業生産基盤の整備を計画的に進めるなどの措置によ り、農業生産の確保等を図るために必要な農用地を確保していく。 また、土地利用については、現在及び将来における市民の限られた資源 であるとともに、生活及び生産活動の共通の基盤であり、公共の福祉を優 先させ、自然環境の保全を図りつつ地域の自然的、社会的、経済的及び文 化的条件に配慮して、調和のとれた土地の活用と開発に努めることとして いる。また、土地利用計画の推進に当たっては、総合的、計画的な土地利 用を図りながら、整備、開発及び保全の諸施策を進めていく。 議会の議決を経て定められた三沢市総合振興計画に即して策定された三 沢市都市計画マスタープラン(平成 23 年 3 月策定)では、第6章地域別構 想、2.中部地域に該当し、そのなかの「2.地域づくりの基本方針」におい て、 「今後の住宅需要に応じた秩序ある開発を推進するため、住民の合意形 成や関係機関との調整を図りながら、用途地域の指定も視野に入れた検討 を行い、計画的な市街地形成による定住化対策を推進します」としている。 当該 27 号計画において定める施設は、中部地域の端部に位置しているこ とから、将来の市街地形成に与える影響は少なく、また公告縦覧や関係機 関への意見徴収といった手続きを経ることから、三沢市都市計画マスター プランとの整合は図られている。 5 施設の種類、位置及び規模並びに振興計画の要件 (1)総括表 振興 計画 によ る方 策 施設 種類 番号 施設の種類 施設の位置 施設の用 に供する 土地の規 模 ㎡ うち農用 地区域 ㎡ 2,005 ㎡ 1,644 ㎡ 飲食店舗(2店舗) ① 1 及び農産物販売所 三沢市大字三沢字堀口 兼飲食店舗(1店 94番511ほか3筆 舗) (2)施設調書 (別紙のとおり) 6 (3)農業振興地域の整備に関する法律施行規則第 4 条の 4 第 1 項第 27 号各号 ① に掲げる要件 ア 農業委員会の意見の要旨(イの要件) イ 異議なし。 農業委員会の意見の振興計画への反映の内容(イの要件) なし。 ② ア 縦覧日及び縦覧方法(ロの要件) 三沢農業振興地域整備計画に準じ、市掲示場にて市民が意見書を 提出できる旨を付し 30 日間の縦覧期間を設ける。(同時に市ホーム イ ③ ページでも実施する。) 市町村の住民の意見の要旨(ロの要件) ウ 市町村の住民の意見の処理結果(ロの要件) 定期的な検証(ハの要件) 検証に当っては、ガイドラインの記載により実施するものとする。 市農業委員会、おいらせ農業協同組合、土地改良区等から意見を聴き、 取りまとめ後は市ホームページにより公表するものとする。 7
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