LT3433 高電圧、昇降圧 DC/DCコンバータ 特長 概要 ■ LTC®3433は200kHz固定周波数電流モード・スイッチン グ・レギュレータで、1個のインダクタを使用して昇圧 と降圧の両方の安定化をおこないます。このデバイスは 4V∼60Vの入力電圧範囲で動作するので、負荷遮断状態 とコールドクランク状態に対する耐性が求められる車載 電子機器など、入力範囲の広いアプリケーションに適し ています。 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 自動昇降圧変換 インダクタを1個使用 広い入力電圧範囲:4V∼60V VOUT:3.3V∼20V デュアル500mAスイッチを内蔵 無負荷での消費電流:100µA 低電流シャットダウン 出力電圧精度:±1% 動作周波数:200kHz 昇圧された電源ピンによりハイサイド・スイッチを 飽和 周波数フォールドバック保護 電流制限フォールドバック保護 デューティ・サイクルに影響されない電流制限 熱特性が改善された16ピンTSSOPパッケージ 内部制御回路がシステムの状態をモニタし、必要に応じ てシングル・スイッチ降圧動作からデュアル・スイッ チ・ブリッジ動作へ切り換えるので、降圧動作と昇圧動 作のシームレスな切り換えが可能です。 オプションのバースト・モード動作により、無負荷での 消費電流が100µAに低減され、軽負荷での効率を高く保 ちます。 アプリケーション ■ ■ ■ 電流制限フォールドバックと周波数フォールドバックに より、起動時にインダクタ電流の暴走を防ぐことができ ます。また、プログラム可能なソフトスタートにより、 起動時の出力オーバーシュートを防ぐことができます。 12V車載システム ACアダプタ駆動システム バッテリ電源電圧バッファリング 、LTC、LTはリニアテクノロジー社の登録商標です。 Burst Modeはリニアテクノロジー社の登録商標です。 米国特許:5731694 LT3433は熱特性が改善された16ピンTSSOPパッケージ で供給されます。 標準的応用例 4V∼60Vから5VへのDC/DCコンバータ (バースト・モード動作付き) 最大出力電流とVIN 1N4148 VBST SHDN SWH 0.01µF LT3433 SS 330pF VC 68k VOUT = 5V 0.1µF 2.2µF B160A 100µH B120A SWL VOUT VOUT + 47µF 1N4148 1nF 90 500 VBIAS 0.1µF 309k 80 BUCK VIN = 13.8V 400 70 EFFICIENCY (%) VIN MAXIMUM OUTPUT CURRENT (mA) VIN 効率 300 200 BRIDGED 60 50 VIN = 4V 40 100 30 BURST_EN VFB SGND PGND 100k 3433 TA01 0 0 10 20 30 VIN (V) 40 50 60 3433 TA01c 20 0.1 1 10 100 OUTPUT CURRENT (mA) 1000 3433 TA01b 3433f 1 LT3433 パッケージ/発注情報 絶対最大定格 (Note 1) 入力電源 (VIN) ............................................ −0.3V∼60V 昇圧された電源 (VBST) .................. −0.3V∼VSW_H+30V (VBST(MAX) = 80V) 内部電源 (VBIAS) ......................................... −0.3V∼30V SW_Hスイッチ電圧 ...................................... −2V∼60V SW_Lスイッチ電圧 .................................... −0.3V∼30V 帰還電圧 (VFB) .............................................. −0.3V∼5V バースト・イネーブル・ピン (VBURST_EN) ... −0.3V∼30V シャットダウン・ピン (VSHDN) .................. −0.3V∼60V 動作接合部温度範囲 (Note 5) LT3433E (Note 6) ................................ −40℃∼125℃ LT3433I ............................................... −40℃∼125℃ 保存温度範囲 .......................................... −65℃∼150℃ リード温度 (半田付け、10秒) ................................ 300℃ ORDER PART NUMBER TOP VIEW SGND 1 16 SGND VBST 2 15 SW_L SW_H 3 14 PWRGND VIN 4 BURST_EN 5 12 VBIAS 17 LT3433EFE LT3433IFE 13 VOUT VC 6 11 SHDN VFB 7 10 SS SGND 8 9 SGND FE PART MARKING 3433EFE 3433IFE FE PACKAGE 16-LEAD PLASTIC TSSOP TJMAX = 125°C, θJA = 40°C/W, θJC = 10°C/W EXPOSED PAD (PIN 17) MUST BE SOLDERED TO SGND より広い動作温度範囲で規定されるデバイスについては、弊社へお問い合わせ ください。 電気的特性 ●は全動作温度範囲の規格値を意味する。それ以外はTA=25℃での値。注記がない限り、VIN = 13.8V、VFB = 1.25V、 VOUT = 5V、VBURST_EN = 0V、VBST−VIN = 5V。 SYMBOL PARAMETER VIN Operating Voltage Range VIN(UVLO) Undervoltage Lockout CONDITIONS MIN ● Enable Threshold 3.4 ● Undervoltage Lockout Hysteresis VOUT Operating Voltage Range VBST Operating Voltage Range MAX UNITS 60 V 3.95 V 160 mV ● 3.3 20 V VBST < VSW_H + 20V VBST – VSW_H ● ● 3.3 75 20 V V (Notes 2, 3) VVC < 0.6V VSHDN < 0.4V ● ● ● 580 100 10 940 190 25 µA µA µA 2.6 2.9 V 20 V IVIN Normal Operation Burst Mode Operation Shutdown VBIAS Internal Supply Output Voltage ● Operating Voltage Range ● IVBIAS TYP 4 Normal Operation Burst Mode Operation Shutdown Short-Circuit Current Limit VVC < 0.6V VSHDN < 0.4V ● 660 0.1 0.1 4.5 990 µA µA µA mA RSWH(ON) Boost Supply Switch On-Resistance RSWL(ON) Output Supply Switch On-Resistance ISW = 500mA ● 0.8 1.2 Ω ISW = 500mA ● 0.6 1 Ω VSHDN Shutdown Pin Thresholds Disable Enable ● ● 1 V V 0.4 IVBST/ISW Boost Supply Switch Drive Current High Side Switch On, ISW = 500mA ● 30 50 mA/A IVOUT/ISW Output Supply Switch Drive Current Low Side Switch On, ISW = 500mA ● 30 50 mA/A ILIM Switch Current Limit 0.7 0.9 A Foldback Current Limit ISS Soft-Start Output Current ● 0.5 VFB = 0V 0.35 ● 3 5 A 9 µA 3433f 2 LT3433 電気的特性 ●は全動作温度範囲の規格値を意味する。それ以外はTA=25℃での値。注記がない限り、VIN = 13.8V、VFB = 1.25V、 VOUT = 5V、VBURST_EN = 0V、VBST−VIN = 5V。 SYMBOL PARAMETER CONDITIONS VFB Feedback Reference Voltage ● ∆VFB Feedback Reference Line Regulation 5.5V ≤ VIN ≤ 60V IFB VFB Pin Input Bias Current ● gm Error Amplifier Transconductance ● AV Error Amplifier Voltage Gain ISW/VVC Control Voltage to Switch Transconductance fO Operating Frequency MIN TYP MAX UNITS 1.224 1.215 1.231 1.238 1.245 V V 0.002 0.01 %/V 35 100 nA 270 330 umhos ● 200 66 dB 0.6 VFB > 1V 185 170 ● Foldback Frequency 200 VFB = 0V A/V 215 230 kHz kHz 50 kHz 0.8 V 35 µA VBURST_EN Burst Enable Threshold IBURST_EN Input Bias Current VBURST_EN ≥ 2V tON(MIN) Minimum Switch On Time RL = 35Ω (Note 4) ● 250 450 ns tOFF(MIN) Minimum Switch Off Time RL = 35Ω (Note 4) ● 500 800 ns Note 1: 絶対最大定格はそれを超えるとデバイスの寿命に影響を及ぼす値。 Note 2: 電源電流の規格値にはスイッチ・ドライブ電流は含まれない。実際の電 源電流はそれより大きくなる。 Note 3:「通常動作」の電源電流の規格値にはIBIAS電流は含まれない。VBIASピン に外部から電源を与えるとICC電源電流が減少する。 Note 4: 最小時間は、35Ω負荷をグランドに接続し、上側のスイッチを使ってテ ストされる。 Note 5: このデバイスには短時間の過負荷状態のあいだデバイスを保護するため の高温保護機能が備わっている。高温保護機能がアクティブなとき、接合部温 度は125℃を超える。規定された最高動作接合部温度を超えた動作が継続する と、デバイスの信頼性を損なうおそれがある。 Note 6: LT3433Eは、0℃∼125℃の接合部温度で性能仕様に適合することが保 証されている。−40℃∼125℃の動作接合部温度範囲での仕様は設計、特性評 価および統計学的なプロセス・コントロールとの相関で確認されている。 LT3433Iは−40℃∼125℃の動作接合部温度範囲で動作することが保証されて いる。 標準的性能特性 最大出力電流とVIN VBIAS出力電圧と温度 TA = 25°C 300 200 BRIDGED 100 SEE TYPICAL APPLICATION ON THE FIRST PAGE OF THIS DATA SHEET 0 10 20 30 VIN (V) 40 50 60 3433 G11 590 2.6 IVIN (µA) 400 VBIAS OUTPUT VOLTAGE (V) MAXIMUM OUTPUT CURRENT (mA) VOUT = 5V TA = 25°C BUCK 0 VIN電源電流とVIN電源電圧 620 2.8 500 560 2.4 530 2.2 –50 500 0 50 TEMPERATURE (°C) 100 125 3433 G01 0 15 30 VIN (V) 45 60 3433 G02 3433f 3 LT3433 標準的性能特性 誤差アンプのリファレンスと 温度 ソフトスタート電流と温度 7.0 スイッチ電流制限とVFB 1.232 700 ERROR AMP REFERENCE (V) ISS (µA) 6.0 5.5 5.0 SWITCH CURRENT LIMIT (mA) TA = 25°C 6.5 1.231 1.230 1.229 4.5 4.0 –50 0 50 TEMPERATURE (°C) 100 125 1.228 –50 600 500 400 300 0 50 TEMPERATURE (°C) 100 3433 G03 125 0.2 0 0.6 0.4 VFB (V) 発振器周波数とVFB 発振器周波数と温度 1.0 3433 G05 3433 G04 210 0.8 電流制限と温度 1.0 200 205 200 195 0.9 W/C HIGH 150 CURRENT LIMIT (A) OSCILLATOR FREQUENCY (kHz) OSCILLATOR FREQUENCY (kHz) TA = 25°C 100 50 0.8 TYPICAL 0.7 0.6 W/C LOW 190 –50 0 50 TEMPERATURE (°C) 100 125 0 0.2 0 0.6 0.4 VFB (V) 0.8 3433 G06 100 125 3433 G08 最大出力電源スイッチ・ドライブ 電流と出力電源電圧 70 TA = 25°C TA = 25°C 65 IVOUT/ISW (mA/A) 65 IBST/ISW (mA/A) 50 25 0 75 TEMPERATURE (°C) 3433 G07 最大昇圧電源スイッチ・ドライブ 電流と昇圧電源電圧 70 0.5 –50 –25 1.0 60 55 50 60 55 50 45 45 4 5 6 7 8 9 10 VBST – VSW_H (V) 11 12 4 5 6 7 8 9 10 11 12 VOUT (V) 3433 G09 3433 G10 3433f 4 LT3433 標準的性能特性 VBST電源スイッチ・ドライブ 電流と温度(ISW = 500mA) スイッチ抵抗と温度 (ISW = 500mA) 1.1 VOUT電源スイッチ・ドライブ 電流と温度(ISW = 500mA) 40 40 37 37 RSWH 0.8 0.7 RSWL IVOUT/ISW (mA/A) 0.9 IBST/ISW (mA/A) SWITCH ON RESISTANCE (Ω) 1.0 34 31 34 31 0.6 28 0.5 0.4 –50 –25 50 25 75 0 TEMPERATURE (°C) 100 125 25 –50 28 –25 50 75 0 25 TEMPERATURE (°C) 3433 G12 100 125 3433 G13 25 –50 –25 50 75 0 25 TEMPERATURE (°C) 100 125 3433 G14 ピン機能 SGND (ピン1、8、9、16):低ノイズ・グランド・リ ファレンス。 VBST (ピン2):昇圧されたスイッチ電源。この「昇圧され た」電源レールはSW_Hピンを基準にしています。電源 電圧はVBSTピンからSW_Hピンに接続されたブートスト ラップ・コンデンサによって保たれます。ほとんどのア プリケーションでは一般に1µFの出力コンデンサで十分 です。 ブートストラップ・コンデンサの電荷は(一般にコン バータの出力(VOUT)から接続されている)ダイオードに よってスイッチオフ期間にリフレッシュされます。最小 オフ時間動作により、昇圧コンデンサはスイッチ・サイ クルごとに確実にリフレッシュされます。LT3433はグ ランドを基準にして75V(絶対最大値)までの動作VBST電 源電圧をサポートします。 SW_H (ピン3):昇圧されたスイッチ出力。これは昇圧 されたスイッチの電流リターンで、スイッチ・トランジ スタのエミッタに接続されています。昇圧されたスイッ チはイネーブルされるとSW_HピンをVIN電源に短絡し ます。このスイッチのドライブ回路はVBSTピンを介して VIN電源より上に昇圧されるので、スイッチを飽和させ ることができ、効率を最大にします。昇圧されたスイッ チの「オン」抵抗は0.8Ωです。 VIN (ピン4):入力電源。このピンは昇圧されたスイッチ に電力を供給し、スイッチ・トランジスタのコレクタに 接続されています。このピンは、VBIASピンが外部から ドライブされない場合、デバイスの内部回路の大部分に も電力を供給します。この電源には大きなスイッチング 過渡電流が流れるので、このピンにはアプリケーション 固有の入力リップル電流要件を満たす高品質のバイパ ス・コンデンサが必要です。 BURST_EN (ピン5):バースト・モード・イネーブル/ ディスエーブル。このピンが0.3Vより低いと、バース ト・モード動作がイネーブルされます。バースト・モー ド動作がイネーブルされると、ピン入力バイアス電流は 1µAより小さくなります。バースト・モード動作が望ま しくない場合、このピンを2Vより上に引き上げると バースト機能がディスエーブルされます。バースト・ モード動作がディスエーブルされると、標準的ピン入力 電流は35µAになります。BURST_ENは20Vより上に引き 上げてはいけません。このピンはバースト・モード機能 の場合通常SGNDに短絡します。バースト・モードを ディスエーブルするには、VBIASまたはVOUTのどちらか に接続します。 VC (ピン6):誤差アンプ出力。VCピンの電圧は発振器の 周期ごとの最大スイッチ電流に対応します。誤差アンプ は一般に、このピンからグランドにRC回路を接続する ことにより、積分回路として構成されます。この回路は 一般にコンバータの安定化帰還ループの支配的ポールを 形成します。特定の積分器特性を設定して過渡応答を最 適化することができます。「アプリケーション情報」を参 照してください。 3433f 5 LT3433 ピン機能 VFB (ピン7):誤差アンプの反転入力。誤差アンプの非反 転入力は1.231Vの内部リファレンスに接続されていま す。VFBピンはコンバータの出力に接続された抵抗分割 器に接続されます。VOUTからVFB (RFB1) に接続される抵 抗と、VFBからグランド (RFB2) に接続される抵抗の値を 次の関係式に基づいて計算して、コンバータの出力電圧 (VOUT)をプログラムすることができます。 VOUT = 1.231 • (RFB1 + RFB2)/RFB2 VFBピンには35nAの入力バイアス電流が流れるので、非常 に大きな値の帰還抵抗を使うとコンバータの出力が所期の 値よりわずかに高くなることがあります。バイアス電流 による出力誤差は次のように見積もることができます。 ∆VOUT(BIAS) = 35nA • RFB1 VFB電圧は、「周波数フォールドバック」機能を介して、 LT3433の発振器周波数も制御します。VFBピンの電圧が 0.8Vより低いと、発振器は標準200kHzの動作周波数より低 い周波数で動作します。発振器の周波数はこのピンの電圧 の低下に従って低下し、VFB = 0Vで50kHzになります。 VFBピンの電圧は、「電流制限フォールドバック」機能を 介して、スイッチ電流制限も制御します。最大スイッチ 電流はVFB = 0Vで通常の値の半分に減少します。電流制 限値はVFBが0.6Vに達するまで直線的に増加し、そこで 通常の最大スイッチ電流のレベルに回復します。周波数 フォールドバックと電流制限フォールドバックにより、 短絡保護が強化され、起動時にインダクタ電流の暴走を 防ぐのに役立ちます。 SS (ピン10):ソフトスタート。このピンからグランド にコンデンサ(CSS)を接続します。LT3433の誤差アンプ の出力電圧は、スイッチ出力をリセットする前に検出さ れたピーク電流センス・アンプの出力に対応します。ソ フトスタート回路により、誤差アンプの出力は起動時に ゼロ・ピーク電流に強制されます。5µAの電流がSSピン から外部のコンデンサに強制されます。SSピンの電圧 がランプアップするにしたがい、LT3433の内部で検出 されるピーク電流制限もランプアップします。これによ り、コンバータの出力電流はゼロから通常の出力安定化 が達成されるまでランプするように強制されます。この 機能により、コンバータが起動するときの出力のオー バーシュートが減少します。VSS = 0Vから利用可能な最 大電流に達するまでの時間は、CSSが与えられると次の ように計算することができます。 tSS = (2.7 • 105)CSS or 0.27s/µF 6 SHDN (ピン11):シャットダウン。SHDNピンが外部で 0.5Vより下に引き下げられると、低電流シャットダウ ン・モードが開始されます。シャットダウン・モードの 間すべての内部機能がディスエーブルされ、ICCは10µA に減少します。このピンはデジタル入力を受け取ること が意図されていますが、SHDN回路には小さな入力ヒス テリシスが組み込まれており、グリッチのないモード切 替えを保証するのに役立ちます。シャットダウンを望ま なければ、SHDNピンをVINに接続します。 VBIAS (ピン12):内部ローカル電源。LT3433回路の大きな 部分がこの電源から給電されます。この電源は内蔵リニ ア・レギュレータによって内部で2.5Vに安定化されてい ます。このレギュレータの電流ドライブはVINピンから供 給されます。VBIAS電源は5mAに短絡保護されています。 VBIAS電源は電流を供給するだけなので、このピンを安 定化電圧より上に強制するとLT3433回路の大きな部分 に外部電源を使用することができます。外部ドライブを 使用する場合、このピンを3Vより上にドライブして、 内部電源が完全にディスエーブルされるようにします。 このピンは通常ダイオードを使ってコンバータの出力に 接続し、変換効率を最大にします。このピンは少なくと も0.1µFのセラミック・コンデンサを使ってSGNDへバ イパスする必要があります。 VOUT (ピン13):コンバータの出力ピン。このピンの電 圧は内部でVINの電圧と比較され、1スイッチ・モードま たは2スイッチ・モードの動作を内部でコントロールし ます。2つの電圧の比が、レギュレーションに75%を超 すデューティ・サイクルを必要とする値になると、下側 のスイッチがイネーブルされます。下側のスイッチのド ライブ・バイアスもこのピンから直接得られます。 PWRGND (ピン14):高電流グランド・リファレンス。 これは下側スイッチの電流リターンで、下側スイッチ・ トランジスタのエミッタに接続されています。 SW_L (ピン15):グランドを基準にしたスイッチ出力。 このピンは下側スイッチ・トランジスタのコレクタで す。下側スイッチは、イネーブルされると、SW_Lピン をPWRGNDに短絡します。グランドを基準にしたス イッチの直列インピーダンスは0.6Ωです。 露出パッド (ピン17):最適な熱性能を得るには露出パッ ドをPCBのグランドに半田付けする必要があります。3433f LT3433 ブロック図 VBIAS 1.25V BURST CONTROL CIRCUITS BIAS 12 BURST_EN 5 VIN 4 SENSE AMPLIFIER VBST 2 COMPARATOR BOOSTED DRIVER SW_H 3 SLOPE COMP OSCILLATOR 200kHz FREQUENCY CONTROL MODE CONTROL SWITCH CONTROL LOGIC SW_L 15 DRIVER GND VFB 14 7 ERROR AMPLIFIER 30% LOAD 1.231V VC + Burst Mode CONTROL SHDN 6 11 SHUTDOWN – 15% LOAD 0.7V SS 10 5µA VOUT SGND 1, 8, 9,16,17 13 3433 BD VOUT + 3433f 7 LT3433 アプリケーション情報 概要 LT3433 は高入力電圧範囲の昇圧/降圧DC/DCコンバータ ICで、200kHz固定周波数の電流モード・アーキテク チャを採用しています。デュアル内部スイッチにより、 入力電圧をすべてスイッチト・インダクタの両端に印加 することができるので、昇圧と降圧の両方のモードの動 作を同じ単一インダクタ・トポロジーを使って実現する ことができます。 LT3433はバッテリ駆動アプリケーション向けの高効率 低負荷動作が可能です。バースト・モード動作により、 無負荷状態の平均消費電流が100µAに減少します。低電 流シャットダウン・モードにすることもでき、全消費電 流が10µAに減少します。 LT3433の内部回路の大きな部分が内部の低電圧リニ ア・レギュレータによりバイアスされます。このレギュ レータの出力はVBIASピンから外部に取り出されるの で、内部レギュレータをバイパスすることができます。 関連した内部回路はコンバータの出力から直接給電する ことができるので、コンバータ全体の効率が向上しま す。外部で得られる電源を使用すると、VINからVBIASに 接続されている内部レギュレータに関連したデバイス内 の電力消費もなくなります。 動作原理(ブロック図参照) LT3433はVFBピンを介してコンバータの出力電圧を検出 します。このピンの電圧と内部1.231Vリファレンスの差 が増幅されてVCピンに誤差電圧を発生し、その誤差電 圧が電流センス・コンパレータのスレッショルドとして 使われます。 通常動作時、LT3433の内部発振器は200kHzで動作しま す。各発振器サイクルの開始時にスイッチ・ドライブが イネーブルされます。スイッチ・ドライブは、検出され たスイッチ電流がVCから得られた電流センス・コンパ レータのスレッショルドを超してスイッチ・ドライバを ディスエーブルするまで、イネーブルされた状態に留ま ります。発振器の1サイクル内に電流コンパレータのス レッショルドに達しない場合、スイッチ・ドライバはサ イクルの最後に250nsのあいだディスエーブルされま す。この最小オフ時間の動作モードにより、ブートスト ラップされた電源電圧VBSTの発生が保証されます。 コンバータの入力電圧が出力電圧に接近すると、通常の 降圧構成で適切に動作するには高いデューティ・サイク ルが必要になります。LT3433はこの状態を75%を超す デューティ・サイクルが必要になることで検出します。 8 このような状態になると、スイッチのオン時間のあいだ 2番目のスイッチがイネーブルされ、インダクタの出力 側をグランドに引き下げます。この「ブリッジ」動作によ り、VOUTがVINに近づくとき、または超えたとき、電圧 変換を継続することができます。 シャットダウン LT3433は低電流シャットダウン・モードを備えてお り、デバイスの全機能がディスエーブルされ、VIN電流 が10µAに減少します。SHDNピンを0.4V以下に引き下げ ると、シャットダウン・モードになります。 バースト・モード動作 LT3433は低電流バースト・モード機能を採用してお り、無負荷および低負荷状態での効率を最大にします。 バースト・モード機能は、BURST_ENピンをVBIASまた はVOUTのどちらかに短絡するとディスエーブルされま す。バースト・モード機能はBURST_ENをSGNDに短絡 するとイネーブルされます。 電流範囲の広い特定のアプリケーションでは、デバイス は通常の負荷状態でバースト・モード動作に入ることが あります。バースト・モード動作によって生じる追加の 出力リップルやノイズが通常動作で望ましくない場合、 無負荷状態ではディスエーブルされる外部電源を使って BURST_ENをバイアスすることができます。これによ り、バースト・モード動作は必要なときだけイネーブル されます。BURST_ENピンにはバースト・モード動作 がディスエーブルされているとき(VBURST_EN ≥ 2V)標準 で35µA流れ、VBURST_EN = 2Vのとき75µA以上流れること はありません。 VCピンの電圧を介して検出された、必要とされるス イッチ電流が最大値の30%より小さいと、バースト・ モード機能が採用されます。VC電圧が30%の負荷レベル より下に下がると、検出電流のそのレベルがデバイスに ラッチされます。出力負荷がこのラッチされた電流レベ ルより小さな電流しか必要としないと、コンバータは各 スイッチ・サイクルの間、出力をわずかにオーバードラ イブします。このオーバードライブ状態により、VCピ ンの電圧は低下し続けるように強制されます。VC電圧 が15%の負荷レベルより下に下がると、スイッチングは ディスエーブルされ、LT3433はほとんどの内部回路を シャットダウンするので、消費電流は100µAに減少しま す。VCピンの電圧が20%の負荷レベルに回復すると、デ バイスは通常動作に戻り、スイッチングが再開されま す。 3433f LT3433 アプリケーション情報 アンチスロープ補償 ほとんどの電流モード・スイッチング・コントローラは 電流モードの不安定性を防ぐためにスロープ補償を使用 します。LT3433も例外ではありません。スロープ補償 回路では、デューティ・サイクルの増加につれて立上り スロープを増加させるために検出電流を人為的にランプ させます。残念なことに、この追加ランプにより検出電 流値が正しい値から外れるので、追加ランプが表すのと 同じ量だけ実現される電流制限値が低下します。このよ うに、電流制限はデューティ・サイクルの増加につれて 一般に減少します。 LT3433にはスロープ補償に関連した電流制限の減少を 防ぐ回路、つまりアンチスロープ補償が備わっていま す。スロープ補償ランプが検出電流に追加されるとき、 同様のランプが電流制限スレッショルドのリファレンス に追加されます。結局、電流制限が損なわれることはな いので、LT3433は必要なデューティ・サイクルに関係 なく全電力を供給することができます。 モードの切替え LT3433は動作が降圧モードと降圧/昇圧モードのあいだ で自動的に切り替わります。降圧モードでは、コンバー タ の 入 力 電 圧 が 出 力 電 圧 に 十 分 近 づ い て 75%を 超 す デューティ・サイクルが必要になると、LT3433は自動 的に2番目のスイッチをイネーブルします。このスイッ チはスイッチ・オン時間のあいだインダクタの出力側を グランドに引き下げます。この「ブリッジ」スイッチング 構成により、VINがVOUTに近づいたとき、または下回っ たとき、電圧変換を継続することができます。 連続降圧動作に必要なデューティ・サイクルが75%より 大きくなるところまでコンバータの入力電圧が低下する と、LT3433はグランドを基準にしたスイッチをイネー ブルし、コンバータの動作をデュアル・スイッチのブ リッジ構成に切り替えます。スイッチト・インダクタ両 端で利用可能な電圧はブリッジされているあいだ大きく なるので、動作デューティ・サイクルは減少します。外 付けダイオードに関連した電圧降下と損失項は内部で見 積もられるので、必要な動作デューティ・サイクルは特 定の動作電圧には無関係に計算することができます。 要するに、降圧DC/DCコンバータはインダクタのVIN側 をスイッチングし、昇圧コンバータはインダクタの VOUT側をスイッチングします。LT3433のブリッジ・ト ポロジーは降圧トポロジーと昇圧トポロジーの要素を融 合させ、インダクタの両側にスイッチを設けています。 両方のスイッチを同時に動作させると昇圧と降圧の両方 の機能が実現されます。 降圧 (VIN(V>INV>OUT ) ) Step-Down VOUT VIN SW CIN L VOUT D COUT 昇圧 (V(V < <VOUT Step-Up VOUT) ) ININ L VIN CIN D SW VOUT COUT VOUT 昇圧/降圧 (VIN > (V Step-Up/Step-Down VOUT or IN VIN< <VVOUT IN >またはV OUT)) VIN SW CIN L D D SW VOUT COUT 3433 F01 最大デューティ・サイクル能力(DCMAX)により、降圧コ ンバータのドロップアウト能力が制御されます。 VIN−VOUTが減少するにつれ必要なデューティ・サイク ルが増加し、DCMAXに達します。DCMAXを超すとコン バータは安定化機能を失います。VINとグランド間のス イッチト・インダクタを2番目のスイッチがブリッジす ると、入力電圧全体がスイッチ・オン時間の間インダク タの両端に印加され、そのため安定化機能を維持するの に必要なデューティ・サイクルが減少します。このトポ ロジーを使って、VINがVOUTに近づくか、またはVOUTを 下回っても、安定化機能を維持します。 インダクタの選択 LT3433のアプリケーションにおけるインダクタの値の 主要な選択基準は、そのインダクタに生じるリップル電 流です。リップル電流に関する設計上の検討事項は、ブ リッジ・モードでのコンバータの出力能力、出力電圧 リップル、および電流モードの不安定性を防ぐための内 部スロープ補償の波形の能力です。 3433f 9 LT3433 アプリケーション情報 電流モードの不安定性を防ぐ必要条件は、検出されたイ ンダクタ・リップル電流(S1)の上昇スロープが下降ス ロープ(S2)より大きいことです。50%より大きなデュー ティ・サイクルではこうなりません。不安定状態を避け るには、電流モードの不安定性を防ぐのに十分なスロー プ(SX)で偽信号を検出電流に追加します(つまりS1+SX ≥ S2)。したがって、次の関係が成り立ちます。 SX ≥ S2(2DC – 1)/DC コンバータのキャッチ・ダイオードとパス・ダイオード の順方向電圧をVF1とVF2で定義すると、次のようになり ます。 S2 = (VOUT + VF1 + VF2)/L Lについて解くと、スロープ補償の条件を満たす最小イ ンダクタンスの関係が得られます。 LMIN = (VOUT + VF1 + VF2)(2DC – 1)/(DC • SX) LT3433は利用可能なダイナミック・レンジを最大にす るのに、デューティ・サイクルの増加にともない連続的 に増加するスロープを発生するスロープ補償発生器を使 います。スロープ補償波形は80%のデューティ・サイク ルで調整され、少なくとも0.05A/µsに相当するスロープ を発生します。すると、最小インダクタンスの式は次の ように簡単になります。 たとえば、VOUT = 5VのときVF1+VF2 = 1.1V (低温) を使う と次のようになります。 LMIN = (5 + 1.1)(15e-6) = 91.5µH コンバータの能力 LT3433コンバータの出力電流能力は多数の変数の影響 を受けます。スイッチを流れる電流はLT3433によって 制限されます。スイッチ電流はVIN電源からくる電流が 測定され、負荷電流を直接制限するわけではありませ ん。このことはコンバータの出力電流が不連続になるブ リッジ・モード動作のとき特に当てはまります。 ブリッジ・モード動作では、コンバータの出力電流は不 連続で、スイッチがオフしている間だけ出力に電流が流 れます(不連続スイッチャ動作と混同しないでくださ い)。その結果、コンバータの最大出力電流能力は降圧 モード動作時に比べて(追加損失を含めないで)およそ 1− DCの割合で減少します。ほとんどのコンバータ損失 もDCの関数なので、コンバータの負荷能力を予測する には動作デューティ・サイクルを正確に決定する必要が あります。 VIN SW_H D1 LMIN = (VOUT + VF1 + VF2)(15e-6) LT3433 SW_L L D2 VOUT スロープ補償の条件 標準的な最小インダクタ値とVOUT 3433 AI02 350 300 LMIN (µH) 250 200 150 100 50 4 6 8 10 12 14 VOUT (V) 16 18 20 3433 AI01 アプリケーションの変数: VIN = コンバータの入力電源電圧 VOUT = コンバータのプログラムされた出力電圧 VBST = 昇圧された電源電圧 (VBST−VSWH) DC = 動作デューティ・サイクル fO = スイッチング周波数 IMAX = ピーク・スイッチ電流リミット ∆IL = インダクタ・リップル電流 ISW = 平均スイッチ電流、つまりピーク・スイッチ電 流からリップル電流の半分を引いた値 (IMAX−∆IL/2) RSWH = 昇圧されたスイッチの「オン」抵抗 RSWL = 接地されたスイッチの「オン」抵抗 L = インダクタの値 3433f 10 LT3433 アプリケーション情報 RL = インダクタ直列抵抗 ∆BST = 昇圧されたスイッチ・ドライブ電流IVBST/ISW (単 位はA/A) ∆OUT = 接地されたスイッチ・ドライブ電流IVOUT/ISW (単位はA/A) VF1 = スイッチ・ノードのキャッチ・ダイオードの順 方向電圧 VF2 = パス・ダイオードの順方向電圧 IVIN = VINの入力消費電流 IIN = VINのスイッチされた電流 IBIAS = VBIASの入力消費電流 RCESR = 出力コンデンサのESR 動作デューティ・サイクルはスイッチト・インダクタ両 端に印加される電圧とスイッチのオン時間/オフ時間の 関数です。インダクタを流れる電流の変化の関係式を使 うと次のようになります。 δI = V • δt/L 上の関係式にアプリケーションの変数を代入すると次の ようになります。 す。得られた∆Iが初期値に近くなれば(<1%)、そのとき のDCの計算値を使用することができます。 DCが求まったら、コンバータの出力の電流保存を使って、 以下のように最大出力電流を決定することができます。 ブリッジ動作: IOUT(MAX) = ISW • [1 – DC • (1 + ∆BST + ∆OUT)] – IBIAS 降圧動作: IOUT(MAX) = ISW • (1 – DC • ∆BST) – IBIAS PIN = POUT+PLOSS。ここで、PLOSS = PSWON+PSWOFF+PIC であり、コンバータの電力損失に対応しています。PIC はLT3433が消費する電力です。PSWONはスイッチ・オン 期間に電力経路に関連して生じる損失で、PSWOFFはス イッチ・オフ期間に関連したPowerPathTMの損失です。 PLOSSは以下の電力損失項の和です。 PVIN = VIN • IVIN PBIAS = VOUT • IBIAS δION(BRIDGED) = (DC/fO • L)[VIN – ISW • (RSWH + RSWL + RL)] PSWON(BRIDGED) = DC • [ISW 2 • (RSWH + RSWL+ RL) + ISW • VOUT • (∆BST + ∆OUT) + RCESR • IOUT2] δION(BUCK) = (DC/fO • L)[VIN – VOUT – VF2 – ISW • (RSWH + RL + RESR)] PSWON(BUCK) = DC • [ISW 2 • (RSWH + RL) + ISW • VOUT • ∆BST + RCESR • (ISW • (1 – ∆BST) – IBIAS – IOUT)2] δIOFF = [(1 – DC)/fO • L][VOUT + VF1 + VF2 – ISW • (RL + RESR)] PSWOFF = (1 – DC) • [ISW • (VF1 + VF2) + ISW2 • RL + RCESR • (ISW – IBIAS – IOUT)2] インダクタの電流保存によりδION = δIOFFなので、上記の関 係式に代入してDCに関して解くと次のようになります。 DC(BRIDGED) = [VOUT + VF1 + VF2 – ISW • (RL + RESR)]/ [VIN – ISW • (RSWH + RSWL + 2RL + RESR) + VOUT + VF1 + VF2 ] DC(BUCK) = [VOUT + VF1 + VF2 – ISW • (RL + RESR)]/ [VIN – ISW • (RSWH + 2RL + 2RESR) + VF1] 上の式を解くには、ISWを計算できるようにインダク タ・リップル電流(∆I)を求める必要があります。∆Iは次 の関係式で表されます。 ∆I = (VOUT + VF1 + VF2 – ISW • RL)(1 – DC)/(L • fO) ∆IはDCの関数であり、その逆でもあるので、解は反復 的です。初期値になる∆Iをまず与えて、DCについて解 きます。得られたDCの値を使って∆Iを求めます。こう して得られた∆Iを新しい初期値として使って繰り返しま 効率(E)はPOUT/PINとして表されるので、次のようにな ります。 効率 = {1 + (PVIN+ PBIAS+PSWON+PSWOFF)/POUT}-1 電流プローブを使ってさまざまな入力電圧と負荷電流で インダクタ電流をモニタすることにより、コンバータの 能力を経験的に求めることができます。入力電圧を下げ るか、または負荷電流を増やすと、インダクタ電流が増 えます。ピーク・インダクタ電流がスイッチ電流のリ ミット値に達するとき、最大出力電流が得られます。イ ン ダ ク タ 電 流 を LT3433で 規 定 さ れ て い る W/C電 流 リ ミットの0.5V(低温)に制限すると、動作リミットの変動 に対するマージンが得られます。これらのリミットはア プリケーションの必要とする動作温度の限界値で評価し て、堅牢な動作を保証します。 PowerPathはリニアテクノロジー社の商標です。 3433f 11 LT3433 アプリケーション情報 設計例 4V∼60Vから5VへのDC/DCコンバータ(このデータシー トの表紙のアプリケーション)、TA = 85℃での負荷能 力。 アプリケーション固有の定数: LT3433 W/Cの定数: VIN = 4V IMAX = 0.55A CALCULATED VALUES ITERATION # SEED ∆I ISW DC ∆I 1 0 0.55 0.683 0.095 2 0.095 0.503 0.674 0.098 3 0.098 0.501 0.674 0.098 反復後、DC = 0.674および∆I = 0.098となります。 VOUT = 5V RSWH = 1.2Ω L = 100µH RSWL = 1Ω RL = 0.28Ω fO = 190kHz VF1 = 0.45V ∆BST = 0.05 IOUT(MAX) = 0.501 • [1 – 0.674 • (1 + 0.05 + 0.05)] – 800µA VF2 = 0.4V ∆OUT = 0.05 IOUT(MAX) = 129mA RCESR = 0.01Ω IVIN = 600µA IBIAS = 800µA LT3433はVIN = 4Vでブリッジ・モードで動作するので、 使用される関係式は以下のとおりです。 DC = [VOUT + VF1 + VF2 – ISW • (RL + RESR)]/[VIN – ISW • (RSWH + RSWL + 2RL + RESR) + VOUT + VF1 + VF2] ∆I = (VOUT + VF1 + VF2 - ISW • RL) • (1 – DC)/(L • fO) IOUT(MAX) = ISW • [1 – DC • (1 + ∆BST + ∆OUT)] – IBIAS DCの反復手順は以下のとおりです。 DCに関する反復結果と設計定数を使って次のIOUT(MAX) の関係式を解きます。 増加した出力電圧 LT3433は出力電圧が3.3V∼20Vのコンバータ・アプリ ケーションに使用することができますが、コンバータの 出力電圧が増加するにつれ、出力電流とデューティ・サ イクルの制限により、LT3433の動作範囲の極端に下の 方のVINでの動作が妨げられます。コンバータが降圧/昇 圧コンバータとして動作する場合、出力電流が不連続に なるので、出力電流能力がおよそ1−DCの割合で低下し ます(ここで、DCはデューティ・サイクル)。このよう に、出力電流の必要条件により出力安定化を維持できる 最小入力電圧が支配されます。 (1) ∆Iの初期値を設定します(この例では∆I = 0に設定)。 出力電圧と必要な負荷電流の 関数としての標準的最小入力電圧 (2) ∆Iの初期値を使ってISW (ISW = 0.55−0 = 0.55)を求めま す。 24 20 (4) 計算されたDCを使って∆Iの関係式を解きます(∆I = 0.0949となります)。 200mA VIN(MIN) (V) (3) 計算されたISWと上記の設計定数を使ってDCの関係 式を解きます(DC = 0.683)。 16 175mA 12 125mA 150mA 8 (5) 計算した∆Iが初期値に等しければ、停止します。等 しくなれければ、計算した∆Iを新しい初期値として 使って(2)∼(4)を繰り返します。 4 4 8 12 16 20 VOUT (V) 3433 AI03 3433f 12 LT3433 アプリケーション情報 4V∼50Vから5Vへのコンバータの入力過渡応答 1msで13.8Vから4Vへの入力遷移 入力電圧過渡の抑止 LT3433コンバータは広い範囲のDC入力電圧で動作する だけでなく、入力電圧の大きな過渡時にも出力の厳密な 安定化を維持します。降圧モード動作と降圧/昇圧モー ド動作のあいだを自動的に移行するので、入力電圧過渡 時にシームレスに出力を安定化します。車載環境では、 コールドクランク状態で経験するような入力電圧過渡は ありふれた現象です。コールドクランクの開始時、バッ テリ電圧がわずか1msのあいだ4Vに引き下げられること があります。このデータシートの表紙に示されている 4V∼ 60Vか ら 5Vへ の DC/DCコ ン バ ー タ の ア プ リ ケ ー ションでは、(13.8Vから4Vへの1msの入力過渡でシミュ レーションした)コールドクランク過渡状態に対して、 125mAの負荷で1%の安定化が維持されます。 VIN 5V/DIV VOUT 0.1V/DIV 1ms/DIV 3433 AI04 標準的応用例 4V∼60Vから5Vへのコンバータ(バースト・イネーブルとシャットダウンの切替え付き) L1 100µH COEV DU1352-101M D2 1N4148 VBATT (SWITCHED) VBATT 4V TO 60V C5 1µF 10V R4 20k C4 2.2µF 100V DZ1 20V R3 100k C3 330pF C2 1nF R1 68k DS2 B120A VBST SW_L SHDN C7 47µF 10V 効率 90 VIN = 13.8V SW_H PWRGND LT3433 VIN VOUT BURST_EN VBIAS VC SHDN VFB SS SGND R2 100k 1% + VOUT 5V 4V < VIN < 8.5V: 125mA 8.5V < VIN < 60V: 350mA 80 70 D1 1N4148 EFFICIENCY (%) DS1 B160A C6 0.1µF 10V 60 VIN = 4V 50 40 C1 0.01µF VIN = 13.8V BURST VIN = 4V (BURST) 30 R5 309k 1% 3433 TA03a MODE SWITCH: VIN H-L: 7.9V VIN L-H: 8.3V 20 0.1 1 10 100 OUTPUT CURRENT (mA) 1000 3433 TA03b 3433f 13 LT3433 標準的応用例 8V∼60Vから12Vへのコンバータ L1 200µH TDK SLF12565T-221M1R0 DS1 B160A D2 1N4148 C7 0.47µF 20V VIN 8V TO 60V C6 2.2µF 100V C3 330pF DS2 B120A VBST + C5 47µF 25V SW_L SW_H PWRGND LT3433 VOUT VIN D1 1N4148 (BURST) BURST_EN VBIAS VC SHDN VOUT 12V 8V < VIN < 18V: 125mA 18V < VIN < 60V: 380mA C6 0.1µF 20V R1 68k C2 1nF SS VFB R2 20k 1% R3 174k 1% SGND C4 0.01µF MODE SWITCH: VIN H-L: 16.6V VIN L-H: 17V (NO BURST) 3433 TA04a 効率 最小出力電流とVIN 500 100 VIN = 20V 90 BRIDGED 400 70 VIN = 20V (BURST) VIN = 8V IOUT(MAX) (mA) EFFICIENCY (%) 80 60 50 40 VIN = 8V (BURST) 300 200 BUCK 100 30 20 0.1 0 10 100 1 OUTPUT CURRENT (mA) 1000 3433 TA04b 0 10 20 30 VIN (V) 40 50 60 3433 TA04c 3433f 14 LT3433 パッケージ寸法 FEパッケージ 16ピン・プラスチックTSSOP(4.4mm) (Reference LTC DWG # 05-08-1663) 露出パッドのバリエーションBB 4.90 – 5.10* (.193 – .201) 3.58 (.141) 3.58 (.141) 16 1514 13 12 1110 6.60 ±0.10 9 2.94 (.116) 4.50 ±0.10 2.94 6.40 (.116) (.252) BSC SEE NOTE 4 0.45 ±0.05 1.05 ±0.10 0.65 BSC 1 2 3 4 5 6 7 8 推奨半田パッド・レイアウト RECOMMENDED SOLDER PAD LAYOUT 4.30 – 4.50* (.169 – .177) 0.09 – 0.20 (.0035 – .0079) 0.50 – 0.75 (.020 – .030) 0.25 REF 1.10 (.0433) MAX 0° – 8° 0.65 (.0256) BSC 0.195 – 0.30 (.0077 – .0118) TYP 0.05 – 0.15 (.002 – .006) FE16 (BB) TSSOP 0204 NOTE: NOTE: 1.標準寸法:ミリメートル CONTROLLING DIMENSION: MILLIMETERS 4. RECOMMENDED MINIMUM PCB METAL SIZE 4. 露出パッド接着のための推奨最小PCBメタルサイズ 1. FOR EXPOSED PAD ATTACHMENT *寸法にはモールドのバリを含まない。モールドのバリは MILLIMETERS ミリメートル 2. DIMENSIONS ARE IN 2. 寸法は (0.006") を超えないこと *DIMENSIONS DO NOT INCLUDE MOLD FLASH. MOLD FLASH (インチ) (INCHES) 各サイドで0.150mm SHALL NOT EXCEED 0.150mm (.006") PER SIDE 3. 3.図は実寸とは異なる DRAWING NOT TO SCALE 3433f リニアテクノロジー・コーポレーションがここで提供する情報は正確かつ信頼できるものと考えておりますが、 その使用に関する責務は一切 負いません。 また、 ここに記載された回路結線と既存特許とのいかなる関連についても一切関知いたしません。 なお、 日本語の資料はあくまで も参考資料です。 訂正、 変更、 改版に追従していない場合があります。 最終的な確認は必ず最新の英語版データシートでお願いいたします。 15 LT3433 標準的応用例 バーストのみの低ノイズ5V保守用電源 L1 33µH COILCRAFT LPO1704-333 DS1 B160A DS2 B120A D1 1N4148 C1 0.1µF VBST SW_L SW_H PWRGND LT3433 VIN VOUT VIN 4V TO 60V D2 1N4148 2.2µF C6 100pF R2 510k 5% BURST_EN VBIAS VC SHDN SS VFB R1 2.2M 5% C2 0.1µF IN SGND OUT LT1761-5 SHDN GND BYP C4 0.01µF VOUT 5V C5 10mA 2.2µF C3 10µF 3433 TA02 関連製品 製品番号 説明 LT1076/LT1076HV 1.6A (IOUT)、100kHz高効率降圧DC/DCコンバータ 注釈 VIN:7.3V∼45V/64V、VOUT(MIN) = 2.21V、 IQ =8.5mA、ISD < 10µA、DD5/DD7、TO220-5/TO220-7 LT1676 60V、440mA (IOUT)、100kHz高効率降圧DC/DCコンバータ VIN:7.4V∼60V、VOUT(MIN) = 1.24V、 IQ = 3.2mA, ISD < 2.5µA、SO-8 LT1765 25V、2.75A (IOUT)、1.25MHz高効率降圧DC/DCコンバータ VIN:3V∼25V、VOUT(MIN) = 1.20V、IQ = 1mA、 ISD < 15µA、SO-8、TSSOP16E LT1766/LT1956 60V、1.2A (IOUT)、200kHz/500kHz高効率 降圧DC/DCコンバータ VIN:5.5V∼60V、VOUT(MIN) = 1.20V、 IQ = 2.5mA、 ISD < 25µA、TSSOP16/TSSOP16E LT1767 25V、1.2A (IOUT)、1.25MHz高効率降圧DC/DCコンバータ VIN:3V∼25V、VOUT(MIN) = 1.20V、IQ = 1mA、 ISD < 6µA、MS8/MS8E LT1776 40V、550mA (IOUT)、200kHz高効率降圧DC/DCコンバータ VIN:7.4V∼40V、VOUT(MIN) = 1.24V、 IQ = 3.2mA、 ISD < 30µA、N8、SO-8 LT1976 60V、1.2A (IOUT)、200kHz高効率マイクロパワー (IQ < 100µA) 降圧DC/DCコンバータ VIN:3.3V∼60V、VOUT(MIN) = 1.20V、 IQ = 100µA、 ISD < 1µA、TSSOP16E LT3010 80V、50mA低ノイズ・リニア・レギュレータ VIN:1.5V∼80V、VOUT(MIN) = 1.28V、IQ = 30µA、 ISD < 1µA、MS8E LTC3412/LTC3414 2.5A (IOUT)、4MHz同期式降圧DC/DCコンバータ VIN:2.5V∼5.5V、VOUT(MIN) = 0.8V、IQ = 60µA、 ISD < 1µA、TSSOP16E LTC3414 VIN:2.3V∼5.5V、VOUT(MIN) = 0.8V、IQ = 64µA、 ISD < 1µA、TSSOP20E 4A (IOUT)、4MHz同期式降圧DC/DCコンバータ LTC3727/LTC3727-1 36V、500kHz高効率降圧DC/DCコンバータ VIN:4V∼36V、VOUT(MIN) = 0.8V、IQ = 670µA、 ISD < 20µA、QFN32、SSOP28 LT3430/LT3431 VIN:5.5V∼60V、VOUT(MIN) = 1.20V、 IQ = 2.5mA、 ISD < 30µA、TSSOP16E 60V、2.75A (IOUT)、200kHz/500kHz高効率 降圧DC/DCコンバータ LTC3440/LTC3441 600mA/1.2A (IOUT)、2MHz/1MHz、効率95%の 同期式降圧/昇圧DC/DCコンバータ VIN:2.5V∼5.5V、VOUT(MIN) = 2.5V、IQ = 25µA、 ISD < 1µA, MS10 3433f 16 リニアテクノロジー株式会社 〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-6秀和紀尾井町パークビル8F TEL 03-5226-7291• FAX 03-5226-0268 • www.linear-tech.co.jp 0504 0.2K • PRINTED IN JAPAN LINEAR TECHNOLOGY CORPORATION 2003
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