とよ ころ 豊頃ってどんなところ? 外から見れば海あり山あり畑あり 豊頃は豊かな自然に囲まれた、のどかで住みやすい地域のように思えます。 でも実際はどうなの?? この町で暮らすファミリーの声を聞いてみました。 整 備 し て い る 人 が い ま す 。 そ れ が ﹁ み っ ち ゃ ん ﹂ で し た 。 駅の待合室。みっちゃんのお 気に入りの場所でもある。 十弗駅は別名「10$(ドル)駅」 ともいわれ、鉄道ファンの中 では有名な駅なのだそう。 無 人 駅 で す 。 こ の 駅 を 長 年 ボ ラ ン テ ィ ア で 清 掃 し 、 花 壇 な ど も 十 弗 駅 。 し か し 今 で は そ の 時 の 面 影 も 無 く 、 人 通 り も ま ば ら な 国 鉄 時 代 に は 、 官 舎 も あ り 行 き 交 う 人 々 で 賑 や か だ っ た と い う 愛澤さん一家 左上段から忍(しのぶ)さん (奥さん)、利憲さん、憲一さん(利憲さんの父)、悦子さん(利憲さんの母)、知輝(ともき)くん(長男)、重悦(しげえつ)さん(利憲さんの祖父)、つやさん (利憲さんの祖母)、稜真 (りょうま)くん(次男) 愛 澤 さ ん 一 家 の こ た え ①8人家族 (二宮) ②豊頃町二宮 (利憲さん、悦子さん、重悦さん、つやさん) 十勝・浦幌町(忍さん) 東京都(憲一さん) ③33年 (利憲さん) 9年 (忍さん) 34年 (憲一さん) 57年 (悦子さん) 80年ぐらい (重悦さん、つやさん) ④農業 ⑤自然がいっぱいあるところ。海と山が近いです。 (利憲さん) 鹿とかキツネが身近に見れます。(忍さん) 静かなのがいいわな。(重悦さん) ⑥子どもたちとのふれあいですかね。(利憲さん) 農業。毎年条件は違う中でうまくできたときや、 友達なんかに配って「うまかった」っていって もらえたら嬉しいよね。(憲一さん) 週2回のゲートボール。(つやさん) 27 toyokoro ⑦やっぱり秋だなあ。収穫の楽しみと畑がどんど ん片付いていくからね(笑)。(憲一さん) 秋。裏の山の紅葉がきれいなんだよ。 (重悦さん) ⑧肉牛の価格が下がっていて、続けていこうかど うしようかと…。(利憲さん) 体がいうこときかなくなってること(笑)。 (憲一さん) 孫・ひ孫のことが心配だな。(重悦さん) なんにもないねえ(笑)。(つやさん) ⑨このまま安定した農業を続けていきたい。自分 の代で終わらせないで、次の代につないでいく ことです。(利憲さん) 家族みんなが楽しく仲良くしていくことかな。 (憲一さん) 去年から始めた直売所に並べる野菜の種類を増 やしていきたいね。(悦子さん) ⑩地域のこととか何もわからなかったころ、地域 の集まりに行き、周りの人が優しくしてくれて、 いいところだなあって思いました。(忍さん) 田舎のよさだよなあ。星がきれいだって、東北 の田舎に住んでいる人もいってくれたよ。 (憲一さん) みっちゃんの家を訪れたのは 冬。石炭ストーブは現役で、 上にはやかんと鉄瓶が載せて あった。 聞いてみたこと 「みっちゃん」 と 池田駅駅長柳田富士夫さん。 ①家族構成 ②出身地 ③豊頃在住歴 ④職業 ⑤住んでいて「いいなあ」と思うこと ⑥日々のたのしみ ⑦好きな季節とその理由 ⑧最近の困りごと ⑨夢。これからの目標 ⑩豊頃を知らない方々へ一言 か り み っ ち ゃ ん の フ ァ ン に な っ て し ま い ま し た 。 入 れ て く れ た お 茶 が と び き り お い し く て 、 す っ の よ さ が 刻 ま れ た 飾 り 気 の な い 笑 顔 と 、 何 度 も く 家 に 来 る ん だ ﹂ と 笑 う み っ ち ゃ ん 。 そ の 人 柄 ﹁ み っ ち ゃ ん 、 み っ ち ゃ ん っ て 池 田 の 駅 長 が よ に 出 向 い て せ っ せ と 駅 を き れ い に し ま す 。 始 ま り ま し た 。 今 で も 4 月 か ら 11 月 ま で 毎 日 駅 闘 す る 様 子 を 見 か ね 、 み っ ち ゃ ん の お 手 伝 い は ら 毎 度 の こ と 職 員 が 駆 け つ け て 草 取 り に 悪 戦 苦 状 態 に な っ て し ま っ た の だ そ う で す 。 池 田 駅 か れ 、 夏 場 に な る と ホ ー ム に は 雑 草 が 伸 び 放 題 の 管 理 す る 人 が い な く な り ま し た 。 す る と 駅 は 荒 で す 。 1 9 7 1 年 に 無 人 駅 と な り 、 常 駐 で 駅 を 十 弗 駅 は J R 根 室 線 、 池 田 駅 の 隣 り に あ る 駅 む し り を 無 償 で 続 け て い ま す 。 歳 。 20 年 前 か ら 家 の 前 に あ る 十 弗 駅 の 掃 除 や 草 ち ゃ ん と 呼 ぶ こ と に し ま し た 。 み っ ち ゃ ん は 80 だ ﹂ と 居 心 地 悪 そ う に い う の で 、 そ れ か ら み っ ん っ て 呼 ぶ ん だ よ 。 だ か ら み っ ち ゃ ん で い い ん ﹁ み つ さ ん ﹂ と 呼 ん で い る と ﹁ み ん な み っ ち ゃ み っ ち ゃ ん の 本 名 は 坂 田 み つ さ ん と い い ま す 。 ば あ ち ゃ ん の 家 の 匂 い が し ま し た 。 も 温 か く 、 初 め て 来 た と は 思 え な い 懐 か し い お ス ト ー ブ で 暖 め ら れ る み っ ち ゃ ん の 家 。 真 冬 で み る と 、 や は り そ の 石 こ ろ は 石 炭 で し た 。 石 炭 い 、 あ と で ﹁ み っ ち ゃ ん ﹂ に そ の こ と を 尋 ね て も の が 入 っ た バ ケ ツ が あ り ま し た 。 も し や と 思 玄 関 の 戸 を 開 け る と 、 足 元 に 黒 い 石 の よ う な し な い わ け に は い か な い か ら ね 一 回 手 つ け た ら 、 toyokoro 26 長 瀬 さ ん 一 家 の こ た え ①5人家族 (中央新町) ①5人家族 (大津元町) ②十勝・帯広市(貴哉さん) 十勝・幕別町(順子さん) ②豊頃町大津(和也さん) 十勝・池田町(真弓さん) ③8年 (夫婦) ③37年 (和也さん) 14年 (真弓さん) ④会社員(郵便) ⑤地域との結びつきが強い。車通りが少なく子どもを外で遊ばせるの にも安心できます。(順子さん) ⑥子どもたちを見ていること。 子どもがいなかったら無口になるかも(笑)。(貴哉さん) 部屋のインテリア作りです。(順子さん) ⑦夏。家族で海に行ったり、キャンプができるから!(貴哉さん) 冬。雪遊びができる!(飛和くん) ⑧子どもが全然いうことを聞かないことぐらいかな(笑)。 (順子さん) ママがチョコレートくれない。(歩太くん) ⑨家が欲しい…。(順子さん) 長瀬さん一家 左から寧々(ねね)ちゃん(長女)、順子さん (奥さん)、貴哉さん、 飛和(とわ)くん(長男)、歩太(あゆた)くん(次男) 川 村 さ ん 一 家 の こ た え ⑩自然ですかね。身近にシカとかタンチョウヅルがいて、大津に行け ばみんな釣りをやっています。道路の真ん中にシカが横たわってい たこともありましたよ。(貴哉さん) 子どもがのびのび育つ環境がそろっています。地域の団結力が強く 入りにくいイメージがあったけど、中に入るととってもフレンド リーでした。(順子さん) ④漁業 ⑤ゴミゴミしていないとこかな。(和也さん) 明るい人と元気な人がたくさんいるよ。(鈴治くん) ⑥子どもをからかいながらお酒を飲むこと(笑)。(和也さん) 私も一緒です(笑)。(真弓さん) ⑦春。ツブ漁の始まる季節だから。気合いが入ります!(和也さん) ⑧中学校にサッカー部がなく、小学校から子どもがやっていたサッ カーを続けられなかったことです。(真弓さん) ⑨家族みんなが、死ぬまで仲良く元気でいること!(真弓さん) ⑩海があって山があって自然がいっぱいのところなんで、そういうの が好きな人にはいいんじゃないかな(笑)。(和也さん) 聞いてみたこと ①家族構成 ②出身地 ③豊頃在住歴 ④職業 ⑤住んでいて 「いいなあ」と思うこと ⑥日々のたのしみ ⑦好きな季節とその理由 ⑧最近の困りごと ⑨夢。これからの目標 ⑩豊頃を知らない方々へ一言 川村さん一家 左奥から和也さん、真斐郎(まひろ)くん(長男)、鈴治(れいじ)くん(次男)、 真弓さん(奥さん)、雅(みやび)ちゃん(長女) 杉 村 さ ん 一 家 の こ た え 足 利 さ ん 一 家 の こ た え ①4人家族 (茂岩本町) ①4人家族 (中央新町) ②豊頃町茂岩本町(大輔さん) 十勝・帯広市(智恵子さん) ②北海道・士別市(紀人さん) 北海道・旭川市(真紀美さん) ③36年 (大輔さん) 7年 (智恵子さん) ③5年 (紀人さん) 4年 (真紀美さん) ④自営業 ④会社員 ⑤ず∼っといるからねえ。町の人がほとんど顔見知りなことかなあ。 (大輔さん) 隣近所みんな知り合いだから、困ったら気軽に助けてくれます。 (智恵子さん) ⑤空気がきれい。田舎だけど不自由なく暮らせますよ。(紀人さん) 静か過ぎるところかな(笑)。人は少ないけど、子ども同士が仲良く なれます。ママ友もできやすいですね。(真紀美さん) ⑥毎日のビールと仕事が終わってから子どもと遊ぶこと。 (紀人さん) 子どもの成長ですね。(真紀美さん) ⑥子どもの成長と野球の全国大会!(大輔さん) 子どもの入学式。(智恵子さん) ⑦夏。野球シーズンだから。(大輔さん) 嫌いな季節は夏。野球が始まるから…。(智恵子さん) 秋。松ぼっくりを拾いにいくから。(美音羽ちゃん) ⑦夏。風が気持ちいい。すごい暑いわけでもなく過ごしやすい。 (紀人さん) 夏。海が好きだし、行動する範囲が広がるので。冬の雪が少ないの もいいです。(真紀美さん) ⑧太り過ぎです。二人とも(笑)。(夫婦) ⑧全然ないね(笑)。あえていうなら娘のだだっこかな(笑)。(夫婦) ⑨いつかマイホーム!(大輔さん) ⑨現実に追われていて考えもしなかった!!(紀人さん) ⑩いい町だと思うので、豊頃を知らない人は一度来て特産品を食べて みて欲しいですね。(大輔さん) 育児支援が充実しています。育児するにはいいところだと思います よ。 (智恵子さん) ⑩住んでいてお店とか医療機関とか不便だと思っていたけど、そんな こと以上に人間味にあふれていて温かい町だと思う。(紀人さん) ちょっと不便だけど、お金を使わなくていい(笑)。(真紀美さん) 29 toyokoro 杉村さん一家 左奥から智恵子さん(奥さん)、大輔さん、翔音(しょうと)くん(長男)、 美音羽(みねは)ちゃん(長女) 足利さん一家 左奥から紀人(のりひと)さん、紗那(さな)ちゃん(次女)、真紀美(まきみ)さん(奥さん)、 優那(ゆうな)ちゃん(長女) toyokoro 28 豊頃町の伝説民話 ①5人家族 (中央新町) ②札幌市(正丞さん) 岩見沢市 (友美子さん) ③10年 (正丞さん) ④団体職員(農協) 9年 (友美子さん) 湧洞沼の主 これはむかし、湧洞沼に先住民アイヌが住んで いて、コタンのあった頃のお話です。あれはたしか、 湛え、水が沼から溢れています。川の逆流は、沼の 水が川に溢れていたことによるものでした。 四月か五月上旬だったと思うのですが、その年は冬 。 ﹁これはしたり。この旱魃に水がいっぱいとはな﹂ ︵沼と海との も雪が少なくて、四月、五月になっても雨も降らず、 ﹁いや、これはひょっとすると、水口 がつまっているのかも知れない﹂と二人は 交流点︶ コタンの人たちは﹁いつもの年ならイトウが卵を産 転がるように水口に急ぎました。 でいるではありませんか。その頃は、めったに沼が みに溯ってくる頃だが、これじゃあ、ドジョッコも そのうち、湧洞川上流に住んでいたコタンの人々 は渇水のため、飲み水にまで事欠くようになったの 塞がることもなく、いつもチョロチョロと海に流れ いなくなるよ﹂とボヤイていました。 です。ある日酋長はコタンの人々を集めて、どうし ていたのですが、沼が大木に塞がれたため満水に ⑤公共施設が充実しているところ。図書館や町営住宅がきれいです。 (正丞さん) 都会とは違って子育てをするには充実した環境があると思います。 保育所の施設が子ども一人に対して十分な広さがあるし、運動会と かの席取りにも困らない。おいしいドーナツもあります(笑)。 (友美子さん) ⑥仲間とバレーボールをしたり、休日に家族で出かけることですね。 (正丞さん) 保育所に行くこと!(瞭凪くん) ⑦春から夏。昨年、庭にたくさんイチゴがなったから。今年も期待! (友美子さん) ⑧人が少ないから、PTAの役員が近いうちに回ってきそう(笑)。 困りごとではないけど、温泉がないところかな…。(正丞さん) 日曜日にスーパーがやってないことです。(友美子さん) ⑨子どもたちを皆無事に大人にしたい。そして子どもが大人になった ら、大型バイクでサイドカーに奥さんを乗せて2人で旅行に行きた いですね…まだ、免許もバイクもないけど(笑)。(夫婦) ⑩人は優しいし、美味しいサケもドーナツもありますよ! (夫婦) 佐藤さん一家 左上段から正丞(まさつぐ)さん、友美子さん(奥さん)、 瞭凪(りょうな)くん(長男)、伽凪(きあな)ちゃん(次女)、怜凪(れいな)ちゃん(長女) 聞いてみたこと ①家族構成 ②出身地 ③豊頃在住歴 ④職業 ⑤住んでいて「いいなあ」 と思うこと ⑥日々のたのしみ ⑦好きな季節とその理由 ⑧最近の困りごと ⑨夢。これからの目標 ⑩豊頃を知らない方々へ一言 大 橋 さ ん 一 家 の こ た え ①5人家族 (茂岩栄町) ②豊頃町茂岩栄町(正彰さん) 豊頃町牛首別 (珠恵さん) ③34年 (正彰さん) ④会社員 (建設業) 34年 (珠恵さん) トウではないか?﹂ おそるおそる近づいてみると、この大木はやはり イトウでした。木の根のように見えたのは尾ひれで、 小枝に見えたのは背びれだったのです。イトウはす でに息絶え、その周りには大小無数の魚たちが、主 の死を悲しむかのように群れていました。 のを恐れて、自らの死を持って子孫のために犠牲に なったのだろう。有難いことだ。早速ねんごろに 葬ってやらねばならぬ﹂ 。それからコタン総出で丁 重に葬ったのです。 それからというもの、毎年四月から五月にかけて 雪しろ水にのって産卵に遡上するイトウが、コタン の人々の食膳を賑やかにしたといいます。 ︵ ﹃豊頃よもやま話作品集あかだも﹄より一部修正︶ 湧洞沼の水口の対岸に、むかしイトウ塚があった そうですが、今は知る由もありません。 するとやはり、水口は塞がれていました。それも、 二人の報告を聞いた酋長は﹁かねがね湧洞沼の主 三抱えもあるような大木が横になって、水口を塞い はイトウと聞いていたが、この旱魃で子孫の絶える たらよいか相談をしました。そしてとりあえず、沼 なってしまったのです。 二人が大木の側まで行ってみると、はじめは海水 に洗われながら見え隠れしていた大木がしだいに形 を現しはじめ、近づいていくうちに、それは魚のよ うに見えてきました。 。 ﹁これはどうしたことじゃ﹂ 。 ﹁いくら目をこすってみても魚じゃ﹂ ﹁何と大きな魚よ。や、これは神様のお使い、イ 寄りの下流に行けば飲み水くらいはあるだろうと、 斥候を二名出して探検することになりました。 斥候に出された若者は、湧洞川を下流へと下り、 ︵ キロメートルくらい︶ も行ったかと思 ものの二里 われた時、川の水が逆流しているのに出合いました。 。 ﹁おい大変だ﹂ ﹁沼に異変が起こっているんだ。行ってみよう﹂ と、二人は沼に駆けつけたところ、沼は満々と水を 8 佐 藤 さ ん 一 家 の こ た え ⑤うるさくなく、のんびりしているところ。(正彰さん) 家同士が混み合っていないところです。(珠恵さん) ⑥家族で出かけること。キャンプとか買物に、休みの日はどっかこっ かに出かけます。(夫婦) ⑦春から夏。昔は冬でしたが、今は除雪の仕事があるので…。 (正彰さん) 夏。子どもがキャンプ好きなので一緒に楽しみます!(珠恵さん) ⑧いっぱいありますねえ。でも、いうのはちょっと…(苦笑)。 (正彰さん) 子どもが3人いて、今の住宅がせまくなってきたこと。 (珠恵さん) ⑨子どもとスノーボードに行きたい。(正彰さん) 2階建ての家! (珠恵さん) ↑「2階はおばけが出るからやだー」(亮介くん) パン屋さんになりたい!(奏友くん) ⑩今まで30年住んでいても不便は感じないですね。土地も安いです し。 (正彰さん) 空気自体がのどかで環境もいい。気持ちの広い人ばかりで暮らしや すいです。(珠恵さん) 大橋さん一家 左から正彰(まさあき)さん(ご主人)、奏友(そうすけ)くん(次男)、亮介くん(長男)、 美月(みづき)ちゃん(長女)、珠恵(たまえ)さん(奥さん) 31 toyokoro toyokoro 30
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