「 鳩 は 山 や 窯 よ 跡 せ 群 ぐ 」 - 鳩山町

え
き
親子 で見 学し よう と思 って
いましたが、都合がつかず、
残念 なが ら参 加で きま せん
でし た。 鳩山 町の 遺跡 に興
では どん なこ とを おこ なっ
今も残る古代鳩山の輝かしい足跡
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はとやまようせきぐん
東日本最大の古代窯 業 遺跡「鳩山窯跡群」
せき
30 歳代 男性
日本最大の窯業遺跡といわれ
ています。
窯跡群の主要部分が位置す
る鳩山町では、町を代表する
鳩山窯跡群を町固有の文化遺
産と位置付け、その保存・活
用 を 図 る た め の 各 種 事 業 に、
平成 年度から着手していま
す。
今年の3月 日、 日の2
日間にわたり開催された発掘
調査現地見学会では、鳩山窯
味が あり ます ので、見 学会
鳩山窯跡群(※)は、埼玉
県のほぼ中央、東に関東平野、
西に秩父山地を望む岩殿丘陵
に 位 置 し、 鳩 山 町 を 中 心 に、
一部は嵐山町やときがわ町に
及ぶ極めて広大な窯跡群です。
現在までに5百基以上の窯跡
さいくつこうあと
や多数の工房・粘土採掘坑跡
が 確 認 さ れ、 そ の 規 模 か ら 東
5百基以上の窯跡がある
広大な窯跡群
跡発 掘調 査現 地見 学会 には
須恵器や瓦の生産で栄えた『古代のハイテク産業』
す
3 月に 開催 され た石 田遺
よ う ぎょう い
たのか教えてほしいです。
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跡群の一つで、町農村公園内
にある石田遺跡の、平成 年
度に行った発掘調査の成果を
紹介しました。
また、町制施行 周年記念
事 業 と し て、 県 の 補 助 金 を 受
けリニューアルされた、県指
あかぬまこだいがわらようせき
定史跡「赤沼古代瓦窯跡」の
おおい や
覆 屋 や、 農 村 公 園 内 に 築 造
された古代と同じ構造の窯
ふ く げ ん こ だ い が ま
「復元古代窯」がお披露目さ
れました。
さらに復元古代窯では、昨
年 月から今年1月まで計4
回 実 施 さ れ た「 古 代 工 房 ま る
ごと体験」で参加者が製作し
しょう せ い
たミニ瓦なども焼成されまし
た。この「古代工房まるごと
体験」ではすべて地元鳩山産
まき
の粘土や薪を使用しました。
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※南比企窯跡群と鳩山窯跡群は同じ
遺跡のため、町では今後「鳩山窯跡
群」と呼ぶことにしました。
復元窯と作品の窯詰め作業。3月7、8
日には、古代工房まるごと体験の参加者
が製作したミニ瓦などを「復元古代窯」
で一昼夜かけて窯焚きし、焼成しまし
た。
窯跡観察施設としてリ
ニューアルされた県指定
史跡「赤沼古代瓦窯跡」
の覆屋
町の文化財担当職員から
説明を受ける見学者
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新沼窯跡から出土した
武蔵国分寺の軒先瓦
しんぬまかまあと
須恵器 古墳時代に朝鮮
半島から伝わり、奈良時
代には庶民の器として普
及。現在我々が使う陶器
の起源となる焼き物。
た
7世紀末から 世紀初頭の
すべての窯跡の存在を確認
今回の石田遺跡の発掘調査
は、武蔵国を代表する白鳳寺
すぐ ろ はい じ
院 で あ る 勝 呂 廃 寺( 坂 戸 市 )
の瓦を焼いた、
県指定史跡「赤
沼古代瓦窯跡」を中心に、遺
跡内における窯跡などの分布
を調べるために行われました。
調査の結果、鳩山窯跡群の
初期に相当する7世紀末頃の
窯跡と、国分寺創建期とその
後に相当する8世紀後半頃の
窯跡、それ以外に9世紀中頃
から 世紀初頭の窯跡が新た
に確認されました。この調査
により石田遺跡には、鳩山窯
跡群におけるすべての時期の
窯跡が存在していることが明
らかとなりました。
の柳原遺跡(大橋地内)では、
香炉の形をした須恵器や、僧
たく はつ
侶が使う托鉢や花瓶をかた
どった須恵器が多数出土して
います。さらに、当時は寺院
にしか使われない瓦や、五重
が とう
の塔のミニチュアである瓦塔
も、仏教と深くかかわる特徴
的なものといえます。
古代鳩山で窯業を始めた
人々は、新しく伝わった文化
である仏教をいち早く取り入
れ、製品に表現したようです。
また、窯が作られる以前の古
代鳩山には遺跡がほとんど無
いことから、彼らは未開の山
だった古代鳩山のパイオニア
ともいえます。
この時代の仏教の広がりは、
日本列島全域の歴史的現象で
あることを踏まえると、鳩山
窯跡群は日本の歴史上の大き
な出来事を強く反映した遺跡
であり、彼らの心の糧として、
仏教が広がっていったと思わ
れます。
地域資源としての活用を
町教育委員会では、鳩山窯
跡群を国の指定史跡とするた
めに平成 年度からその準備
に 着 手 し、 今 回 の 見 学 会 は、
その過程を報告する目的もあ
りました。
今後も多くの方々の協力を
いただきながら、鳩山窯跡群
を国指定史跡とし、さらには
地域資源としての活用へとつ
なげていきたいと考えていま
す。
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未開だった山を
焼き物の生産地に
須恵器をはじめ、町内発掘調査の
代表的な出土品を展示しています。
開 室 日:月~金曜日(祝日を除く)
開室時間:午前9時~午後5時 入 室 料:無料 問 合 せ:町教育委員会生涯学習課
文化財分室 296-3862
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なぜ、これほどの大規模な
窯業遺跡が鳩山にあるので
しょうか。それは同じ頃、東
日本に広がりつつあった仏教
にヒントがあると考えられて
います。鳩山で最初の窯であ
る石田1号窯(町農村公園内)
か ら は、 陶 製 仏 殿 と い う 特
殊な須恵器が出土しています。
また、その後の奈良時代中頃
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ふ た じょう
ろ
出土品展示室
施 設
し
ず
須恵器香炉蓋 状 製品 柳原遺跡(大橋地内)より
出土した奈良時代中頃の須恵器。香を焚く際に用いら
れた仏具とされ、その独特な形状は他に類もなく、大変
貴重な資料。【町指定有形文化財】
こう
多世代活動
交流センター
展 示
陶製仏殿 石田1号窯跡
から出土した仏像や経巻
を納めるための厨子。7
世紀後半に作られたもの
で、全国でも類例は極め
て少ない。
とうせいぶつでん
きょう か ん