親の願いが込められた御衣黄が 見頃を迎えています

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杉並区広報課
親の願いが込められた御衣黄が
見頃を迎えています
高円寺の民家に子どもの健やかな成長を願って植えられた御衣黄が、地域に春の訪
れを告げ、人々の目を楽しませています。
雷公園(江戸川区)や飛鳥山公園(北区)でも花を咲かせている珍しい八重桜が 杉
並区の民家でも見頃となっています。
正路裕己子さんが、自宅の庭に御衣黄を植えたのは、今から13年前。もともと杉
並区高円寺で生まれ育った正路さんですが、結婚を機に他区へ引っ越しました。
息子さんの入学に合わせ、再び高円寺に戻ってくることになりましたが、子どもに
とっては住みなれない町。難しい年頃に入るけれども、環境の変化にもうまく適応し、
健やかに育っていってほしいという願いから、庭に記念となる樹木を植えようと、夫
婦で園芸店を訪れました。
園芸店で最も目を引き付けたのは、一番元気がなさそうに映った一本の御衣黄の苗
木でした。その苗木が、新たな土地で中学校生活をはじめることに不安を覚える息子
さんの姿と重なって見えたそうです。正路さん夫婦は、高さ1メートルのその苗木を
買い求め、庭に植えました。
今ではもう息子さんも成人し、御衣黄は二階建ての家の屋根に届くくらい大きく成
長して、毎年淡い緑色の花を咲かせています。
御衣黄は、貴族の装束である萌黄色に近いことから、その名が付いたとされていま
すが、葉の色と近いため、一見すると桜だとは気付きにくいのが特徴です。目立たず
とも深い親の思いに重なるその姿は、今日も地域の人々の心を和ませています。
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