幼保一元化の推進に向けて 中 間 答 申 書 平成 19 年 3 月 東かがわ市就学前教育・保育推進審議会 目 次 1.はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1ペ-ジ 2.幼保一元化の推進への背景・・・・・・・・・・・・・・・・・2ペ-ジ 3.教育・保育内容について・・・・・・・・・・・・・・・・・・3ペ-ジ 4.施設整備計画について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7ペ-ジ 5.大内地区の施設整備について・・・・・・・・・・・・・・・・8ペ-ジ 6.今後の幼保一元化推進の方向性 ・・・・・・・・・・・・・11ペ-ジ 東かがわ市就学前教育・保育推進審議会設置要綱・・・・・・・・12ペ-ジ 東かがわ市教育・保育内容検討会及び施設整備検討会運用規程・・14ペ-ジ 東かがわ市就学前教育・保育推進審議会名簿・・・・・・・・・・15ペ-ジ 1.はじめに 平成18年3月に幼保一元化等検討委員会から市長に「幼稚園と保育所の今後のあり 方」を建議した。市は、その建議内容を尊重し、幼保一元化の推進を今後の方針とする こととした。 その後、幼保一元化の推進を具体的な施策として展開するために、平成18年6月、 「東かがわ市就学前教育・保育推進審議会」を設置し、幼保一元化を推進するために必要 な施設整備計画を検討する「施設整備検討会」と、教育・保育カリキュラム内容について 検討する「教育・保育内容検討会」を審議会の補助組織とした。 この両検討会で、幼保一元化に移行する際の課題について調査・研究を行い、本審議 会への問題提起と解決案を提示した。 これを受け本審議会では、提示されたあらゆる課題についての審議を重ね、今後の幼 保一元化の推進に向けての具体的な施策に生かされるよう、経過報告を中間答申書とし て取りまとめた。 2.幼保一元化の推進への背景 資料1 わが国における就学前の子どもの教育・保育体制は、現行制度のもとでは幼稚園と保 育所の二元体制がとられている。所轄の官庁も文部科学省と厚生労働省に分かれており、 入所要件、施設整備の最低基準、職員の人員配置基準、職員の任用体系等も異なってい る。この二元体制については、中央教育審議会や社会保障審議会など、国の審議会に於 いても議論されている。 最近の国の動向については、教育・保育の基礎となる幼稚園教育要領と保育所保育指 針が平成12年に改訂され、生きる力の基礎を培うことや道徳性の芽生えを培うことな どの視点を重視して盛り込むなど、幼児教育における整合性が図られている。さらに、 幼稚園と同じく公立保育所運営費負担金が一般財源化されたこと、また総合施設である 「認定こども園」への移行による三元化体制など、幼稚園と保育所の運営については、大 きな変革期を迎えているといえる。さらに、幼稚園における3歳児保育の実施や預かり 保育等の保育事業の拡充により、幼稚園と保育所の役割は似通ってきている。 東かがわ市においても「就労の有無など保護者の事情により、同じ地域に住む、同じ 年齢の子どもの育成環境に違いがあっていいのか?」という問題が提起されてきた。 市では平成15年4月に合併して以来、各種の少子化対策事業に取り組んできたが、 市内幼稚園と保育所の入園(所)児数は1,236人から現在1,132人へと大きく減 少している。地域によっては過疎化や出生率の低下などにより著しく少子化が進み、人 口推計(コ-ホ-ト要因法)では、20年後の2026年(平成38年)には現在の就 学前児童人口の約半数になると推測されている。今後も少子化に伴い、幼稚園と保育所 の入園(所)児数の減少が、急速に進んでいくものと考えられる。 このような幼児数の減少は公立幼稚園・保育所の小規模化に繋がり、施設運営、保育・ 幼児教育においてさまざまな影響を与えることが懸念されている。 幼稚園教諭と公立保育所保育士へのアンケ-トにおいても、施設の小規模化が及ぼす 問題として、同年齢の子ども同士が切磋琢磨して育ち合う場の減少や人間関係及び交友 関係の固定化、大勢の中で体験活動を通して多くの学びを受けられないことなど、子ど もの成長において影響を受けることが挙げられている。 また、施設の老朽化による修繕や大規模改修の必要性がみられる施設が多く、本市の 厳しい財政状況を鑑みると、施設の統合による効率的な建設計画が緊急の課題となって いる。 これらのことから、幼稚園と保育所の今後のあり方について、幼稚園と保育所の区別 なく、子どもたちが心身ともに健全で、心豊かに成長するための環境づくりを重視し、 幼保一元化の推進(※1)を基本として、施設の統合を進めるための施設整備計画と教 育・保育を統合したカリキュラムの作成等、ソフトとハードの両面から慎重に審議する 必要があった。 (※1)ここでいう幼保一元化の推進とは、幼稚園と保育所の区分なく、市独自の運用方法 で、新しい形態の施設の運営を実施することである。 3.教育・保育内容について (1)幼稚園と保育所の現状 資料2-1 資料2-2 従来、幼稚園と保育所は、異なる目的・役割を持つ施設であり、それぞれの制度の 中で教育と養護を基本とし、子どもの成長に合わせた指導に努めてきている。 しかし、保護者の就労形態の多様化や少子化現象など、急激な社会情勢の変化の中 で、地域を含めた子育て支援対策や保育サ-ビスの拡充等、保護者のニ-ズに応える ために幼稚園と保育所の従来の役割を見直しながら運営してきた結果、両施設の役割 は随分似通ったものとなっている。 また、平成18年6月に公布された「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合 的な提供の推進に関する法律」で新たな形態の施設として、国は「認定こども園」の設 置を推進している。 本市においては、平成18年4月から福栄幼稚園の在園児数の減少を理由に、福栄 保育所との一体化運営(福栄やまびこ園)を開始した。運営開始後、約1年が経過し たが、福栄やまびこ園の保護者の声として、「幼保一体化運営により在園児数が増え たので、行事や遊びの幅も広がり、友だちも増えた。また、同じ地域に住む保護者同 士の交流も以前より多くなった。」との意見もあった。 市では幼保一元化の推進をしており、推進の一環として幼保連絡協議会主催による 幼稚園教諭と保育士の合同研修会や、互いの施設への一日体験研修、交流保育や行事 の共同開催など、幼稚園と保育所の職員並びに子ども同士の連携強化を図っている。 幼保一元化の推進実施2年目にして、ようやく両施設の相互理解が出来はじめたよ うである。今後もさらに幼稚園と保育所の交流を深めるよう努めることが必要である。 (2)東かがわ市教育・保育目標について 資料3-1 資料3-2 資料3-3 「幼保一元化」については自治体の財政負担の軽減を重視しているという意見も あるが、本来の「子どもが健やかに育つための環境づくり」という点に重点をおき、 同年齢児の子どもたちが、同じ施設で、同じ教育・保育を受けられることを目標に、 今後の幼保一元化の推進に取り組まなければならない。 そのためには、これまで幼稚園と保育所がそれぞれ担ってきた目的や役割を統合 的に活用し、それぞれの専門性を生かしつつ互いに補い合った取り組みが可能とな るように推進すべきである。 幼保一元化のメリットは、幼稚園と保育所の機能を持ち合わせることで、子ども の一貫的な育成が可能になり、0歳児から就学するまでの子どもたちが、同じ環境 で生活し、小学校へ入学する際の交友関係もスム-ズになることが挙げられる。 しかし、一元化した施設の運営を円滑に進めるためには、多くの課題を解決して おかなければならない。 その一つが子どもを教育・保育する時の指針となる、幼稚園教育要領及び保育所 保育指針の双方を包含した東かがわ市独自の育成カリキュラムの作成である。 具体的には、子どもの育ちに願いを込めた市独自の目標の設定、子どもの年齢に 合わせた領域ごとの重点目標、保育者の指導計画、年間計画、各施設の特色ある目 標・ねらいの作成等がある。 目標設定の際、0歳児から5歳児までの教育・保育実践の基本は「幼児は自ら成 長する力を持っている」存在とし、「幼児自身が周囲の環境に働きかけ、かかわり合 うなかで成長に必要な経験を経て、自己の視野を広げていくこと」を発達する姿と して捉えることが重要である。また、幼稚園と保育所すべての保育者が、目標内容 についての共通した認識を持つことが必要である。 (3)保護者の意識の実態 資料4-1 資料4-2 新たに市の教育・保育の目標を設定するにあたって、まず「東かがわ市の子ども たちの姿」を客観的に捉える必要があった。 あらゆる子どもに関する調査結果から、最近の子どもの傾向として、色や音に対 する感覚に優れている、多種多彩な情報によって知識が豊富であるという良い面が 見受けられる反面、体力の低下や集中力の欠如、切れやすい性格などの問題点が挙 げられている。その現状を受け、関係者がそれらの原因をさぐり、その対策として 食育や早寝早起きなどの基本的生活習慣の確立、家庭での密接なコミュニケ-ショ ンの重要性を挙げている。 市でも、保護者の意識と子どもの生活状況の実態を正確に把握するために、子ど もに関する状況調査と保護者の意識調査を実施した。 その結果、保育所・幼稚園を利用している子どもたちは、若干就寝時間が遅いが、 早起きであり、朝食もきちんと摂っているなど、全般的に規則正しく生活し、親と の触れ合いの機会も多く、元気よく遊べている子ども像が浮かんできた。また、保 護者が願う子ども像としては、『やさしく思いやりのある子』や『明るく、元気で のびのび育つ子』など、心身ともに健康で素直な子に育って欲しいという願いが多 く、早期知的教育を望む保護者は少なかった。 また、予想外の調査結果としては、保護者が子育ての悩みを相談する相手は家族 や幼稚園・保育所の先生ではなく、友人という割合が非常に高かった。 (4)教育・保育の現場から 資料5-1 資料5-2 子どもの生活実態と保護者の意識調査の結果を、日々身近で見守っている幼稚園 教諭や保育士に伝え、意見を求めたところ、子どもの日常生活の様子と保護者の意 識は調査から出た結果と異なるところがあるという意見が大半であった。そこで、 幼稚園教諭と保育士を対象に、施設での子どもの生活状況調査を行った結果、以下 のような意見が多くあった。 ・ 保護者への調査では、規則正しい生活を行っているという結果であったが、 実際には、生活リズムが安定していない子どもが多く、午前中は眠そうにし ている子どももいる。 ・ 食事中のしつけが出来ていない。食事に限らず、しつけ全般については幼稚 園や保育所でするものだと思っている親が多い。 ・ 最近の子どもの傾向として、自分で考えて行動することが難しい。自分で考 えずに保護者に許可を求めることが多いように感じる。 ・ 送迎時に、保護者と子どもの話をする時間を意識的に持つようにしているが、 保護者から積極的に話してくることが少ない。 ・ 親の子育てに対する悩みを一緒に考えられるような機会をもっと増やしたい。 調査の結果から、子どもに対する保護者の意識と保育者の意識には若干の相違が 見受けられた。 保護者の意識は、子育てにおいて重要な、基本的生活習慣の確立に向けて親とし て努力をしている。しかし、子育ての悩みを相談する相手は少なく、またほぼ限定 されているようである。 それに対して、幼稚園教諭や保育士の意識は、保護者が子どものしつけや基本的 生活習慣の確立を幼稚園や保育所に頼り過ぎている。また、家庭内では親中心の生 活リズムで過ごしていると感じており、これからは家庭の育児力を高める支援がさ らに必要であるとの意見もあった。 今後も保護者と幼稚園教諭・保育士が互いに本音で話し合う場と時間を多く確保 し、親との信頼関係を深め、すべての子どもができるだけ多くの大人たちの見守り の中で、健やかに育つよう努力を続けることが大切である。 (5)東かがわ市 育ちの目標 資料6 教育・保育内容検討会では、幼保一元化施設の目標を設定するために実施した調 査の結果を踏まえて、重点目標に繋がるように健康・人間関係・環境・言葉・表現 の5領域を含んだ目標を3つ設定することとした。 また、目標の総称名は『東かがわ市 育ちの目標』とし、「東かがわ にこにこ プラン」や「東かがわ市教育推進プラン」に沿った内容になるよう留意した。 3つの目標の中には、保育者が子どもたちに教える内容と子どもたちから自発的 に芽生えたものを保育者が育んでいくことを想定した内容が盛り込まれている。 また、この目標は基本的に5年間継続するものとする。ただし、子どもの現状や 社会情勢を踏まえ、随時見直すこととする。 【 3つの東かがわ市 育ちの目標 〇よく考え 行動する子ども 〇健康で たくましい子ども 〇やさしく 思い合う子ども 】 4.施設整備計画について (1)市内の施設の現状 本市は平成15年4月、引田町と白鳥町、大内町の3町の合併により誕生した。施 設数は、公立幼稚園が7施設、公立保育所7施設、私立保育所4施設の合計18施設 が存在する。 しかし、少子化に伴い、在園(所)児数の減少傾向による少人数化のため、子ども の成長過程においても人間関係が稀薄になるなどの影響が出はじめている。加えて施 設の老朽化が著しく、修繕費が増加傾向にあり、近年中に法定耐用年数を迎える施設 も多くみられ、建替え時期が集中することも考えられる。このことから、統合による 施設の集約は必要不可欠である。 以上の事から、緊急に施設整備計画について検討することとなった。 (2)整備計画エリアの設定 資料7-1 資料7-2 資料7-3 施設整備計画について検討するにあたり、施設整備を進めるためには、整備計画 エリアを設定する必要があった。 東かがわ市学校施設整備構想では「中学校については現状の3校体制を維持する ものとするが、小学校の配置については10年、20年先を考えた場合には中学校 区と同様に、引田・白鳥・大内地区それぞれ1校体制が望ましいと考える」といっ た内容の答申が提出されている。 このことを踏まえ、本審議会では幼稚園と保育所に学校区制度はないが、小学校 への入学や進学時の子ども同士の交友関係、地域性等を考慮し、中学校区を基本と したエリアを設定することとした。 (3)最優先エリアの選定 資料8-1 資料8-2 資料8-3 資料8-4 資料8-5 施設計画エリアは市内3エリアを設定し、最初に整備を行う最優先エリアの選定 については、エリアごとに課題となる項目を検証した結果、次のような内容の意見 や現状が挙げられた。 ①大内地区に施設の老朽化が著しい施設が多い。 (6施設中4施設) ②大内地区の施設が被災予想地域及び被災予想地域に隣接する施設が多い。 ③引田地区は学校の再編整備事業計画に向けた取り組みを実施しているところで ある。 ④白鳥地区においては私立保育所が2施設ある。 以上のことを総合的に勘案し、『引田地区は小中学校の再編整備事業計画の策定さ れた後に検討することとし、白鳥地区は今後の私立保育所の動向を見据えることと する。 』 『老朽化が著しく法定耐用年数を迎える施設数の多い、大内地区の施設整備 を最優先に実施することが望ましい。』ということで決定した。 5.大内地区の施設整備について (1)大内地区の現状等 優先的に整備する大内地区エリアの施設の状況及び施設運営の概要を把握する ために、施設整備検討会で下記の項目について調査・研究し検証した。 ①大内地区の就学前児童人口推移 資料9-1 資料9-2 資料10-1 ・平成12年度から平成42年度までの就学前児童(0 歳児~5 歳児)の人口をコ -ホ-ト要因法により推計すると、1,693人から760人にまで減少を続け るという結果となった。23年後には、現在の就学前人口の約半数になるとの推 計であった。 ②施設別在園児数(私立含)・地区別児童数 資料10-1 ・現在の人口に対する施設在園(所)率は、70%~80%であり、幼稚園と保育 所の入園(所)比率は、幼稚園で45%、保育所で55%である。少子化に伴い、 入園(所)児数も、年々減少傾向にある。 ・地区別の入園(所)児数の比率は大内地区の割合が一番高い。引田地区が約20%、 白鳥地区が35%、大内地区が45%である。 ・大内地区の私立保育所(東かがわこどもアカデミ-)の入所児童数は平成19年 1月現在190人と多く、大内地区施設入園(所)者の31.4%を占めている。 ③施設状況・大内地区の学校区 資料11-1 資料11-2 資料11-3 ・施設の敷地の一部に借地の施設がある。(丹生幼稚園・中筋保育所・町田保育所) ・施設の建設年が昭和45年から48年に集中している。 ・法定耐用年数を近年に迎える施設が、誉水幼稚園・丹生幼稚園・中筋保育所・西 町保育所であり、特に中筋保育所と西町保育所の老朽化が著しい状況である。ま た、法定耐用年数を基準にすると、建替え時期が10年以内に集中する。 ・現状のままでは 施設の修繕費用が増える傾向にある。また、今後の施設整備に ついても、建設年が集中しているため建替え時期も重なり、必要な経費も一時期 集中的に増えると予測される。 ④施設の老朽等の実態 資料11-2 資料13 ・市内でも早い時期に建設された施設が多いため、引田・白鳥地区に比べ、保育室 の利便性が悪い。 ・大内地区の施設のうち、床暖房があるのは 1 箇所で、冷暖房の整備も急がれてい る。 ・駐車場が整備されていない施設が多い。(西町保育所・町田保育所) ・保育室にトイレがない。(中筋保育所・西町保育所) ・修繕費がどの施設も毎年必要である。 ⑤災害予想マップ 資料11-3 資料12-1 資料12-2 資料12-3 三本松幼稚園と西町保育所は平成16年の台風23号で、園庭の一部が浸水し被 害が出た、近い将来予測されている南海地震が発生した場合の液状化及び浸水予測 地域、津波浸水地域に予測されている。 ・誉水幼稚園は、山の斜面を利用して造成された土地(切土盛土)であり、園舎が 高台となっているため地震の際には崩落の危険性がある。 ・中筋保育所は与田川が近く、台風等の災害時には浸水する恐れがある。 (2)目指すべき大内地区の施設整備計画について 資料14 資料15-1 資料15-2 資料15-3 大内地区の施設整備計画を考える時、子どもの成長に影響を与える施設の適正規 模が重要になる。適正規模については、前年度幼保一元化等検討委員会が提出した 建議書の基本的方針の中で、同年齢のクラスは2クラス以上が望ましいとあるが、 すでに保持できていない施設が大半であり、同年齢のクラス数及びクラスの子ども の数の少人数化は、益々進むことが明らかである。 そこで、施設整備検討会から統合による施設の集約を目的とした、大内地区の施 設整備統合案として、下記の5案が提示された。 施設整備統合案 【案1】施設数1 ①(大内地区全体で1施設) 【案2】施設数2 ①(三本松地区と誉水地区で1施設) ②(丹生地区で1施設) 【案3】施設数2 ①(三本松地区で1施設) ②(誉水地区と丹生地区で1施設) 【案4】施設数2 ①(三本松地区と丹生地区で1施設) ②(誉水地区で1施設) 【案5】施設数3 ①(三本松地区で1施設)②(誉水地区で1施設) ③(丹生地区で1施設) ※この施設整備統合の5案は、幼保一元化の推進を前提として検討した最大数である。 本審議会において、施設整備検討会から提示された上記5案について慎重に審議 議した。 委員からは、就学前児童人口が約20年後には現人口数の約半数となることや、 少子化による施設の小規模化で、同年齢児のクラス数が複数クラスを保てないのは、 『就学前児童人口に対し幼稚園と保育所の施設数が多すぎる』という意見があ った。 加えて、大内地区の施設は老朽化が著しく、法定耐用年数を5年以内に迎える施 設が2施設、10年以内に迎える施設が2施設の計4施設もある。本市の厳しい財 政状況から、施設の効率的な建設・運営を図るためにも、 『統合による新設は避け られないのではないか』との意見もあった。 他にも、私立保育所(東かがわこどもアカデミ-)との関係については、大内地 区の施設入所児童数の30%を占めているので整備計画の際には私立保育所の入所 率を勘案して計画する必要があることとした。 また、施設の立地条件として、自然災害に対して安全であることや、緊急時の避 難・緊急車両の進入等に支障のない敷地であることが望ましいが、三本松地区の三 本松幼稚園と西町保育所は古川の河口に立地しており、台風や地震の際、被災の恐 れがある。また、誉水幼稚園も急傾斜指定地に隣接しており危険である。 幼稚園児と保育所児は、保護者が車で送迎をしている家庭が多く、駐車場の確保 は必要不可欠であるが、十分な広さの駐車場が確保できていない状況である。 このようなことから、『施設の立地条件には、災害に強く、安全な環境、適 正な面積及び形状また、子育てにふさわしく環境に配慮した施設を早急に整 備することが望ましい。 』と結論づけられた。 【結論】 以上の検討結果を踏まえ、本審議会で提示された5案について慎重に審議した結 果、【案1】の施設数1(大内地区全体で1施設)を選択すべきとの結論に至った。 【経過措置】 すぐに1施設で就学前の児童数を受入れすることはできないため、それまでの経過 措置として町田保育所を活用する。三本松地区の三本松幼稚園と西町保育所、誉水地 区の誉水幼稚園と中筋保育所の 4 施設を 1 つに統合し、新しい施設(幼保一元化施設) を建設し、2箇所で運営する【案2】で決定した。 6.今後の幼保一元化の推進の方向性 幼保一元化への推進は、保護者の子育ての選択肢を拡大すること、発達年齢に応じ た一貫した方針に基づく教育・保育が可能になること、異年齢児が一緒に過ごす教育 的効果が得られることなど多くのメリットがある。しかし、長い歴史の中で幼稚園と 保育所という二元体制のもと、各自治体独自の運営を実施してきた経緯があり、国を 挙げての実質的な幼保一元化の実現は困難な状況である。 しかしながら、19年度から設置することができる「認定こども園」の出現は、各自 治体の実情や状況に合わせた、市独自のスタイルや方針で運用することを可能とした。 本審議会は、下記の内容に留意しながら今後も、「認定こども園」への移行での運営 開始に向け、利用料の設定、保育時間の設定、育ちの目標の作成等、より具体的な課 題についての調査・研究をさらに深め、東かがわ市の子どもたちを中心に据えた運用 と環境整備の充実のために努めたい。 ① 住民理解 施設の統合を伴うことから、市民からのさまざまな要望や意見が予想されるの で、アンケートや公聴会を実施し、市民との共通理解を十分行う必要がある。 ② 保育事業のあり方 延長保育・一時預かり保育・病後児保育等、多種多様な保育業務の中から保護 者のニーズを的確に把握し、必要とされる保育の拡充に努める。また、地域を含 めた幅広い子育て支援の充実を図る。 ③ 授業料・保育料 保育時間数に応じた適正かつ、公平な料金設定を行う必要がある。 ④ 人事・人材 保育所・幼稚園全体で人事交流が行えるよう、現在の保育者の資格を充実する とともに、長期的に適材を配置できる体制づくりを行う必要がある。 ⑤ 施設整備 整備年度を決定し、用地、施設内容、財源措置等について綿密な計画を立てる 必要がある。 ⑥ 民間保育所との均衡 民間保育所が存在し、また民営化が検討されている分野であり、民間の保育所 の現状を把握し施策を展開する必要がある。 ⑦ 重点目標の作成(育ちの目標) 幼稚園と保育所の教育・保育内容を統合した、市独自のカリキュラムの作成と、 領域別の年齢に合わせた指導計画や目標の作成が急がれる。 東かがわ市就学前教育・保育推進審議会設置要綱 (設置) 第1条 幼保一元化の推進に向けて、就学前児童の教育及び保育の課題を調査検討するた め、東かがわ市就学前教育・保育推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。 (所掌事務) 第2条 審議会は、幼稚園と保育所の一体的な運用に関することその他就学前児童に関す る事項を調査検討する。 (組織) 第3条 審議会は、委員10人以内で組織し、市長が任命する。 (任期) 第4条 審議会委員の任期は、任命を受けた日から1年間とする。ただし、再任を妨げな い。 2 委員に欠員が生じた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。 (役員) 第5条 審議会に会長及び副会長を各 1 名置く。 2 会長は委員の互選により選出し、副会長は会長が指名する。 3 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。 4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるときは、その職務を代理する。 (会議) 第6条 審議会の会議は、会長が招集する。 2 会議は、委員の過半数の出席がなければ開くことができない。 3 会議の議長は、会長が務める。 4 審議会は、必要に応じて会議に関係者の出席を求めて意見又は説明を聴くことができ る。 (守秘義務) 第7条 委員は、職務上知り得た情報を他に利用してはならない。 (検討会) 第8条 審議会に東かがわ市教育・保育内容検討会及び東かがわ市施設整備検討会を置き、 市長が任命する職員をもって組織する。 2 検討会の組織、運営その他必要な事項については、別に定める。 (庶務) 第9条 審議会の庶務は、市民部子ども・健康課において処理する。 (その他) 第10条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。 附 則 (施行期日) この告示は平成18年 5 月18日から施行する。 1 (任期の特例) 2 この告示の施行後最初の委員の任期は平成19年3月31日とする。 (招集の特例) 第 6 条第1項の規定にかかわらず、委員任命後最初の審議会は、市長が招集する。 3 (東かがわ市幼保一元化等検討委員会設置要綱の廃止) 4 東かがわ市幼保一元化等検討委員会設置要綱(平成16年東かがわ市告示第69号) は、廃止する。 東かがわ市教育・保育内容検討会及び施設整備検討会運営規程 (趣旨) 第1条 東かがわ市就学前教育・保育推進審議会要綱(平成18年東かがわ市告示第72 号)第8条第2項の規定に基づき東かがわ市教育・保育内容検討会(以下「検討会」と いう。)及び東かがわ市施設整備検討会の組織及び運営に関し必要な事項を定めるものと する。 (検討事項) 第2条 東かがわ市教育・保育内容検討会は、次に掲げる事項について調査及び検討し、 審議会に提出するものとする。 (1) 就学前児童の教育・保育に関すること。 (2) 幼保一元化に関すること。 (3) その他幼保一元化推進に関すること。 2 東かがわ市施設整備検討会は、次に掲げる事項について調査及び検討し、審議会に提 出するものとする。 (1) 施設整備に関すること。 (2) 施設の運営に関すること。 (3) その他就学前児童に関すること。 (組織) 第3条 東かがわ市教育・保育内容検討会及び東かがわ市施設整備検討会の委員は、10 名以内とし、市長が指名する。 (庶務) 第4条 検討会の庶務は、市民部子ども・健康課において処理する。 (雑則) 第5条 この規程に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。 (準用) 第6条 前2条の規定は、東かがわ市施設整備検討会について準用する。 附 則 この訓令は、平成18年6月1日から施行する。 東かがわ市就学前教育・保育推進審議会名簿 番 号 役 職 名 等 (順不同・敬称略) 氏 名 1 学識経験者 香川大学教授 中 塚 勝 俊 2 市民から公募した者 市民 狭 間 市民 久 野 幸 紀 3 〃 京 4 市立小学校長の代表 本町小学校長 八 木 育 夫 5 市立幼稚園長の代表 本町幼稚園長 松 本 安 子 6 市立保育所長の代表 平和保育所長 長町 都志子 7 行政関係 市民部長 安 倍 英 昭 学校教育課長 坂 東 正 明 8 〃 東かがわ市就学前教育・保育推進審議会の主要経過 東かがわ市就学前教育・保育推進審議会 審議事項 開催日 第1回 平成18年6月27日 14:00∼16:30 ・会長、副会長の選出 ・市の基本方針について ・市内幼稚園と保育所の現状 第2回 平成18年8月30日 14:00∼16:00 ・市内幼稚園・保育所施設の課題について ・施設整備のエリア設定について 第3回 平成18年10月23日 14:00∼16:30 ・大内地区の施設の現状と課題について 第4回 平成18年12月26日 14:00∼16:00 ・市の子どもの状況調査について ・教育・保育の目標設定について 第5回 平成19年1月23日 14:00∼16:30 ・保育者の意識調査について ・育ちの目標について(図案) ・中間答申書(施設整備計画)素案検討 第6回 平成19年2月26日 14:00∼16:30 ・中間答申書(最終素案)検討 第7回 平成19年3月28日 14:00∼ 中間答申書「幼保一元化の推進に向けて」提出 施設整備検討会と教育・保育内容検討会の主要経過 施設整備検討会 開催日 教育・保育内容検討会 検討内容 開催日 検討内容 第1回 平成18年7月11日 ・幼保一元の概要説明 ・市内の施設の現状 第1回 平成18年7月6日 ・幼保一元化の方針説明 ・今後の検討会の進め方 第2回 平成18年8月8日 ・現施設の課題について ・施設整備計画について (整備のエリア設定) 第2回 平成18年7月11日 ・アンケートの質問事項について (子どもの生活状況調査) ・資料の検討 第3回 平成18年9月22日 ・大内地区の施設の現状 ・審議会用資料検討 第3回 平成18年9月13日 ・アンケート結果の考察について (子どもの生活状況調査) ・職員用アンケートの質問内容 第4回 平成18年10月11日 ・審議会用資料検討 第4回 平成18年11月9日 ・幼稚園要領と保育指針について ・教育推進プランとにこにこプラン ・教育・保育の目標案について 第5回 平成17年1月25日 第5回 平成18年12月1日 ・教育・保育の目標案について ・目標の3案について 第6回 ・大内地区の施設の現状 ・中間答申書(素案)の確認 第6回 子どもたちの健やかな未来を願って・・・・。
© Copyright 2024 ExpyDoc