第4節 路盤材、埋戻材への利用 §7 路盤材としての適用の判定方法 溶融スラグを路盤材として利用する場合は、必要に応じた試験を行う。 【解説】 溶融スラグを路盤材として利用する場合、砕石としての規格は JIS A 5001(道路用砕石)を準用す るものとし、利用に当たっては利用用途に応じた試験を実施し、その適用の可否を判断する必要があ る。 (1)道路用砕石としての規格 溶融スラグを路盤材として利用する場合の特性は、JIS A 5001 の規格を準用するものとする。な お、JIS A 5001 に定められている規格をまとめると表4-6のとおりである(粒度については詳細 な記載を割愛) 。 表4-6 路盤材として利用する場合の判定基準(JIS A 5001) 試験方法 種 別 単粒度及び クラッシャラン 1 種 単粒度及び クラッシャラン 2 種 スクリーニングス 粒度調整砕石 1種 粒度調整砕石 2種 絶乾比重 (-) JIS A 1110 吸水率 (%) JIS A 1110 すりへり減量 (%) JIS A 1121 塑性指数 粒 度 JIS A 1205 JIS A 1102 2.45 以上 3.0 以下 35 以下 ― ― 40 以下 ― ― ― NP 3.0 以下 35 以下 NP 詳細はアス ファルト舗 装要綱参照 2.45 以上 ― ― 40 以下 NP (2)アスファルト舗装用路盤材への利用 アスファルト舗装の上層路盤、下層路盤材として利用する場合は、アスファルト舗装要綱に示さ れている材料としての特性試験を行い、適用の可否を判定する。 1)下層路盤 下層路盤工に用いる材料は、表4-7に示す値を標準とする。 -166- 表4-7 下層路盤に用いる材料の品質(アスファルト舗装要綱) 規 格 修正CBR(%) PI(425μmふるいの通過 一軸圧縮強さ 分塑性指数) (kgf/cm2) 工 法 KODAN A 1211 JIS A 1205 KODAN 206 粒状路盤材 20 以上 6以下 ― セメント安定処理 (10 以上) (9以下) (10) [7日] 石灰安定処理 (10 以上) (6~18) (7) [10 日] 注1) ( )内は安定処理における望ましい品質 2)粒状路盤材とは、クラッシャラン、砂利、砂、鉄鋼スラグ 3)修正CBRが 30 以下の材料を使用する場合には特に入念に締め固めなければならない。砂等の締 固めを十分に行うためには、この上に下層路盤の一部としてクラッシャランなどを置いて同時に締 め固めるのも一方法である。このクラッシャランは、下層路盤の一部として設計に際して考慮して おく必要がある。 4)粒径の大きい下層路盤材料では施工管理が難しいので、最大粒径は 50mm 以下とすることが望まし いが、やむを得ないときには、一層仕上げ厚の 1/2 以下で 100mm まで許容してよい。 2)上層路盤 上層路盤には粒度調整、歴青安定処理、セメント安定処理、石灰安定処理、浸透式等の工法が 用いられる。浸透式工法を除き、材料の最大粒径は 40mm 以下で、かつ一層の仕上がり厚の 1/2 以下でなければならない。 上層路盤の各工法に用いる材料は、表4-8の値を標準とする。 表4-8 上層路盤材料の品質(アスファルト舗装要綱) 工 法 規 格 修正CBR (%) PI 一軸圧縮強さ (kgf/cm2) 安定度 (kgf) フロー値 (1/100 cm) 空隙率 (%) 一次変位量 (1/100 cm) 残留強度率 (%) 粒 度 53 mm 通過質 37.5 量百分 19 率 2.36 (%) 75 μm 歴青安定処理 加熱混合 常温混合 セメント・歴青安 定処理 粒度調整 セメント安定処理 石灰安定処理 80 以上 (20 以上) (20 以上) ― ― (20 以上) 4以下 (9以下) (6~18) (9以下) (9以下) (9以下) ― 30 [7日] 10 [10 日] ― ― 15~30 ― ― ― 350 以上 250 以上 ― ― ― ― 10~40 10~40 ― ― ― ― 3~12 3~12 ― ― ― ― ― ― 5~30 ― ― ― ― ― 65 以上 詳細はア スファル ト舗装要 綱参照 (100) (95~100) (50~100) (20~60) (2~20) (0~10) (0~15) 注) ( )内は安定処理における望ましい品質 -167- (0~15) (3)溶融スラグの性状と路盤材に必要な品質 道路用砕石に求められる物理性状項目及び各路盤工として必要な修正CBR値については、§7 (1) 、(2)のとおりであるが、以降に溶融スラグの表乾比重、吸水率、粒度分布及び修正CBR 試験を実施した例を示す(なお、このデータは下水汚泥溶融処理研究会が、平成 12 年度に実施した 調査によるものである。 ) 。 1)絶乾比重 図4-15 に水砕スラグ、空冷スラグ、結晶化スラグの絶乾比重のヒストグラムを、表4-9に 道路用砕石の規格値である 2.45 以上に対する適合性を示す。 この結果、結晶化スラグが 2.82~2.94 と比較的高い密度を示したのに対して、空冷スラグは 2.57~2.73 と比較的低い密度を示した。水砕スラグの密度は比較的広範囲に分布し、すべての溶 融スラグが道路用砕石の規格値 2.45 以上を満足した。 5 水砕スラグ 空冷スラグ 結晶化スラグ 事業所数 4 3 2 1 0 2.5~ 2.6~ 2.7~ 2.8~ 2.9~ 3.0~3.1 3 表乾密度 (g/cm ) 図4-15 表乾比重の試験結果 表4-9 表乾比重の測定結果及び適合性の例 スラグ種別 データ数 水砕スラグ 空冷スラグ 結晶化スラグ 23 13 9 平均値 g/cm3 2.80 2.65 2.90 2.45g/cm3 以上 100% 100% 100% 2)吸水率 図4-16 に水砕スラグ、空冷スラグ、結晶化スラグごとの吸水率のヒストグラムを、表4-10 に道路用砕石の規格値である 3.0%以下に対する適合性を示す。 水砕スラグにおいて例外的に吸水率 2.0%を越える値が観測されたが、ほぼすべてが 2.0%以内 にあり、規格値 3.0%を越える値は観測されなかった。 -168- 5 水砕スラグ 空冷スラグ 結晶化スラグ 事業所数 4 3 2 1 0 0.0~ 0.5~ 1.0~ 1.5~2.0 吸水率 (%) 図4-16 吸水率の試験結果 表4-10 吸水率の測定結果及び適合性の例 スラグ種別 データ数 水砕スラグ 空冷スラグ 結晶化スラグ 29 13 11 平均値 % 1.08 0.56 0.47 3%以下 100% 100% 100% 3)修正CBR 修正CBR値は、現場施工時の締固まり具合を想定した突固め資材の路盤耐力(直径5cm、13 ~20 kN)を示す指標である。水砕スラグの修正CBR値は 15%前後と低く、空冷スラグなどで は、下層路盤の規格値である 20%を満たす。 表4-11 修正CBR・最大乾燥密度・最適含水比 測定結果平均値 スラグ種別 データ数 修正CBR (%) 最大乾燥密度 ( kg/L ) 最適含水比 (%) 水砕スラグ 22 14.4 1.76 6.5 空冷スラグ 11 35.3 1.95 2.1 結晶化スラグ 2 28.4 2.04 2.3 注)空冷スラグ、結晶化スラグは破砕により粒度調整を行った資材である。 表4-12、表4-13 は、水砕スラグと他の材料を混合し、路盤材としての特性の向上を図った 例である。他資材との混合により粒度調整を図ることによって、路盤及び路床としての耐力を向 上させることができる。 -169- 表4-12 水砕スラグと再生路盤材の混合による修正CBR向上例 材 料 種 別 水砕スラグ単体 修正CBR(%) 修正CBR(%) ρdmax 95 % 水砕スラグA +RC 40 17.8 68.0 50% 50% 水砕スラグB +RC 40 13.5 62.7 50% 50% 注) RC 40 はコンクリート廃材系の再生クラッシャーラン。 (修正CBR値 は 107.1%) 表4-13 現場発生土と水砕スラグの混合による設計CBR向上例 材 料 種 別 設計CBR 現場発生土(レキ質土) 21.7 水砕スラグ+発生土 54.8 (0.5:0.5) 水砕スラグ+発生土+RC40 89.9 ( 0.3:0.3:0.4 ) 注)設計CBRは3層N=67 突固めにより 路床として評価 した場合。なお、現場発生土の突固めにおいては発生状 態での含水率において突き固めた。 4)粒度分布と修正CBR値 水砕スラグ、空冷スラグ、結晶化スラグの粒度分布測定結果の例については§2図4-3に示 すとおりであるが、図4-17 にスラグの粒度分布改良による修正CBRを向上させた例を示す。 “アスファルト舗装要綱” M-40 の上限曲線 M-40 の下限曲線 図4-17 破砕前後のスラグ粒度分布と修正CBR値 -170- §8 路盤材としての利用形態 ―単独での利用― 溶融スラグ単独で、§7に示す基準を満たす場合は、単独で利用することができる。 【解説】 溶融スラグを単独で路盤材として利用する場合は、§7に示した基準を満足する必要がある。しか しながら、水砕スラグや空冷スラグを、そのまま用いた場合、特に§7に示す修正CBR(アスファ ルト舗装への利用)の値を満たさない場合が多い。また実際の施工においても、これらのスラグは表 面がガラス質であることから、十分に締固めできない場合が多い。したがって、使用に当たっては、 施工性も含めた検討が必要である。なお、施工性の問題については、結晶化スラグを破砕し粒調する ことで砕石と同等の表面性状のものが製造可能である。 (1)空冷スラグ及び水砕スラグを粒度調整した例(JS日本下水道事業団 北東エース) 同一の事業所から排出されるスラグの粒度改善により、路盤材規格である修正CBRの向上を図 ることを目的とした調査を実施した。 1)対象スラグ 空冷スラグ及び水砕スラグ 2)破砕方法 空冷スラグ:ジョークラッシャーによる1次破砕 ( 破砕時の最小間隙 3mm ) 水砕スラグ:ロールクラッシャーによる1次破砕 ( ロール最小目幅 0.5mm ) 3)粒度調整(混合調整) 空冷・水砕及びそれぞれの破砕物について、粒度分布を確認した後、道路用砕石のC-30、M -30 規格の粒度範囲内に入るよう、表4-14 のとおり混合率を決定した。 表4-14 スラグの混合率 空冷スラグ 未破砕 破砕物 ケース 1 C-30 相当 ケース 2 M-30 相当 ケース 3 ( 未破砕+未破砕) ケース 4 (M-30 細粒側) (単位:重量%) 水砕スラグ 未破砕 破砕物 33 67 - - 30 30 - 40 50 - 50 - 22 27 11 40 4)粒度分布と修正CBR値 図4-18 に各ケースの粒度分布及び修正CBR値の結果を示す。ケース1は空冷スラグとその 破砕物の混合物でC-30 の規格内に粒度が分布した。この資材の修正CBRは 78%を示し、下 層路盤材としての規格値を満足した。ケース2は1の資材に水砕スラグ破砕物を混入しM-30 の 粒度分布に調整したもので修正CBR値は 121 であった。 -171- ケース3では空冷、水砕両スラグを未破砕のまま混合した資材である。ケース4は破砕物をよ り多く調合し細粒度側に調整した資材である。それぞれの修正CBR値は、ケース3、ケース4 それぞれ 60、96 であった。 C-30 上・下限 通過百分率(%) 100 90 M-30 上・下限 ケース④;96% 80 70 60 50 ケース②; 121% 40 ケース③;60% 30 20 10 ケース①;78% 0 0.01 0.1 1 10 100 粒径(mm) 図4-18 各ケースの粒度分布及び修正CBR値 (2)結晶化スラグを用いた室内試験例 15)(京都市) 1)実施年度 平成 11 年度 2)試験内容 ① 物性試験 ⅰ.5mm 以上品 結晶化スラグ5mm以上品の物性試験を行った結果、表4-15に示すように路盤材の規格を すべて満足した。また、粒度分布としては図4-19に示すように道路用砕石(JIS A 5001) としての「6号砕石」に最も近いことがわかった。 表4-15 結晶化スラグ5mm 以上品物性試験結果 項 目 結 果 路盤材の規格例 絶乾比重 (-) 2.74~2.93 2.45以上(JIS A 5001) 吸水率 (%) 0.34~1.00 3.0以下 (JIS A 5001) (JIS A 5015) 安定性 (%) 0.0~2.7 20以下 (アスファルト舗装要綱) すりへり減量 (%) 7.9~21.7 35以下 (JIS A 5001) 単位容積質量 (kg/l) 1.63~1.78 1.5以上 (JIS A 5015) 規格例説明 JIS A 5001: 「道路用砕石」(-1995) JIS A 5015: 「道路用鉄鋼スラグ」(-1992) -172- 通過総量百分率 (%) 100 99/04 99/08 99/10 平 均 6号砕石 範 囲 80 60 40 20 0 0.6 1.2 2.5 5 13 ふるい呼び寸法 (mm) 20 25 図4-19 結晶化スラグ5mm以上品粒度分布 ⅱ.5mm 未満品 結晶化スラグ5mm未満品の物性試験を行った結果、表4-16に示すように路盤材の規格を すべて満足した。また、粒度分布を図4-20に示す。 表4-16 結晶化スラグ5mm未満品物性試験結果 項 目 結 果 路盤材の規格例 絶乾比重 (-) 2.78~2.94 2.45以上(JIS A 5001) 吸水率 (%) 0.56~1.93 3.0以下 (JIS A 5001) (JIS A 5015) 安定性 (%) 0.0~3.2 単位容積質量(kg/l) 20以下 (アスファルト舗装要綱) 1.65~1.76 1.5以上 (JIS A 5015) 注)規格例説明 JIS A 5001:「道路用砕石」(-1995) JIS A 5015:「道路用鉄鋼スラグ」(-1992) 通過総量百分率 (%) 100 80 60 98/08 98/09 98/11 99/01 平均 40 20 0 0.15 0.3 0.6 1.2 ふるい呼び寸法 (mm) 図4-20 結晶化スラグ5mm 未満品粒度分布 -173- 2.5 5 ② 結晶化スラグ単独による適用性試験 結晶化スラグの5mm以上品と5mm未満品を表4-17に示す割合で混合して修正CBR試験を 行った。なお、条件1-2(5mm以上品:5mm未満品=5:1)は溶融結晶化設備にて空冷+再 加熱結晶化運転を行った場合の自然発生量比率である。試験結果を表4-17に併せて示すが、 5条件のうち、3条件は締固め曲線が得られず、条件1-3のみが下層路盤材規格(20%以上) を満足した。 表4-17 修正CBR試験条件 試 験 条 件 混合率 結晶化スラグ 5 mm以上(%) 結晶化スラグ 5 mm未満(%) 修正CBR試験結果 ( % ) (単位:重量%) 1-1 1-2 1-3 1-4 1-5 100 83 67 33 0 0 17 33 67 100 締固め 不 良 締固め 不 良 20 締固め 不 良 15 以上のように、結晶化スラグ単独では上層路盤材規格(80%以上)を満足するのが困難であ るが、原因として次のことが考えられる。 ⅰ.粒度分布の影響 結晶化スラグ単独では0.4mm以下と13mm以上の部分が不足し、路盤材として十分な粒度分布 でない。 ⅱ.粒形の影響 天然石の場合でも砕石の修正CBRが70%以上であるのに対して砂利が20~60%であり、 結晶化スラグも砂利同様、丸みを帯びた形状であるために相互がかみ合いにくい。 ⅲ.物性などの影響 結晶化スラグの強度、硬度が大きい。 §9 路盤材としての利用形態 ―混合材での利用― 溶融スラグ単独では、§7に示す基準を満たさない場合は、適切な材料と混合することで利用 することができる。 【解説】 溶融スラグを路盤材として利用する際、§7に示す基準を単独のままでは満たすことができない場 合には、他の適切な材料を混合し、調整することにより使用することができる。 水砕スラグは一般的に細粒分が多く、単一粒子のため、締まりが悪く、単独での使用では修正CB Rの目標値を満足することが困難な場合が多い。この場合、調整材としてクラッシャランなどの適切 な材料を混合することにより、用途に応じた規格値を満足することも可能であり、使用することがで きる。 -174- 以下に、混合材の形態で利用した例を紹介する。 (1)水砕スラグを路盤材として利用した試験施工例 16)(福岡県) 1)実施年度 平成 10 年度 2)工事区分 試験施工 3)工事場所 御笠川浄化センター内作業用道路 4)利用場所 下層路盤工 5)使用材料 スラグ:RC40=3:7(重量比) 6)工事概要 延長L=41m、幅員W=7.0m、A=142 ㎡ 舗装工 表層工 (密粒アスコン/13 ㎜) t=5㎝ 上層路盤工(粒調砕石 40 ㎜) t=15 ㎝ 下層路盤工 (再生クラッシャラン 40 ㎜) t=20 ㎝ 7)調査概要 スラグと再生クラッシャランを重量比3:7で混合して下層路盤材として試験舗装を行い、比 較区間の舗装工事(再生クラッシャランのみ)と比較する。再生クラッシャランとスラグは、現 地においてバックホウで混合する。なお、敷均し、転圧方法及び上層路盤工、表層工については 通常の舗装工事と同等に行う。 8)試験舗装の結果 ① 材料試験 材料の試験結果及び粒度は表4-18、図4-21 のとおりである。 スラグ混合路盤材の粒度は、C-40 の範囲と比較して、やや細かい傾向が見られた。 表4-18 試験施工に使用した材料の材料試験結果 試 験 種 別 再生クラッシャラン RC-40 スラグ単体 スラグ混合 下層路盤材 路盤材 規 格 最適含水比 11.7 11.9 10.0 - 最大乾燥密度 1.884 1.737 2.108 - 修正CBR(95%) 85.3 13.0 106.3 20 以上 液性限界(PL)wL(%) NP - - - 塑性限界(LL)wp(%) NP - - - 塑性指数(PI)lp NP - 2.36 ㎜ふるい通過率(%) 18.3 90.6 47.9 5~25 75 m ふるい通過率(%) 2.1 0.9 4.6 - すりへり減量(%) 30.2 - - 50 以下 6以下 注)再生クラッシャランは「材料使用願い」 、スラグ単体は平成9年度の試験結果による。 -175- 図4-21 スラグ路盤の粒度(室内試験用試料と現場採取試料) ② 施工試験結果 施工後に行った路盤に関する試験は、現場密度試験、平板載荷試験、たわみ量測定試験であ り、その結果は表4-19、表4-20、表4-21 のとおりである。 以上の結果、基準はすべて満足した。 表4-19 現場密度試験結果 種別 測定位置 含水比ω 湿潤密度ρt 3 乾燥密度ρt 3 締固め度 Cd 試験区間 (%) (g/cm ) (g/cm ) (%) +10.0(左) 7.8 2.231 2.070 98.2 +20.0(中) 7.7 2.259 2.098 99.5 +30.0(右) 7.2 2.176 2.030 96.3 平 均 7.6 2.222 2.066 98.0 特性値 最適含水比 Wopt =10.0%、最大乾燥密度ρdmax=2.108g/cm3 比較区間 本線 A 左 11.4 2.065 1.854 98.4 本線 B 左 10.8 2.045 1.846 98.0 支線 中 11.7 2.078 1.861 98.8 平 均 11.3 2.063 1.854 98.4 特性値 最適含水比 Wopt=11.7%、最大乾燥密度ρdmax=1.884g/cm3 -176- 表4-20 平板載荷試験 地盤係数 K30 測定位置 (㎏ f/cm2) +10.0(左) 24.6 +20.0(中) 21.9 +30.0(右) 10.4 表4-21 たわみ量測定試験 最大変位量 測定位置 (㎜) +10.0(左) 2.29 +20.0(中) 1.40 +30.0(右) 6.22 (2)空冷スラグを用いた室内試験例 17)(滋賀県) 1)空冷スラグ材の性能 砕石に 30mm 以下に粒度調整された空冷スラグ及び 13mm 以下の陶器廃材を混合して路盤材の製 造が可能で、下層路盤材及び上層路盤材を製造する際の配合例を表4-22 に示す。 表4-22 スラグ混合路盤材の配合例(実験条件) 配合条件 路盤材種類 スラグ 下層路盤材 スラグ 上層路盤材 スラグ 単独 クラッシャラン C-30 粒度調整砕石 M-30 空 冷 粒調スラグ < 30 mm 陶器廃材 粒度調整砕石 < 13 mm クラッシャ ラン C-30 20 20 60 ― 20 20 ― 60 100 ― ― ― ― ― 100 ― ― ― ― 100 -177- M-30 次にこれらを使用した際の各種路盤材についての性能を表4-23 示す。また、空冷スラグを単 独で使用した場合の性能も併せて示す。 表のデータが示すように、天然砕石と混合して使用することにより締固め特性が大幅に改善さ れ、配合条件を適切に設定することで上層路盤材にも適用が可能である。 表4-23 路盤材種類 スラグ 試験項目 下層路盤材 単位容積重量 1.669 (t/m3) 比重(-) 2.665 吸水率(%) 0.93 すり減り減量 25.1 (%) 塑性指数(%) NP 最大乾燥密度 2.170 (g/cm3) 修正CBR 71 (%) 路盤材性能 スラグ スラグ単独 上層路盤材 クラッシャラン 粒度調整 砕石M-3 1.628 1.644 1.715 1.727 2.676 0.88 2.669 0.579 2.686 0.88 2.682 0.80 24.8 25.5 22.2 21.4 NP - 3.6 NP 2.194 1.825 2.170 2.211 111 31 72 91 注)スラグ単独下層路盤材は、粒度がC-20 に相当する路盤材の値を示す。 (3)結晶化スラグを用いた室内試験例 15)(京都市) 1)実施年度 平成 11 年度 2)試験内容 ① 物性試験 ⅰ.5mm以上品 結晶化スラグ5mm以上品の物性試験結果及び粒度分布を表4-15及び図4-19に示す。 ⅱ.5mm未満品 結晶化スラグ5mm未満品の物性試験結果及び粒度分布を表4-16及び図4-20に示す。 ② 結晶化スラグとその他材料の混合による適用性試験 前述の結晶化スラグ単独による適用性試験結果を踏まえ、結晶化スラグの粒形、物性につい ては調整できないため、 粒度分布について0.4㎜以下と13㎜以上の不足分をそれぞれスクリーニ ングスと5号砕石で補うこととした。混合条件を表4-24に、またそれによる粒度分布を図4 -22及び図4-23に示す。 -178- 表4-24 修正CBR試験条件 条 件 2-1 2-2 2-3 2-4 結晶化5mm以上品 (%) 71.4 55.0 50.0 45.0 5号砕石 (%) 0.0 15.0 15.0 20.0 スクリーニングス (%) 28.6 30.0 35.0 35.0 通過総量百分率 (%) 100 80 2-1 2-2 2-3 2-4 C-20 範囲 60 40 20 0 2.5 5 13 ふるい呼び寸法 (mm) 20 25 図4-22 条件2-1~4の粒度分布とC-20の比較 通過総量百分率 (%) 100 80 60 40 2-1 2-2 2-3 2-4 M-25 範囲 20 0 0.75 0.4 2.5 5 ふるい呼び寸法 (mm) 13 25 図4-23 条件2-1~4の粒度分布とM-25の比較 試験結果を図4-24に示す。スクリーニングスと5号砕石で粒度調整することにより、修正 CBRは大幅に向上し、条件2-3及び2-4は上層路盤材規格(80%以上)を満足した。 -179- 80 200 スクリーニングス<左軸> 180 5号砕石 160 混合比率 (%) 140 60 120 100 <左軸> 5mm以上品 <左軸> スラグ 5mm 以上品〈左軸〉 修正CBR (%) 100 修正CBR <右軸> 80 :上層路盤材規格(80%以上) 40 60 20 40 20 :下層路盤材規格(20%以上) 0 0 2-1 2-2 2-3 試験条件 2-4 図4-24 結晶化スラグ修正CBR試験結果 (4)結晶化スラグを路盤材として利用した試験施工例15)(京都市) 1)実施年度 平成 11 年度 2)工事区分 試験施工 3)工事場所 鳥羽処理場内 4)利用場所 上層路盤 5)使用材料 5mm 以上品、5号砕石及びスクリーニングスの混合物。なお、混合比率は5mm 以上品:5号砕 石:スクリーニングス=50:15:35 とし、混合は現地にて行った。 6)施工規模及び舗装構成 施工延長 約 27m 幅員 約7m 面積 176.6m2(試験区間:100.6m2・比較区間:76.0m2) 舗装構成 図4-25 に示す。 7)現場試験 現場密度試験を行った結果、表4-25 に示すように結晶化スラグを含む混合材料を使用した試 験区間の上層路盤は比較区間と比較してほぼ同等であり、施工性についても大きな差のないこと がわかった。 -180- 比較区間 100 60 40 試験区間 基層(粗粒度アスファルト混合物) 200 上層路盤材 (結晶化スラグ+ 5 号砕石+スクリーニングス) 下層路盤材(結晶化スラグ) 表層(密粒度アスファルト混合物) 基層(粗粒度アスファルト混合物) 上層路盤材(M-40) 150 表層(密粒度アスファルト混合物) 下層路盤材(C-40) 路床 路床 図4-25 舗装構成 表4-25 上層路盤の現場密度試験結果 項 目 試験区間 比較区間 3 2.190 2.154 3 最大乾燥密度(g/cm ) 2.305 2.225 締固め度 95.0 96.8 乾燥密度 (g/cm ) (%) §10 埋戻材としての適用の判定方法 溶融スラグを埋戻材として利用する場合、それぞれの構成材料として求められる性質を満たす もので、施工後の品質を確保するものでなければならない。 【解説】 溶融スラグを埋戻材として利用する場合、それぞれの構成材料として一般土工に求められる性質を 満足するものでなければならない。 実績が少なく粒度改良を行わないスラグ単独の施工に当たっては、 用途に応じた試験を実施し、その適用の可否を判断し、材料試験及び施工後の構造体について必要な 試験項目を試験する必要がある。 (1)埋戻材としての規格 埋戻材として定められた基準ないし規格は特にないが、一般的に求められる性質として次のよう な項目がある。 ① 敷均し、締固めの施工が容易である。 ② 締固められた後のせん断強さが大きく、圧縮性が小さい。 ③ 雨水等の浸食に対して強い。 ④ 吸水による膨張性が低い。 -181- (2)締固め・施工時に関する条件 材料に求められる施工時及び完成後の出来形の性質として次の条件を満足させるものでなけ ればならない。 ① 機械施工による転圧が容易なものであること。 ② 長期的に安定性を示し、舗装、構造物その他上載施設による圧密沈下が悪影響を及ぼさない こと。 ③ 局部的な荷重に対しても変形を生じず十分な支持力を示すこと。 (3)路床・路盤耐力試験等 道路工として、路床、路盤の耐力を確認する方法として、次の支持力試験等がある。 ① 平板載荷試験 ② 修正CBR試験・設計CBR試験 ③ コーン指数 §11 埋戻材としての利用形態―単独での利用― 溶融スラグ単独で、§10 に示す条件を満たす場合は、単独で利用できる。 【解説】 溶融スラグを単独で埋戻材として利用する場合は、§10 に示した条件を満足する必要がある。 溶融スラグを単独(混合材なし)で利用した例があるので紹介する。 (1)水砕スラグを路床埋戻材として利用した試験施工例 18)(JS大阪南エース) 1)試験方法 試験施工は、岸和田市・堺市・高石市内の住宅地の市道での公共下水道管(サービス管)工事 で実施した。施工の代表的な断面を図4-26 に示す。道路幅員は2~10m、土被りは1~2m、 掘削幅は 85cm~1m、布設管種はVU管である。埋戻し・締固めは人力施工(タンパ・ランマを 使用)で、施工管理は一般の施工と同様に行った。 試験施工は次のような手順で実施した。 (図4-27) まずスラグの材料試験により埋戻材としての性能を調査した。次に埋戻し施工後のスラグの試 験を行い、両者を比較し(締固め度等) 、施工状態の評価及び品質管理手法の検討を行った。ここ では、この試験施工のうち材料試験結果について記載する。 -182- 図4-26 代表的な試験施工断面 図4-27 試験施工の概要 2)試験結果 スラグの材料試験結果を表4-26 に示す。 修正CBRについてみると最近2年間のデータでは 10.7~17.8%であり、下層路盤の規格値 20%を下回るものの、大阪府の道路復旧工事の埋戻土の基準は 13%以上とされていることから、 路床材としてはおおむね使用できることがわかる。 表4-26 スラグ材料試験結果 スラグ試料 採取日 93. 1. 21 2. 18 3. 18 94. 8. 12 95. 4. 4. 5. 16 7. 11. 12. 12. 96. 2. 5. 4. 6. 19 8. 5 平均値 最大値/最小値 絶乾比重 2.71 2.71 3.18 2.73 2.79 2.75 2.94 2.67 2.59 2.88 2.84 2.78 2.94 2.91 2.93 2.94 2.83 1.23 単位容積 重量A g/cm3 1.57 1.56 1.74 1.39 1.69 1.41 1.43 1.70 1.62 1.65 1.46 1.74 1.61 1.62 1.59 1.25 最大乾燥 密度B g/cm3 1.698 1.709 1.995 1.609 1.730 1.743 1.837 1.628 1.616 1.850 1.751 1.744 1.635 1.870 1.903 1.823 1.759 1.24 B/A 1.08 1.10 1.15 1.16 1.09 1.15 1.13 1.09 1.08 1.06 1.12 1.07 1.18 1.13 1.11 -183- 最 適 含水比 % 3.7 4.7 14.1 7.8 7.1 6.8 7.1 9.8 7.6 7.2 6.5 7.3 7.6 7.7 8.5 7.2 7.5 修 正 CBR % 33.5 32.5 20.9 14.0 15.0 15.0 17.0 10.7 16.8 15.0 17.5 12.5 17.8 12.0 13.6 15.0 17.4 すりへり 減 量 % 16.9 17.3 27.2 60.0 49.7 51.5 61.4 44.6 47.5 55.2 45.5 46.2 43.4 63.6 60.0 56.4 46.7 吸水率 % 0.43 0.41 0.26 0.48 0.4 0.66 0.3 0.36 1.25 1.47 0.21 0.22 0.24 1.07 0.54 0.63 0.56 (2)水砕スラグの管きょ基礎及び防護砂の代替品としての利用例(前橋市) 前橋市では、塩ビ管管きょ基礎及び防護に使用する砂の代替品として水砕スラグを一部の市道に おいて利用している。 図4-28 標準断面図(一般的な市道) §12 埋戻材としての利用形態―混合材での利用― 溶融スラグ単独で、§10 に示す条件を満たさない場合は、適切な材料と混合することで利用す ることができる。 【解説】 溶融スラグを埋戻材として利用する際、§10 に示す条件を単独のままでは満たすことができない場 合には、他の適切な材料を混合し、調整することにより使用することができる。 以下に、混合材の形態で利用した例を紹介する。 (1)水砕スラグと購入土との混合による路床埋戻材として利用した試験施工例(大阪市) 1)試験方法 埋戻材料は、水砕スラグ(30%)と購入土(70%)の混合材(以下、スラグ混合材)を使用し た。貯蔵方法については平成7年度は室内で保存し、平成8年度は搬出時の含水比をより良好な ものにするため野積みで保存した。 試験施工は、各年度4路線で行い、従来の埋戻材である購入土との比較を行うために1路線約 30mの区間を2分割して行った。 現場試験は、溶融スラグ及び購入土使用による既設道路への影響を把握するため、現状、一次 復旧時、二次復旧時にそれぞれの路床や路面全般にわたり、その性状及び支持力等を調査した。 -184- また、平成7年度に試験施工を行った4路線について路面性状追跡調査として、二次復旧実施後 6箇月及び1年経過後の横断形状等の各調査を実施した。現場試験の試験項目及び数量を表4- 27 に示す。 表4-27 現場試験項目及び数量 調査項目 延 長 土質試験(路床) 土 研 式 貫 入 試 験 含水比試験 現場密度試験 粒度試験 路面性状試験 平坦性試験 横断形状試験 目視調査 路面性状追跡調査 平坦性試験 横断形状試験 種別及び数量 4路線とも 30m 計 120m 各路線とも、現状、一次復旧時、二次復旧時各2箇所づつ 計24箇 所(2箇所×3回×4路線) 各路線とも、現状、一次復旧時上層と下層、二次復旧時各2箇所づつ 計 32 箇所(2箇所×4回×4路線) 各路線とも、一次復旧時、二次復旧時各2箇所づつ 計 16 箇所 (2箇所×2回×4路線) 各路線とも、現状、一次復旧時時各2箇所づつ 計 16 箇所 (2箇所×2回×4路線) 各路線とも、一次復旧直後、二次復旧直前と直後各 30mづつ 計 360 m(30m×3回×4路線) 各路線とも、一次復旧直後、二次復旧直前と直後各4測線づつ 計 48 測線(4測線×3回×4路線) 各路線とも、一次復旧から3日、7日経過後及び二次復旧から1箇月 経過後に実施 前年度実施路線を実施後6箇月、 1年経過後各 30mづつ 計 240m (30 m×2回×4路線) 前年度実施路線を実施後6箇月、1年経過後各4測線づつ 計 32 測 線(4測線×2回×4路線) 2)試験結果 以下に示すとおり、溶融スラグを混合した埋戻施工は、購入土を用いた場合と同様の結果が得 られた。 ① 含水比、粒度 含水比は各条件において常に6~9%の範囲にあり、路床材としての支持力を十分に確保し ていることが確認された。 溶融スラグの粒度組成は、埋戻土基準の細粒分 25%以下の条件を十分満たしている(表4- 28)。 -185- 表4-28 室内土質試験結果総括表 種 別 試 験 項 目 含水比 平均値 粒 度 含水比 標準偏差 粒 度 含水比 標本数 粒 度 含 水 比 最下層含水比 礫 分 砂 分 細 粒 分 含 水 比 最下層含水比 礫 分 砂 分 細 粒 分 含 水 比 最下層含水比 礫 分 砂 分 細 粒 分 現状土 (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) 13.6 44 38 18 3.6 6 5 3 8 8 8 8 一次復旧時 スラグ 購入土 混合材 6.9 8.4 7.6 8.9 36 42 54 44 11 14 0.8 1.1 1.0 2.1 3 7 2 4 1 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 二次復旧時 スラグ 購入土 混合材 7.8 10.1 0.8 2.1 4 4 ② 土研式貫入試験、現場密度 土研式貫入試験の施工基準値 13 回以上を下回った所は1箇所もなく、 十分に基準を満たして いる(表4-29)。 表4-29 土研式貫入試験結果総括表 種 別 平均値 (回) 標準偏差 (回) 標本数 試験深さ (㎝) 0~10 10~20 20~30 30~40 40~50 平均(10~50) 0~10 10~20 20~30 30~40 40~50 平均(10~50) 0~10 10~20 20~30 30~40 40~50 平均(10~50) 現状土 52.6 54.7 52.8 52.9 51.2 52.9 37.6 35.9 37.9 38.5 39.9 37.8 16 16 16 16 16 16 一次復旧時 スラグ 購入土 混合材 18.0 24.1 28.0 24.0 34.9 23.6 26.5 27.0 19.6 27.0 27.3 25.4 2.9 10.4 6.3 5.0 15.9 4.0 11.3 4.6 8.3 7.8 9.9 4.0 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 -186- 二次復旧時 スラグ 購入土 混合材 10.4 20.3 26.1 21.6 29.8 23.1 27.9 24.0 21.0 22.1 26.2 22.7 4.5 8.6 6.3 6.1 11.1 5.4 11.0 6.1 8.2 5.0 7.6 5.5 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 現場密度試験については、埋戻土の施工管理基準は締固め度 92.5%以上である。スラグ混合材 の締固め度は一次復旧時が平均 99%であり十分基準を満たしている(表4-30) 。 表4-30 現場密度試験結果総括表 種 別 試 験 項 目 含 水 比(%) 湿 潤 密 度(g/cm3) 平均値 乾 燥 密 度(g/cm3) 締 固 め 度(%) 最大乾燥密度(g/cm3) 含 水 比(%) 湿 潤 密 度(g/cm3) 標準偏差 乾 燥 密 度(g/cm3) 締 固 め 度(%) 最大乾燥密度(g/cm3) 含 水 比 湿 潤 密 度 標本数 乾 燥 密 度 締 固 め 度 最大乾燥密度 一次復旧時 スラグ 購入土 混合材 6.9 8.5 2.189 2.182 2.047 2.011 98.9 99.3 2.069 2.027 0.8 0.8 0.034 0.038 0.018 0.029 0.8 1.5 0.000 0.035 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 二次復旧時 スラグ 購入土 混合材 8.0 10.0 2.191 2.196 2.029 1.997 98.1 98.5 2.069 2.027 1.0 1.7 0.052 0.041 0.040 0.054 1.9 1.7 0.000 0.035 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 3)舗装路面の供用性 横断形状の測定結果は、溶融スラグで一次復旧直後から二次復旧直前の間に平均で約4mm の沈 下が見られたが、わだち掘れなどは見られなかった。 舗装の供用性を表す指数はPSI(供用性指数)で 3.9~4.3、MCI(維持管理指数)で 9.2 ~9.4 と各路線でほぼ一定の良好な値を示している(表4-31) 。 表4-31 路面性状調査結果総括表 種 別 試 験 項 目 横断形状(mm) 平均値 P S I M C I 横断形状(mm) 標準偏差 P S I M C I 横断形状 標本数 P S I M C I 一次復旧直後 スラグ 購入土 混合材 -43 -39 4.1 4.1 9.3 9.3 17 26 0.0 0.0 0.0 0.0 4 4 4 4 4 4 -187- 二次復旧直前 スラグ 購入土 混合材 -39 -34 4.0 4.0 9.3 9.2 18 25 0.1 0.1 0.0 0.0 4 4 4 4 4 4 二次復旧直後 スラグ 購入土 混合材 -53 -47 4.3 4.2 9.4 9.4 16 12 0.1 0.0 0.0 0.0 4 4 4 4 4 4 (2)水砕スラグと現場発生土との混合による路床埋戻材として利用例(富山県) 小矢部川流域下水道二上浄化センターにおいて発生した水砕スラグは、関連公共下水道工事にお いて埋戻材として利用されている。 利用状況は、市町村により多少異なるが、市町村道路の路床部埋戻材としての利用が標準的であ り、溶融スラグを現地発生土砂に 20%混合して使用する場合が最も多い。 図4-29 標準断面図 写真4-2 スラグ搬入状況 写真4-3 埋戻作業状況 (3)空冷スラグと砕石等との混合による防護砂としての利用例(滋賀県) 民間業者により空冷スラグを粒度調整した後に、以下の材料と混合したものを公共下水道の開削 工事で塩ビ管の防護砂として利用している。 混合材料の例 スラグ:クラッシャラン(C40):陶器廃材 = 25:40:35 スラグ:クラッシャラン:山砂 = 50:10:40 -188- §13 施工上の留意点 溶融スラグを用いて路盤及び埋戻しを施工する際は、利用先別に定められている技術基準等に よらなければならない。 【解説】 溶融スラグを用いた路盤を施工する場合及び溶融スラグを埋戻材として施工する場合は、必要に応 じて道路管理者等と十分協議するとともに、利用先別に定められた技術基準等に基づいて設計・施工 しなければならない。 一般的に、水砕スラグはガラス質で締固め性が悪く、厚めの施工が困難である。したがって、転圧 回数を多く必要とし、駐車場等の広範囲の施工には適さないと考えられ、軽破砕等の処理又は混合材 での使用を検討する必要がある。 なお、現在定められている技術基準等としては、表4-32 に示すものがある。 表4-32 利用先別の技術基準例 利 用 先 関係する技術基準 アスファルト舗装 アスファルト舗装要綱(日本道路協会) コンクリート舗装 セメントコンクリート舗装要綱(日本道路協会) -189-
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