ため池工事盛立て管理基準の改訂について

ため池工事盛立て管理基準の改訂について
(1)現状
ため池工事の盛立て管理(現場密度測定等)は、平成13年4月より土地改
良事業設計指針「ため池整備」の管理頻度目安と同じ、延長50mごと、盛土
高さ60㎝ごとに1点行い(延長50m未満の場合は2点)
、その費用は共通仮
設費に含まれるものとして運用している。しかし、この基準では測定回数が多
く、頻度に見合う積算費用となっていない。また、過去の盛立て密度と透水試
験の関係を検証したところ、測定回数を減じても品質管理を行う上で十分であ
ることが判明した。
(2)試験頻度の改訂について
1)測定間隔(延長方向)を50mにする。
土地改良事業設計指針「ため池整備」では試験頻度を概ね50~100m間
隔としている。また、現場での転圧はローラ等で概ね50mの延長で行うため、
施工に併せた堤長50mにつき1点以上の測定とする。
(50m未満は1点測定
する。)
2)現場透水試験の測定間隔(盛土高さ)を120㎝ごとにする。
ため池工事に使用する盛土材は、工事着手前(及び盛土材が変わった場合)
に締固め試験等を行い、透水係数を満足する材料であることや、その締固め度
(最大乾燥密度)を確認して使用している。そのため、施工時の現場での締固
め度が、現場密度測定で規格値を満足していれば、遮水性も良好と判断出来る
ので、その確認試験である現場透水試験を、盛土高さ120㎝ごとの測定とす
る。
3)特殊な地区の試験費は別途計上する。
堤長が概ね100mを超える地区及び、堤高が概ね10mを超える地区を単
年度盛立てする場合は、超過した長さ(高さ)に対する試験費用を別途計上す
る。
4)特記仕様書の記載内容を追加する。
特記仕様書に別紙内容(丁張り設置と、各層ごとの転圧状況写真添付、段階
確認項目に品質管理試験追加)を記載する。
品質管理基準及び規格値
工種 種別
た
め
池
盛
土
コ
ア
試験
試 験 項 目 試験方法
区分
材 土粒子の密度試験 JIS A 1202
料 粒度試験
JIS A 1204
含水比試験
JIS A 1203
締固め試験
JIS A 1210
土の透水試験
JIS A 1218
施 現場密度の測定
砂置換法
工 現場透水試験
立杭法
規
格
値
1.乾燥密度で規定す
る場合
JIS A 1210の試験で
最大乾燥密度に対す
る締固め度はA・B法
90%以上
材
料
施
工
土粒子の密度試験
粒度試験
含水比試験
締固め試験
現場密度の測定
JIS A 1202
JIS A 1204
JIS A 1203
JIS A 1210
砂置換法
験
基
準
変
更
後
工事着手前1回及び盛土材が変わった場合
延長方向の測定間隔は
2.飽和度で規定する
場合、飽和度は85%~
95%の範囲とする。
3.空気間ゲキ率で規
定する場合、空気間
ゲキ率は2%~10%の
範囲とする。
ラ
ン
ダ
ム
試
上記によらない場合
は、特別仕様書によ
る。
施工延長50mにつき1点以上、50m未満は1点測定する。
盛土高さの測定間隔は
現場密度の測定 高さ60cmごとに測定する。
現場透水試験 高さ120cmごとに測定する。
工事着手前1回及び盛土材が変わった場合
盛土高さ60cmごとに測定するものとし、施工延長50m
につき1点以上、50m未満は1点測定する。
摘 要
試験成績表等による確認