3.普通の営業担当者の「大幅な底上げ」を実現する/営業崩壊説(中) 3.普通の営業担当者の「大幅な底上げ」を実現する/営業崩壊説(中) 淡路富男 営業力開発研究所 http://members.jcom.home.ne.jp/0377975901/ ※内容の詳細については上記にアクセス下さい。 ※未定稿につき誤字などはご容赦下さい。 -営業崩壊説-4 営業には革新が実施されない- ◆小手先の営業改革では効果はまったくない 無革 どうして営業はこのように売れなくな ったのでしょうか。答えは簡単です。営 業が環境変化にあわせて、自らを本気で 革新してこなかったからです。小手先の 営業強化に終始してきたからです、これ が4つめの営業崩壊説です。 営業はバブル崩壊から現在までの約 20 年間、新製品がヒットしない限 り売れない営業になりました。売れない時代で通用する営業の実力がなか ったのです。個人的で経験的で、とても営業技術やノウハウとはいえない 漠然とした営業のやり方しか身につけてこなかったのです。 やむなく「根性中心の行動型」や「熱心さ訴求の奉仕型」の営業に陥る -1- また、少数の「超営業担当者」の 成果だけでは、組織の目標を達成 営業 担当者は 毎期目標達成 することはできません。 20 年前のバブル崩壊から成果を でも数が少なく頼れない! 超 を満足させることはできません。 凄い ことになりますが、これでは顧客 だせなくなった営業には、抜本的 な営業革新が必要でした。しかし 一部の企業を除いて、これまでに 誰もがやれるものではない やってきたのは小手先の営業力強 化でした。 担当役員が営業管理者を集めて「わが社の営業は伝統的に不況に強い、 昔の強い営業の復活を」とゲキを飛ばしても、現状問題をグル-プで検討 し多くの対策を列記しても、かってのトップセ-ルスマンの「すざましい 感動的な話」を聞かせても、情報端末を付与しても、行動を細かく管理し ても、多くの普通の営業担当者を、売れる営業担当者にすることはできま せんでした。 ◆営業革新と他分野の革新との比較 企業内の他の分野では、いろんな革新的な取り組みが行われています。 例えば、生産革新は絶えず組織的に行われています。大声で革新、革新と 叫ぶこともなく、革新を当然の組織方針とし、対象をしっかりと見つめ、 ロジカルに分析し、機能的に考え抜き、アイデアを創造し、成功事例を参 考にし、作業手順を明らかにし、適切な評価をし、目標に向けて革新案を 開発・設計します。 こうしてかなりの投資が行なわれ、一層の品質改善、コストダウン、リ -ドタイムの短縮を着実に実現し、工場の製造ラインはますます短くなり ます。さらに高度になった現場は、パートの人でも研修とある期間の習熟 を経ることで、正社員並の成果が出せる仕組みになっています。普通の社 員が現場の中心にいます。 ◆普通の営業担当者が強くなる営業革新 しかし営業にはこのような“革新”といわれるような活動が見られませ -2- ん。確かに生産革新、流通革新、物流革新、営業革新といった見出しがビ ジネス誌の表紙を飾ります。しかし、営業革新の内容は、いつも超営業担 当者の自慢話の掲載であり、その内容は普通の営業では実施できない、ス ーパーセールスマンの仕事内容の紹介です。全ての人がオリンピック選手 になれるわけではありません。このような特別の人しかできない営業方法 は、組織の営業としてはベストとは言えない、是正すべき課題になります。 組織の営業とは、少数の超営業担当者に依存する、成果が片寄る不安定 な営業ではありません(6 億円で不安定)。普通の人が組織の力を活用し、 自らの強みを活かしながら、周囲が納得する妥当な努力をし、関係者と協 働して営業を行い、顧客の支持を獲得するものです(10 億円で安定)。成 果は大きくかつバランスしたものになり、更なる営業の成長も期待できま す(図参照)。 超営業担当者にたよる営業部隊 全体では6億の成果 超営業担当者 11億-5億=6億 6 二つの営業部隊の 二つの営業部隊の 成果の違い 成果の違い 5 4 普通の営業担当者 3 2 1 0 -1 5億 3億 1億 1億 1億 -2 -1億 -1億 -1億 -1億 -1億 -3 営業1 営業3 営業2 営業5 営業4 営業9 営業8 営業10 普通の営業担当者による営業部隊 全体では10億の成果 6 5 4 普通の営業担当者 3 2 10億円で 組織的で安定 成長性もある 1 0 -1 1億 1億 1億 1億 1億 1億 1億 1億 1億 1億 -2 -3 営業1 営業3 営業2 -3- 営業5 営業4 営業7 営業6 営業9 営業8 営業10 普通の営業担当者全員を 底上げする 6億円で 個人頼りで 不安定 営業7 営業6 これは、顧客の要求と期待に対応できる営業力を開発し、現在の普通の 営業担当者の営業力を大きく底上げすることで可能になります。営業力開 発がこれを実現します。 社長を先頭にして全員が営業の鬼のようになって努力した。営業が危機 感をもって早朝から深夜まで猛烈に行動して活躍した。ある営業担当者が 脅威的な訪問数で成果をあげたといったことは、何度でもできることでは ありません。継続組織体としてのこれからの組織の営業とはいえません。 普通の人の強みを結合しながら組織力を高めるといった、組織における営 業の本質を取り違えています。 ◆営業は革新を嫌う保守的な集団 それでも、営業革新を放置しながら、不況 底上 になると叫ばれるのが「営業待望論」であり、 それでいて実行されるのが、営業責任者を集 めた緊急会議であり、大声で叫ぶ合宿訓練で あり、朝礼でこぶしをあげる全員営業であり、 製造部門や間接部門からの営業現場への人的投入では、効果があがると判 断するほうが不思議です。 このままでは、営業は革新されない大昔の姿で、いつまでも大声で売上 げ、売上げ、売上げと叫びながら、あてのない景気回復を待つということ になります(図参照)。ますます顧客から遠ざかり、革新しない営業は数 年後に確実に崩壊します。 営業は、顧客の視点から見て妥当と評価される 景気が回復 しないかな~ 営業に開発されなければなりません。それには超 営業担当者も交えて、顧客の視点から自社の営業 力を開発し、それを現在の普通の営業担当者に適 用することで、彼らの営業力を大幅に底上げをす ることが必要になります。 げ! 売上 げ! 売上 ドラッカーは「経営(マネジメント)とは顧客 の視点から企業を見ることすべて」とします。営 業を顧客の視点から開発します。経営理念に「顧 客第一主義」を掲げる組織なら、実施して当然のことになります。御社に は営業力開発の導入が必要です。 -4- ◆著者紹介 淡路富男 (あわじとみお) 営業力開発研究所/営業力開発のエキスパート 民間企業を勤務後、民間大手コンサルティング会社の シニアコンサルタント、(財)日本生産性本部 主席経営 コンサルタントを経て、現在は営業力開発研究所の代表。 戦略と営業関係のコンサルティングを通じて、最強営業 プロセス開発プログラム、最強営業チーム開発プログラ ムを開発する。 組織には「超営業とド根性営業」は不要であり、重要な のは普通の営業担当者として、最短で組織の営業力を最 強にするコンサルティングを全国の多くの企業に実践し て大きな成果をあげている。 中小企業診断士(経済産業省) ◆専門領域:戦略経営、営業改革、営業力開発 ◆主な著書:『高品質高生産性営業活動』(ビジネス社) 『営業力開発』(マネジメント社) 『実践マーケティング戦略』(同文館) 等 ◆コンサルティング・研修に関する連絡先 電話・FAX 03 ー 6760 ー 7306 営業力開発研究所 MAIL [email protected] URL http://members.jcom.home.ne.jp/0377975901/ -5-
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