果樹部門 平 成 16 年 度 試 験 研 究 主 要 成 果 9 . ナ シ 汚 果 病 防 除 に お け る 薬剤 散 布 直 後 の 袋 掛 け の 重 要 性 ( 情 報 ) [要約] ナ シ 汚 果 病 に 対 し て 、黒 星 病 や 黒 斑 病 対 象 の 薬 剤 散 布 直 後 に 小 袋 掛 け を 行 うと汚果病の発生も少なくなる。 研究室名 病 虫 研 究 室 、中 山 間 農 業 研 究 室 連絡先 0869-55-0543 [背景・ねらい] ナシ汚果病は黒星病や黒斑病対象の薬剤散布を行っていても年次や圃場によっ て多発生することがある。そこで、幼果期の薬剤散布と小袋掛け時期との関係が 本病の発生に及ぼす影響を知り、防除対策に資する。 [成果の概要・特徴] 1 .新 高 で 、薬 剤( ジ フ ェ ノ コ ナ ゾ ー ル 水 和 剤( 商 品 名 : ス コ ア 水 和 剤 10)2,000 倍 )散 布 当 日 に 小 袋 掛 け し た 果 実 は 、散 布 8 日 後 に 掛 け た 果 実 に 比 べ て 発 病 が 非 常に少なかった(図1)。 2.二十世紀でも、薬剤(イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤(商品名:ベル ク ー ト 水 和 剤 )1,000 倍 )散 布 当 日 に 小 袋 掛 け し た 果 実 は 、散 布 6 日 後 に 掛 け た 果実に比べて発病が少なかった(図2)。 以上の結果、ナシ汚果病に対して、黒星病や黒斑病対象の防除薬剤散布後に薬 液が乾いてから速やかに小袋掛けを行うと汚果病の発生も少なくなる。 [成果の活用面・留意点] 1.袋掛け作業に日数を要する場合には、薬剤散布を分けて行い、散布後に薬 液 が乾いてから速やかに小袋を掛ける。 2.薬剤散布後に降雨が続いて小袋掛けが数日間できなかった場合には、黒星病 または黒斑病対象の防除薬剤をかけ直した後に小袋を掛ける。 [具体的データ] 100 75 発 病 度 50 25 0 5月6日(当日) 5月14日(8日後) 図1.小袋掛け時期と汚染果の発病(平成15年、北部支場、新高) 100 75 発 病 度 50 25 0 5月7日(当日) 5月13日(6日後) A圃場 5月7日(当日) 5月13日(6日後) B圃場 図2.小袋掛け時期と汚れ果病の発病(平成16年、玉野市、二十世紀) [その他] 試験研究課題・事業名:病害虫・生育障害の診断と対策指導 予算区分:県単 研 究 期 間 : 平 成 15∼ 16 年 度
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