防汚塗料 ケミコート AF400−Ⅱ SPC

4-18,6-Chome,Higashi-Kojiya,Ohta-ku,Tokyo,〒144-0033,Japan
防汚塗料
ケミコート
AF400−Ⅱ SPC
製品説明書
〒144−0033
東京都大田区東糀谷6−4−18
TEL03-3745-0111 FAX03-3743-9161
防汚塗料
ケミコートAF400−ⅡSPC
従来から一般的に使用されてきました亜酸化銅を主な防汚剤としたタイプの防汚塗
料は防汚性能も良く環境基準に適合してはいますが、亜酸化銅が重金属であるという点
から、今後はさらに環境にやさしいものが要求されてきておりました。
ケミコートAF400−ⅡSPCは、有害な重金属を含まない極めて環境にやさしい
無公害型塗料です。
(特長)
・防汚システム、防汚持続性
亜鉛アクリル樹脂が海水によって表面から
徐々に溶け出し、配合された有機窒素硫黄系防
汚剤が一緒に溶け出すことによって海生生物の
加水分解型
海水へ溶出
塗膜表面
塗膜断面
付着を阻止します。
亜鉛アクリル樹脂の機能によって塗膜は極め
て平滑な状態を保ちつつ徐々に研摩されて塗膜
従来タイプ−非消耗型
非 消耗 型塗 膜で は表 層に 防汚 剤の 抜け
出したスポンジ層ができ、防汚剤が溶出
しにくくなります。
がうすくなって行きます(加水分解型の自己研
摩作用)。そのため表面は常に新しい塗膜が滑ら
かな表面を維持しながら更新されるので有機窒
素硫黄系防汚剤が安定して微溶出し、長期に渡
って高い防汚効果を維持します。
電子吸引作用を有する薬品の酵素抑制作用によ
り防汚効果を発揮することにより長期的に安定し
従来タイプ−崩壊型
崩 壊型 塗膜 は現 在で も亜 酸化 銅配 合塗
料の主流となっています。自己研摩作用
があり、比較的長期間防汚効果を維持し
ますが、表層に溶けない樹脂成分が蓄積
し、防汚剤の溶出が妨げられたり蓄積し
た 部分 が塗 膜強 度の 低下 につ なが る場
合があります。
た防汚持続効果を実現します。
・塗装作業性
ケミコートAF400−Ⅰは、一液型で貯蔵安定性も良く比較的低粘度であるため、
原液のままでの塗装が容易で、塗装作業性に優れていることと合わせて工数低減に寄与
します。
また、樹脂特性上様々な下地条件での塗装が可能なこと、使い易く非常に薄い臨界防
汚塗膜を有することなどから、船舶をはじめ海洋構築物等に広くご使用いただける経済
的な防汚塗料です。
塗装条件により、種々選択が可能ですが、ローラーコートによる塗膜は下地状態に左
右されることが少なく満足な結果が得られます。
(標準塗替塗装仕様−4年防汚仕様)
工程
使用材料名
素地調整
標準塗付量
(g/㎡・回)
希釈率(シンナー)
塗装間隔
塗回数
付着物を高圧水洗などで取り除き、清水洗浄後、完全に乾燥させる。
必要に応じて、防錆などのプライマー処理をする。
下塗り
ケミコートCR−AC
250
上塗り
ケミコート
AF400−ⅡSPC
330
0∼5%
(ケミコートシンナー AF400 用)
0∼5%
(ケミコートシンナー AF400 用)
4 時間以上
1
4 時間以上
∼5 日
3
(標準色)
青色・グレー色
(塗料物性・塗膜物性)
項目
性状
容器の中での状態
異常なし
粘度(KU/23℃)
82±3
塗料物性
密度(23℃)
乾燥時間
加熱残分(%)
1.29±0.03
試験方法
JIS K 5600-1・1・4・1
JIS K 5600-2・2・5
JIS K 5600-2・4
指触
60 分以内
JIS K 5600-1・1・4・3
硬化
10 時間以内
JIS K 5600-1・1・4・3
63±2
JIS K 5600-1・2
貯蔵安定性
異常なし
JIS K 5600-2・7・6
塗装作業性
異常なし
JIS K 5600-1・1・4・2
ダレ性(250μ)
異常なし
サグテスター
塗膜物性
塗膜比重
1.73
JIS K 6208
鉛筆硬度
2B
JIS K 5600-5・4
耐衝撃性
30cm で異常なし
JIS K 5600-5・3・6
付着性
25/25
耐水性
異常なし
JIS K 5600-6・2(40℃×240h)
耐塩水性
異常なし
JIS K 5600-6・1・7(30℃×90 日)
防汚性
優
JIS K 5600-5・6(2 ㎜目)
JIS K 5630-2・a(12 ヶ月)
(安全性)
①有機窒素硫黄系防汚剤
・日本造船研究協会等によって吟味され、推奨されているものを使用しています。
・排海水中の防汚剤の濃度は 0.0002ppm 以下で設計しており海生生物への影響はありません。
・環境に於ける分解性は良好であり、早い段階で無公害な低分子にまで変換されるため、環
境に蓄積することはありません。
②その他の塗膜成分
・塗膜は亜鉛ポリマーを主体としていますが、亜鉛含有量は塗膜中でも1%未満であり、廃
海水中の亜鉛濃度を 0.00002ppm 以下で設計しております。
(自然海水中の約1/2000の濃度であり全く問題ありません。
)
(有機窒素硫黄系防汚剤の防汚メカニズムについて)
ケミコートAF400−ⅡSPCには動物系・植物系海生生物のそれぞれに効果のある
2種類の有機窒素硫黄系防汚剤を配合しております。防汚剤はその化学構造の一部分が生
物の持つ酵素と相互作用を起こし、生物は接着タンパク質を作れず付着できない状態にな
ります。
「防汚剤の効果メカニズム(推定)
」
有機窒素
硫黄系防汚剤
N
相互作用
HS−酵素
「ケミコートに配合した2種類の防汚剤」
薬剤T(仮称) −N=
薬剤Z(仮称)
=N−C−S−
動物系生物に効く
(フジツボ・イガイ等)
植物系生物に効く
(アオサ・藻類等)
《海生生物を「殺さないけれども、付かせない」がコンセプトです。
》
水溶性の接着タン
パク質を付着、硬
化させる
付着には生物の持
つ「酵素」が深く
関与している。
(シリコーン系防汚塗装との違い)
ケミコート
シリコーン系
AF400−ⅡSPC
塗装作業性
防食層 → 下塗り →
新規
塗装時
上塗り3回塗
塗装時
2回目
下地処理(除貝、洗浄等) 2回目
シリコーン層を剥離後、
以降
→上塗り3回塗
下塗り→上塗り2回塗り
垂れが少なく、速乾性で塗装作業
が容易。
塗装後の機器内
(配管内)での
作業安全性
防食層 → 下塗り 2 回塗
新規
以降
→
上塗り2回塗
クリヤー塗料なので垂れやすい。
色がないことで塗装作業において
やや不便。
滑らないので作業は安全に行うこ つるつると滑る性質を持っている
とができる
ので作業は危険を伴う場合がある
万が一付着した場合、流水圧によっ
生物付着の状態
て剥がれ、細管に詰まるおそれがあ
る
期待耐用期間
コスト
4年間
膜厚を付ける事で
さらに期間を延ばすこ 4年間
とが期待できる
塗替えの際の工程が少ないのでシ
リコーン系に比べてコスト安
塗替えの際に膨大な費用がかかる
(対応素地について)
タールエポキシ、エポキシ、ゴムライニング、フレーク(ビニルエステル)ライニング、
ポリエチレンライニング、ポリエステルライニング、FRP、コンクリート、モルタル、
アルミ、ステンレス、チタン、真鍮など様々な被塗装面に対する各種塗装仕様を完備し
ています。
(実機塗装での結果例)
循環水管内入口管
開放
約2年間運転後
試験塗料
ケミコートAF400−Ⅰ…亜酸化銅型
ケミコートAF400−ⅡSPC…亜酸化銅フリー型
亜酸化銅フリー型で、約2年間亜酸化銅型と同等に生物の付着は無く防汚性能は
良好である。境界部分は無塗装で、ムラサキイガイなど付着していた。
復水器水室内面
開放
24ヶ月間運転後
塗料
ケミコートAF400−ⅡSPC…亜酸化銅フリー型
海生生物付着認められず