タイル張りの設計と施工 資料 ページ 項目 タイル張りの設計と施工 1.RC造建築物外壁への施工 2.鉄骨建築物外壁への施工 3.大形タイルの施工 4.床面へのタイルの施工 5.内装壁への施工 6.アーストンの施工 施工後の各種現象について メンテナンス 450 450 454 455 457 462 468 469 471 タイル張りの設計と施工 はじめに タイルの施工法は、建築構工法の変化や施工材料の発達、時代 のニーズに応じて変化しています。 かつてのタイル̶張付けモルタル界面の剥離事故は業界の努力 で激減しましたが、 1990年代に入り、 直張りにおける 「張付けモルタル ̶躯体」や「下地̶躯体」の剥離が見られるようになりました。 この事 故防止には、 タイル工事のみを検討するのでなく、 「躯体工事、 下地工 事を含めたタイル張りの設計」 を行うことが必要です。 以下に、 タイル張 りの設計・施工上配慮していただきたい事項について、 ポイントを記し ます。詳細はホームページまたは各項目の施工マニュアルや技術資 料をご参照ください。 1 RC造建築物外壁への施工 タイルの剥離は、 接着力と壁面に発生する応力との関係で発生し、 発生応力が接着力を上回ると剥離に至ります。 したがって、 剥離防止 の考え方としては、 以下の2通りがあります。 ①壁面の応力を逃がす。 ②発生応力に耐えるように強固に接着させる。 ①の考え方に基づくものが「はるかべ工法」で、従来からのモルタル 施工は②の考え方で剥離を防止します。 しすぎると、 ユニット毎のグリッドが目立ち、 仕上がりは悪くなります。 下地精度の問題などでタイルを割り込めない場合は、 タイルを切断し て調整するか、 または伸縮調整目地などの部分で調整してください。 下地への吸水調整材やシーラーの塗布は必要ありませんので、 行 わないでください。剥離の原因となることがあります。 また、 接着剤の点付け (だんご)施工は行わないでください。接着剤 の硬化が遅くなり、 剥離の原因となることがあります。 2. モルタル施工の場合の留意事項 1. はるかべ工法 タイル張りの設計と施工 はるかべ工法は、硬化後も弾性のある接着剤「ワンパックボーイRV2」 または「ワンパックボーイR-V2ライト (適用タイルについては各商品 ページ参照)」 を用いてタイルを張り付けます。図のように接着剤層で 躯体や下地の動きを吸収し、 タイルに応力を伝えにくいため、 剥離やひ び割れの発生を抑制する効果があります。 モルタル施工の場合は剥離防止のために目地詰めが必要ですが、 タイルに応力が発生しにくいはるかべ工法では、必ずしも目地詰めが 必要ありません。 このため、深目地で陰影感のある壁面や、細目地の 壁面が可能となります。 コンクリート コンクリート 不陸調整材 不陸調整材 接着剤 張付けモルタル タイル タイル [1]躯体・下地 (1) 変形の少ない躯体・下地とします。 (2) MCR工法あるいは高圧水洗処理により、 躯体に凹凸を設け、 モル タルとの接着性能を向上させます。 (3) モルタル下地の表面は、張付けモルタルとの接着性を良くするた め、 木ごて押さえ等により粗面とします。 (4) 下地表面に汚れ、埃、型枠剥離材等の付着がある場合は、十分 に水洗いを行います。直張りの場合は、 必ずデッキブラシ等でコン クリート表面の水洗いを行います。 ①MCR工法 MCR工法は、 専用の中空樹脂シートを型枠に取り付けておいてコンク リートを打設することで、 コンクリート表面にあり状の凹凸を設けて、 そ の上に塗るモルタルと噛み合わせることで剥離を防止します。 MCR工法の概略 MCRKシート 型枠 はるかべ工法 モルタル張り 下地が変化しても弾性接着剤層で 吸収できるため、応力が緩和できる。 下地の変形により、 タイルも変形するため、 各層間にはせん断応力が発生する。 下地の動きが大きい場合には、剥離に至る。 はるかべ工法は、 接着剤で下地の調整ができませんので精度の良 い下地が必要です。 商品毎に設定されている目地幅を守って施工してください。 タイル目 地幅を細くしたり、 突きつけに近い状態で施工するとタイルの寸法バラ ツキが目立ち、 目地通りが悪く見えます。 また、 ユニット間の目地幅を広く 450 コンク リート (1) 型枠セット (2) 打設後 コンク リート モルタル (3) モルタル塗り MCR工法によるコンクリート面 タイル張りの設計と施工 1 RC造建築物外壁への施工 [3] 伸縮調整目地 ②高圧水洗処理 高圧水洗処理は、 モルタル塗りあるいはタイル張り (直張りの場合) の コンクリートやモルタル下地の乾燥収縮や湿潤膨張による動き、 あるい 前に、 コンクリート表面を高圧(50∼150MPa程度) で水洗いして、 モル は、 タイルやモルタル等の熱膨張による動きを吸収し、 タイルのひび割 タルの接着に有効な凹凸の付与、汚れ及び脆弱層の除去を行うこと で、 コンクリートとモルタルとの接着信頼性を高めます。 れ、剥離を防止するために伸縮調整目地を設けます。伸縮調整目地 は次のような位置に設けてください。 ①設置位置 ●躯体のひび割れ誘発目地の位置(柱周辺、 開口部周辺等) ●各階ごとのコンクリート打継ぎ部 ●他部材(サッシなど) との取り合い部 ●水平方向と垂直方向の伸縮調整目地で囲まれた面積が、10㎡以 内となるようにします。 (3∼4m毎) ●R部等挙動の大きい部位は1∼3m毎に設置します。 高圧水洗 躯体のひび割れ誘発目地の位置 (一般壁) 高圧水洗処理後のコンクリート表面状 打継ぎ目地 [2] タイル目地 (1) タイル目地は突きつけ目地や 深目地はしないでください。 ●突きつけ目地(ねむり目地) は、 コンクリートや下地モルタルの収 縮や、 タイルの熱膨張による動き が吸収できず、 タイルのカケ・ひ び割れ・剥離の原因になります。 ひび割れ誘発目地 3∼4m 3∼4m <1.5m 突きつけ目地での損傷 (タイルの欠け) ●深目地は、 コンクリート躯体や下地モルタルの収縮、 タイルの熱膨張 にともなう応力が裏あし部分に集中するため、裏あし破断による剥離 が起こりやすくなります。 目地深さは、必ずタイル厚の1/2以下となるよう 目地材を詰めてください。 <1.5m ②設置上の留意点 ●タイルの割り付けに合わせた位置に設けます。 ●躯体のひび割れ誘発目地の位置には、 必ず伸縮調整目地を設けます。 ●伸縮調整目地幅は10mm以上とし、 その深さはコンクリートに達する までとします。 ●シーリング材は、変成シリコーン系またはポリサルファイド系とし、JIS A 5758 (建築用シーリング材) に適合するものを使用します。 伸縮調整目地の例 25 目地底 バックアップ材 目地底 シーリング材 打ち継ぎ位置 (スラブ上端) 15 30 20 シーリング材 25 シーリング材 (2) 目地材の種類、 タイルの面状によっては、 目地がタイル表面に残り、 洗浄によっても除去が困難になる場合があります。以下の点に注 意してください。 ●「外壁用目地材 イナメジ」 を使用してください。 ●黒目地の場合は、 目地残りが発生しやすい傾向がありますので注意 してください。予め、 目地がタイル表面に残らないか、 目立たない箇所で 試していただくことをお薦めします。 ●モザイクタイルの紙張りユニットの紙剥がしは、 タイル表面への糊の 付着を少なくするために、 水打ちを十分に行い、 しばらく時間を置いて 剥がしてください。 糊残りが多い場合には、 目地詰め前に水で糊を落と してください。 ※モザイクタイル (表紙張り品) では、 表面の糊が残ることにより目地が 残り表面汚れが発生する場合があります。予防方法については、 P.469「施工後の各種現象について (1.表紙張り品の糊残りによる 目地汚れと防止のためのポイント)」 をご参照ください。 ●目地詰め後、 できる限り目地を丁寧に拭き取ってください。 下地モルタル 張付けモルタル シーリング材 15 バックアップ材 下地モルタル 張付けモルタル 3. その他の注意事項 ●仕上塗材や塗装の上に直接タイル張りすることはできません。 リニュ ーアル工事の場合は、 仕上塗材や塗装を完全に除去して、 タイル張り を行ってください。 ●タイル表面の洗浄は、 目地詰め後できる限り早い時期に行ってください。 451 タイル張りの設計と施工 深目地による剥離 タイル張りの設計と施工 1 RC造建築物外壁への施工 ②改良圧着張り 4. タイル施工法 改良圧着張りは、 張付けモルタルを下地面に塗り、 モルタルが固まらな [1]施工法の分類 いうちにタイル側にも薄く張付けモルタルを塗りつけて張り付ける工法 接着剤張り ①はるかべ工法 モルタル張り ②改良圧着張り で、外装タイルに適用します。下地とタイルの両側に張付けモルタルを 塗り付けるため、 ばらつきが少なく良好な接着強さが得られます。 ③改良積上げ張り 改良圧着張りの施工断面 ④密着張り 下地モルタル (木ごて押さえ) ⑤圧着張り 25mm以下 タイル ⑥モザイクタイル張り 3∼5mm タイル側 張付けモルタル ⑦マスク張り 下地側張付けモルタル [2] 施工法の選定 モルタル張りの場合のタイルの施工法は、 タイルの種類及び形状を考 慮して選定します。後張り工法の推奨工法を表に示します。 推奨工法 タイル種類 外装タイル 4∼6mm 形状 厚さ20mm以下 推奨工法 改良圧着張り 改良積上げ張り 密着張り 厚さ20mm超 モザイクタイル 改良積上げ張り モザイクタイル張り マスク張り 接着剤張り用タイル はるかべ工法 躯体 施工 完了 ③改良積上げ張り 改良積上げ張りは、精度の良い下地に対して、 タイル裏面に5∼ 10mmの厚さで張付けモルタルを塗り、 タイルを張る工法です。 タイル は、下段より積上げて施工していきますので、三丁掛・四丁掛等大形 の外装タイルの施工に適しています。 改良積上げ張りの施工断面 躯体 25mm以下 下地モルタル (木ごて押さえ) 注) 四丁掛タイルを超える大きさの外装タイルを後張り工法で施工する場合は、 ステンレス線 等緊結金具を外装タイルに設け、下地やモルタルの躯体と緊結することを推奨します。 (下地+張付けモルタル) 張付けモルタル 7∼12mm タイル [3] 施工法各論 ①はるかべ工法 床面または支持面 はるかべ工法は、 専用接着剤「ワンパックボーイ R-V2」 または「ワンパ ックボーイR-V2ライト (適用タイルについては各商品ページ参照)」 を 下地に塗り付けて、専用タイルを張り付けていく工法です。接着剤は 弾性があり、 建物の動きを吸収できるため、 剥離の危険性やひび割れ が軽減できます。 また、 モルタル張りと異なり、 目地詰めは必要なく、陰 影感のある壁面に仕上がります。下地は精度良く、 かつ乾燥している ことが大切です。 ALC・押出成形セメント板にも適用できます。 ※詳細は、はるかべ工法・ビル外壁編 設計・施工マニュアル(タ -EG117-11) をご参照ください。 (ビジネスユーザー向け情報サイト 「い いナビ」からもご覧いただけます) 完了 施工 ④密着張り 密着張りは、 下地に張付けモルタルを塗り付け、 専用の振動工具(ヴィ ブラート) を用いてタイルをモルタル中に埋め込むように張り付ける工法 です。 目地部に盛り上がったモルタルをこて押さえをして、 目地も同時に 仕上げることができます。 ただし、 目地深さが深くなる場合には、 後目地 施工を行います。 密着張りの施工断面 4∼7 mm 5∼8mm 張付けモルタル (2度塗り) 25 mm以下 張付けモルタル目地押さえ はるかべ工法の施工断面 下地モルタル (木ごて押さえ) タイル タイル タイル張りの設計と施工 タイル張り振動工具 目地深さ (タイル厚の1/2以下) 1.0∼1.5mm 躯体 接着剤(塗り厚1∼2mm) モルタル(金ゴテ1回押え) 躯体 施工 モルタル下地に接着剤を塗ります。 タイルを張り付けます。 452 完了 施工 完了 タイル張りの設計と施工 1 RC造建築物外壁への施工 〈施工のポイント〉 ⑤圧着張り 圧着張りは、下地に張付けモルタルを塗り、 タイルをタイル用ハンマー ●コンクリートに不陸がある場合は、 はつり、 サンダーがけ、 ポリマーセメ の柄等で叩き押さえて張り付ける工法で、 外装タイルに適用します。 ントモルタル塗り等により補修します。 コンクリート面の精度は下表を目 圧着張りの施工断面 25mm以下 張付けモルタル タイル 下地モルタル (木ごて押さえ) 2∼3mm 躯体 完了 施工 安とします。 ●コンクリート面は型枠剥離剤が付着していることがあるため、必ず 水洗いを行います。 ●接着性を向上させるため、 張付けモルタルにはポリマーセメントモル タルを使用します。 ●タイル張りは、 1∼3mm厚さでこて圧をかけてこすりを行った後、 続け てモルタルを塗り付けてタイル張りを行ないます。 マスク張り及び改良 積上げ張りの場合にも、 下地側へのこすりを行います。 直張り工法とコンクリート面精度 ⑥モザイクタイル張り 直張り工法 モザイクタイル張りは、 下地に張付けモルタルを塗り、 タイルユニットを たたき板等で叩き押さえて張り付ける工法で、モザイクタイルに適用 します。 改良圧着張り 改良積上げ張り 密着張り モザイクタイル張り マスク張り コンクリート面精度 ± 3.0mm/2m ± 3.0mm/2m ± 3.0mm/2m ± 2.0mm/2m ± 2.0mm/2m モザイクタイル張りの施工断面 張付けモルタル 25mm以下 2∼3mm モザイクタイル ユニット 施工 完了 ⑦マスク張り マスク張りは、 タイルユニットの裏面に所定のマスクをかぶせてモル タルを塗り下地面に張り付ける工法で、モザイクタイルに適用しま す。 マスク張りの施工断面 躯体 下地モルタル (木ごて押さえ) 張付けモルタル 25 mm以下 (下地+張付けモルタル) 2.5∼3.0 mm モザイクタイル ユニット タイル張りの設計と施工 施工 完了 [4]直張りの場合の注意点 最近では、工期短縮、省力化、 コストダウンを目的として、 コンクリ ートに直にタイルを張る「 直 張り工 法 」が急 激な増 加を示してい ます。直 張りは、モルタル下 地を作 製する場 合に比 較して、モル タルの塗り継ぎ界面が減少し、 きちんとした施工管理がなされれ ば剥落事故の防止に対しても有効です。 しかし、 ともすれば工期 短 縮やコストダウンを指 向するあまり、施 工 品 質が低 下し、剥 落 事故を起こすことにもなりかねません。 したがって、直張り工法の 問題点を十分考慮して施工を行うことが必要です。 また、剥離を 防止するために、MCR工法で躯体を作製するか、高圧水洗によ り躯体の目荒らしを行った後にタイル張りを行う方法を推奨します。 453 タイル張りの設計と施工 2 鉄骨建築物外壁への施工 2 鉄骨建築物外壁への施工 ①ALCパネル (100mm厚以上) へのタイル仕上げ ALCパネルへのタイル張りは、 はるかべ工法とモルタル施工が適用 できます。ALCパネルは100mm厚以上とし、 縦壁ロッキング構法、 横壁 アンカー構法とします。 それぞれのポイントを以下に示します。 (1) はるかべ工法 ・タイルは接着剤張り用タイルをご使用ください。 ラグナロックは、使用 できません。 ・タイルはパネル目地をまたがらないように割り付けます。 ・ALCパネル間の目地および基礎部・建具との取合い部は、 タイル表面 に伸縮調整目地を設置します。 ・ALCパネル表面は、全面にわたり吸水調整材を塗布後に下地調整塗 材を塗り付けます。下地調整塗材は、 JIS A 6916(建築用下地調整塗 材) のC-2を使用します。下地調整を兼ねる場合はCM-2を使用するこ とも可能です。 ・接着剤は「ワンパックボーイR-V2」 または、 「ワンパックボーイR-V2ラ イト (適用タイルについては各商品ページ参照)」 を使用します。 (2) モルタル施工 ・タイルは、200×60mm角または100mm角以下、厚さ10mm以下のも のをご選定ください。 ・タイルはパネル目地をまたがらないように割り付けます。 ・ALCパネル間の目地および基礎部・建具との取合い部は、 タイル面 に伸縮調整目地を設置します。 ・ALCパネルへの下地処理として、吸水調整材の塗布またはポリマ ーセメントモルタルのしごき塗りを行います。 ・張付け材料はポリマーセメントモルタルを使用します。 ※詳細はALCパネルへの外装タイル張り 設計・施工マニュアル (タ-KG8-8) をご参照ください。 (ビジネスユーザー向け情報サイト 「い いナビ」からもご覧いただけます) ※寒冷地への使用については、ALCメーカーにお問い合わせください。 (1) はるかべ工法 ・タイルは接着剤張り用タイルをご使用ください。 ・押出成形セメント板は、 60mm厚以上のフラットパネルを使用します。 ・タイルは、押出成形セメント板1枚ごとに割付け、 パネル目地はすべ て伸縮調整目地とします。 ・接着剤は「ワンパックボーイR-V2」 または、 「ワンパックボーイR-V2ラ イト (適用タイルについては各商品ページ参照) 」 を使用します。 (2) モルタル施工 ・タイルは、 300mm角以下、 厚さ20mm以下のものをご選定ください。 ・押出成形セメント板は、 60mm厚以上で、 表面にあり溝を設けたタイ ルベースパネルを使用します。 ・タイルは、押出成形セメント板1枚ごとに割付け、 パネル目地はすべ て伸縮調整目地とします。 ・モルタルでの不陸調整はできませんので、押出成形セメント板は精 度良く建て込んでください。 ・張付け材料はポリマーセメントモルタルを使用します。 ※詳細は押出成形セメント板へのタイル張り 設計・施工マニュアル (タ -EG111-7) をご参照ください。 (ビジネスユーザー向け情報サイト 「いい ナビ」からもご覧いただけます) 300mm以下 20mm厚以下 モザイクタイル・ 外装タイル モルタル施工 接着剤張り用タイル はるかべ工法 300mm角、150×600mm はるかべ工法 テラコッタ陶板 金具併用 部分弾性接着剤張り (FA-S工法) 600mm角以下 ※モルタル施工にはタイルベースパネルを使用してください。 ④タイル先付けPCaパネル モザイクタイル・ 外装タイル 200×100mm角、100mm角以下 10mm厚以下 モルタル施工 鉄骨造高層建築物の外壁にタイルを用いる場合には、 タイル先付け 接着剤張り用タイル 300mm角以下、150×600mm角 はるかべ工法 PCaパネルが適しています。 タイルを先付けさせる方法は、 タイルの大き さ等により以下のように分類されます。 ③ 押出成形セメント板へのタイル仕上げ タイルシート法 フィルムラチス (モザイクタイル) モレーヌシート (小口平∼二丁掛) PCパックN型 (小口平∼二丁掛) タイル単体法 テラコッタ陶板 タイル張りの設計と施工 薄型ALCパネルへのタイル仕上げは、 はるかべ工法が適用できます。 薄型ALCパネルは50mm厚とし、 横張りされたパネルとします。 ・タイルは、 接着剤張り用タイル (目地詰めなし) 、 ラグナロックが使用で きます。 ・外装壁モザイクタイル [接着剤張り工法用] は使用できません。 ・接着剤はワンパックボーイR-V2を使用します。 ※詳細は、 はるかべ工法 住宅編 設計・施工マニュアル (タ-MD13814) をご参照ください。 (ビジネスユーザー向け情報サイト 「いいナビ」か らもご覧いただけます) モザイク・外装タイル ②薄型ALCパネル (50mm厚) へのタイル仕上げ 直打ちPC工法 (400×600mm角以下) ゴム目地ます (小口平以上) 置き目地 (小口平以上) SPC工法 (400×800mm角以下) 押出成形セメント板へのタイル張りは、 はるかべ工法とモルタル施工 が適用できます。 それぞれのポイントを以下に示します。 PCa板先付け工法 (フィルムラチス) 454 PCa板先付け工法 (置き目地) タイル張りの設計と施工 3 テラコッタ・大形タイルの施工 3 テラコッタ・大形タイルの施工 テラコッタ ・大形タイルのご採用にあたって、 使用部位や大きさによって施工方法が異なってきます。 推奨施工方法を以下に示します。 [1]施工法の分類 ●壁への施工法 施工場所 工法分類 施工高さ 3m未満 後張り工法 外 壁 3m以上 PC先付け工法 ̶ 風圧力より算定 3m未満 内 壁 後張り工法 3m以上 タイルサイズ 推奨工法 900cm2以下 P.452「はるかべ工法」 をご参照ください。 900cm2超∼400×800mm角以下 ①部分弾性接着剤張り (FA-L工法) または ②金具併用部分弾性接着剤張り (FA-S工法) 900cm2以下 P.452「はるかべ工法」 をご参照ください。 900cm2超∼400×800mm角以下 ②金具併用部分弾性接着剤張り (FA-S工法) 400×600mm角以下 (あり足付き) ③直打ちPC工法 400×800mm角以下、 タイル厚23mm以上 ④S-PC工法 400×800mm角以下 P.462「内装壁への施工」 をご参照ください。 900cm2以下 P.462「内装壁への施工」 をご参照ください。 900cm2超∼400×800mm角以下 ②金具併用部分弾性接着剤張り (FA-S工法) ●床面への施工法 施工部位 内・外床 工法分類 施工法名 タイルサイズ P.457「床面へのタイルの施工法」 をご参照ください。 ●ルーバーの施工法 施工部位 工法分類 施工法名 ⑤オデッサ専用工法 内・外壁 後張り工法 金具留め工法 ⑥方立て工法 (マリオンタイプ) テラコッタサイズ 適用高さ 断面形状55×55mm角 ピッチ110mm・150mm システム高さ1750∼1850mmの場合:120m以下 システム高さ2250∼2650mmの場合:45m以下 システム高さ1750∼1850mm・2250∼2650mm (ただし内部に使用する場合はこの限りではありません) 断面形状55×55mm角・70×70mm角 最大長さ1800mm [2] 施工法各論 ①部分弾性接着剤張り (FA-L工法) ̶ ②金具併用部分弾性接着剤張り (FA-S工法) ●精度良くこしらえたモルタル下地の上に、挙動追随性の高い弾性 接着剤をビード状に塗布後、 タイルを押し付けて張り付けていく工法で す。下地にはあらかじめタイル割に合わせ、 タイル荷重受け金物を固 定しておきます。 タイル張り最下部の横目地には水抜き穴を1.8m以下 毎に設けます。 ●建物エントランス周辺やファサード等の外壁に適した工法です。 ●精度良くこしらえたモルタル下地の上に、 挙動追従性の高い弾性接 着剤をビード状に塗布後、 タイルを押し付けて張り付けていく工法で す。 さらに、 専用金具 (巻きバネ) とコンクリートビスで機械的な固定を併 用しています。 タイル張り最下部の横目地には水抜き穴を1.8m以下毎 に設けます。 ●建物エントランス周辺やファサード等の外壁に適した工法です。 コンクリート躯体 コンクリート躯体 MCR工法面 (高圧洗浄面) MCR工法面 (高圧洗浄面) 不陸調整モルタル下地 不陸調整モルタル下地 タイル張りの設計と施工 弾性接着剤 (EGR-B) 弾性接着剤 (EGR-B) (ビード状塗布) (ビード状塗布) テラコッタ テラコッタ コンクリートビス 巻きバネ 専用金具 (K-AGU1) ■適用範囲 ■適用範囲 適用高さ 3m未満 下地条件 RC造 適用高さ 不陸調整モルタル下地 (下地精度±2mm/2m以内) 下地条件 S 造 ALC板 (モルタル下こすり) 、押出成形セメント板 (フラット板) タイルサイズ RC造 900cm2超∼400×800mm角 3m未満 RC造 不陸調整モルタル下地 (下地精度±2mm/2m以内) S 造 ALC板 (モルタル下こすり) 、押出成形セメント板 (フラット板) RC造 900cm2超∼400×800mm角 S 造 900cm2超∼400×600mm角 タイルサイズ 目地幅 10mm以上 目地幅 10mm以上 仕上がり寸法 タイル厚さ+3∼7mm 仕上がり寸法 タイル厚さ+3∼7mm 使用接着剤 EGR-B 使用接着剤 EGR-B ●接着剤の点付け (だんご) 施工は行わないでください。 ●タイルは伸縮調整目地をまたいで張らないでください。 ●積上げ高さが1.5mを超える場合は、 1.5m以下毎に荷重受け金物を設置します。 S 造 900cm2超∼400×600mm角 ●接着剤の点付け (だんご) 施工は行なわないでください。 ●タイルは伸縮目地をまたいで張らないでください。 455 タイル張りの設計と施工 3 テラコッタ・大形タイルの施工 ③直打ちPC工法 ⑤オデッサ (ODESSA) 専用工法 ●あり状の裏あしを持つテラコッタをコンクリートにそのまま打設する、 タ ●精度良く取り付けられた上フレーム・下フレームにテラコッタルーバーを イル先付けPCパネルの一般的な工法です。 引っ掛け、 上下をビス留めする縦使い専用の工法です。 上フレーム・下 仮目地材 フレームには化粧のカバー材を取り付けることで、 金具類も意匠材とし て見せることができます。 コンクリート 上フレーム テラコッタ クッション材 クッション材 鋼製ベッド カバー材 ドリルねじ/ナベ ドリルねじ/サラ ■適用範囲 エンドキャップ 適用高さ ̶ タイルサイズ 400×600mm角以下 裏あし あり足、高さ1.5mm以上 目地幅 10mm以上 テラコッタルーバー 下フレーム 注) タイルをコンクリートに直接打設する直打ち工法の場合、 タイルの大きさによらずコンクリー トにひび割れが発生すると、 それに追従してタイル面にもひび割れが発生します。 専用角ワッシャ・W・SW・N カバー材 ドリルねじ/サラ ④S-PC工法 ●テラコッタとコンクリートを絶縁材(塗布型) で絶縁し、 タイル裏面に 固定した定着金物(シアコネクター) をコンクリートに埋設して保持する 信頼性の高い工 シアコネクター 法です。 絶縁材の弾性に 絶縁材 より、 コンクリートと 絶縁されるため、 ひび割れの発生 を防止します。 テラコッタ ■適用範囲 適用高さ ̶ タイルサイズ 400×800mm角以下、 タイル厚23mm以上 目地幅 10mm以上 (20mm程度の寸法調整目地を適宜設置) ドリルねじ/ナベ ■適用範囲 システム高さ 建物高さ ルーバーの形状 1750∼1850mm、 2250∼2650mm (10mmピッチ) システム高さ1750∼1850mmの場合:120m以下 システム高さ2250∼2650mmの場合:45m以下 (ただし内部に使用する場合はこの限りではありません) 断面55×55mm角 構造種別 RC造・S造・SRC造 その他 床・天井面があること、 またはそれに代わる立ち上がり・垂れ壁があること ※詳しくはビジネスユーザー向け情報サイト 「いいナビ」 をご参照ください。 (マリオンタイプ) ⑥方立て工法 ●テラコッタルーバー目地部後方に方立を配しテラコッタルーバーに取 り付けた芯材と方立を、丸パイプを介してボルトによって固定させる取 付け工法です。 方立 タイル張りの設計と施工 150 (200) 95 (130) 55 (70) テラコッタルーバー テラコッタルーバー 方立 丸パイプ 芯材 M8パクト 飛散防止材 55 (70) 5 60 (75) 根角ボルト ■適用範囲 適用高さ 456 ̶ ルーバーの大きさ 長さ1,800mm以内、 断面55×55mm角、 70×70mm角 目地幅 縦目地25mm 構造種別 RC造・S造・SRC造 タイル張りの設計と施工 4 床面へのタイルの施工 4 床面へのタイルの施工 1. 屋外床 タイルやレンガなどの床仕上げ材の施工方法は、 下地に張付けモルタルで張り付ける湿式施工と、 クッション砂の上に敷き並べる乾式施工がありま す。 また、 使用部位によっても以下のように区分され、 それぞれについて推奨される施工方法が異なります。 ※張付けモルタルに用いる砂は、 川砂、 珪砂、 もしくはこれに準ずるものとし、 有害量のごみ、 泥土、 有機不純物、 塩分を含まないものとしてください。 [1]施工法の分類 住宅や建築の外構、 公園、 広場など車の乗り入れがない場所に以下の施工法が適用されます。 駐車場、 歩道、 商店街等、 頻度が少ないが車の乗り入れがある場所(車道は除く)へのタイル施工は、 以下のタイルと施工法の組合せに限ります。 床タイル アーストン 湿式施工 モザイクタイル ①モザイクタイル張り 200㎜角以下 ②圧着張り 車の乗り入れがある場所に使用可能な タイルと施工法 ④セメントペースト張り*1 200㎜角を超える ②圧着張り ③改良圧着張り サンドロック 乾式施工 タイルの種類 施工法 モザイクタイル ①モザイクタイル張り 300mm角以下の 床タイル ⑤砂伏せ ②圧着張り ③改良圧着張り サンドロック *1 厚さ20mm以上のタイルに適用。 ⑤砂伏せ [2] 施工法各論 床の下地は、 下地に付着したレイタンス等表面の汚れを入念に取り除くこと、 施工前には水湿しを十分に行うこと、 伸縮目地を要所に設ける等の点 がポイントになります。 タイル張りではモルタルを塗り付ける際に、 下地を薄くこすりつけるように塗り付けて、 下地面との密着を確保したのちに、 張り付 けモルタルを重ね塗りすることがポイントになります。 ①モザイクタイル張り ③改良圧着張り モルタル下地をこしらえた後、 下地に張付けモルタルを塗り付けて直ち にモザイクタイルを張り付ける方法です。紙の一部がタイル目地からは み出したモルタルによって湿るまでユニットタイルのたたき押えを十分に 行います。 モルタル下地をこしらえた後、下地に張付けモルタルを塗り付け、 モル タルが固まらないうちにタイル裏面全体にも塗りつけて張り付ける方法 です。 この工法は200mm角以上のタイルに適した施工法です。 3∼5 80∼100 80∼100 ※ ※ 下地モルタル・敷きモルタル 3∼4 下地モルタル・敷きモルタル 3∼5 張付モルタル タイル タイル 張付モルタル ※ 敷きモルタルの場合:30∼50mm 下地モルタルの場合:30mm以下 ※ 敷きモルタルの場合:30∼50mm 下地モルタルの場合:30mm以下 ④セメントペースト張り コンクリート面に敷きモルタルを敷きならした後、 セメントペーストを流して タイルを置き、 ゴムトン等でたたき押えながら張り付ける方法です。 この工 法は200mm角以上で厚さが20mm以上のタイルやアーストンに適した 施工法です。薄いタイルの施工には向きませんので注意してください。 タイル セメントペースト 1∼2 敷きモルタル 80∼100 80∼100 ※ 5∼7 下地モルタル・敷きモルタル 30∼50 張付モルタル タイル ※ 敷きモルタルの場合:30∼50mm 下地モルタルの場合:30mm以下 457 タイル張りの設計と施工 ②圧着張り モルタル下地をこしらえた後、 下地に張付けモルタルを塗り付けて直ち に張り付ける方法です。張り付けモルタルが軟らかいうちにたたき押 え、 モルタルがタイル裏面に広がるようにします。300mm角以上の大形 タイルの場合は、 クシ目高さ10mm以上のクシ目コテでモルタルを張り 付け、 ゴムトンやヴィブラートを用いてタイルを張り付けます。 タイル張りの設計と施工 4 床面へのタイルの施工 ⑤砂伏せ 砕石などの路盤材を敷き込んだ上にクッション砂を敷き詰め、 サンドロッ クを敷き並べる工法です。 目地には目地砂を掃き込みます。路床、 路盤 の挙動等によるせりあがりを防ぐために、 20m∼30mおきに伸縮目地を 設置してください。 サンドロック 伸縮目地部の構成 10mm以上 伸縮目地 (変成シリコーン系、 ポリサルファイド系) クッション砂 100∼150 30 10mm以上 硬質スポンジ、杉板など クッション砂 (不織布) ※ ※ 不織布は砂による目つぶしを行った場合は必要ありません。 2. 屋内床 全面接着剤張り [1] 下地と施工材料 ①床タイル ■戸建て住宅/在来床 タイルサイズ ∼300mm角 下地の種類 ※1 合板下地 合板下地 目地材 下地A スーパークリーン バス・ トイレ イナメジ 下地B イナメントE-73 U-91 イナメントA-51N スーパークリーン インテリアフロア スーパークリーン ストロングⅡ イナメントE-73 U-91 イナメントA-51N モルタル スーパークリーン バス・ トイレ イナメジ 下地A+補強 イナメントE-73 スーパークリーン バス・ トイレ イナメジ 下地B+補強 イナメントE-73 スーパークリーン インテリアフロア スーパークリーン ストロングⅡ イナメントE-73 モルタル スーパークリーン バス・ トイレ イナメジ モルタル下地 300∼600mm角 接着剤 イナメントE-73 U-91 イナメントA-51N モルタル下地 〈床暖房がある場合〉 タイル張りの設計と施工 ∼300mm角 合板下地 下地C イナメントE-73 スーパークリーン インテリアフロア スーパークリーン ストロングⅡ 300∼600mm角 合板下地 下地C+補強 イナメントE-73 スーパークリーン インテリアフロア スーパークリーン ストロングⅡ (床暖房は2枚の合板の間に設置) ■マンション/二重床 タイルサイズ 600mm角以下 下地の種類 ※1 接着剤 目地材 二重床 下地C+補強 イナメントE-73 スーパークリーン インテリアフロア スーパークリーン ストロングⅡ 二重床 下地C+補強 イナメントE-73 スーパークリーン インテリアフロア スーパークリーン ストロングⅡ 〈床暖房がある場合〉 600mm角以下 (床暖房は2枚の合板の間に設置) 458 タイル張りの設計と施工 4 床面へのタイルの施工 ②アーストン ■戸建て住宅/在来床 商品 エレガントグラニット 下地の種類 ※1 合板下地 下地A 接着剤 目地材 ESK-E-81 スーパークリーン バス・ トイレ イナメジ チャイナグラニット エレガントマーブル mabストーンⅡ ストーンモザイコ* コンクリート・ モルタル下地 ESK-E-81 セメント系 スーパークリーン バス・ トイレ イナメジ 乱形 矩形 スレート 日本の銘石 コンクリート・ モルタル下地 セメント系 スーパークリーン バス・ トイレ ESK-E-81 スーパークリーン インテリアフロア 〈床暖房がある場合〉 アーストンリビングセレクション エレガントマーブル 合板下地 下地C+補強 (床暖房は2枚の合板の間に設置) *コンクリート・モルタル下地の場合もESK-E-81で施工してください。セメントペーストおよびセメントモルタルでは施工できません。 ■マンション/二重床 商品 アーストンリビングセレクション エレガントマーブル 下地の種類 ※1 接着剤 目地材 二重床 下地C+補強 ESK-E-81 スーパークリーン インテリアフロア 二重床 下地C+補強 ESK-E-81 スーパークリーン インテリアフロア 〈床暖房がある場合〉 アーストンリビングセレクション エレガントマーブル (床暖房は2枚の合板の間に設置) ※1 合板下地の種類 下地B 1類合板厚さ12mm以上、 根太303mm ピッチ または、1類合板厚さ15mm以 上、 根太455mmピッチ 下地C 1類合板厚さ12mm以上2枚張り、 根太 303mmピッチ 捨て張り合板の板間ジョイントに、板間 下地+補強 アルミ板ALP-100 (または100mm幅0.3mm厚さ程度) を A∼C 接着剤で張付け ■下地と施工材料に関する注意事項 (1)床暖房に使用するタイルは、 600mm角以下、 厚さ8∼10mmの内装床タイルをご使用ください。 (2)床暖房の施工および熱性能については各床暖房メーカーへお問い合わせください。 (3)東名阪各ガス会社の床暖房の場合は目地材にスーパークリーン インテリアフロアが指定されてい ます。 (4)電気式床暖房は根太上に床下地を介して設置するタイプとしてください。但し、 床暖房の施工およ び熱性能については、 床暖房メーカーにお問い合わせください。 (5)接着剤イナメントA-51Nは硬化が遅くなります。 (6)床暖房の面積が大きい場合には、 伸縮調整目地(シーリング目地) を3∼4m毎に設置してください。 (7) アーストンを戸建て住宅の床暖房およびマンションの二重床 (床暖房の有無に関わらず) に使用す る場合はリビングセレクションの中からお選びください。 459 タイル張りの設計と施工 下地A 1類合板厚さ18mm以上 (9mm合板2 枚 重ね 接 着 剤 併 用 釘 打ち)、根 太 303mmピッチ タイル張りの設計と施工 4 床面へのタイルの施工 合板下地Aの場合 合板下地Bの場合 〈根太ピッチ303mm以内の場合〉 有機質接着剤 タイル セメント目地 有機質接着剤 1類合板 (厚さ9mm以上×2枚) スーパークリーン ストロングⅡまたは スーパークリーン インテリアフロア タイル 1類合板 (厚さ12mm以上) 303mm以内 303mm以内 根太 根太 在来床 床暖房ありの場合 300∼600mm角 ∼300mm角未満 1類合板t12mm以上 目地 タイル 〈根太ピッチ455mm以内の場合〉 1類合板t12mm以上 接着剤 U91,E-73 有機質接着剤 スーパークリーン ストロングⅡまたは スーパークリーン インテリアフロア タイル 板間補強アルミ板 目地 接着剤 E-73 タイル 1類合板 (厚さ15mm以上) 455mm以内 床暖房 合板 床暖房 根太 合板 二重床 床暖房なしの場合 二重床 床暖房ありの場合 目地 (スーパークリーンインテリアフロア) タイル 板間補強アルミ板 目地 (スーパークリーンインテリアフロア) タイル 接着剤 E-73 板間補強アルミ板 接着剤 E-73 1類合板 t12mm以上 1類合板 t12mm以上 パーティクル ボード 20t 上がり框の納まり 〈タイルセレクションの場合〉 パーティクル ボード 20t 床暖房 〈ストーンセレクションの場合〉 ■RC・二重床 ■RC・二重床 フローリング・ タイル・石材 1類合板 t12×2 パーティクルボード t 20 68 タイル張りの設計と施工 インテリアフロア シーリング 150 インテリアフロアシーリング 上がり框 t12 際根太 束 インテリアフロアシーリング フローリング・ タイル・石材 上がり框 1類合板 t12×2 パーティクルボード t 20 70 148 際根太 インテリアフロア シーリング 束 ■在来・木造 90 ■拡大図 インテリアフロアシーリング フローリング・ タイル・石材 大引き ※張り合わせる材料がメトロポリスの場合は、厚さの差を調整するために 框側の下地レベルを下げてください。 インテリアフロア シーリング 合板 t12×2 根太 150 上がり框 ※張り合わせる材料の厚さ が異なる場合は薄い仕上 げ材の下地に合板を張り 増ししてレベルを合わせて ください。 [2] 施工法各論 ①全面接着剤張り 合板下地や精度良くこしらえたモルタル下地の上に有機質接着剤を用いてタイルを圧着していく工法です。合板下地の場合は必ずこの施工法で タイル張りしてください。 460 タイル張りの設計と施工 4 床面へのタイルの施工 [3] リビングフロアシステム ①集合住宅用 ■集合住宅へのタイル・アーストン施工のポイント ポイント ① ポイント ② ポイント ③ 遮音性能…二重床との組合せで集合住宅に適切な遮音性能を提供します。 耐荷重性能…下地合板の板間ジョイントをアルミ板で補強することで、 大形タイルや石材の破損を抑えます。 耐衝撃・反復荷重性能…専用接着剤、 専用目地材を使用して、 たわみのある二重床でもタイル、 石材の破損や目地切れを抑えます。 ■遮音二重床板間補強タイプ (東京ガス (株) ・大阪ガス (株) ・東邦ガス (株) 採用) スーパークリーン インテリアフロア 板間補強アルミ板 タイルまたはアーストン 接着剤層 捨張合板 12t 床暖房パネル 12t 下地合板 12t パーティクルボード 20t 集合住宅の居室では遮音性能を確保するために遮音二重床を使って この上にタイルを張ります。 たわみによるタイルの破損や目地割れを防止す るために捨て張り合板の板間をアルミ板ALP-100で補強します。600mm 角以下のタイルおよびアーストンリビングセレクションが施工可能です。 INAXでは、 床材および二重床との組合せで、 軽量衝撃音LL-40、 LL-45等級の遮音性能データを得ています。 (現場の条件により性能が変わる事があります。) グラスウール 支持脚 断面構成の例 ②戸建住宅用 ■12mm 合板捨張タイプ(東京ガス(株) ・大阪ガス (株) ・東邦ガス (株) ・西部ガス (株)採用) ■板間補強タイプ(東京ガス(株) ・大阪ガス (株) ・東邦ガス (株) 採用) スーパークリーン インテリアフロア タイル 捨張り合板 下地合板 スーパークリーン インテリアフロア アルミ板 ALP-100 9 12 タイルまたは アーストン 接着剤 捨て張り合板 12t 12 床暖房パネル 12t 12※ 捨て張り合板 12t 断熱材 303 床暖房パネル 303 根太 根太 (303ピッチ) 各ガス会社の小根太入り温水マットなど一般的な床暖房パネルの上 に、 300∼600mm角、 厚さ8∼10mmのタイルおよびアーストンリビングセ す。床暖房パネルの上に12mm合板を捨て張りして接着剤イナメント E-73でタイルを張ります。 目地はスーパークリーン インテリアフロアを使 用します。 ガス会社以外の一般的な床暖房パネルや電気式床暖房 の場合にもお薦めの工法です。 ※根太ピッチ455mmの場合は床暖房の下の下地合板を15mm厚以 上としてください。 レクションを施工する場合の構造です。12mm捨て張り合板の板間に アルミ板ALP-100を張って補強します。接着剤はイナメントE-73(タイル の場合) 、 またはESK-E-81(アーストンの場合) 、 目地はスーパークリー ン インテリアフロアを使用します。 ガス会社以外の一般的床暖房パネ ルや電気式床暖房の場合にも、 アーストンや300∼600mm角のタイル を施工する場合にはこの方法を推奨します。 ■3mm合板捨張タイプ(東邦ガス(株) ・大阪ガス (株) 採用) ■スラブ直張タイプ スーパークリーン インテリアフロア タイル 捨張り合板 下地合板 スーパークリーン インテリアフロア 9 3 12 12 タイル 8∼10 t 接着剤 捨て張り合板 12t 小根太入り温水マット 12t スラブ 断熱材 木質ハードパネル樹脂管タイプ12mm厚 根太 (303ピッチ) 床暖房パネルに木質ハードパネルを使う場合はパネルの剛性が高い ので3mm厚の捨て張り合板を使うことができます。3mmの合板は浮き や床鳴りが出ないように接着剤と釘を併用して留めつけます。 タイルの 施工には接着剤はイナメントE-73、 目地はスーパークリーンインテリアフ ロアを使用します。 コンクリートのスラブ上に直に床暖房パネルを設置する場合は各床暖 房メーカーに留めつけ方法をご確認ください。床暖房パネルの上に 12mm合板を捨て張りして接着剤イナメントE-73またはU-91でタイルを 張ります。 目地はスーパークリーンインテリアフロアを使用します。 461 タイル張りの設計と施工 各ガス会社の小根太入り温水マットなど一般的な床暖房パネルの上 に、300mm角以下、厚さ8∼10mmのタイルを施工する場合の構造で タイル張りの設計と施工 5 内装壁への施工 5 内装壁への施工 [1] 施工法の分類 内装壁タイルの施工法は、接着剤張りが主流となっています。 この 工法は、様々な下地及びタイルに適用できるとともに、従来用いられて いたセメントモルタルに比べて変形性能が大きいことから下地や躯体 の動きに追随しやすく、 剥離やひび割れ等の損傷が生じにくい特徴が あります。 乾式工法 接着剤張り ① 全面接着剤張り P.464参照 湿式工法 積上げ張り ② 両面塗布全面 接着剤張り P.464参照 ③ 点付け施工 P.464参照 ④ 部分接着剤張り P.464参照 圧着張り ※ラグナロック・接着剤張り用外装タイルなどを内装壁面に施工する際には、 イナメントボーイV3を使用し、 外壁に準じたタイル施工法を採用してください。 施工方法ははるかべ工法 住宅編 設計・施工マニュアル (タ-MD138-14) をご参照ください。 (ビジネスユーザー向け情報サイト 「いいナビ」 からもご覧いただけます) [2]乾式下地 標準的な下地の仕様を以下に示します。下記以外の事項については、 日本建築学会の「JASS26 内装工事」、 「JASS11 木工事」 を参照してください。 ①木造下地 木製壁下地材の種類・寸法・取付け間隔 用途 一 般 壁 耐力壁 真壁 コンクリート壁添え 枠組壁工法 部材の種類 柱、 間柱 胴縁 間柱 胴縁 木ずり、下地板 たて枠 上枠、下枠 寸法 (mm) 105×105,30×105 (15,20,24) ×90/2 30× (45,60,65) (17.5,25) ×100/2,45×100 (12,20) ×80 間隔 (mm) 455 310 455 455 455 650以内 − 38×89,38×140 (日本建築学会 せっこうボードドライウォール指針・施工指針・同解説より) 耐力壁の例 耐力壁に横胴縁を取り付けた例 5 45 5 45 310 タイル張りの設計と施工 ②鋼製下地 鋼製壁下地材の種類 単位:mm 部材 種類 50形 65形 75形 スタッド ランナー 振止め 記号 WS-50 WS-65 WS-75 寸法 50×45×0.8 65×45×0.8 75×45×0.8 記号 WR-50 WR-65 WR-75 寸法 52×40×0.8 67×40×0.8 77×40×0.8 記号 WB-19 90形 WS-90 90×45×0.8 WR-90 92×40×0.8 WB-25 100形 WS-100 100×45×0.8 WR-100 102×40×0.8 寸法 19×10×1.2 スタッドの 高さによる区分 2.7m以下 4m以下 25×10×1.2 4mを超え 4.5m以下 4.5mを超え 5m以下 (日本建築学会 JASS26 より) 462 タイル張りの設計と施工 5 内装壁への施工 スタッドの間隔 ・ボード1枚張りの場合…300mm程度 ・ボード2枚張りの場合…450mm程度 ・デラクリートセメントボードは450mm程度 スタッド間隔300mmピッチ、 ボード1枚張りの例 スタッド間隔450mmピッチ、 ボード2枚張りの例 度 0程 0程 30 45 度 ③その他の下地 せっこうボードは、 コンクリート、 ALCパネル (間仕切り) などへの直張り工法(GL工法) があります。直張り工法については、 せっこうボードメーカーの 仕様に従ってください。 ④推奨下地ボード タイル アーストン タイルの厚さ 下地ボード せっこうボード 9.5mm厚以上 けい酸カルシウム板 比重1.0 6.0mm厚以上 15mm以下 合板 1類以上 9.5mm厚以上 デラクリートセメントボード けい酸カルシウム板 比重1.0 6.0mm厚以上 15mmを超える 合板 1類以上 9.5mm厚以上 デラクリートセメントボード 商品名 ストーンモザイコ 上記以外 下地ボード せっこうボード 9.5mm厚以上 けい酸カルシウム板 比重1.0 6.0mm厚以上 合板 1類以上 9.5mm厚以上 デラクリートセメントボード けい酸カルシウム板 比重1.0 6.0mm厚以上 合板 1類以上 9.5mm厚以上 デラクリートセメントボード [3] 施工法各論 接着剤張りは、 タイルの種類と大きさにより、 適切な施工法を選択する必要があります。 使用する接着剤は、 P.416 を参照してください。 タイルの種類 エコカラット インテリアモザイクタイル 外装壁モザイクタイル 外装壁タイル [接着剤張り工法用] ラグナロック 推奨施工法 − 全面接着剤張り 300mm角以下 300mm角を超え 450mm角以下 全面接着剤張り 全面接着剤張り 部分接着剤張り 点付け施工 450mm角を超える 部分接着剤張り 点付け施工 外装壁タイル − 両面塗布全面接着剤張り 点付け施工 アーストン*3 P.468参照 全面接着剤張り 点付け施工 内装壁タイル 床タイル*1 テラコッタ陶板*2 *1 庵路、 新砂岩タイル150mm角は、 裏足が高いため、 両面塗布全面接着剤張りまたは点付け施工としてください。 *2 300mm角を越える大きさのタイルを吹き抜け等の3m以上の高さに施工する場合は、 FA-S工法 (P.455) により施工してください。 「アーストン設計・施工マニュアル」 (タ-ES111-13) をご参照ください。 *3 3m以上の高さに施工する場合は、金具併用点付け施工または金具併用部分弾性接着剤張りにより施工してください。詳しくは ■注意事項 (1)全面接着剤張りは、 タイル裏面への接着剤の接着割合が60%以 上になるように塗り厚を調整してください。一般的には、 5mmクシ目 コテを使用して、 クシ目の高さが3mm以上になるように塗り付けま す。エコカラット及び300mm以下の内装タイルで、下地精度が良 い場合には、 クシ目の高さが2mm以上(3mmクシ目コテ使用) でも 施工できます。 (2) 外装壁タイル [接着剤張り工法用] およびラグナロックは、 イナメント ボーイV3を使用し、 外壁と同じ方法で施工してください。 (3) タイルによっては、 ずれることがあります。 その場合は、下部から施 工してください。 また、必要に応じて、 タイル1枚ごとに目地部にスペ ーサーを介して張り上げてください。 (4)両面塗布全面接着剤張り及び点付け施工は、 イナメントE-73を使 用してください。点付け施工の場合は、 接着剤の付着面積が50% 以上で、 張り代が3mm以内となるようにしてください。 (5) 出隅や取付金物などの力が加わりやすい部分では、両面塗布全面接 着剤張りとし、 タイル裏面にすき間ができないように施工してください。 (6)浴室への施工は、 全面接着剤張りまたは両面塗布全面接着剤張り としてください。 部分接着剤張りおよび点付け施工では、 白華が発生 するため、 行わないでください。下地は、 コンクリート、 モルタル、 けい酸 カルシウム板またはデラクリートセメントボードを使用してください。 (7) 浴槽内はモルタルで施工してください。下地は、 コンクリートまたは モルタルとしてください。 463 タイル張りの設計と施工 タイルサイズ タイル張りの設計と施工 5 内装壁への施工 ①全面接着剤張り ③点付け施工 全面接着剤張りは、 タイル裏あし高さが2.0mm未満のタイルに適用し 点付け施工はタイル裏あし高さが2.0mm以上のタイルに適用します。 タ ます。平坦な下地に張り付け用接着剤をクシ目コテ (5mmまたは3mm イル裏面に接着剤を点状に塗り付け、 下地面にしっかりと揉み込むよう 高さ) で塗布し、 タイルをしっかりと揉み込むように叩き押さえをして張り 付ける工法です。 〈施工のポイント〉 ●タイル裏あし高さが1.0mm未満の場合は3mmのクシ目コテ、 1.0mm 以上2.0mm未満の場合は5mmのクシ目コテを使用します。 ●クシ目はしっかりと立てて塗り付けます。 ●イナメントE-73、ESK-E-81以外の接着剤を使用する場合は、下地 を十分に乾燥させてから、 タイル張りを行います。 ●タイルがずれる場合は、 下から積み上げてください。 に押さえて張り付ける工法です。 〈施工のポイント〉 ●接着剤はイナメントE-73を使用します。 アーストンはESK-E-81を使用 します。 ●張り付け後の接着剤の付着面積が50%以上、張り代が3mm以内 となるようにしてください。 ●タイルがずれる場合は下から積み上げてください。 点付け施工の施工断面 下地 (モルタル、 金ごて押さえ) 、 またはボード下地 全面接着剤張りの施工断面 タイル 下地 (モルタル、金ごて押さえ) またはボード下地 イナメントE-73 イナメントE-73 モルタル25mm以下 またはボード下地 タイル 躯体 モルタル25mm厚以下または ボード下地 躯体 3mm以内 1∼1.5mm 有機質接着剤 (クシ目引き) 施工 躯体 施工 完了 完了 ④部分接着剤張り ②両面塗布全面接着剤張り 両面塗布全面接着剤張りはタイル裏あし高さが2.0mm以上のタイル に適用します。 タイル裏面に接着剤を十分に塗り込み、 クシ目塗布され た下地面にしっかりと揉み込むようにして張り付ける工法です。 〈施工のポイント〉 ●クシ目はしっかりと立てて塗り付けます。 ●タイル裏あしに十分に接着剤が充填するようにします。 ●接着剤は、 イナメントE-73を使用します。 ●タイルがずれる場合は、 下から積み上げてください。 両面塗布全面接着剤張りの施工断面 部分接着剤張りは、主に大形の内装タイルに適用します。接着剤をタ イル裏面の周辺部とその内側に15㎝以下のピッチでビード状に塗布 し、下地面にしっかりと揉み込むように押さえつけて張り付ける工法で す。張り付け時には、 スペーサーを介して積み上げます。 〈施工のポイント〉 ●接着剤は弾性接着剤RC-Sを使用します。 ●張り付け時には目地スペーサーを介してタイル荷重を支え、 ズレ防 止を図りつつ積み上げて張り付けます。 (専用受け金具を使用して張り付ける方法もあります。 ) ●キッチン回りに使用する場合の目地材はシリコーン系を使用してください。 ●下地を十分に乾燥させてから、 タイル張りを行います。 下地 (モルタル、金ごて押さえ) またはボード下地 部分接着剤張りの施工断面 有機質接着剤 下地 (モルタル、 金ごて押さえ) 、 またはボード下地 モルタルは25mm以下 またはボード下地 タイル シーリング材 タイル 1∼1.5mm イナメントRC-S タイル張りの設計と施工 有機質接着剤 (クシ目引き) モルタル25mm厚以下または ボード下地 躯体 躯体 施工 イナメントRC-S 完了 1∼1.5mm シーリング材 施工 464 躯体 完了 タイル張りの設計と施工 5 内装壁への施工 [4] 納まり ①内装壁タイル・エコカラット 〈出隅部〉※取合いでタイルの切断が必要な場合は、シーリング等で処理してください。 せっこうボード等 胴縁 柱 柱 せっこうボード等 せっこうボード等 柱 胴縁 胴縁 目地 タイル 目地 (スーパークリーン キッチン) 片面取タイル タイル (8mm厚以上) 壁見切り材 (SM-2700R/**) 平面図 壁見切り材 (SM-2700C/**) 平面図 平面図 〈入隅部〉 〈天井との取合い〉 柱 野縁 柱 せっこうボード等 せっこうボード等 胴縁 見切り材 天井仕上げ材 柱 タイル 壁見切り材 (SM-2700C/**) シーリング せっこうボード等 胴縁 エコカラット (8mm厚以上) タイル 胴縁 目地 目地 平面図 縦断面図 エコカラット (凹凸の大きいモザイク等) タイル張りの設計と施工 〈コンセントとの取合い〉 〈床との取合い〉 タイル タイル 胴縁 せっこうボード等 コンセント スペーサー (ECK-S1/**) 目地 柱 コンセントボックス コンセントボックス 合板5.5mm 巾木 床タイル 目地 せっこうボード等 胴縁 せっこうボード等 胴縁 縦断面図 縦断面図 縦断面図 465 タイル張りの設計と施工 5 内装壁への施工 ②カウンタータイルの仕上げ 〈下地外周部の納まり〉 ケイカル板6mm以上 目地 (スーパークリーン キッチン) 目地 (スーパークリーン キッチン) 片面取使用 タイル 接着剤 (イナメントA-51N) ケイカル板 タイル 片面取使用 12mm厚1類合板 12mm厚1類合板 接着剤 (イナメントA-51N) 固定用ビス ケイカル板6mm以上 12mm厚1類合板×2枚 キャビネット本体 扉 〈シンク及び洗面器の納まり〉 〈水栓金具まわりの取付け〉 ケイカル板6mm以上 タイル シ−リング 接着剤 (イナメントA-51N) シンク タイル 上側1類合板 接着剤 (イナメントA-51N) 下側1類合板 ケイカル板6mm以上 〈ガスレンジまわりの納まり〉 12mm厚1類合板 ケイカル板6mm以上 5mm以上の隙間 6mm 12mm 12mm ガスレンジ ③タイルクリートPSを使った浴室下地 (壁) 〈天井取り合い部〉 〈洗い場床取り合い部〉 〈浴槽ー壁取り合い部〉 タイル張りの設計と施工 〈一般部縦断面〉 466 12mm厚1類合板 タイル張りの設計と施工 5 内装壁への施工 [5]スリミオの施工 ①下地 木造下地の種類・寸法・取付け間隔、 鋼製下地の種類は、 P.462に準じます。 ②推奨下地ボード等 ●木造下地の場合は、 ボード1枚張りとします。 ●鋼製下地の場合は、 スタッド間隔300mm程度の場合はボード1枚張り、 スタッド間隔450mm程度の場合は2枚張り (デラクリートセメントボードを除 く) とします。 張り方はP.463に準じます。 ボード種類 注意点 せっこうボード 9.5mm厚以上 (板間に段差が生じないように調整してください) シージングせっこうボード 9.5mm厚以上 (板間に段差が生じないように調整してください) ケイ酸カルシウム板 6.0mm厚以上, 比重1.0 (板間に段差が生じないように調整してください) デラクリートセメントボード 板間を 「ベースコート+ガラス繊維テープ貼り (MRCデラクリート社製) 」 した後、全面を 「ベースコート重ね塗り」 します。必要に応 じて、 スタンダードメッシュを伏せ込みます。 ※用途に応じて適正なボードを選定してください。 ※スリミオの仕上がり精度は下地精度に依存します。平滑な下地を作製してください。 ※合板は使用しないでください。板間でスリミオが割れる恐れがあります。 ※モルタル下地には使用しないでください。不陸の影響を受ける恐れがあります。 ※公共場面等使用時に衝撃を受けやすい場合は、 スタッド間隔が300mmの場合でも、 2枚張りを推奨します。 ③接着剤 内装用弾性接着剤 (スリミオ用) イナメントボーイV3(SN-V3/G1) カラー:白 ※イナメントA-51N・A-52などのアクリルエマルジョン系接着剤は、粘性が弱くスリミオを平滑に納めることができないため、使用できません。 ※イナメントE-73などのエポキシ系接着剤は、下地ボード等の挙動を直に伝えることになり、 スリミオが破損する恐れがあるため、使用できません。 ※イナメントボーイV3 (SN-V3/G3;グレー) は、 目地から接着剤が透けて見える恐れがあります。 ④施工上の注意 (1) 一般部 [弾性接着剤張り工法] ●3mmクシ目コテを使用し、 下地に対して60° 以上の角度で塗り付けます。使用量の目安は1.7kg/㎡です。 クシ目を潰して施工することはできません。 ●スリミオには多少の反りがあります。施工時に指定の接着剤を用い、 十分圧着して反りを矯正するとともに、 タイル全体を揉み込むように均一に圧 着して、 段差を生じないようにしてください。 ●施工性向上のための目地スペーサーを用意しています。必要に応じてご使用ください。 ●切断面はダイヤシャープナーでバリを落としてください。 タッチアップ材として補修用塗料を用意しています。必要に応じてご使用ください。 (2) 出隅部・端部 ●コーナー役物には内Rがついていますので、 スリミオの施工に先立ち、 ボードの出隅部に4mm程度のテーパーをつけてください。 ●コーナーカバー見切りで納める場合は、 スリミオを施工した後にその上から接着させます。接着剤は、 内装用一液型弾性接着剤イナメントRC-Sを ご使用ください。 ●見切り4Rで納める場合は、 スリミオの施工に先立ちあらかじめ下地ボードに接着させます。接着剤は、 内装用弾性接着剤(スリミオ用) イナメントボ ーイV3/G1をご使用ください。 スリミオを切断して納める場合は、 補修用塗料をお使いください。 コーナー役物の納まり コーナーカバー見切りの納まり 下地ボード イナメントボーイV3 イナメントボーイV3 イナメントボーイV3 見切り4R スリミオ (コーナー役物) スリミオ スリミオ コーナーカバー見切り スリミオ (補修用塗料を 塗布) ※詳しくは 「スリミオ設計・施工マニュアル」 (http://iinavi.inax.co.jp/) をご参照ください。 467 タイル張りの設計と施工 (テーパー加工) 見切り4Rの納まり 下地ボード 下地ボード タイル張りの設計と施工 6 アーストンの施工 施工方法の選定 アーストンは特性の異なる多彩な石種、 さまざまな形状の材料です。 そのため施工場所、 条件によって施工方法が限定される場合がありますのでご 注意ください。 主な適用工法は以下のとおりです。 なお、 詳しくはアーストン設計・施工マニュアル (タ-ES111-13) をご覧ください。 適用部位 施工場所 壁 外壁 内壁 下地構成 コンクリート躯体 アーストン (石材) 施工方法 エレガントグラニット、 チャイナグラニット ①金具併用部分弾性接着剤張り (FA-S工法) 乱形、矩形、 スレート、 日本の銘石 改良積上げ張り(1.2m未満) はるかべくん エスグラン、 エクセンシア ②はるかべ工法 ボード下地 はるかべくん エスグラン、 エクセンシア ②はるかべ工法 コンクリート躯体 乱形、矩形、 スレート、 日本の銘石 エレガントグラニット、 チャイナグラニット エレガントマーブル、 mabストーンⅡ はるかべくん エスグラン、 エクセンシア ストーンモザイコ ボード下地 床 外床 内床 コンクリート躯体 コンクリート躯体 乱形、 日本の銘石で厚さが比較的均一で薄いもの (該当するアーストンはESR-N/1B、ESN-H/9に なります) 対象となる施工方法 タイル張りの設計と施工 全工法共通 ⑦全面接着剤張り ③点付け施工 (3m未満) エレガントグラニット、 チャイナグラニット エレガントマーブル、 mabストーンⅡ ③点付け施工 (3m未満) ④金具併用点付け施工 ⑤部分弾性接着剤張り (3m未満) ⑥金具併用部分弾性接着剤張り はるかべくん エスグラン エクセンシア、 ストーンモザイコ ⑦全面接着剤張り 乱形、矩形、 スレート、 日本の銘石 ⑧セメントペースト張り エレガントグラニット、 チャイナグラニット ⑧セメントペースト張り ⑨改良圧着張り ⑩圧着張り 乱形、矩形、 スレート、 日本の銘石 エレガントグラニット、 チャイナグラニット エレガントマーブル、 mabストーンⅡ 合板下地 改良積上げ張り (1.2m未満) ③点付け施工 (3m未満) ③点付け施工 (3m未満) ④金具併用点付け施工 ⑤部分弾性接着剤張り (3m未満) ⑥金具併用部分弾性接着剤張り ⑧セメントペースト張り ⑧セメントペースト張り ⑦全面接着剤張り ⑨改良圧着張り ⑩圧着張り アーストンステップⅢ ⑧セメントペースト張り ⑦全面接着剤張り ⑩圧着張り ストーンモザイコ、上がり框 ⑦全面接着剤張り エレガントグラニット、 チャイナグラニット エレガントマーブル、 ストーンモザイコ mabストーンⅡ、 アーストンステップⅢ、上がり框 ⑦全面接着剤張り 注意事項 ●仮並べを行い、面として見てからの施工をお願いします。●施工前、施工後の酸洗いは絶対にしないでください。●目地材は乾燥前に丁寧に拭き取ってください。 ●天然石のため、施工終了後および目地詰め時の養生の際に粘着力の強いテープを使用すると石材の表面が傷む場合があります。必ず紙製の養生テープを使用 してください。●突きつけ目地はしないでください。剥離やカケの原因になります。目地幅はエレガントマーブル・エレガントグラニット・チャイナグラニット・mabストーンⅡが3 mm以上、 日本の銘石が5mm以上、矩形・乱形・スレートが6mm以上、 はるかべくんエスグランは10mm以上を目安としてください。 ①金具併用部分弾性 (FA ‐ S工法) ●接着剤はEGR ‐ Bを使用してください。 なお、 EGR ‐ Bをご使用の際は必ず石材裏面にプライマー (MP ‐ 2000 セメダイン製) を塗布して施工してください。●金具併用 接着剤張り ⑥金具併用部分 部分弾性接着剤張り (FA ‐ S工法) の目地材はシーリング目地とし、 使用するシーリング材の取り扱い説明書に従ってください。 目地幅は5mm以上としてください。 弾性接着剤張り ②はるかべ工法 ●層状に剥離した界面や亀裂が存在しないか、施工前にご確認ください。層状に剥離した界面や亀裂が存在する場合は施工前に強制的に剥がしてください。 ③点付け施工 ●接着剤 (ESK ‐ E ‐ 81) の混練不良がある場合は使用条件によってシミが発生する場合があります。十分に混練してください。接着剤によるシミの防止を図るために、 裏面及びコバ面にシーラー処理をしてください。●目地詰めの際は事前に紙製の幅広テープなどでアーストンを養生してからの施工をおすすめします。目地跡が残る場 合があります。 また目地材が乾燥する前に丁寧に拭き取ってください。●水がかりのある個所に施工する場合は、 目地材をシーリング目地とし、使用するシーリング材の 取り扱い説明書に従ってください。 目地幅は3mm以上としてください。 ④金具併用点付け施工 ●目地詰めの際は事前に紙製の幅広テープなどでアーストンを養生してからの施工をおすすめします。目地跡が残る場合があります。 また目地材が乾燥する前に丁寧 に拭き取ってください。●水がかりのある個所に施工する場合は、 目地材をシーリング目地とし、使用するシーリング材の取り扱い説明書に従ってください。目地幅は3 mm以上としてください。 ⑤部分弾性接着剤張り ●接着剤はEGR ‐ Bを使用してください。 なお、 EGR ‐ Bをご使用の際は必ず石材裏面にプライマー (MP ‐ 2000セメダイン製) を塗布して施工してください。 ⑦全面接着剤張り ●接着剤 (ESK ‐ E ‐ 81) の混練不良がある場合は使用条件によってシミが発生する場合があります。十分に混練してください。接着剤によるシミの防止を図るために、 裏面及びコバ面にシーラー処理をしてください。●目地詰めの際は事前に紙製の幅広テープなどでアーストンを養生してからの施工をおすすめします。目地跡が残る場 合があります。 また目地材が乾燥する前に丁寧に拭き取ってください。●目地材にスーパークリーン インテリアフロアをご使用される場合は施工後のシミ出し防止のた (アーストン リビングセレクションを除く) 。 め、 あらかじめ石材コバ面にアーストンシーラー (ESK ‐ S INA/T) を塗布してください ⑧セメントペースト張り ⑨改良圧着張り ●花崗岩を除く白系の石材や吸水の高い石材 (十和田石、 ビアンコカララ、 ダイヤモンドホワイト) を湿式施工にて施工 (張り付け材がモルタルの場合) する場合は白 セメントを使用してください。詳細については各商品ページをご確認ください。●目地詰めの際は事前に紙製の幅広テープなどでアーストンを養生してからの施工をおす すめします。 目地跡が残る場合があります。 また目地材が乾燥する前に丁寧に拭き取ってください。●目地材にスーパークリーン インテリアフロアをご使用される場合は 施工後のシミ出し防止のため、 あらかじめ石材コバ面にアーストンシーラー (ESK ‐ S INA/T) を塗布してください (アーストン リビングセレクションを除く) 。 ⑩圧着張り ●目地詰めの際は事前に紙製の幅広テープなどでアーストンを養生してからの施工をおすすめします。目地跡が残る場合があります。 また目地材が乾燥する前に丁寧 に拭き取ってください。 468
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