製造業におけるシスコボーダレスネットワークアーキテクチャ 製造業での新たな潮流 製造業をめぐる情勢 今日の経済における市場の状況は、かつてないほどの速度 で変化しています。規模の大小を問わず、企業は経済での 好機が再び拡大していることを感じると同時に、競争の激 化、技術革新サイクルの短期化、および資金調達の減少と いう重圧を感じています。顧客の要求が急速に進展し、し かも突然変化することも、事態をさらに複雑にしています。 こうした動向に合わせてビジネスを最適化したことで、グ ローバルなサプライヤ、顧客、およびチャネルにまたがる価 値連鎖が断片化し、経済の混乱をうまく乗り切ることが難し くなっている場合があります。 製造業者は次のようなことを望んでいます。 • 技術革新を促進し、適切な製品やサービスを適切な タイミングで開発する。 • • 変化し続ける市場にサプライチェーンを適応させる。 • 他社とは違う、独自のカスタマーエクスペリエンスを 提供する。 生産の効率と柔軟性を高めると同時に、運用リスクを 管理する。 このような複雑さを簡素化して対処するために、製造業者 は価値連鎖のすべての部分をインテリジェントに結合し、す べての部署、従業員、パートナー、および顧客と情報をす ばやく簡単に共有するためのソリューションを必要としてい ます。 こうした取り組みをサポートするうえで、ITは重要な役割を 果たします。シスコは、製造業者のニーズと純粋なIT要件 の両方に対応できる技術として、ボーダレスネットワーク を提供します。シスコボーダレスネットワークは、効率性、 生産性、および収益性を妨げる障壁を製造業のネットワー クから取り除くことができます。製造業が抱える障壁には、 次のようなものがあります。 • デバイスに起因する障壁:さまざまなデバイスや人の 製造業環境への統合を妨げる。 • • • アプリケーションに起因する障壁:カスタマーエクス ペリエンスを向上させると同時に従業員の生産性を改 善するために、ネットワークを音声およびビデオ用に 最適化することを妨げる。 場所に起因する障壁:従業員の効率を低下させる。 組織に起因する障壁:製造業の事業所の他の部分に 価値をもたらすネットワークの役割を制限する。 デバイスに起因する障壁の除去 製造業では、製造業データおよびコントロールへの安全な リアルタイムアクセスを必要とする人とデバイスが複雑に絡 み合っています。これらは、工場の効率、処理量、安全性、 およびセキュリティを高めるIT、コントロール、およびワイ ヤレスネットワークの集約によってコントロールが可能にな ります。このネットワークには、IP電話、デジタルメディア システム、生産ライン、IPカメラなど、多くのデバイスを接 続する必要があります。柔軟性を高めて運用を強化するに は、次のような対応が必要です。 • • • 管理やその他のフローよりも生産現場のアプリケー ションと安全なトラフィックを優先させる。これはシス コボーダレスネットワークを通じて利用できる業界最 高水準のサービスを活用して実現できます。 ネットワークに接続されたデバイスも識別できる、柔 軟性の高い完全な識別および認証のシステムを展開す る。CiscoCatalyst®シリーズスイッチは、シスコボー ダレスネットワークアーキテクチャの一部として使用 可能なCiscoIdentity-BasedNetworkServicesをサ ポートしています。 ネットワーク全体でエンドツーエンドでの高可用性を 実現できるアーキテクチャを採用し、ネットワークの 停止が製造業データのトラフィックに影響を与えない ようにする。アベイラビリティテクノロジーには、固定 構成のCiscoCatalystシリーズスイッチに搭載されて いるCiscoStackWise®Plusや、シスコのモジュラス イッチおよびルータにあるCiscoNonstopForwarding withStatefulSwitchover(NSF/SSO)などがあります。 • • • • At-A-Glance ロールベースの保護、多彩なリモートデバイスとエン ドポイントのサポート、および透過的なユーザエクス ペリエンスを提供し、さまざまな関係者間での連絡や コラボレーションを実現する。 高性能なCisco802.11n無線ネットワークを実装し、 リアルタイムのコラボレーション、広帯域が必要なア プリケーションへの任意の場所からのアクセス、優れ た音声性能、およびモビリティツールを、どのWi-Fi デバイスからでも利用できるようサポートする。 高帯域幅の暗号化リンクを介して、遠隔地のパート ナーおよびサプライヤへの広域アクセスを提供する。 これには、エンドツーエンドのネットワーク仮想化に よって、ユーザグループを職務別に分割することで対 処できます。 アプリケーションに起因する障壁の除去 製造業では、製品化までの時間を短縮し、生産工程の成 功率を上げ、製品の持続力を高めると同時に、今日のグロー バル市場で競争力を維持するために研究開発コストを削減 しなければなりません。これらの目標の達成には、顧客、 エンジニアリング、製造、営業、およびチャネルパートナー の間のコラボレーションを強化することが有効です。 シスコボーダレスネットワークアーキテクチャは、専門知 識や情報へのアクセスや、製造業ネットワークでのコラボ レーションの実行を妨げるさまざまな障壁を取り除く役割を 果たします。これには次のようなことが含まれます。 • • 最新世代のCiscoCatalyst2960-S、Catalyst3560-X およびCatalyst3750-Xシリーズスイッチでの10Gbps アップリンクや、CiscoCatalyst4500-Eシリーズスイッ チでの10Gbpsラインカードなど、広帯域の10ギガ ビットイーサネット接続で高解像度のビデオの負荷に 対応する。 シスコのサービス統合型ルータ第2世代(ISRG2) およびCiscoASR1000シリーズアグリゲーション サービスルータに備わっている広帯域暗号化リンクを 使用して、音声およびビデオの広域トラフィックを最 適化する。 © 2010 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. Cisco、Cisco Systems、および Cisco Systems ロゴは、Cisco Systems, Inc. またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における登録商標または商標です。本書類またはウェブサイトに掲載されているその他の商標はそれぞれの権利 者の財産です。「パートナー」または「partner」という用語の使用は Cisco と他社との間のパートナーシップ関係を意味するものではありません。(0809R) 製造業におけるシスコボーダレスネットワークアーキテクチャ 製造業での新たな潮流 • Network-BasedApplicationRecognition(NBAR)な どの組み込み分類テクノロジーを使用して、音声およ びビデオのトラフィックを認識し、優先順位を付ける。 • CiscoWideAreaApplicationServices(WAAS)な どの広域アプリケーションの最適化によって、ビデオ と画像の共有を強化する。 • デバイスおよびトラフィックに応じたイノベーションによ り、ネットワーク設定の多くの部分を自動化する。 • • 資産トラッキング、緊急サービス、ネットワークセキュ リティに必要なロケーションサービスを提供する。こ れらのサービスは、CiscoMobilityServicesEngine によって実装できます。 施設の有線ネットワークとワイヤレスネットワークを 統合して簡素化する。これらのサービスは、Cisco Catalyst6500シリーズ /7600シリーズワイヤレス サービスモジュール(WiSM)によってサポートされ ています。 シスコボーダレスネットワークは、ビデオとメディアネット への対応を重視して設計され、専門知識や情報ヘのアクセ スを制限する時間、距離、および帯域幅の制約を取り除き ます。 シスコボーダレスネットワークで実現される、安全性と信 頼性を備えた透過的なモビリティサービスは、従業員の生 産性を向上させると共にコストを削減します。 場所に起因する障壁の除去 組織に起因する障壁の除去 製造業で競争力を維持するには、研究開発部門から、設計 およびエンジニアリングアプリケーションにいつでもどこか らでもアクセスできるようにする必要があります。物理的な 場所に起因する障壁は、豊富な機能と信頼性を備えた安全 なモビリティソリューションによってネットワークで解決でき ます。 モビリティ実現のためにシスコボーダレスネットワークが提 供するサービスには次のようなものがあります。 • • 高速なワイヤレス接続を全店舗で簡単に利用できる ようにする。CiscoUnifiedWirelessNetworkは、 IEEE802.11n標準をサポートし、すべての無線デバイ スに対して広帯域幅と信頼性を提供します。 さまざまな場所にいる担当者に正確で実用的なリアル タイム情報を安全に配信する。これは、CiscoASR 1000シリーズのような高い性能、信頼性、および安 全性を備えたルーティングプラットフォームを通じて 実現されます。 • 簡単かつコスト効果の高い方法でアクセスポイント を展開する。CiscoCatalystシリーズスイッチのPoE (PoweroverEthernet)機能を利用すれば、通常の 電源接続の利用が現実的でない場所にもアクセスポイ ントを設置できます。 多くの組織と同様に、製造業でも光熱費の増加が懸念され ています。シスコボーダレスネットワークは、これまでファ シリティ管理とネットワークIT運用を隔てていた障壁をくず し、特に光熱費の管理に関してより強力な連携を実現します。 CiscoEnergyWiseを使用することで、組織全体のデバイス の電力消費の計測、報告、削減をインテリジェントに行い、 電力供給の最適化と光熱費の削減を達成できます。 CiscoEnergyWiseに加えられた最新の機能強化によって、 管理対象がIP電話、ワイヤレスアクセスポイント、IPカ メラなどのPoEデバイス、さらにPCやノートパソコンにま で広がりました。CiscoEnergyWiseの次のフェーズでは、 CiscoNetworkedBuildingMediatorとの統合が強化され、 ファシリティ(照明、 エレベータ、暖房、換気、空調(HVAC)) 統合にまで管理が拡張されます。 ネットワークのユビキタス性とインテリジェントな機能を生か して、持続性とコスト効果の高いファシリティを実現するこ とで、ネットワークITが持つビジネス価値を製造業組織の 各部門にアピールすることができます。 At-A-Glance シスコ ボーダレス ネットワーク アーキテクチャの特長 シスコボーダレスネットワークアーキテクチャは、シスコの すべてのソリューションの基盤となります。ネットワークの力 を生かして、次のことを実現します。 • • • • • • • モビリティ、統合コラボレーション、および情報へのア クセスによる開発プロセスの効率と生産性の向上 いつでもどこでもコラボレーションしたり資産トラッキ ングを行えるロケーションサービスにより、制約無く 移動可能 ローカルネットワークとクラウドサービス全体の両方 におけるデバイスのセキュリティ。セキュリティを確保 しながら、他の拠点やベンダーとのコラボレーション を実現 効率性とコスト効果の高い工場操業を可能にする、持 続性の確保と光熱費の削減 差別化されたパートナーエクスペリエンスやカスタ マーエクスペリエンスを実現するのに役立つ、ビデオ およびWeb2.0のサービス向けに最適化されたアプリ ケーションパフォーマンス 業務に欠かせないアプリケーションを保護しながらア クセスとコラボレーションを可能にする、ポリシーベー スのアクセスコントロールとID認証ネットワーキング 従業員、サプライヤ、パートナー、および顧客に適用 される一貫したポリシーアーキテクチャ シスコ ボーダレス ネットワーク アーキテクチャを 選ぶ理由 シスコボーダレスネットワークアーキテクチャには、ここま で述べてきたテクノロジー面での特長に加えて、次のような 特長もあります。 • • 業界への対応:シスコは、大手の製造業者およびテク ノロジーパートナーと協力して、革新的なソリューショ ンを提供しています。 運用:シスコは、十分なテストを重ねたうえで細部ま でドキュメント化されたソリューションを提供します。 このため、展開に要する時間を短縮し、システムの統 合コストを削減できます。 © 2010 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. Cisco、Cisco Systems、および Cisco Systems ロゴは、Cisco Systems, Inc. またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における登録商標または商標です。本書類またはウェブサイトに掲載されているその他の商標はそれぞれの権利 者の財産です。「パートナー」または「partner」という用語の使用は Cisco と他社との間のパートナーシップ関係を意味するものではありません。(0809R) 製造業におけるシスコボーダレスネットワークアーキテクチャ 製造業での新たな潮流 • At-A-Glance プロフェッショナル サービスおよびサポート サービ ス:ITベースのソリューション提供に構造的アプロー チで取り組むことで、製造業向けのボーダレスネット ワークのイノベーションを推進します。シスコおよびシ スコパートナー各社は、計画、設計、実装の各サー ビスと、実績あるテクニカルサービスおよび最適化を 提供しています。これによって、お客様のネットワーク を堅牢で安全なものとし、また業界や規制準拠のため の要件を満たせるように支援すると同時に、コラボレー ションニーズ、環境維持、運用コスト削減をサポート します。 関連情報 シスコボーダレスネットワークアーキテクチャ: http://www.cisco.com/jp/go/borderless/ シスコの製造業向けソリューション: http://www.cisco.com/jp/go/manufacturing/ シスコのプロフェッショナルサービスおよびサポート サービス: http://www.cisco.com/jp/go/services/ © 2010 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. Cisco、Cisco Systems、および Cisco Systems ロゴは、Cisco Systems, Inc. またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における登録商標または商標です。本書類またはウェブサイトに掲載されているその他の商標はそれぞれの権利 者の財産です。「パートナー」または「partner」という用語の使用は Cisco と他社との間のパートナーシップ関係を意味するものではありません。(0809R) この資料に記載された仕様は予告なく変更する場合があります。C45-577272-00 03/10
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