審査講評の公表について(PDF形式:732KB) - 船橋市

船橋市北部清掃工場整備・運営事業者選定審査委員会(以下「審査委員会」という。)は、船橋市(以
下「市」という。)が平成 24 年 5 月 29 日に公告した「船橋市北部清掃工場整備・運営事業」の総合評
価一般競争入札に係る事業者提案について、基礎審査を実施後、提案書及び入札価格について定量化
審査により総合的に審査を行った。
市では、審査委員会による審査の結果を踏まえ、落札者を決定したので、審査の結果を審査講評と
して公表する。
平成 25 年 1 月 8 日
船橋市長
藤代 孝七
船 橋 市 北 部 清 掃 工 場
整 備 ・ 運 営 事 業
審
査
講
評
平成 25 年 1 月 8 日
船橋市北部清掃工場
整備・運営事業者選定審査委員会
船橋市北部清掃工場整備・運営事業
目
審査講評
次
1. 事業概要 .......................................................................... 1
(1) 事業名........................................................................ 1
(2) 事業実施場所 ................................................................. 1
(3) 公共施設等の概要 ............................................................. 1
(4) 事業期間 ..................................................................... 2
(5) 事業方式 ..................................................................... 2
(6) 事業範囲 ..................................................................... 2
2. 審査方法等........................................................................ 3
(1) 入札の方法 ................................................................... 3
(2) 落札者決定までの経過 ......................................................... 3
(3) 審査委員会の設置 ............................................................. 4
(4) 審査委員会の開催経過 ......................................................... 5
(5) 落札者決定の手順 ............................................................. 6
(6) 審査手順 ..................................................................... 7
3. 最優秀提案者選定結果 ............................................................ 10
(1) 資格審査 .................................................................... 10
(2) 提案書の基礎審査 ............................................................ 10
(3) 提案書の定量化審査及び提案書に関するヒアリング .............................. 10
(4) 入札価格の定量化審査 ........................................................ 16
(5) 総合評価値の算出 ............................................................ 16
(6) 最優秀提案者の選定 .......................................................... 16
4. 総評 ............................................................................. 17
1.事業概要
(1)事業名
船橋市北部清掃工場整備・運営事業
(2)事業実施場所
船橋市大神保町 1,360 番 1 ほか
(3)公共施設等の概要
ア
名称
北部清掃工場
北部清掃工場余熱利用施設
イ
建設予定地
項
目
概
要
計画地所在地
千葉県船橋市大神保町 1,360 番 1 ほか
整備対象面積
全体
約 60,672m2
A 工区(新北部清掃工場整備エリア)
約 24,470m2
B 工区(北部清掃工場解体撤去エリア) 約 24,838m2
C 工区(余熱利用施設整備エリア)
ウ
約 11,364m2
施設の概要
(ア)新設する施設(本件施設)
施設の種類
高効率ごみ発電施設
粗大ごみ処理施設
余熱利用施設
概
要
処理対象物
可燃ごみ、し尿汚泥、破砕可燃物、可燃残渣
処理方式
全連続燃焼式(ストーカ式)
処理能力
381t/日(127t/日×3 炉)
処理対象物
粗大ごみ
処理方式
破砕・選別
処理能力
15t/5h
施設の種類
温浴施設、健康浴施設、産地コーナー等
(イ)解体撤去する施設(北部清掃工場)
施設の種類
焼却施設
概
要
処理方式
全連続燃焼式(流動床式)
施設規模
435t/日(145t/日×3 炉)
構造
鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造
階数
地下 1 階+地上 6 階
その他施設
管理棟、焼却残渣リサイクル棟、アンモニア供
給棟、計量棟、煙突等
1
(4)事業期間
事
業
期
間
設計・建設期間
:特定事業契約締結日から約 19 年間
:特定事業契約締結日から平成 31 年 9 月 30 日
(本件施設の竣工:平成 29 年 3 月 31 日)
(北部清掃工場の解体工事期間:本件施設竣工後から平成 31 年 9 月 30 日)
運営・維持管理期間
:平成 29 年 4 月 1 日から平成 44 年 3 月 31 日
(5)事業方式
事業方式は、本件施設の設計・建設及び運営・維持管理を一括して事業期間を通して発注す
る DBO(Design-Build-Operate)方式とする。なお、本件施設の所有権は、市が有する。
(6)事業範囲
事業者が行う本件事業の業務範囲は次のとおりである。
ア
事前業務
落札者は、決定後速やかに特別目的会社を設立する。
イ
設計・建設業務
(ア)建設事業者は、市と締結する建設工事請負契約に基づき、本件施設の設計・建設業務を行う。
(イ)建設については、土木及び外構工事、建築物及び建築設備工事、機械設備工事、電気計装設
備工事、配管工事及びその他の関連工事を行う。
(ウ)本件施設の建設等に伴って発生する建設廃棄物等の処理・処分及びその他の関連業務、建築
確認等の手続関連業務、本件施設の試運転及び引渡性能試験を行う。
ウ
運営・維持管理業務
(ア)運営事業者は、市と締結する運営・維持管理業務委託契約に基づき、一般廃棄物(可燃ごみ、
粗大ごみ等)を受け入れ、要求水準書に規定する要求水準を満足する適正な処理を行うととも
に、余熱利用施設については、要求水準書に規定する要求水準を満足する適正な運営を行う。
なお、その際に、本件施設の運営・維持管理業務として運転管理業務、維持管理業務、環境保
全業務、有効利用業務、情報管理業務、防災管理業務、関連業務等を行う。
(イ)運営事業者は、市民及び排出事業者より直接搬入された可燃ごみ、粗大ごみ等を計量し、市
の規定に即した処理手数料の収受を代行する。なお、処理手数料は、市の収入とする。
(ウ)運営事業者は、高効率ごみ発電施設を運転することにより発生する余熱を利用して発電等に
より、本件施設内で有効利用する。運営事業者は、余剰電力(付加価値分がある場合には、そ
れを含む。)を第三者に販売するものとするが、余剰電力に係る収入については、市の収入と
する。
(エ)運営事業者は、新北部清掃工場を運転することにより発生した焼却灰、飛灰処理物、破砕不
燃物、鉄類、アルミ類及び処理不適物等を施設内に貯留し、市に新北部清掃工場にて引き渡す。
(オ)運営事業者は、本件施設の見学希望者等の対応を行う。
(カ)運営事業者は、市の規定に即した余熱利用施設の利用料金の収受を代行する。
2
2.審査方法等
(1)入札の方法
入札の方法は、地方自治法施行令(昭和 22 年政令第 16 号)第 167 条の 10 の 2 に規定する、
総合評価一般競争入札方式により実施した。
(2)落札者決定までの経過
落札者決定の経過は表 1 のとおりである。
表1
日
平成 24 年
落札者決定の経過
付
5 月 29 日(火)
内
容
入札公告
入札説明書等(入札説明書、要求水準書、落札者決
平成 24 年
5 月 29 日(火)
定基準、様式集、基本協定書(案)、特定事業契約書
(案)等)の公表
平成 24 年
6月
5 日(火)
~ 8 日(金)
平成 24 年
5 月 29 日(火)
~ 6 月 12 日(火)
現地見学会
入札説明書等に関する質問受付(第 1 回)
入札説明書等に関する質問回答(第 1 回)、入札説明
平成 24 年
6 月 26 日(火)
平成 24 年
7月
平成 24 年
7 月 10 日(火)
参加資格確認結果の通知
平成 24 年
7 月 25 日(水)
対面的対話の実施
平成 24 年
8月
3 日(火)
1 日(水)
~ 8 月 7 日(火)
書等(改訂版)の公表
参加表明書及び参加資格審査申請書類の受付
入札説明書等に関する質問受付(第 2 回)
平成 24 年
8 月 17 日(金)
入札説明書等に関する質問回答(第 2 回)
平成 24 年
9 月 18 日(火)
入札提案書類の受付
平成 24 年 11 月 13 日(火)
~14 日(水)
入札提案書類に関するヒアリング、審査
平成 24 年 11 月 21 日(水)
開札
平成 24 年 11 月 25 日(日)
最優秀提案者の選定
平成 24 年 11 月 29 日(木)
落札者の決定及び公表
3
(3)審査委員会の設置
提案審査は、公平性及び透明性を確保し専門的知見に基づく評価を行うことを目的に、学識
経験者を含む、以下の 6 名の委員により構成される審査委員会において行った。
[委員の構成](第 1 回審査委員会)
委
員
長
立本
英 機
千葉大学名誉教授
副委員長
水野
靖 久
船橋市
委
河邊
安 男
財団法人日本環境衛生センター
員
副市長
理事・環境工学部長
委
員
栗原
英 隆
社団法人全国都市清掃会議
技術顧問
委
員
安田
憲 二
一般社団法人国際環境研究協会
プログラムオフィサー
委
員
鈴 木 修 二
船橋市
建設局長
[委員の構成](第 2 回審査委員会から第 3 回審査委員会まで)
委
員
長
立本
英 機
千葉大学名誉教授
副委員長
水野
靖 久
船橋市
委
河邊
安 男
一般財団法人日本環境衛生センター
員
副市長
理事・環境工学部長
委
員
栗原
英 隆
公益社団法人全国都市清掃会議
委
員
安田
憲 二
一般社団法人国際環境研究協会
技術顧問
プログラムオフィサー
委
員
片山
壮 二
船橋市
建設局長
[委員の構成](第 4 回審査委員会から第 7 回審査委員会まで)
委
員
長
立本
英 機
千葉大学名誉教授
副委員長
山口
真 矢
船橋市
委
河邊
安 男
一般財団法人日本環境衛生センター
員
副市長
理事・環境工学部長
委
員
栗原
英 隆
公益社団法人全国都市清掃会議
委
員
安田
憲 二
一般社団法人国際環境研究協会
プログラムオフィサー
委
員
片山
壮 二
船橋市
4
建設局長
技術顧問
(4)審査委員会の開催経過
本件事業における審査委員会の開催経過は、表 2 のとおりである。
表2
日
審査委員会の開催経過
付
平成 24 年
2 月 21 日(火)
平成 24 年
4月
平成 24 年
5 月 11 日(金)
6 日(金)
平成 24 年 10 月 26 日(金)
平成 24 年 11 月 13 日(火)
平成 24 年 11 月 14 日(水)
平成 24 年 11 月 25 日(日)
内
容
第 1 回審査委員会
(事業概要及び実施方針(案)に関する説明)
第 2 回審査委員会
(事業者募集資料に関する審議)
第 3 回審査委員会
(事業者募集資料に関する審議)
第 4 回審査委員会
(提案審査)
第 5 回審査委員会
(事業者ヒアリング 1 日目)
第 6 回審査委員会
(事業者ヒアリング 2 日目、提案審査)
第 7 回審査委員会
(最優秀提案者の選定、審査講評事項の審議)
5
(5)落札者決定の手順
落札者決定の手順については、図 1 のとおりである。
資格審査申請書類の提出
資格審査
参加資格が
確認できない場合
失格
提案書等の提出
提案書の提出
入札書の提出
提案審査
提案書の
基礎審査
失格
基礎審査を
満たしていない場合
提案書の
定量化審査
開札
入札書比較価格を超えていた場合
失格
入札価格の
定量化審査
総合評価値の算出
最優秀提案者の選定
落札者の決定
※最優秀提案者を選定する審査委員会の事務は図中網掛け部分
図1
落札者決定の手順
6
(6)審査手順
ア
資格審査
資格審査は、参加表明書及び参加資格審査申請書等の提出書類により、入札説明書に記載
の入札参加者の備えるべき参加資格要件を満たしていることを事務局において確認した。
イ
提案審査
(ア)提案書の基礎審査
審査委員会は、提案書等に記載された内容が、落札者決定基準に示す基礎審査項目を満た
していることを確認した。確認内容は、表 3 のとおりである。
表3
確認内容
確認項目
内
容
入札書類の確認
・ 提出された入札提出書類がすべて揃っていること。
提案書の基礎審査
・ 提案書の内容が要求水準書に示す要求水準を満たしてい
ること。
・ 入札説明書及び様式集に示す提案書の作成に関する条件
について違反のないこと。
・ 提案書等全体について、同一事項に対する 2 通り以上の
提案又は提案事項間の齟齬、矛盾等がないこと。
(イ)提案書の定量化審査
a.審査項目及び配点
審査委員会は、表 4 に示す審査項目及び配点を設定し、提案書等に記載された内容につい
て、評価を行った。本件事業では民間事業者のノウハウを活かしたごみ処理サービスの効率
化を図るため、施設の整備並びに長期にわたる施設の安定稼働と公害防止基準の遵守、維持
補修や用役管理などを包括的に業務範囲とすることから、技術提案を重視した評価を行うも
のとした。よって、配点は、提案書の定量化審査を 60 点(全体 100 点)とした。
7
表4
審査項目及び配点
審査項目
審査
事項 大項目
中項目
小項目
1)設計・建設及び運営・維持管理業務に関する事項
配点
52点
①環境保全・公害防止対策に万全の措置を講じた施設
(a)公害防止基準
3点
(b)公害防止基準を満足するための取組み
2点
(a)デザインのコンセプト
1点
(b)デザインと景観形成
2点
(a)屋外配置動線計画
4点
(b)屋内配置動線計画
3点
(a)災害時の安全確保
2点
(b)爆発防止対策、火災対策
2点
(c)施工計画
1点
(d)作業環境
2点
(a)高効率ごみ発電施設における対応
2点
(b)粗大ごみ処理施設における対応
2点
(c)災害廃棄物への対応
1点
(a)トラブルの未然防止及び事後対策
2点
(b)基本性能の維持とメンテナンス
3点
(a)体制
2点
(b)搬入・搬出管理
1点
(c)運転・維持管理
1点
(d)監視
1点
(1)発電
(a)発電効率及び発電量
4点
(2)資源化及び最終処分
(a)資源化量及び最終処分量
2点
(1)地域への社会的貢献
(a)社会的貢献に対するコンセプトと貢献策
1点
(2)周辺住民との信頼関係の確立
(a)信頼関係の確立に対するコンセプトと確立方法
1点
(3)環境学習計画
(a)見学者対応及び環境学習計画
1点
(a)施設計画と衛生管理
2点
(b)事業性の向上策
4点
(1)環境保全
(2)景観
②ごみを安全に安定的に確実に処理する施設
(1)配置動線計画
(2)施設の安全性
(3)処理対象物の質・量の変動への対応
(4)施設の安定稼動
(5)運転管理
③積極的に資源の有効利用が図れる施設
④住民から信頼される施設
(4)余熱利用施設計画
2)事業計画に関する事項
8点
①経営計画・事業収支計画
(a)経営計画及び事業収支計画策定における基本方針と考え方
(1)事業収支計画
(b)資本金の設定及び構成員の出資比率の考え方
4点
(c)資金不足時のSPCへの支援
②リスク管理方法
(a)リスクの管理方針とその管理体制
(b)リスクへの対処方法に関する考え方
(1)リスクの管理と対処方法
(c)SPCに対するサポート方法と協議ルール
4点
(d)セルフモニタリングの実施内容と頻度
(e)保険活用の考え方と内容
合計点
60点
8
b.提案書の定量化審査に関する得点化方法
提案を求めている審査項目においては、表 5 に示す 5 段階評価により評価を行い、表 6 に
示す得点算定式により得点化を行った。なお、審査委員会は、最終的な評価を下す前に、提
案書に関するヒアリングを実施し、提案内容の確認等をしたうえで評価した。
表5
評価
審査基準
審 査 基 準
得点化方法
A
当該評価項目において特に優れている
配点×1.0
B
AとCの中間程度
配点×0.75
C
当該評価項目において優れている
配点×0.5
D
CとEの中間程度
配点×0.25
E
当該評価項目において優れているとは認められない
配点×0.0
表6
提案書に関する得点化方法
【提案書に関する得点算定式】
 当該入札参加者の 

 =
 提案書に関する得点 
 各審査項目の配点  審査基準
委員人数(6名)
(ウ)入札価格の定量化審査
入札価格の定量化審査においては、入札書に記載された入札金額が入札書比較価格を超え
ていないことを確認したのち、入札価格について、表 7 に示す得点算定式により得点化した。
なお、入札価格の得点は 40 点(全体 100 点)とした。
表7
入札価格に関する得点化方法
【入札価格に関する得点算定式】
当該入札参加者の
入札価格に関する得点
=
40点
×
2
入札書比較価格-入札価格
入札書比較価格-最低入札価格
+
40点
2
×
最低入札価格
入札価格
(エ)総合評価値の算出
提案書の定量化審査、入札価格の定量化審査により算出した各入札参加者の得点から、表 8
に示す算定式により、各入札参加者の総合評価値を算出した。
表8
総合評価値の算出方法
【総合評価値の算定式】
当該入札参加者の
総合評価値(100点)
=
当該入札参加者の
提案書に関する得点(60点)
( )内は各得点の配点を示す。
9
+
当該入札参加者の
入札価格に関する得点(40点)
3.最優秀提案者選定結果
(1)資格審査
平成 24 年 5 月 29 日に入札公告を行い、平成 24 年 7 月 3 日に参加表明書及び参加資格審査申請
書等を受け付けたところ、以下の 3 グループから申請があった。
資格審査にて当該グループの入札参加資格を確認し、平成 24 年 7 月 10 日に代表企業に対し、
入札参加資格を有することを書面にて通知した。
表9
グループ名
代表企業
参加表明書及び参加資格審査申請書等提出グループ
荏原環境プラントグループ
荏原環境プラント株式会社営業本部
タクマグループ
株式会社タクマ東京支社
川崎重工業グループ
川崎重工業株式会社東京事務所
株式会社タクマテクノス
構成員
株式会社クリーン工房
極東開発工業株式会社
KEE環境サービス株式会社
住友不動産エスフォルタ株式会社
シンコースポーツ株式会社千葉支店
株式会社大谷商事
鹿島建設株式会社
協力企業
木村建設工業株式会社
西松建設株式会社東関東営業所
株式会社間組千葉営業所
株式会社モリタ環境テック東日本営業部
京成建設株式会社
京葉都市開発株式会社
船橋興産株式会社
なお、審査委員会による提案書の定量化審査にあたっては、審査の公平性を期すため、提案書
等すべての書類において各企業グループ名は伏せ、グループ名をアルファベットで識別して評価
を行った。
各アルファベットと各企業グループ名の対照は以下のとおりである。
荏原環境プラントグループはAグループ、タクマグループはBグループ、川崎重工業グループ
はCグループとした。
(2)提案書の基礎審査
平成 24 年 9 月 18 日までに入札参加資格を有する 3 グループより提案書等が提出された。
提出された提案書等をもとに基礎審査項目に沿って基礎審査を行った。提案書等を提出した 3
グループは市が要求する水準を満足していること等が確認されたため、基礎審査に合格している
ものと認められた。
(3)提案書の定量化審査及び提案書に関するヒアリング
審査委員会は平成 24 年 10 月 26 日、平成 24 年 11 月 14 日に提案書の定量化審査を行った。審
査に際し、審査委員会による提案書に関するヒアリングを平成 24 年 11 月 13 日、11 月 14 日に実
施し、入札参加者から提案内容の説明や委員による質疑を行った。
定量化審査の審査項目について適確な提案がなされているかの審査を行い、提案書の定量化審
査に関する得点化を行った。なお、評価は市の要求する水準を満たしたうえで、より優れた提案
に対して評価を行う加点方式である。
審査結果は表 10 のとおりである。
10
表 10
提案書の定量化審査に関する得点結果
項目
配点
Aグループ
Bグループ
Cグループ
52点
29.10点
33.91点
29.91点
8点
4.42点
5.25点
4.71点
(a)公害防止基準
3点
1.63点
2.00点
1.63点
(b)公害防止基準を満足するための取組み
2点
1.08点
1.17点
1.25点
(a)デザインのコンセプト
1点
0.63点
0.75点
0.58点
1)設計・建設及び運営・維持管理業務に関する事項
①環境保全・公害防止対策に万全の措置を講じた施設
(1)環境保全
(2)景観
2点
1.08点
1.33点
1.25点
29点
16.72点
19.08点
16.37点
(a)屋外配置動線計画
4点
2.50点
2.33点
2.00点
(b)屋内配置動線計画
3点
1.88点
1.88点
1.50点
(a)災害時の安全確保
2点
1.25点
1.25点
1.25点
(b)爆発防止対策、火災対策
2点
1.08点
1.42点
1.08点
(c)施工計画
1点
0.63点
0.58点
0.54点
(d)作業環境
2点
1.17点
1.25点
1.25点
(a)高効率ごみ発電施設における対応
2点
1.17点
1.58点
1.25点
(b)デザインと景観形成
②ごみを安全に安定的に確実に処理する施設
(1)配置動線計画
(2)施設の安全性
(3)処理対象物の質・量
(b)粗大ごみ処理施設における対応
の変動への対応
2点
1.17点
1.33点
1.25点
(c)災害廃棄物への対応
1点
0.63点
0.71点
0.54点
(a)トラブルの未然防止及び事後対策
2点
1.08点
1.50点
1.17点
(b)基本性能の維持とメンテナンス
3点
1.75点
2.00点
1.63点
(a)体制
2点
0.83点
1.33点
1.33点
(b)搬入・搬出管理
1点
0.58点
0.67点
0.54点
(c)運転・維持管理
1点
0.50点
0.58点
0.54点
(d)監視
1点
0.50点
0.67点
0.50点
6点
3.33点
3.83点
3.42点
4点
2.33点
2.50点
2.50点
(4)施設の安定稼動
(5)運転管理
③積極的に資源の有効利用が図れる施設
(1)発電
(a)発電効率及び発電量
2点
1.00点
1.33点
0.92点
9点
4.63点
5.75点
5.41点
1点
0.63点
0.71点
0.71点
1点
0.54点
0.50点
0.54点
(a)見学者対応及び環境学習計画
1点
0.54点
0.71点
0.58点
(a)施設計画と衛生管理
2点
1.25点
1.33点
1.25点
(b)事業性の向上策
4点
1.67点
2.50点
2.33点
8点
4.00点
4.83点
4.33点
4点
2.00点
2.50点
2.33点
4点
2.00点
2.50点
2.33点
4点
2.00点
2.33点
2.00点
4点
2.00点
2.33点
2.00点
60点
33.10点
38.74点
34.24点
(2)資源化及び最終処分 (a)資源化量及び最終処分量
④住民から信頼される施設
(a)社会的貢献に対するコンセプトと貢献
策
(2)周辺住民との信頼関 (a)信頼関係の確立に対するコンセプトと
係の確立
確立方法
(1)地域への社会的貢献
(3)環境学習計画
(4)余熱利用施設計画
2)事業計画に関する事項
①経営計画・事業収支計画
(1)事業収支計画
(a)経営計画及び事業収支計画策定におけ
る基本方針と考え方
(b)資本金の設定及び構成員の出資比率の
考え方
(c)資金不足時のSPCへの支援
②リスク管理方法
(a)リスクの管理方針とその管理体制
(b)リスクへの対処方法に関する考え方
(1)リスクの管理と対処 (c)SPCに対するサポート方法と協議
方法
ルール
(d)セルフモニタリングの実施内容と頻度
(e)保険活用の考え方と内容
合計点
11
技術提案に関する事項の各審査項目についての講評は、表 11 のとおりである。
表 11
項
技術提案に関する事項の講評
目
講評
設計・建設及び運営・維持管理業務に関する事項
①環境保全・公害防止対策に万全の措置を講じた施設
・ 各グループとも、排ガスによる環境影響の低減に
配慮した運転基準値や要監視基準値を設定して
公害防止基準
いた点等を評価した。
・ Bグループについては、排ガスの停止基準を高い
レベルで設定している点を評価した。
環境保全
・ 各グループとも、船橋市光風みどり園に対し、騒
音の防止等に十分な配慮がなされている点等を
公害防止基準を満足するた
めの取組み
評価した。
・ Cグループについては、船橋市光風みどり園に対
する環境保全上の配慮として、複数の有効な提案
がなされている点を評価した。
・ 各グループとも、デザインコンセプトが明確に提
案されていた点等を評価した。
デザインのコンセプト
・ Aグループ及びBグループについては、周辺地域
の状況を踏まえたコンセプトである点を評価し
た。
景観
・ 各グループとも、良好な景観形成への配慮や船橋
市光風みどり園に対する圧迫感の低減などに十
デザインと景観形成
分な配慮がなされている点等を評価した。
・ Bグループ及びCグループについては、コンセプ
トと整合のとれたデザインである点を評価した。
②ごみを安全に安定的に確実に処理する施設
・ 各グループとも、ゾーニングによる車両の動線分
離や一般持込車両の円滑な誘導について、十分な
屋外配置動線計画
配慮を行っている点等を評価した。
・ Aグループについては、一般持込車の動線計画で
十分な配慮がなされていた点を評価した。
配置動線計画
・ 各グループとも、施設全体の諸室、機器配置にお
いて工夫がみられる点等を評価した。
屋内配置動線計画
・ Aグループについては、受入後の粗大ごみの移送
に十分な配慮がなされている点を評価した。
・ Bグループについては、プラットホームにおける
安全性の確保に工夫がみられる点を評価した。
・ 各グループとも、東日本大震災での経験を踏まえ
施設の安全性
災害時の安全確保
た具体的な安全確保の方策が示されていた点等
を評価した。
12
項
目
講評
・ 各グループとも、爆発・火災の原因となるごみに
対する受入時、機器投入時の対策が示されていた
爆発防止対策、火災対策
点等を評価した。
・ Bグループについては、機器での対策に加え、作
業員による手選別を提案した点を評価した。
・ 各グループとも、建設工事及び解体工事を通じ
て、周辺への十分な配慮がなされている点等を評
施設の安全性
施工計画
価した。
・ Aグループについては、解体工事の周辺環境対策
で事前シミュレーションを踏まえた具体的な提
案がなされている点を評価した。
・ 各グループとも、リスクアセスメントに基づく、
良好な作業環境の確保が提案されている点等を
作業環境
評価した。
・ Bグループ及びCグループについては、想定され
る労働環境の懸念事項に対して、的確な対応方法
が提案されている点を評価した。
・ 各グループとも、可燃ごみの変動に対し、処理能
力に十分な余裕が設定されている点等を評価し
高効率ごみ発電施設におけ
る対応
た。
・ Bグループ及びCグループについては、処理対象
物の質・量の変動に対して、安定して発電を行う
ことが期待できる具体的なシステムの提案がな
されている点を評価した。
・ 各グループとも、処理能力に十分な余裕が設定さ
れているとともに、ピーク時への対応にも配慮し
処理対象物の
質・量の変動へ
の対応
た工夫等を評価した。
粗大ごみ処理施設における
対応
・ Bグループについては、粗大ごみの組成変化に対
応可能な機器構成としている点を評価した。
・ Cグループについては、ピーク時における市民へ
の広報等が充実している点を評価した。
・ 各グループとも、市の計画を上回る災害廃棄物の
受入量が設定されている点等を評価した。
・ Aグループについては、災害時のサポート体制が
災害廃棄物への対応
充実している点を評価した。
・ Bグループについては、災害廃棄物処理の経験に
基づき、多様な性状の災害廃棄物についても具体
的な対応策の提案がなされている点を評価した。
13
項
目
講評
・ 各グループとも、災害時に備えた用役確保など、
施設の稼働継続に配慮した提案がなされている
トラブルの未然防止及び事
後対策
点等を評価した。
・ Bグループについては、東日本大震災の経験を踏
まえた備蓄等の提案について、詳細かつ具体的な
提案がなされている点を評価した。
施設の安定稼動
・ 各グループとも、30 年間の施設利用を見据えた
維持管理に十分な配慮がなされている点等を評
基本性能の維持とメンテナ
ンス
価した。
・ Bグループについては、事業期間内だけでなく事
業終了後においても基本性能の維持を期待でき
る提案がなされている点を評価した。
・ 各グループとも、SPC と構成企業における役割分
担が明確に示されている点等を評価した。
・ Aグループについては、運営・維持管理業務にお
体制
ける人員体制に検討の余地があると評価した。
・ Bグループ及びCグループについては、各施設に
十分な人員を配置されている点を評価した。
・ 各グループとも、搬入物のチェック方法に工夫が
運転管理
搬入・搬出管理
みられる点等を評価した。
・ 各グループとも、平常時及び緊急時における適切
な連絡体制の構築がなされている点等を評価し
運転・維持管理
た。
・ 各グループとも、性能保証事項を満足するための
監視
プラント状況の監視について、工夫がみられる点
等を評価した。
③積極的に資源の有効利用が図れる施設
・ 各グループとも、交付要件以上の高い発電効率を
提案している点等を評価した。
発電
発電効率及び発電量
・ Bグループ及びCグループについては、年間売電
電力量の最大化が高いレベルで図られている点
を評価した。
・ 各グループとも、資源化量の増大と最終処分量の
低減に対し、具体的な方策の提案があった点等を
評価した。
資源化及び最終
処分
資源化量と最終処分量
・ Bグループについては、資源化量の最大化及び最
終処分量の最小化が高いレベルで計画されてい
る点を評価した。
・ Cグループについては、資源化量の計画に検討の
余地があると評価した。
14
項
目
講評
④住民から信頼される施設
・ 各グループとも、地域経済への配慮として最大限
地域への社会的
貢献
社会的貢献に対するコンセ
プトと貢献策
地元企業を活用することが計画されていた点等
を評価した。
・ 各グループとも、運営時の積極的な情報公開や周
周辺住民との信
頼関係の確立
信頼関係の確立に対するコ
ンセプトと確立方法
環境学習計画
見学者対応及び環境学習計
画
施設計画と衛生管理
辺住民との連携に向けた提案がなされていた点
等を評価した。
・ 各グループとも、見学者に分かりやすい設備や計
画が提案されている点等を評価した。
・ 各グループとも、ニーズの把握による適切な施設
計画が提案されている点等を評価した。
・ 各グループとも、施設の魅力の向上策や集客に向
余熱利用施設計
画
事業性の向上策
けた具体的な提案を評価した。
・ Aグループについては、更なる事業性の向上策に
検討の余地があると評価した。
事業計画に関する事項
①経営計画・事業収支計画
経営計画及び事業収支計画
策定における基本方針と考
え方
事業収支計画
資本金の設定及び構成員の
出資比率の考え方
資金不足時のSPCへの支
援
②リスク管理方法
リスク管理方針とその管理
体制
リスクへの対処方法に関す
る考え方
リスクの管理と
SPCに対するサポート方
対処方法
法と協議ルール
セルフモニタリングの実施
内容と頻度
保険活用の考え方と内容
・ 各グループとも、事業収支計画や資金不足時の対
応に関して、安定した事業継続が期待できる計画
となっていた点、資本金の出資構成について構成
員の役割が反映されていた点等を評価した。
・ 各グループとも、リスクに対する検討が十分なさ
れており、かつ、安定した事業継続が期待できる
SPC へのサポート方法、セルフモニタリングや保
険の付保が提案されていた点等を評価した。
15
(4)入札価格の定量化審査
提案書等を提出した各入札参加者の立会いのもとで平成 24 年 11 月 21 日に開札を行い、予定価
格の範囲内であることを確認した。
審査委員会は、開札結果の報告を受け、入札価格の定量化審査に関する得点化を行った。得点
化の結果は、表 12 のとおりである。
表 12
入札価格の定量化審査に関する得点結果
入札金額(税抜)
グループ名
設計・建設
業務に係る対価
得点
(40点満点)
運営・維持管理
業務に係る対価
荏原環境プラントグループ
21,400,000,000円
12,889,000,000円
8,511,000,000円
40.00点
タクマグループ
26,944,000,000円
15,094,000,000円
11,850,000,000円
27.08点
川崎重工業グループ
25,122,500,000円
15,300,000,000円
9,822,500,000円
31.13点
(5)総合評価値の算出
平成 24 年 11 月 25 日に「提案書に関する得点」、「入札価格に関する得点」を加算して、表 13
のとおり総合評価値を算出した。
表 13
総合評価値の算出結果
提案書
に関する得点
(A)
入札価格
に関する得点
(B)
荏原環境プラントグループ
33.10点
タクマグループ
川崎重工業グループ
グループ名
総合評価値
(A)+(B)
入札価格
(税抜)
落札率
40.00点
21,400,000,000円
62.9%
73.10点
38.74点
27.08点
26,944,000,000円
79.3%
65.82点
34.24点
31.13点
25,122,500,000円
73.9%
65.37点
(6)最優秀提案者の選定
審査委員会は、上記の結果に基づき「荏原環境プラントグループ」を最優秀提案者として選
定した。
16
4.総評
本件事業は、船橋市が保有する2つの清掃工場のうち、北部地域に立地する北部清掃工場の建て替
え事業である。本件事業では、可燃ごみを適正に処理するための焼却施設、粗大ごみの処理施設を一
体的に整備するだけでなく、
ごみの焼却処理による熱を活用した余熱利用施設を同一敷地内に整備し、
15 年間の運営・維持管理を行うとともに、既存の北部清掃工場を解体する複合事業である。
新たに整備する北部清掃工場は、15 年という長期の事業期間にわたって、可燃ごみ、粗大ごみを安
全かつ安定的に処理するだけでなく、高い公害防止性能により地域への環境負荷を可能な限り低減す
る施設であることが求められている。さらに、建設地に隣接する障害者授産施設に対しては、施設利
用者への影響を与えないよう、より一層の配慮が必要となっている。
北部清掃工場と一体的に整備を行う余熱利用施設は、北部清掃工場の余熱を活用し、温浴機能や健
康増進のための機能を有し、市民が憩い、集う施設としての整備・運営が求められている。
さらに、本件事業においては、東日本大震災の経験を踏まえ、災害に強い施設として、ごみ処理を
継続するための配慮や危機管理体制の構築など、施設機能を保持していくための十分な配慮が求めら
れている。
このような背景を踏まえ、施設の設計・建設及び運営・維持管理を一括して事業期間を通して発注
する DBO(Design-Build-Operate)方式を採用しており、民間の創意工夫による提案を取り入れた良質
な設計・建設業務と、効率的かつ効果的な運営・維持管理業務を期待するものである。
入札に参加した 3 グループの提案は、本件事業の目的や各業務の内容について市が要求する水準を
上回る提案内容であった。3 グループにおいては、提案内容が多岐にわたることから、提案書の作成
において多大な労力及び費用負担があったことが想定される。そうしたなかで提案をまとめた入札参
加者の熱意に敬意を表するとともに、深く感謝する。
提案審査においては、提案書及び入札価格に対して厳正なる審査を行った結果、荏原環境プラントグ
ループによる提案が、市の期待する創意工夫と事業の効率性を高いレベルで両立していると評価された
ものであり、最優秀提案者として選定するに至った。
当審査委員会における審議では、荏原環境プラントグループの提案内容に対して、以下に示す配慮
事項が挙げられた。
 人員体制では、高効率ごみ発電施設及び粗大ごみ処理施設における運営・維持管理業務におい
て、施設の安定稼動等を損なうことがないような対応を期待する。
 余熱利用施設においては、施設利用者の増加に向けた検討を継続して行い、更なる事業性の向
上が図られることを期待する。
今後は、市と荏原環境プラントグループが連携しつつ事業を実施していくことになる。同グループ
は、市が要求する水準を上回る提案であるが、上記の配慮事項について入札及び契約の公平性を妨げ
ない範囲において本件事業をより良いものとするために市と十分な協議を行い、真摯な対応に努め、
今後の事業期間にわたり質の高い公共サービスを提供するよう期待する。
平成 25 年 1 月
船橋市北部清掃工場
整備・運営事業者選定審査委員会
17
委員長
立本
英機