異なる寄主齢に対する寄生蜂セグロカマバチの 性 - MIUSE - 三重大学

異なる寄主齢に対する寄生蜂セグロカマバチの
性配分 と寄主選好
三重大学大学院
生物資源学研究科
生物圏生命科学専攻
昆虫生態学研究室
増田
実
目次
1.緒言
2.材料と方法
3.結果
3.1 寄生蜂の大きさと日齢が性比に与える影響
3.2 他齢期個体存在が性比 に与える影響
3.3 寄主齢に対する選好性
4.考察
1
0
4.1 寄生蜂の大きさと日齢が性比に与える影響
1
0
4.2 他齢期個体存在が性比に与える影響
1
2
4.3 寄主齢 に対する選好性
1
3
5.摘要
1
5
6.謝辞
7
1
7.引用文献
1
8
8.図
21
1
.
緒言
寄生蜂の性 は、単数倍数性 によって決ま り、母バチは 自分の子 の性 を決定できるため、
状況 によって性比は著 しく変化す る。多 くの殺傷型寄生蜂では、小 さい寄主にはオス、大
きい寄主にはメスを産みやすい ことが知 られてい る (
G
o
d
f
r
a
y, 1
9
9
4;C
h
a
r
n
o
v, 1
9
8
2
)
0
これ は、殺傷型寄生者 に とっては、寄生後 に寄主が成長 しないため、寄生時の寄主サイズ
がそのまま幼 虫の利用できる資源量 となるため、大 きい寄主か らは大きい成 虫が、小 さい
寄主か らは小 さい成 虫が羽化す ることと、寄生者 の体サイズが大 きい ことによる利益 はオ
C
h
a
r
n
o
v,1
9
8
2
)
。厳密 には、産卵
スよ りもメスの方が高いためであると考 え られてい る (
メスが これ まで遭遇 した寄主の大 き さと比べて、相対的に大 きい寄主にはメスを、相対的
に小 さい寄主にはオスを産むべ きであると予想 され る (
C
h
a
r
n
o
v,1
9
8
2
)
。
しか し、性比
が寄主の相対的大 き さに反応す ることを調べた研究はあま り多 くない。 これ まで研究 され
てきた寄生蜂種の中には、性決定 を相対的な大 きさを基 に行 ってい る種 もいるが (
o
d
ea
n
d
・He
i
n
z
,2
0
0
2;C
h
o
wa
n
dH
ei
n
z
,2
0
0
5
)、寄主の絶対的な大 き さを基 に行 ってい る種 もい る
(
G
o
d
f
r
a
y
,1
9
9
4
)
0
セ グロカマバチ Ec
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n)、セ ジ ロ ウンカ
イ ネ の害 虫で あ る ヒメ トビ ウンカ (
(
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t
h
)、 トビイ ロウンカ (
Nl
'
1
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pa
z
・
v
at
al
u
ge
DSS
t
al
)の寄生蜂
1
である。セ グロカマバチに寄生 された寄主は、寄生蜂が蛸化す るまで摂食 し生 き続 けるが、
寄生 され てか らは次の齢 に進 まない。寄生 されてか らも寄主が生 きていて摂食す る`
点 で、
厳密 には、殺傷型寄生者 とは言 えないが、脱皮 しないため産卵時の寄主の大 き さは子 の利
1
9
9
6
)
、
用可能 な資源量の 目安 となる と考 え られ る。セ グロカマバチの生態 については、高山 (
Y
a
ma
d
a&I
m
ai(
2
0
0
0
)、Y
a
m
a
d
a&I
k
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w
a(
2
0
0
3
,2
0
0
5
)、 I
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o&Y
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a(
2
0
0
5
,2
0
0
7
)、伊
藤 (
2
0
0
9
) によって明 らかに されてきたが、性配分 の研究はまだ不十分 である。高山 (
1
9
9
6
)
は、本種 では寄主齢期 が高 くなるほ ど性比 (
オス率)は低 くな るこ とを明 らかに した。 そ
して、上 山 (
2
0
0
6
)は 5齢寄主 と 4齢寄主の混合集 団を与 えた場合 、4齢寄主のみの集団を
与 えた場合、3齢寄主 と 4齢寄主の混合集団を与 えた場合 における 4齢寄主に対す る性比 を
比べ る と、3者 の内、後 ほ どオス率が低 くなることを示 した。この ことか ら、本種 の性配分
は寄主の相対的大 きさに影響 され るこ とが示唆 され るが、上 山 (
2
0
0
6
)では、サ ンプル数
が少 ないため、再試験す ることが望まれ る。
一方、寄生蜂の体サイズが性比 に影響 してい る可能性がある.例 えば、pac
hyc
re
pbl
'
deu
s
v
l
'
Dde
ml
'
aeでは、小 さな寄生蜂 は、同 じ大 きさの寄主に対 し、大きな寄生蜂 よ りメスよ りの
性比で産卵す る (
M
o
r
ri
s&Fel
l
o
we
s
,2
0
0
2
)
。 また、寄生蜂 の大 き さは、寄主選好 に影響
を与 えるか も しれ ない。 T
l
1
'
c
ho
g
Ta
mm
ab
TaSSl
'
c
aeに近縁の寄生蜂においては、大きなメス
Bj
o
r
ks
t
e
n&H
o
f
f
m
a
n
n
,1
9
9
5
,1
9
9
8
)
0
は小 さなメスに比べて小 さな寄主- の攻撃が少 ない (
2
0
0
6
)は、産卵 メスの大 き さの影響 を解析 しよ うとしたが、サ ンプル数 が少 な く結論
上山(
2
を出すまでには至 らなかった。
そ こで、今回の研究では上山の研究 と同様、3齢、4齢、5齢の ヒメ トビウンカを用い、4
齢のみ、5齢のみ、3齢 と 4齢の混合、4齢 と 5齢の混合、 とい う構成の寄主集団をセ グロ
カマバチに遭遇 させ、それがセ グロカマバチの性決定に及 ぼす影響 を調べた。 また、同 じ
構成の ウンカ集団を 2 日連続 して与えることによって、前 日の寄主遭遇経験が性比に及ぼ
す影響 も調べた。加 えて、寄主齢 とその構成が寄主選好 に及 ぼす影響 を調べた。 また、産
卵メスの体サイズ (
頭幅) を測 り、それが性比および寄主選好 に及 ぼす影響 も調べた。
3
2.
材料 と方法
本実験 に使用 したセ グロカマバチ (
以降カマバチ と略) とヒメ トビウンカ (
以降 ウンカ
と略)は、 1
99
2年 に三重県津市三重大学構 内 と三重大学付属農場で採取 し、2 つの系統 に
分 け恒温室 (
25±1
℃ 、1
6時間明期 :8時間暗期)で累代飼育 した ものであった。 また、す
べての実験 は、 これ と同 じ温度 と日長の恒温室内で行 った。
ウンカは、各齢期 とも、寄主 として適 している脱皮後 0-1日齢 を用いた。まず、実験 の
前 日に、実験 に使 う齢期の 1つ前の齢期で、脱皮間近の個体 を、実験 に使用す る頭数の約 2
倍 の頭数 を大量飼育ケージか ら取 り出 した。そ して実験までの間、湿 った脱脂綿 で根 を包
5本 を 2つ入れた円筒型 プラスチ ックケージ (
3
6
0
ml;内径 90
m ,高
んだイネの芽だ し約 1
さ5
0
m) で飼育 した。 これ を実験 に使 う齢期 ごとに用意 し、実験の当 日、脱皮 して 目的の
齢期 になっているものだけを用いた。
カマバチは、飼育ケージか ら繭を採取 し、プラスチ ックチューブ (
0.
5
ml
) に個別 に入れ
て羽化 させ た。羽化 したメスのカマバチは、円筒型 プ ラスチ ックケージ (
360
ml
) に、水、
5本、水で薄めた蜂蜜 (
50
%)を含 ませた脱脂
、湿 った脱脂綿 で根 を包んだイネの芽だ し約 1
綿 を入れて個別 に飼育 した。蜂蜜水溶液 は発酵 と乾燥 によ り劣化す るため、毎 日新 しい も
の と取 り替 えた。 カマバチに、実験前 に全ての寄生可能寄主齢 に遭遇 させ るため、毎 日 3
,
4,5齢 ウンカの 0日齢 に近い もの (
腹部が膨張 していない個体)をウンカの大量飼育ケ-
4
ジか ら取 り出 し、それぞれ約 1
0頭与 えた。 また、交尾 させ るために 1
0年以上隔離 して飼
育 してい る異系統のオス 1頭 をプ ラスチ ックケージに入れ、実験 までにオスが死んでいた
らその都度新 しいオスを入れた。実験 には、6日と 7日齢 のカマバ チを使用 した。
5本 2つ、蜂蜜水溶液、水の入 った円筒
実験 は、湿 らせた脱脂綿 で根 を包 んだ芽だ し約 1
型 プ ラスチ ックケー ジで行 った。 このケー ジは、実験用 ウンカを用意す るため とカマバチ
を飼育す るために使 ったケー ジ と同 じタイプの ものである。 このケー ジに以下に示す齢期
と頭数の寄主集団のいずれかを入れ た。
① 4齢 60頭
② 5齢 60頭
③ 4齢 30頭 と 5齢 30頭
④ 3齢 60頭 と 4齢 60頭 (
3齢 は寄主 としてあま り好 まれないので、寄生可能寄主数 をそ
ろえるために 4齢 を 60頭 とした)
カマバチの 日当た り産卵数 は多い ときで も 35 前後であるので (
山 口, 1
997)、与えた ウン
カの量は、その実現 を十分保 障す る と考 え られ る。齢期が異 なる ウンカ を入れ る ときは、
両齢期が交 じり合 うよ うに ウンカ をケー ジ内に配置 した。
カマバチが 6 日齢 になった ら、暗期 か ら明期 に替わって 5分以内にカマバチを上記の実
験 ケージに入れた。24 時間後 に新 しく用意 した前 日と同 じ齢期 と個体数 の寄主集団が入 っ
たプラスチ ックケージにカマバチを移 し、24 時間後 にカマバチをプ ラスチ ックケー ジか ら
5
取 り出 した。その後 ウンカは、3
0
mlサンプル管にハイポネ ックス水溶液で湿ち せた脱脂綿
出現の場合
で包んだ芽だ し 4-5本 を入れ、個別 に飼育 した。そ して幼 虫嚢の出現の有無 (
はその数) と羽化成 虫の性 を記録 した。
Y
a
m
a
d
a& I
m
ai
,2
0
0
0
)
。寄生後、2
5
℃では
カマバチは ウンカの胸部 に卵 を産み付 ける (
6
0時間以上経過す る と、産卵 した箇所か ら幼虫嚢 となって体外 に現れ る (
Y
a
m
a
d
a&I
k
a
w
a
,
2
0
0
5
)
。 この幼虫嚢出現 を、カマバチの産卵の 目安 とした。回収 したカマバチは死後、顕微
l
o
o情) に取 り付 けた接眼マイクロメーターで頭幅 を測定 した。
鏡 (
性比 と寄主受入 に対す るウンカの齢期、供試 ウンカの齢構成、カマバチの大きさ、産卵
日 (
実験第 1日目か 2日目か)の影響 を、一般化線形モデル を使 って解析 した。
6
3.結果
3. 1 寄生蜂の大きさと日齢が性比に与える影響
4齢のみを与えた場合、ロジスチ ック回帰分析の結果、カマバチの大きさと日齢の間に交
互作用はなく、カマバチが大きくなるほ どオス率が高 くな り、 日齢が進む とオス率は減少
Ⅹ2
=8.81
,df=1
,P=0.0030 (
大きさの影響),x2=1
4.
46,df=1
,P=0.0001 (日齢の影響),
した (
図 1)。それ以外の供与寄主においては、カマバチの大きさが性比に与える影響はなかった。
また、カマバチをカテ ゴリ要因 として置き換 えても有意な影響 を与えなかった。
5齢のみを与えた場合のオス率は、6 日齢では平均 1
4.
2
%であったのに対 し、7日齢では
x2
=3.39,df=1
,P=0.0654,
平均 24.4%とな り、6 日齢に比べ高 く、その差は有意に近かった (
図 2)04齢 と 5齢 を同時に与えた場合の 5齢 におけるオス率は、6日齢 と 7日齢の間に有意
2.8
%(
6 日齢)
,1
8.1
%(
7日齢)
,Ⅹ2=1.49,df=1
,
な差は見 られなかった (
平均オス率 :1
P=0.221
5,図 3)。一方、4齢 と 5齢 を同時に与えた場合の 4齢におけるオス率は、 日齢 に
00
%であった (
図 4)0 3齢 と 4齢 を同時に与えた場合の 4
拘 らずほ とん どの個体において 1
齢 におけるオス率は、6日齢 と 7日齢の間に有意な差は見 られなかった (
平均オス率 :88.1
%
.3
%(
7日齢)
,x2=1.76,dr=1
,P=0.1
846) が、頭幅は有意 に近い影響 を与えた
(
6 日齢),81
(
x2
=3.43,df
=1
,P=0.0641
,図 5)。一方、3齢 と 4齢 を同時に与えた場合の 3齢 におけるオ
7
ス率は、 日齢に拘わ らず全ての個体で 1
00
%であった。
3. 2 他齢期個体存在が性比に与える影響
3,
4齢 を与えた場合 と 4齢のみを与えた場合の 4齢か ら羽化 した子のオス率は、後者の方
x2
=1
0.58,df
=1
,P=0.0011 (
6と 7日齢の混合)
,x2=1.88,df=1
,P=0.1702 (
6
が低 くな り (
日齢),x2=1
0.38,df=1
,P=0.001
3(
7日齢)
,図 6)、 日齢、頭幅による影響は有意ではなか
った。一方 、4齢のみを与えた場合 と4,
5齢 を与えた場合の 4齢か ら羽化 した子のオス率は、
後者の方が高 くな り (
x2
=40.27,df=1
,P〈O.0001 (
6と 7日齢の混合)
,x2=6.1
6,df=1
,
P=0.01
30(
6日齢)
,x2=39.72,df=1,P〈O.0001(
7日齢)
,図 6)、頭幅の影響はなかったが、
6 日齢 より 7日齢でその傾向が顕著になった (
x2
=7.79,df=1
,P=0.0053 (日齢 と寄主齢構成
の間の交互作用))
。一方、5齢のみを与えた場合 と 4,5齢 を与えた場合の 5齢か ら羽化 した
子のオス率を比較 した場合は、有意な違いはなく(
x2く
0.01
,df=1,P=0.9780 (
6と 7日齢の
6 日齢)
,x2=0.08,df=1,P=0.7819 (
7日齢)
, 図 7)、
混合),x2=0.23,df=1,P=0.6326 (
日齢、頭幅の影響 もなかった。
3. 3 寄主齢に対す る選好性
3,
4齢を与えた場合、3齢はほとん ど寄生 されず、4齢が選好 された (
図 8)。被寄生寄
8
主全体の うち 3齢が占める割合に対す る、寄生蜂の大きさと日齢の影響 をロジスチ ック回
帰分析 によって調べたが、大きさと日齢の間には有意な相互関係があった (
x2
=1
0.74,df=3,
P =0.01
3)。 そ こで、 日齢期別 に解析す ると、6日齢ではカマバチが小 さくなると、3齢 を
x2
=7.38,df
=1
,P=0.0066)、7日齢ではそ うでなかった (
x2
=0.28,df
=1
,
好みやすかったが (
P =0.5955)。一方、4,
5齢 を与えた場合は、4齢 と 5齢の好みはカマバチの大きさによっ
x2
=1
6.80,df=1
,P 〈 O.0001
)、小 さい個体は、4齢 を好み大きい個体は 5
て明瞭に異な り(
齢 を好んだ。 日齢 による差はなかった (
図 9)
0
9
4.考察
4. 1 寄生蜂の大 き さと日齢 が性比 に与える影響
4齢 のみを2日間連続 して与 えた場合 、6日齢 よ りも7日齢 の方 でオス率が低 くなった。
方、5齢 のみ を与 えた場合 は6日齢 の方が7日齢 よ りオス率が有意 ではないが低 くなった。 こ
れ は、それぞれ、前 日に多 く産んだ性 を翌 日は控 えるためであると思われ る。実験前 日ま
では、3-5齢の寄主に遭遇 していたため、それ に基づ き6日齢 において性配分 した と思われ
るが、7日齢 においては、6日齢 に経験 した寄主の構成 に従 って、4齢 の場合 は前 日のオスの
産みす ぎを、5
齢の場合 は前 日のメスの産みす ぎを補正 した と思われ る。一方、異なる齢期
の寄主を混合 して与 えた場合 は 日齢 による大きな違いはなかった。 これは、6日齢 の とき遭
過 した寄主齢構成 が、実験前 日までの寄主齢構成 と、性比配分 を大 き くかえるほ どの変化
がなかったためと考 え られ る。前 日経験 した寄主齢構成 によって性配分 を決 めてい ること
は、カマバチ以外 にDl
'
gl
J
Phu
sl
'
s
ae
a(
Hymenoptera:Eul
ophidae)で知 られてい る (
Ode&
Hei
nz,2002;Chow & Hei
nz,2005)
また、4齢 のみを与えた場合、カマバチの頭幅 と子のオス率の間に正の相関があった。こ
の ことか ら、小 さなカマバチは大 きなカマバチに比べ、4齢 をよ り大 きな寄主 として扱 って
い ると思われ る。一方、5齢 のみを与 えた場合 は、カマバチの頭幅 と子 のオス率の間に有意
1
0
な関係はなかった。 したがって、5齢はカマバチのサイズに関わ らず、いっ も大きな寄主 と
して扱われ ると考えられ る。
寄生蜂のサイズによって性配分が変化す るのは、単に、寄主の大きさを寄生蜂 自身の大
きさを基 に測定 しているためであって、それに、適応的な意味はないか も知れない。 しか
し、最近、He
nryetal
.(
2009)は、多 くの寄主種に寄生可能な種においては、もし、異な
る生息地では異なる優 占種が数世代にわたって継続す る場合 は、大 きさによる性配分の変
化は適応的意味を持つ可能性があることを指摘 した。例 えば、小 さい寄主種か らなる環境
に寄生蜂が侵入 した場合、次世代の寄生蜂は、小 さくな り、そ して、それ らが手に入れ ら
れ る寄主 も相対的に小 さい個体が多いため、寄生蜂の大きさに応 じた性配分が適応的にな
るのである。セグロカマバチもウンカ 3 種に寄生可能で、 ウンカの大きさも異なる。その
ため、 こ ういった考えが適用できることがあるかも知れない。 しか し、同 じ寄主種の異な
る齢期 に産卵 して異なる大きさの個体が羽化す る場合、寄生蜂の大きさに伴 う性配分の変
化に適応的意味を兄いだす ことは難 しい。 しか し、この傾向の適応性 を考える上で、次の 2
つの要因が重要であるか もしれない。 1)小 さなカマバチは大きなカマバチ よ りも寿命が
短いため (
山口, 1
997
)、大きい寄主に遭遇す るまでに、あるいは 目の前にいる小 さい寄主
が発育 して大きくなるまでに死亡す る可能性が高い。 2) 小 さい寄生蜂にとって、大きい
寄生蜂が寄生す る場合 よ り、産卵に伴 うコス トが大きいか も知れない。 このことは、小 さ
いカマバチは大きなカマバチに比べて 5齢 を好まない とい う結果か らも支持 され る。 しか
ll
し、これ ら 2つの要因がどのよ うに性配分に影響を与えるかは、現時点では、不明である。
5齢寄主に対 しては、寄生蜂の大きさの影響はなかったが、これは、5齢の大きさが、小 さ
い個体に とって も大きい個体に とっても、大きい と認識 され るほ ど大きいためであると説
明できる。
4. 2 他齢期個体存在が性比に与える影響
4齢のみを与えた場合 と 4,
5齢 を与えた場合の 4齢か ら羽化 した子のオス率を比べると、
後者の方が高 くなった。 このことか ら 5齢寄主の存在が、カマバチに 4齢 を小 さい寄主 と
して認識 させやす くしていると考 えられ る。 この結果は、寄主の相対的な大 きさに応 じて
1
982)の寄主質モデルの予想に当てはまる。
性配分す るとい うcharnov(
一方、4齢のみを与えた場合 と 3,
4齢 を与えた場合の 4齢か ら羽化 した子のオス率を比べ
1
982)の予想 に当てはま らない。この解
ると、後者の方が高 くなった。この結果は Charnov(
釈 として、本実験では、3,
4齢 を与える処理においては、各齢 60頭、計 1
20頭の寄主を与
えた。その処理によって、カマバチが、他の寄主構成 (
4,
5齢、4齢のみ、5齢のみ)を与
える処理の 2倍の寄主密度のパ ッチにいる状況が作 り出された。カマバチの 日当た り産卵
数は 20-30頭であ り (
山口, 1
997)、このパ ッチは 1頭のカマバチが数 日間滞在す るのに
十分な量の寄主が存在する状態である。従 って、カマバチは将来同パ ッチで 5齢寄主が増
1
2
え、メスを産む機会が増 えることに備 えて、相対的に老齢 にも拘わ らず、その時点ではオ
スを多 く産み、若齢には産卵 を控 えたのかも知れない。
一方、5齢のみを与えた場合 と 4,5齢 を与えた場合の 5齢か ら羽化 した子のオス率を比べ
ると、有意な違いはなかった。 このことか ら、カマバチは周囲の状況に関わ らず常に 5齢
を大きい寄主 として認識 していると考 えられ る。
4. 3 寄主齢に対す る選好性
4齢 を与えた場合は 4齢に優先的に産卵 した。これは、寄主が大きいほ う
カマバチは、3,
が得 られ る適応度上の利益 (
子の生存率,羽化時の大 きさ)が大きいため と思われ る (
高
996)
。一方、4,5齢 を与えた場合の選好性は、カマバチの大きさに依存 した。つま り、
山,1
大きいカマバチほ ど、若齢寄主に寄生す るのを控えた。 3,
4齢 を与えた場合 にも、6日齢時
には小 さいカマバチは他個体 よ り 3齢 をより好んだが、その傾 向は、カマバチ 1個体の選
好 に大きく依存 して生 じていた し、7日齢にはそ ういった傾 向が見 られなかった。そのため、
3,
4齢 を与えた場合は、選好性 に与えるカマバチサイズの影響は弱い と考えられ る。
大きな寄主に産卵す ることは、カマバチの子に とって有益である。何故な ら、寄主サイ
ズ と子の体サイズの間には正の相 関があ り、体サイズが大 きいことは、寿命 の増加、成熟
卵保有数の増加 な どの利益 をもた らすか らである。 しか し、一方で、大きな寄主に産卵す
1
3
ることは、ハ ン ドリングタイム、捕獲の難度、消費エネル ギーの増加、寿命 の減少 な どの
コス トを伴 う可能性がある。特に、寿命の減少のコス トは大きい可能性がある (
Fi
n
k
ela
n
d
,2
0
0
0;Ni
l
s
s
o
n
,2
0
0
2
)
。小 さなカマバチに とって、 これ らの コス トは大 きなカ
Hol
b
r
o
o
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マバチ よ りも深刻 であるか もしれない。その場合、小 さなカマバチに とっては、大 きなコ
ス トを伴 う大きな寄主に産卵す るよりも、産卵す る寄主サイズを小 さくす ることによ り、1
産卵 当た りに掛かるコス トを低 くして、小 さい寄主によ り頻繁 に産卵 した方が適応的 とな
るのかもしれない。
1
4
5.摘要
寄生蜂セ グロカマバチに、寄主 ヒメ トビウンカを①4齢のみ、② 5齢 のみ、③ 3齢 と 4齢
の混合、④4齢 と 5齢の混合 のいずれかの齢期構成で 2 日連続 して与 え、セ グロカマバチの
性決定に及ぼす影響 を調べた。また、同 じ構成の ウンカ集団を 2 日連続 して与 えることに
よって、前 日の寄主遭遇経験が性比 に及 ぼす影響 も調べた。加 えて、異 なる寄主齢 を与え
た場合 については寄生選好 について も調べた。 また、産卵 メスの体サイズ (
頭幅)を測 り、
それが性比お よび寄主選好 に及ぼす影響 も調べた。
1.4齢 のみを与 えた場合、 日齢が進む とオス率は低 くなったが、5齢のみ を与 えた場合
は、 日齢が進む とオス率は高 くなった。 3齢 と 4齢 を混合 して与えた場合 と、4齢 と 5齢 を
混合 して与えた場合 は、 日齢 とオス率 に有意な関係 はなかった。
2.4齢のみを与 えた場合 のみ、カマバチの体サイズ とオス率 に有意な関係 がみ られ、体
サイズが大きくなるに連れて、オス率は増加 した。
3.3,4齢 を与えた場合 と、4齢のみを与えた場合の 4齢か ら羽化 した子のオス率 を比べ
ると、後者の方が低 くなった。 4齢のみを与えた場合 と、4
,5齢 を与えた場合の 4齢か ら羽
化 した子のオス率を比べ ると、後者の方が高 くな り、その傾 向は 6 日齢 よ り 7 日齢で顕著
になった。5齢のみを与 えた場合 と 4,5齢 を与えた場合の 5齢か ら羽化 した子のオス率を比
15
べ ると、有意な違いはなかった。
4.3,
4齢 を与えた場合、3齢はほとん ど寄生 されず、4齢が選好 された。4,
5齢 を与え
た場合は、4齢 と 5齢の好みはカマバチの体サイズによって異な り、小 さいカマバチは 4齢
を好み、大きいカマバチは 5齢 を好んだ。
一
1
6
6.謝辞
本研 究 を進 めるにあた り、多大なご指導 とご助言 をいただきま した三重大学生物資源学
研 究科昆虫生態学研究室の山田佳虞教授 な らびに塚 田森生准教授 に厚 く御礼 申 し上 げます。
また、 日頃助言や協力 を惜 しまれ なかった当研 究室の石川義大氏、伊藤恵美氏 をは じめ と
す る専攻生の方々にも深 く感謝 します。
1
7
7.引用文献
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)寄生蜂セ グ ロカマバ チ にお ける同母過 寄生 の適応 的意義
三重 大学生物
資源学研 究科博士論文.
上 山文子 (
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6
)異な る寄主齢 に対す るセ グロカマバ チの性配分戦略. 三重大学生物資源
学部卒業論文.
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)セ グ ロカマバ チ の寄主選好性 とその要 因、 ヒメ トビウンカ を用 いた場合 .
三重大学生物 資源 学卒業論 文.
山 口進也 (
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7
)セ グ ロカマバ チ雌成 虫の大 き さが産卵数 、捕食数 、生存 日数 に与 える影
響. 三重大学卒業論 文.
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齢に対するオス率とカマパテの頭幅
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齢と4
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供与寄主
図 6. 寄主齢楕成の違いによる4齢寄主における性比の変化
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供与寄主
図 7. 寄主齢構成の違いによる5齢寄主 における性比の変化
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図 9.4齢と5齢を与えた場合の4齢に寄生した割合と頭幅の関係
25