電子回路Ⅰ 第6回(2007/11/19) 小信号動作量 トランジスタ回路の接地形式 今日の内容 小信号動作量 トランジスタ回路の接地形式 ベース接地 エミッタ接地 コレクタ接地 各接地形式の特徴 増幅器の特性を現す諸量 増幅器(回路) 入力 中身は何でも良い 出力 ある回路に電気信号を入力して、その結果得られる出力を利用 するとき、何がわかれば入力側(前段)、出力側(後段)の設計が できるか? 一般的に考えると 入力電源 わかっているもの 入力側 ・内部抵抗(r) ・電源電圧(v0) 増幅器 出力(負荷) 出力側 ・負荷抵抗(RL) v1, i1, v2, i2はどのようにして決まるか? 入力で必要な情報 (入力インピーダンス) i1 v0 r Zi v1 Zi v0 r Zi i1 がわかればv1がわかる v1 がわかればi1がわかる v1 i1Zi v1 Z i :入力インピーダン ス i1 Zi (RLを 含む) 出力側で必要な情報 (出力インピーダンス) 入力インピーダンスと同様に Zo v2 :出力インピーダン ス i2 Zo マイナスに注意(i2の向きが逆なので) 小信号動作量 v1 Z i :入力インピーダン ス i1 v2 Z i :出力インピーダン ス i2 Av v2 :電圧利得 v1 i2 Ai :電流利得 i1 v2i2 Ap :電力利得 v1i1 接地形式 トランジスタは3端子デバイス 2端子対回路として利用すると、共通端子の取り方は3通り B E C B E C B ベース接地 E エミッタ接地 それぞれの接地方法で、動作量が異なる C コレクタ接地 ベース接地 直流分をカットするためのコンデンサ(結合コンデンサ) 負荷 ベース接地の 等価回路 C1, C2は交流に対してはインピーダ ンスが低いので短絡とみなす バイアス電源VEE, VCCは交流信号増 幅に関係ないのでゼロとする(短絡) rcはダイオードの逆バイアス特性に 起因するため大きいので、無限大と する(オープン) 他の接地形式でも同様 ベース接地の動作量(1) v1 reie rbib ib ie ic (1 )ie より、 v1 reie rbib reie rb (1 )ie Z ib re rb (1 ) ie ie ie ベース接地の動作量(2) v2 ic RL ie RL Av v1 v1 v1 RL Z ib RL re rb (1 ) ic ie Ai ie ie v2ic 2 RL Ap Av Ai v1ie re (1 )rb v0 0のとき ic ie 0より Z ob エミッタ接地 結合コンデンサ バイアス用 抵抗 負荷 バイパスコンデンサ 交流信号に対して エミッタを接地 電流帰還 バイアス用 抵抗 エミッタ接地の 等価回路 ベース接地と同等に考える ・コンデンサは短絡 ・バイアス電源は短絡 ・rcは無限大 R1, R2は並列 エミッタ接地の動作量(1) v1 rbib reie ie ib ic (1 )ib より、 v1 rbib reie rbib re (1 )ib Z ie rb re (1 ) ib ib ib エミッタ接地の動作量(2) v2 ic RL ib RL Av v1 v1 v1 RL Z ie RL rb re (1 ) ic ib Ai ib ib 反転増幅 (インバーター) v2ic RL Ap Av Ai v1ib rb (1 )re 2 v0 0のとき ic ie 0より Z oe コレクタ接地 結合コンデンサ バイアス用 抵抗 負荷 エミッタ電流で負 荷を駆動 (エミッタフォロワ) コレクタ接地の 等価回路 エミッタ接地と同様の考え方 ベース接地と同等に考える ・コンデンサは短絡 ・バイアス電源は短絡 ・rcは無限大 R1, R2は並列 コレクタ接地の動作量(1) v1 rbib re RL ie ie ib ic (1 )ib より、 Z ie v1 rbib reie rbib re RL (1 )ib rb re RL (1 ) ib ib ib コレクタ接地の動作量(2) v2 ie RL 1 ib RL Av v1 v1 v1 1 RL Z ie 1 RL rb (1 )re RL ie 1 ib Ai 1 ib ib v2ic 1 RL Ap Av Ai v1ib rb (1 )re RL 2 コレクタ接地の動作量(3) v reie rb R0 ib ie ib ib 1 ib ただし R0 r // R1 // R2 reie rb R0 ib v Z oc ie ie reie rb R0 ie / 1 ie rb R0 re 1 ie 各接地形式の動作量 ベース接地 Zi Av Ai Zo エミッタ接地 コレクタ接地 re 1 rb rb 1 re rb 1 re RL RL re 1 rb RL rb 1 re 1 RL rb 1 re RL 1 re 1 rb R0 各接地形式の特徴 ベース接地 低入力インピーダンス、高出力インピーダンス エミッタ接地 中入力インピーダンス、中出力インピーダンス、一般的 コレクタ接地 高入力インピーダンス、低出力インピーダンス、インピーダンス変換向き
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