上方演芸資料館の今後のあり方について [都市魅力創造局文化課] 1 上方演芸資料館の経緯について H26.09.16 第3回大阪府市文化振興会議 戦略本部会議(平成25年1月10日) 大阪府立上方演芸資料館(愛称「ワッハ上方」)の経緯 ■ 平成21年戦略本部会議の決定に従って、資料の収集・保存・活用を公の役割として引続き実施 (公演・育成は民に委ねる) 【上方演芸振興の意義 (ワッハ上方の必要性)】 上方演芸資料館は、平成8年にオープン。財団の管理運営委託、府の直営を経て、平成18年度から指定管理者制 度を導入。 平成21年の戦略本部会議の決定を受け、平成22年12月に演芸ホールを廃止。平成25年1月の戦略本部会議の 決定を受け、平成25年4月には、展示室及びレッスンルームを廃止。 現在では、有料ゾーンがなくなり、利用料金を徴収しない無料の施設として演芸ライブラリーのみを運営 ・H8.11 ・H 18 ・H22. 12 ・H25. 4 資料2 上方演芸は、大阪特有の「笑いの文化」であり、庶民文化そのもの。上方演芸の歴史を物語る上方演芸に関する資料を収 集、保存、活用することは、貴重な 財産を後世に引き継ぐというだけでなく、大阪の特色ある魅力を発信し、新しい「笑いの文 化」を創造するうえでも意義がある。 ■ 当面(2年間)は、現地において常設展示を縮小し、より効率的な運営を行い、無料での利用に供する等により対 応しつつ、その状況や評価を見極め、将来的なワッハ上方のあり方について、 アーツカウンシルで検討 上方演芸資料館オープン ⇒ 演芸ホール(有料)、レッスンルーム(有料) 、展示室(有料) 、 演芸ライブラリー(無料) 指定管理者制度導入 演芸ホール(有料)廃止 ⇒ レッスンルーム(有料) 、展示室(有料) 、演芸ライブラリー(無料) 展示室(有料)廃止、レッスンルーム(有料)廃止 ⇒ 演芸ライブラリー(無料) 2 アーツカウンシルの提言 平成25・26年度の運営状況 指定管理者は、演芸事業者の経験やネットワークをフルに活用し、決められた指定管理料の中で、演芸ライブラ リー(H25利用者14,542人)や8箇所の館外展示(H25観覧者実績140,705人)などを行い、きめ細やかな府民サービ スを展開し、成果を上げることができた。 3 提言を踏まえた府の対応 ■ 大阪独自の文化である上方演芸を後世に伝えていくことは、大阪府の文化行政が担うべき役割の一つ。 ⇒ 現時点では、その仕事は大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)が果たすことが望ましい。 ■ ワッハ上方のミッション(使命)は「上方演芸の発祥から現在までの歴史を伝え続けていくこと」にある。 ⇒ 具体的には、上方演芸の資料を収集し、府民をはじめ研究者、芸人、演芸ファンなど幅広い人々が活用 できる形で蓄積していくこと。 これからの資料館 ■ 大阪固有の文化である上方演芸を後世に伝えていくため、その資料を しっかりと整理・活用し、その魅力を十分引出せる資料館に そのためには(方策案) ■ ワッハ上方がこのミッションを果たすために、大阪府には以下を求めたい。 ・ 資料館としての中長期的ビジョンを示す ・ 資料を効果的に活用するために研究機関と連携のルールをつくる ・ 資料をより多くの人に活用してもらえるよう、デジタル化を進める ・ 収蔵資料を今に生かす事業も行う 平成25・26年度における主な業務である 「施設管理」「資料受入・整理」「資料展示」「演芸ライブラリー運営」に加えて ■ 資料の整理・活用を充実 ■ ワッハ上方は当面は現地で上記の使命を果たす。が、資料の蓄積、閲覧、研究に、より適した場所が ある場合は移転を検討する。 ■ ワッハ上方の使命は上方演芸に関する資料・情報の蓄積と継承であり、施設の保持や集客を 増やすことは最終目的ではない。 ①上方演芸の歴史的価値を深めるため、学術研究分野に活用の幅を拡大 ② より多く資料を活用していただくため、アーカイブ化・デジタル化を実施 ③ 収蔵資料を今に生かすため、幅広い事業を実施 ④ より効果的な資料の活用のため、有識者等による検討の機会を設置 4 上方演芸資料館の運営手法について 指 定 管 理 直 営 <効 果> <課 題> <一般的には> ○ 民間事業者のノウハウや経営手法(サービス、効率的運営、 経費削減)が期待できる。 <一般的には> ○ 中長期的・継続的な事業計画・調査研究・人材育成が 困難 ○ 業務内容を募集時に提示する必要があり、新たなニーズへの対応を 行いにくい。 <ワッハ上方の場合> ○ 有料施設はなく、民間事業者のノウハウや経営手法を 活用する要素、インセンティブが少ない。 <ワッハ上方の場合> ○ 資料の収集・保存・活用は、中 長期的・継続的な視点が必要 ○ 研究機関との連携等、今後の調整により増加する業務も多く、 新たなニーズへの迅速な対応が求められる。 <一般的には> ○ 継続性が確保でき、運営ノウハウの蓄積が可能 ○ 公共性や信頼性が確保 できる。 <一般的には> ○ 民間事業者のノウハウや経営手法が期待できない。 ○ コストが高くなる。 <ワッハ上方の場合> ○ 中長期的な事業計画や人材育成、ノウハウの蓄積が 重要 ○ 寄贈資料の管理や著作権処理 にあたっては、公共 性・信頼性の確保 は重要 <ワッハ上方の場合> ○ 民間事業者のノウハウや経営手法を期待すべき要素が少 ない。 (個別業務の委託は可能) ○ コストについては、運営の効率化を図るなど抑制の工夫が 必要 今後のワッハ上方のあり方 ① 今後のワッハ上方では、指定管理制度のメリットである「民間事業者の ノウハウや経営手法を発揮」できる要素が少なく、 むしろ、アーツカウンシルの提言における新たな役割を果たすために は、直営のメリットである「継続性」、「計画性」及び「ノウハウの蓄積」が重 要となることから、大阪府が直接に運営する方向で検討 ② より充実した事業を展開するために、運営の効率化を図るとともに、 府民や民間事業者から幅広い協力が得られるように努める ③ 当面はアーツカウンシルの提言にもあるとおり、現地での運営を継続
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