公共経済学

12.費用便益分析 3
本章では、公共プロジェクトにより生じる便益が需要曲線と供給曲線(あるいは一般化価
格)を用いて捉えられるケースに着目する。
12.1 需要・供給曲線と社会的便益
12.2 トラベルコスト法(travel cost method)
12.3 費用便益分析の目的・適用対象・種類
12.4 補論*:環境質改善の便益評価と弱補完性
12.1 需要・供給曲線と社会的便益
<大水深港湾整備プロジェクトの便益>
港を掘り下げて大水深の岸壁を整備する公共プロジェクト(公共事業)の便益を評価する
方法を検討しよう。単純化のため、その港はリンゴを輸送する船舶のみが利用できるとし
て、港を掘り下げる前に状態を状態 1 と呼び、港を掘り下げた後の状態を状態 2 と呼ぶこ
とにする。
港を掘り下げることにより、港に大きな船が接岸できるようになるので、リンゴの輸送に
かかる費用が軽減できるとする。そして、リンゴの量を x 、リンゴの価格を p 、港を掘り
下げる前と後のリンゴの供給曲線が、下の図のそれぞれ x  xs0 ( p) 、 x  x1s ( p) 、リンゴの
需要曲線を x  xd ( p) で表されるとする。
p
x  xs0 ( p)
x  x1s ( p)
Ⅰ
Ⅳ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅵ
Ⅴ Ⅰ
x  x d ( p)
x
p
x  xs0 ( p)
x  x1s ( p)
Ⅰ
Ⅳ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅵ
Ⅴ Ⅰ
x  x d ( p)
x
(問題 12-1)公共事業前の均衡取引量 x 0 と価格 p 0 、公共事業後の均衡取引量 x1 と価格 p1
を図示しなさい。そして、この公共事業から生じる CS 、PS 、そして便益 B
を、上の図に描かれているⅠ~Ⅵを用いて表しなさい。なお、Ⅰ~Ⅵはそれぞ
れの数字が入っている図形の面積を表している。
<自然独占市場での価格規制の便益と費用>
生産に規模の経済の存在するケースに関する価格規制の費用便益を行おう。そのために、
企業生産可能性曲線 y  f (x) が 0  x  x のときに、
(12-1)
f ( x)  f (0)  FC  m  x
である特殊ケースに着目しよう( FC  0, m  0 )。ここに、 x  ( f (0)  FC) / m である。
そのとき、財 x の(財 y で測った)費用を C とおけば、費用関数 C  C (x) は、
C ( x)  f (0)  f ( x) なので、
0
C ( x)  
FC  m  x
if x  0
if 0  x  x
(12-2)
と表すことができる。したがって、 FC は固定費用であり、 m は限界費用である。
また、平均費用を AC と表せば、平均費用関数 AC  AC(x) は、 AC( x)  C ( x) / x と定義
される。なお、このような費用関数のもとでは、財 x の生産量が 2 倍になってもその費用
は 2 倍より小さいという意味で、生産に規模の経済性が存在していることになる。言い換
えると、平均費用は生産量が増えると減少(すなわち費用が逓減)することになる。
上述の生産可能性曲線(すなわち費用関数)を持っている(技術的に同一の)企業が(潜
在的に)複数存在しているとしよう。そして、企業は価格を提示することにより需要を奪
い合う競争をしていると想定し、提示している価格が最も低い企業のみが需要を獲得でき
るとする。なお、簡単化のために、最低価格を提示している企業が複数存在するケースは
排除して分析を進めることにする。
企業間の競争の結果として達成される均衡は「①生産している(既存の)企業は非負の利
潤を得ており、②他の企業が参入しても非負の利潤を得ることができない」状態であると
する。そして、その均衡を「競争均衡」と呼ぶことにする。なお、規模の経済が存在する
もとでの競争均衡は、政府が独占的な営業権などを付与しなくても、自然と独占状態が生
じるので、そのような状態は「自然独占」と呼ばれる。
市場の需要関数を x  xd ( p) と表すことにする。そして、政府が何ら規制を行っていない自
由放任政策のもとで成立する競争均衡(状態 0)における均衡価格を p 0 、均衡取引量を x 0
とする。そのとき、収入は p 0 x 0 であり、費用は C ( x 0 ) である。そして、利潤は非負でなけ
ればならないから、 p 0 x 0  C( x 0 )  ( p 0  AC( x 0 ))x 0  0 の条件が成立していなければな
らない。また、正の利潤が得られる価格設定をしている場合は、他の企業がその価格より
ほんの少し低い価格を設定することで、全ての需要を獲得しつつ非負の利潤を得ることが
できる。したがって、既存企業の利潤はゼロであり、
p 0  AC( x 0 )
(12-3)
が成立していなければならない。
また、均衡取引量 x 0 は均衡価格 p 0 のもとでの需要量にもなっていなければならないので、
x 0  xd ( p 0 )
(12-4)
が成立する。
さらに、(12-3)と(12-4)を成立させる ( p 0 , x 0 ) が複数存在する場合は、そのなかで p 0 の値が
最小のものが競争均衡における価格であり、その p 0 と(12-4)で定まる x 0 が均衡取引量であ
る。
(問題 12-2)何の規制も存在しない自由放任のもとでの競争均衡(状態 0)における均衡価格
p 0 と均衡取引量 x 0 を下の図に図示しなさい。
p
AC  AC(x)
p0
m
Ⅰ
Ⅱ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅴ
Ⅲ
Ⅵ
x0
x  x d ( p)
x
政府が価格を限界費用 m に規制するとともに、そのもとで生産をしている企業には固定費
用 FC だけの補助金を給付するという政策を実施したとしよう。そして、その政策のもと
で成立する競争均衡(状態 1)における均衡価格を p1 、均衡取引量を x1 とする( x1  0 )
。
限界費用 m に価格が規制されているので、 p1  m である。問題は、この規制された価格の
もとで、企業の利潤が非負になるような取引量が存在するかどうかである。まず、 p1 と x1
のもとでの企業の利潤は p1 x1  C( x1 )  FC  ( p1  m) x1 である。したがって、任意の取引
1
量 x のもとで、利潤はゼロになることが分かる。そして、均衡取引量 x1 は価格 p1 のもと
での需要量にもなっていなければならない。したがって、 x1  xd (m) である。
問題 12-3 より、限界費用に価格を規制し、固定費用分を補助金給付する政策により生じる
純便益 NB は正であり、規模の経済が存在する自然独占市場に対する価格規制は効率性を改
善する政策であると評価できる。
限界費用に価格を規制し、固定費用分を補助金給付する政策(プロジェクト)を効率性の
観点から評価するために、
この政策により生じる純便益 NB を求めよう。この政策は状態を、
自由放任のもとでの競争均衡(状態 0)から、限界費用に価格を規制するとともに固定費用
分を補助金給付することにより達成される競争均衡(状態 1)に変化させるものである。そ
して、その変化により生ずる消費者余剰の増分を CS 、生産者余剰の増分を PS 、便益を
B 、費用を C (すなわちこのプロジェクトの純歳出)、純便益を NB とする。
(問題 12-3) 均衡価格 p1 と均衡取引量 x1 を問題 12-2 の図に図示しなさい。また、 CS 、
PS 、 B 、 C 、 NB を問題 12-2 の図に描かれているⅠ~Ⅵで表しなさい。な
お、Ⅰ~Ⅵはそれぞれの数字が入っている図形の面積を表している。
(問題 12-3) 均衡価格 p1 と均衡取引量 x1 を問題 12-2 の図に図示しなさい。また、 CS 、
PS 、 B 、 C 、 NB を問題 12-2 の図に描かれているⅠ~Ⅵで表しなさい。な
お、Ⅰ~Ⅵはそれぞれの数字が入っている図形の面積を表している。
p
p0
p1 
m
Ⅰ
Ⅱ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅴ
AC  AC(x)
Ⅲ
x  x d ( p)
Ⅵ
x0
x1
x
問題 12-3 より、限界費用に価格を規制し、固定費用分を補助金給付する政策により生じる
純便益 NB は正であり、規模の経済が存在する自然独占市場に対する価格規制は効率性を改
善する政策であると評価できる。
12.2 トラベルコスト法(travel cost method)
トラベルコスト法を用いて、自然公園などのレクリエーション施設を整備すること
の社会的便益を評価する方法について検討しよう。
簡単化のため各個人は自宅からその自然公園までの距離が異なるだけで、その他の
点では同一であるとする。なお、モデルで想定する単位期間は 1 年間であるとする。
x =自然公園利用(訪問)回数
y =その他の財(私的財)の消費量(財 y の価格は 1 に標準化)
T =総利用可能時間(自然公園での滞在時間は控除済み)
t i =個人iの自然公園までのトラベル(旅行、訪問)時間( t1  t 2    t N )
w =賃金率(時給)
AF =自然公園の入場料
このとき、予算制約式は
AF  x  y  w  (T  ti  x)
である。
(12-5)
TCi  w  t i :個人iの自然公園までの旅行コスト
( TC1  TC2    TC N )
pi  TCi  AF :個人 i の自然公園利用の総コスト(一般化価格)
とおけば、(11-6)の予算制約式は
pi  x  y  w  T
(12-6)
=(実現可能)最大所得
と書き換えることができる。
( AF  w  ti ) x  y  w  T
AF  x  y  w  (T  ti  x)
①予算制約式(12-2)、②個人 i の最適な消費パターン ( xi , yi ) 、③ ( xi , yi ) を通る
個人iの無差別曲線 I i を x y 平面に図示すれば次の図のようになる。
y
wT
yi
Ii
pi
xi
wT / pi
x
「訪問回数がゼロになる一般化価格(総費用)の最小値 p * 」が存在すると仮定する。
*
そのとき、 p は次の上段の図のように表すことができる。
x N の値が小さく、 TC1 , TC2 ,, TC N の散らばりが大きければ、一般化価格 p と利用回
数 x の間の関係(すなわち、需要関数)についての「大域的」な関係を観察することが
できることになる。
(マーシャルの)需要曲線 x  xd ( p) を描けば下段の図のようになる。
y
wT
yi
Ii
I*
p*
pi
xi
x
wT / pi
p
p*
x  xd ( p)
pi
xi
x
p * =訪問回数がゼロになる一般化価格(総費用)の最小値
が存在すると仮定する。そのとき、 p * は次の上段の図のように表すことができる。
y
wT
yi
I*
p*
Ii
pi
xi
wT / pi
x
自然公園を整備したときの個人 i の得る便益を捉えるためには、
入場料が AFi* ( p*  TCi ) から AF に低下するときの便益を考
えればよい。
入場料が AFi* のときは、個人 i は自然公園を訪れない。
(問題 12-4)自然公園を整備することにより個人 i に生じる補償
変 分 CVi 、 等 価 変 分 EVi 、 消 費 者 余 剰 の 増 分
CS i [  CSi ]を、上の図を用いて示しなさい。
y
AFi*
CVi  E( pi , Ii )  E( pi , I )
*
 wT  E( pi , I * )
*
AFi* ( p*  TCi )
AFi  AFのケース
*
EVi
EVi  E( p , I i )  E( p , I )
*
AF
*
wT
CVi
 E( p* , Ii )  wT
AFi*  TCi  p*
pi  AF  TCi
 AFi*  TCi  p*
yi
I*
p*
入場料が AFi* のときは、
Ii
個人 i は自然公園を訪れない。
pi
xi
wT / pi
x
p
CVi  CSi  EVi
p*
x  xd ( p)
CS i
自然公園は上級財
pi
xi
x
(問題 12-5)問題 12-1 の港を掘り下げる公共事業の便益評価の方法と、このトラベ
ルコスト法を用いた便益評価の方法を比較することで、トラベルコスト法
の着想の優れた点について説明しなさい。
自然公園を整備するときの便益を評価するためには、需要曲線
x  xd ( p) についての「大域的」な関係を観察する必要がある。
そのためには、 TCN が大きく(その結果として x N の値が小さく)、
TC1 , TC2 ,, TC N の散らばりが大きいことが重要である。
そして、自然公園などのケースにおいては、通常トラベルコストが上記
の性質を満たすことが期待できる。
(問題 12-6)トラベルコスト法を用いた便益評価の方法の問題点について検討しなさい。
12.3 費用便益分析の目的・適用対象・種類
<基本的な目的>
社会的意思決定(効率的な資源配分達成)の支援
<適用対象>
(1) 事業(project)
(2) プログラム(programs)=事業の集まり
(3) 政策(policy)=プログラムの集まり
(4) 規制(regulations)
<公共プロジェクトの例>
ダム建設、空港整備、道路整備、下水道整備、公園整備、都市開発、予防接種事業など
<便益と費用の例>
ダム事業の便益 =① 発電(発電用水の供給)→ 発電された電力の価値
② 利水(水道用水、農業用水、工業用水)→ 増大した農産物の価値
③ 治水(洪水調節)→ 低下した洪水被害額
ダム事業の費用=① ダムの建設費、② 維持管理費(堆砂対策費)
(問題 12-7)
① 道路整備に関してそのプロジェクトがもたらす便益の項目にはどのような
ものがあるか。
② ダム湖の湖畔に作られたレストランの収益は便益として考慮すべきか。
③ 整備新幹線の建設によって並行在来線の収益が低下した場合、その収益の
減少分はどのように考慮すべきか。
<種類と目的>
事前(ex ante)評価=事業実施前の評価
中間(in medias res、再)評価=事業継続中の評価
事後(ex post)評価=事業終了後の評価
(問題 12-8)以下の表にある 3 種類の評価について、有用性の大きい場合は○、ある程度期待
できる場合は△、ほとんど期待できない場合は×を記入しなさい。また、その理由
を説明しなさい。
有効性
種類
事業の採否
事業の見直し
類似事業の採否
事前評価
○
△
△
中間評価
×
○
△
事後評価
×
×
○
事前的観点からの再評価
事後的観点からの再評価
12.4 補論**:環境質改善の便益評価と弱補完性
環境質改善の便益を、環境質と補完的な関係にある財の需要曲線のシフトから推計する方
法について検討しよう。そのために、2 つの財(財 x と財 y )があり、財 x の価格が p 、財
y の価格が 1 に標準化されているとする。そして、環境の質を q と表すことにする( q  0 )。
個人の効用関数を
u  U ( x, y, q)
(12-7)
とおく。なお、効用 u は y の増加関数(すなわち y   y  のとき U ( x, y , q)  U ( x, y , q) )
であるとする。そして、所得を m とおけば、予算制約式は
px y  m
と表されることになる。
(12-8)
そして、状態 j の環境質を q j と表すことにする( j  0,1 )
。そして、環境質が q j のもとで
の個人の最適化行動は、(12-8)の制約式を(12-7)に代入すれば、
u  U ( x, m  p  x, q j )
(12-9)
を最大化するように x を選択することであり、その解を x j と表すことにする( j  0,1 )
。
そのとき、最適消費点を ( x j , y j ) と置けば、 y j  m  p  x j である。そして、その最大化
された効用水準を u j とおく。すなわち、
u j  U (x j , m  p  x j , q j )
(12-10)
である。そのとき、最適消費点 ( x j , y j ) を通る無差別曲線は
u j  U ( x, y, q j )
(12-11)
と表されることになる。
(問題 12-9*)予算制約式(12-8)、最適消費点 ( x j , y j ) 、無差別曲線(12-11)を x y 平面に図示
しなさい。
効用水準 u と環境質 q が与えられたもとでの補償所得を E ( p, q, u ) とおけば、環境質が q 0
から q1 に変化することで生じる補償変分 CV は、変化後の環境質 q1 を用いて、
CV  E( p, q1 , u1 )  E( p, q1 , u 0 )
と定義される。そして、 E( p, q 0 , u 0 )  m  E( p, q1 , u1 ) であるから、
CV  E( p, q 0 , u 0 )  E( p, q1 , u 0 )
(12-12)
(12-13)
と表すことができる。
(問題 12-10*)補償変分 CV を x y 平面に図示しなさい。
財 x と環境質 q の関係が弱補完性を満たすと仮定する(weak complementarity)
。すなわち、
任意の q と q  に関して
U (0, y, q)  U (0, y, q)
(12-14)
である。たとえば、財 x と環境質 q が完全補完的な関係にあるとき、すなわち、
U ( x, y, q)  v(min(x, q), y)
のときは、弱補完性を満たしていることになる。
(問題 12-11*)(12-15)は(12-14)を満たすことを示しなさい。
(12-15)
(12-14)が成立しているときは、財 x の需要量がゼロの場合は環境質 q が変化しても補償所
得が変化しないことになる。すなわち、効用水準 u と環境質 q が与えられたもとで財 x の需
要量がゼロになる価格の最小値(choke price)を p * (q, u) とおけば、任意の q と q  に関し
て
E( p * (q, u), q, u)  E( p * (q, u), q, u)
(12-16)
が成り立つ。
(問題 12-12*)(12-14)のとき(12-16)が成り立つことを、図を用いて説明しなさい。
(ヒント)U (0, y, q)  u( u は定数)を y について解いた関数を y (q, u ) と表し、
(12-14)のもとでは、 y(q , u )  y(q , u ) が成立することを示しなさい。
この弱補完性のもとでは、価格 p のもとでの補償変分 CV は、(12-13)と(12-16)より、
CV  E ( p * (q1 , u 0 ), q1 , u 0 )  E ( p, q1 , u 0 ) 
 E ( p * (q 0 , u 0 ), q 0 , u 0 )  E ( p, q 0 , u 0 ) 
(12-17)
と求めることができる。したがって、効用水準 u と環境質 q が与えられたもとでの補償需要
関数を x  xdC ( p, q, u) と置けば、(12-17)より、価格 p のもとでの補償変分 CV は
CV =「補償需要曲線 x  xdC ( p, q1 , u 0 ) 、 x  xdC ( p, q 0 , u 0 ) 、
価格線 p  p 、縦軸 x  0 で囲まれる図形の面積」
が成立することになる。
(12-18)
(問題 12-13*)効用関数が U ( x, y, q)  y  q  1  x / q  q であるとき、 p * (q, u) を求める
2
とともに、(12-14)が成立することを確認しなさい。そして、環境質が q 0 から q1
に変化するとしよう( 0  q 0  q1 )
。そのとき、補償所得 E ( p, q, u ) を求めるこ
と で 、 (12-17) を用 い て補 償 変 分 CV を 求 め なさ い。 ま た 、補 償 需 要関 数
x  xdC ( p, q, u) を求めることで、(12-18)を用いて補償変分 CV を求めなさい。
(問題 12-14*)効用関数が U ( x, y, q)  y  1  min(x, q) であるとき、 p * (q, u) を求めると
2
ともに、(12-14)が成立することを確認しなさい。そして、環境質が q 0 から q1 に
変化するとしよう( q 0  q1  1  p / 2 )
。そのとき、補償所得 E ( p, q, u ) を求め
ることで、(12-17)を用いて補償変分 CV を求めなさい。また、補償需要関数
x  xdC ( p, q, u) を求めることで、(12-18)を用いて補償変分 CV を求めなさい。
<公共経済学(前期)の各章のフローチャート>
<市場メカニズムの機能>
1章
2章
パレート効率性
厚生経済学の基本定理
<公共財と政治プロセス>
需要供給曲線と
公共財の効率性
サミュエルソン条件
3章
5章
リンダール均衡と公共
財の自発的供給、そし
てフリーライダー問題
7章
所得分布と公共財
供給の効率性
4章
6章
多数決投票均衡と
一般不可能性定理
<費用便益分析>
8章
補償変分・等価変分と
消費者余剰の増分
9章
仮説的補償原理と
マスグレイブ主義
10章
配当所得と
生産者余剰
11章
時間短縮便益 と
統計的人命の価値
12章
トラベルコスト法 と
費用便益分析の目的