ソシオセマンティクス 第10回講義

2011-07-26
ソシオセマンティクス
第1部の構成
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第1部:人間にとっての意味と社会現象
行為主体である人間および人間たちの行為の複合・集積である社会
現象にとっての「意味」の重要性、意味および意味の社会的編成を
取り扱うことにまつわる困難、そして、新しい言語コミュニケーション
論への示唆、この三つをこの第Ⅰ部では論じる

I-1.人間の問題解決能力を考える:フレーム問題

I-2.社会関係の成立を考える:ダブルコンティンジェンシー問題
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I-3.情報理論的コミュニケーション論の限界と新理論の必要性
第2部の構成
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第2部:言語・コミュニケーションの新しい理論パラダイム
人間社会の諸現象は意味の社会的編成と深く関わっている。ここで
は、意味の社会的ダイナミズムを取り扱うため、特に1部で提示され
た問題に対し、「意味づけ論」の紹介を中心に意味論・言語コミュニ
ケーション理論的な観点からの説明、解説を加える。
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II-1.意味の不確定性と会話モデル

II-2.意味の共有感覚:事態構成の同型性と言語の秩序性
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II-3.意味の共有感覚:意味知識の類似と概念形成過程
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II-4.意味の共有感覚:スクリプトと言説の体制化
第3部の構成
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第3部:人々の意味世界とソシオセマンティクスの手法
11~12回の第3部は「人々の意味世界とソシオセマンティクスの方法・
手法」を主題として、ここまでで紹介してきた理論(意味づけが展開す
る内的舞台である個人の意味世界の在り方、社会生活を支える意味
世界の安定性や社会化について)の応用として、意味世界を実証的に
研究するためのソシオセマンティクスの方法、手法について議論を行
う。
III-1.意味づけ論の展開:スクリプトの分析
III-2.意味づけ論の展開:テキスト解析ツールTextImiとその社会的
実践
各回の位置づけ(タイトル)

第1部

I-1.人間の問題解決能力を考える:フレーム問題



I-3.情報理論的コミュニケーション論の限界と新理論の必要性
第2部


I-2.社会関係の成立を考える:ダブルコンティンジェンシー問題
II-1.意味の不確定性と会話モデル

II-2.意味の共有感覚:事態構成の同型性と言語の秩序性

II-3.意味の共有感覚:意味知識の類似と概念形成過程
 II-4.意味の共有感覚:スクリプトと言説の体制化
第3部

III-1.意味づけ論の展開:スクリプトの分析

III-2.意味づけ論の展開:テキスト解析ツールTextImiとその社会的実践
各回の位置づけ(主要論点)

第1部

個としての人間の状況理解能力、問題解決能力の特徴は何か


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そのような人間および人間社会をとらえるために必要な要件とは何か
第2部


個と個の人間によるコミュニケーションが持つ特徴とは何か
「意味づけ」の原理、意味の不確定性と創造性

意味の共有感覚を支える「意味づけの仕方」としての言語的知識

意味の共有感覚を支える意味知識の構造的類似
 社会的に安定した意味知識の形成と「スクリプト」としてのその能力
第3部

「スクリプト」の分析方法としての言語使用分析

「テキスト」が増加する現代と「意味づけ」の考えに基づいたテキストの
機械処理
開かれた世界に生きる人間とそのコミュニケーション
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意味の検出と意味づけの違い
 意味の検出
 記号(刺激)と意味(反応)の対応関係(コード表モデル参照)
 意味づけ
 意味づけと行為の絶えざるプロセスにより柔軟に再編成され
ていく情況
開かれた日常世界(と閉じたフレームの世界)
 限られた変数のセットとそれら変数間の関係によって確定論的に
記述、説明しきれない日常世界
開かれた世界を説明するために
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「人間的な」事象の説明とは
 「何故?」という問いへの回答:原因と理由
 「何故」について、科学的工学的には「原因」を調べ「因果関
係」ないしその複合として説明することになる
 人間への「何故」の問いには「理由」(わけ)を語る必要がある
 似て非なる両者、 「理由」を確定論的に取り扱うことは難しい
意味世界の特徴を捉えた調査・研究の必要性
 いくつかの要素や変数の集合として説明しきれるわけでもなく、か
といってまったくの偶然の結果でもない人間の意味づけに対する
知見と考え方
人間の意味世界の特徴① ~意味の不確定性

意味は「ある」のではなく、「作られる」
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「コトバは共有できても意味は共有できない」



意味と意味知識の相互作用としての意味づけ
記憶連鎖の引き込み合いとしての意味づけ
 意味知識を素に意味づけられるその場の意味
 意味づけの結果により補強・再編されていく意味知識
記憶や情況に依存するゆえの意味の不確定性
 情況依存性、主体間多様性…
 共有されるコトバと、共有しえない言葉
人間の意味世界の特徴② ~意味の共有感覚
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「不確定だけれどもデタラメではない」意味づけ

日常的なコミュニケーションと意味の共有感覚
 「相手の言っていることがわかる」はず
 「相手は自分の言っていることがわかる」はず

共有感覚を支える共通の基盤
 意味づけのルールとしての言語
 人としての認知の仕組みの共通
 社会的なコミュニケーションと経験によって日々磨きあげられて
いく「適切な意味づけ」の素材としての社会的な意味知識
人間の意味世界の特徴③ ~意味の社会的編成モデル
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「人は言葉を操りつつ、言葉に縛られる」
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「人は言葉に縛られつつ、言葉を操り、新しい意味を生み出していく」

人は言葉に縛られる
 社会的な意味知識に束縛される人間の意味づけ
 社会的概念、規範としてのスクリプト

人は言葉を操る
 意味づけの不確定性と創造性
 意味と意味知識の不断のサイクル
 常に再編可能性を孕む人々の意味世界
データと論理に基づいた実証研究の可能性
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意味表出データとしてのテキスト
 テキストデータは意味づけの研究にとって基軸のデータ
テキストデータのアベイラビリティ
 ネットワーク社会の進展と、増加するテキストの質と量
情報化社会がもたらす社会的な意味づけのバラエティ
 過去に類を見ない「誰もが社会的に語る」社会
 メディアの多様化と社会の多様化
人間の意味解釈の仕組みを前提とした大量テキストデータの分析
ソシオセマンティクスから諸君へのメッセージ(深谷)
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人々の意味世界の研究(コース本体)
 人々の意味世界および人間コミュニケーションを研究することの重要性
 理論・方法・実証研究の開拓的研究
 IT・ウェブ社会の進展と広範な応用可能性・諸君への期待
解釈学的総合:人間・社会・世界そして学問
 確定性・不確定性が混淆する「不確定であってもデタラメではない事象」
には解釈学的総合のアプローチが必要
 創造性と実践知を重んじるSFC生たちへ
人間として生きるということ
 諸君がよりよく生きていく契機・糧となれば幸い
ソシオセマンティクス 第4回課題レポート
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課題内容

(今日の資料の前半で改めて紹介した)これまでの講義で取り扱ったテーマのいずれかや、あ
るいはこの講義全体を通じての(人間、コミュニケーション、人間社会に対する)考え方につい
て、自分はどのような印象を持ったか、どのように理解したか、あるいはどのような疑問を持っ
たか、何を得たか自由に論じてください。

Word等を利用し、A4用紙の設定で1~2枚程度でレポートを作成してください。文字数やその
他の様式は制限しません。
提出形式・期日


オンラインでの提出

期日:8月2日火曜日の午前10時

形式:作成した文書ファイルをSFSの課題ページから提出してください。
印刷物の提出

講義最終回を過ぎているため、これまでのように印刷物の提出を義務とはしません。ただ
し締切日当日中までK401研究室の前に提出用のボックスを用意しておきますので、出来
る限りはそちらに印刷したものも提出するようにしてください。