需要パターンを考慮した 発注方式の比較検討 流通情報工学専攻 学籍番号 96204 氏名 中村 豪 研究の背景と目的 研究の背景 施設計画と在庫管理 需要の変動 研究の目的 需要の変動パターンを考慮した需 要の定式化を行い、これを基にど の発注方式が望ましいか比較検討 を行う。 今回の流れ (1) 研究の目的と背景 (2) 発注方式 (3) 在庫関連費用(評価指標) (4) 需要の定式化 (5) 発注モデル (6) 発注方式の比較検討 (7) 結論 発注方式の分類 量 時期 定 定量 定期定量発注法 期 不 定 期 不定量 定期不定量発注法 補充点法 2瓶法 発注点法 min-max法 欠品率と安全在庫 欠品率に関する3種類の定義 顧客が在庫を受け取る回数に対 して満足に受け取ることのできない 回数 総発注回数に対して欠品した発 注回数 総需要量に対する欠品数量 安全在庫の求め方 R・Gブラウン氏の定義を用いる 在庫関連費用 (1)発注費 発注固定費 (発注回数に影響) →事務費・通信費・督促費 発注変動費 (平均発注量に影響) →受入検査費・輸配送費 (2)保管費 施設維持費 (最大在庫量に影響) →施設賃借料・施設管理費 在庫維持費 (平均在庫量に影響) →運搬費・保険料・損耗費・ 利子・税金 (3)在庫調査費 (4)品切れ費 (平均在庫量に影響) (欠品率に影響) 需要の変動 長期的な需要の変動 年単位の変動 (製品のライフサイクル) 短期的な需要の変動 月単位の変動 (例えば、季節製品) 日単位の変動 短期的な需要の変動 実需要の変動の推移 1990年における某小売店での 洗剤売上推移 トイレ用洗剤 バス用洗剤 住居用洗剤 ガラス用洗剤 需要の変動推移 傾向パターン需要 水平パターン需要 1200 金額PI(円/人) 需要量(個) 200 150 100 50 0 0 3 6 9 12 800 600 400 200 0 15 0 期(t) 需要量(個) 100 200 トイレ用洗剤の実需要 周期パターン需要 300 400 日(t) 季節パターン需要 16000 金額PI(円/人) 200 需要量(個) 1000 150 100 50 0 12000 8000 4000 0 0 3 需要量(個) 6 9 期(t) 12 15 330 340 350 住居用洗剤の実需要 360 370 日 (t) 需要の定式化 仮定1) 需要のバラツキは、正規分布に従う。 仮定2) 標準偏差は、期待値に比例する。 D(t ) (a b t c f (t ) d g (t )) (1 ) D(t ) : t期における需要 a : 水平成分 b t : 傾向成分 c f (t ) : 周期成分 d g (t ) : 季節成分 : バラツキ 金額PI(円/人) 季節成分の定式化 16000 12000 8000 4000 0 330 金額PI(円/人) 16000 340 350 360 歪度 -0.01286 尖度 2.40376 370 日 (t) 12000 8000 4000 0 0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 ln(366-t) 各需要パターンの定式化 (1)水平パターン需要 D 1(t) a (1α ) (2)傾向パターン需要 D 2 (t) (a b t) (1α) (3)周期パターン需要 D 3 (t) (a c f(t)) (1α ) (a c sin(2 π t )) (1α ) T T :周期 (4)季節パターン需要 D 4 (t) ( a d g ( t ) ) ( 1α ) 1 2 π σ ( 3 6 6 t ) e x p (l o g ( 3 6 6 t )μ )2 / 2 σ2 ) ) ( 1α ) ( a d g(t: )対数正規分布 μ:需要の平均 σ :需要の標準偏差 発注モデル メーカー・問屋 納 入 発 注 小売店 供 給 需 要 顧客 実験ケース (0)発注方式の基本的な特色 について (1)需要パターン毎における 発注方式の比較検討 (2)過去における需要に対して 現在の需要が変動した時の 発注方式の比較検討 発注方式の基本的な特色 D1(t)=a・(1+α) a=120 α=0.2 平 最 平 均 大 均 発 在 在 発 注 欠 庫 庫 注 回 品 量 量 量 数 率 発注方式 定期定量発注法 3.67 7.80 1.00 1.00 2.36 2瓶法 7.95 12.48 1.00 1.02 0.00 発注点法 3.29 7.25 1.00 0.95 7.92 定期不定量発注法 3.89 8.67 1.00 1.00 2.10 補充点法 3.68 8.17 0.99 1.00 3.18 Min-Max法 3.57 8.33 1.08 0.91 5.50 需要パターン毎における 発注方式の比較検討 (1)水平パターン需要 D 1(t) a (1α ) a、α (2)傾向パターン需要 D 2 (t) (a b t) (1α ) b、α (3)周期パターン需要 D 3 (t) (a c f(t)) (1α ) (a c sin(2 π t )) (1α ) T c、T、 α (4)季節パターン需要 D 4 (t) (a d g(t)) (1α ) 1 2πσ (366 t) exp(log(366 t)μ )2 /2σ2 )) (1α ) (a d d、μ、 σ、α 水平パターン需要 D 1(t) a (1α ) a :720 α :0.6 住居用洗剤の1-11月の1ヶ月分の平均需要を 用いる 住居用洗剤 平均在庫量 最大在庫量 定期定量発注法 1.08 1.03 2瓶法 2.06 1.47 発注点法 1.00 1.00 定期不定量発注法 1.15 1.14 補充点法 1.11 1.05 M in-M ax法 1.11 1.04 傾向パターン需要 (トイレ用洗剤) D 2 (t) (a b t) (1α ) a :886 b :0.87736 α :0.6 トイレ用洗剤を用いる トイレ用洗剤 平均在庫量 最大在庫量 定期定量発注法 2.20 2.20 2瓶法 2.06 1.45 発注点法 1.00 1.00 定期不定量発注法 1.19 1.29 補充点法 1.20 1.12 Min-Max法 1.08 1.06 傾向パターン需要の 手持在庫量推移 手 持 在 庫 量 8, 000 6, 000 1 4, 000 1 1 2, 000 0 100 200 300 t(期) 発注点法 補充点法 8, 000 手 持 在 庫 量 6, 000 1 4, 000 1 2, 000 1 0 100 200 300 t(期) 周期パターン需要 D 3 (t) (a c f(t)) (1α ) a=120(個) t (a c sin(2π )) (1α ) c=60 T T=360 平均在庫量 最大在庫量 定期定量発注法 5.38 8.20 2瓶法 1.67 1.22 発注点法 1.00 1.00 定期不定量発注法 1.20 1.50 補充点法 1.50 1.29 M in-M ax法 1.05 1.00 季節パターン需要 D 4 (t) (a d g(t)) (1α ) 1 2π σ (366 t) exp(log(366 t)μ )2 /2σ2 )) (1α ) (a d a :277.19898 d :52066.8718 8 μ:2.03951 σ :0.57986 傾向成分を除いたガラス用洗剤を用いる ガラス用洗剤 平均在庫量 最大在庫量 定期定量発注法 2.02 3.32 2瓶法 0.28 0.37 発注点法 1.67 1.58 定期不定量発注法 1.08 2.35 補充点法 2.47 2.27 Min-Max法 1.00 1.00 発注方式のまとめ 平均在庫量の順位 実需要 需要パターン 定期定量発注法 2瓶法 発注点法 定期不定量発注法 補充点法 Min-Max法 水平 傾向 周期 季節 2 6 6 5 6 5 5 6 1 1 1 3 5 3 3 2 4 4 4 4 3 2 2 1 最大在庫量の順位 実需要 需要パターン 水平 傾向 周期 定期定量発注法 2 6 6 2瓶法 6 5 5 発注点法 1 1 1 定期不定量発注法 5 3 3 補充点法 4 4 4 Min-Max法 3 2 2 季節 5 6 2 3 4 1 複合された需要 (住居用洗剤) 水平成分+傾向成分+季節成分 D 4 (t) (a b t d g(t)) (1α ) 1 2πσ (366 t) exp(log(366 t)μ )2 /2σ2 )) (1α ) a :479 b :1.85884 d :115962.724 59 μ:1.97986 σ :0.61993 α :0.6 (a b t d 住居用洗剤 平均在庫量 最大在庫量 定期定量発注法 2.27 2.95 2瓶法 発注点法 1.35 1.29 定期不定量発注法 1.00 1.67 補充点法 2.26 2.04 m in-m ax法 1.02 1.00 結論 (1)需要の定式化 (2)需要パターン毎の発注方式の比較検討 ・需要パターンによって適する発注方式が異なる ・水平パターン需要:発注点法、定期定量発注法 ・傾向パターン需要:発注点法、Min-Max法 ・周期パターン需要:発注点法、Min-Max法 ・季節パターン需要:Min-Max法、定期不定量発注法 (3)過去の需要と現在の需要の変化 ・定期不定量発注法がよい (4)発注方式の問題点 今後の課題 多品種を扱った時の影響 小売り-問屋-メーカー という多段階の影響 小売店が複数ある時の影響 長期的な需要の変動を考慮した影響 情報化 過去-現在の需要が変化 水平パターン需要 平均在庫量 水平成分 定期定量発注法 2瓶法 発注点法 定期不定量発注法 補充点法 m in-m ax法 120 4.10 7.79 3.80 5.19 4.31 4.22 150 2.25 5.83 2.68 4.62 3.11 3.08 120 9.22 13.20 8.71 11.17 9.67 9.50 150 5.91 10.37 6.85 10.80 7.73 7.47 最大在庫量 水平成分 定期定量発注法 2瓶法 発注点法 定期不定量発注法 補充点法 m in-m ax法 過去-現在の需要が変化 水平パターン需要 欠品率 水平成分 定期定量発注法 2瓶法 発注点法 定期不定量発注法 補充点法 Min-Max法 120 150 5.10 23.70 0.00 0.00 5.89 13.76 3.25 4.35 5.24 14.41 5.54 11.24 納入リードタイム変化 平均在庫量 納入リ ード タ イ ム( LT) 定期定量発注法 2瓶法 発注点法 定期不定量発注法 補充点法 mi n-max法 欠品率 納入リ ード タ イ ム( LT) 定期定量発注法 2瓶法 発注点法 定期不定量発注法 補充点法 mi n-max法 2 2. 25 5. 83 2. 68 4. 62 3. 11 3. 08 14 2. 26 1. 07 2. 67 3. 02 7. 14 2. 68 7 14 23. 96 64. 40 19. 96 16. 97 9. 76 23. 53 2. 26 1. 93 2. 89 3. 54 3. 10 2. 73 2 23. 70 0. 00 13. 76 4. 35 14. 41 11. 24 7 23. 96 33. 33 17. 69 11. 12 21. 28 19. 75 発注間隔・予測間隔変化 平均在庫量 発注間隔(R T) 定期定量発注法 2瓶法 発注点法 定期不定量発注法 補充点法 mi n-max法 7 15 2.25 4.75 5.83 15.40 2.68 5.92 4.62 9.16 3.11 5.95 3.08 6.35 30 9.69 33.28 12.24 16.47 10.98 12.26 欠品率 発注間隔(R T) 7 定期定量発注法 23. 70 2瓶法 0. 00 発注点法 13. 76 定期不定量発注法 4. 35 補充点法 14. 41 mi n-max法 11. 24 15 23. 78 0. 00 5. 33 2. 94 15. 64 6. 52 30 23. 51 0. 00 1. 57 2. 78 18. 52 4. 00
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