情報セキュリティ: 2005年7月15日

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情報セキュリティ
第14回:2005年7月15日(金)
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本日の内容
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落ち穂拾い(2)
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おさらい問題
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セキュリティに関する英語表現
解答と解説
試験の実施要領
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英語表現(情報セキュリティの三大要素)
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機密性,秘匿性:confidentiality
完全性,正真性,一貫性:integrity
可用性:availability
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余談
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機密,親展:confidential
統合:integration
ネットでダウンロード可能:available on the Net
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英語表現(利用環境)
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秘密通信:secret communication
認証:authentication
プロトコル,プロトコール:protocol
セッション,セション:session
ハンドシェイク:handshake
更新:update
認証局:certificate authority, CA
信頼される第三者:trusted third party, TTP
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英語表現(安全性を脅かすもの)
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インシデント(事故の兆候):incident
アクシデント(大規模な事故):accident
攻撃者:attacker, cracker, saboteur
セキュリティホール:security hole
欠陥:flaw, defect
脅威:threat
脆弱性:vulnerability
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英語表現(攻撃)
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盗聴,傍受:eavesdropping, wiretapping, interception,
monitoring, sniff
成り済まし:masquerade, impersonation
中間者攻撃:man-in-the-middle attack
改竄(オリジナルを一部書き換える):alteration
偽造(偽物をつくる,でっちあげる):forgery
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英語表現(その他)
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擬似…:pseudoq
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…空間:-space
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擬似乱数:pseudo random number
擬素数:pseudoprime
鍵空間:keyspace
メッセージ空間:message space
パスワード空間:password space
指紋:fingerprint
原理的に:in principle
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おさらい問題と試験について
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試験で問う内容(予定)
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
授業で学んだ情報セキュリティの諸技術,諸概念を適切に理解
しているか?
RSAに関して,①基礎となるアルゴリズム(特に拡張ユークリッ
ド互除法),②暗号と署名の両方に利用できること,③安全性
の根拠,などを理解しているか?
授業で学んだ情報セキュリティの諸技術を図示して説明できる
か?安全性を日本語で簡潔に説明できるか?
試験で答案を書く際の注意点
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暗号技術の安全性で「押えておくべきこと」を記述する.
攻撃方法を説明する際は,「どんな行動をすることで」「攻撃者
は最終的に何ができるか」を明示する.
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復習:拡張ユークリッドの互助法
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
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入力:正整数a, b
出力:a*x+b*y=gcd(a,b)を満たす整数x,y
アルゴリズム
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一般に無限個ある中の
1組
Step 1. s←a, t←b, u←0, v←1 とする.
Step 2. q←s/t, r←s%t(=s-q*t), w←u-q*v とする.
Step 3. r=0ならば,Step 5へ進む.
Step 4. s←t, t←r, u←v, v←w として,Step 2へ戻る.
Step 5. (t-b*v)/a, v を出力して終了する.
61x mod 229 = 1 ⇒ 61x + 229y = 1 として適用
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gcd(61,229)=1も確認しておく
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おさらい問題の解答(大問2)

(2)の解答例
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攻撃者が,認証者から証明者に送る乱数を受け取り,過去に
入手した「証明者の公開鍵で暗号化された暗号文」に置き換え
て送る.
証明者はそれを受け取り,署名をして認証者に送る.攻撃者は
途中でこれを受け取る.
RSAにおいて「復号」と「署名」は同じ操作であるので,攻撃者
が受け取ったのは, 『「証明者の公開鍵で暗号化された暗号
文」が復号されたもの』である.
ゆえに,上記のようなman-in-the-middle攻撃により,攻撃者は
過去に入手した暗号文に対して,元の平文を獲得できてしまう.
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おさらい問題の解答(大問2)

(3)の解答例(1/2)
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現在普及している暗号アルゴリズムは,対称暗号と公開鍵暗号
に大別される.DESやAESは対称暗号に,RSAや楕円曲線暗
号は公開鍵暗号に分類される.
対称暗号の鍵は一般にビット列であり,鍵生成は,サイズに合
わせてランダムなビット列を生成すればよい.
公開鍵暗号の鍵は,整数であることが多い.この整数は,乱数
と,綿密な計算に基づいて求められる.
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おさらい問題の解答(大問2)

(3)の解答例(2/2)
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各暗号アルゴリズムの安全性は,鍵長(鍵のビット長)に依存す
る.すなわち,鍵長が大きいほど解読に時間がかかることにな
り,より安全である.
暗号アルゴリズム間で安全性を比較する場合,例えばブルー
ト・フォース・アタックに対する,鍵長128ビットの対称暗号と同
等の安全性を持つためのRSAの鍵長は2000ビットを超える.
そのため,RSAの処理時間は,対称暗号に比べて非常に大き
くなる.公開鍵暗号でセッション鍵を送り,それ以降はセッション
鍵を用いて対称暗号でメッセージを暗号化してやりとりするとい
う,ハイブリッド暗号システムが広く用いられている.
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おさらい問題の解答(大問3)
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⑦ SSH2のプロトコル の図示
クライアント
サーバ
接続要求
バージョン番号通知,ID交換
鍵交換,ホスト認証,暗号化情報の交換
セッション暗号化,ユーザ認証
データ通信
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おさらい問題の解答(大問3)

⑦ SSH2のプロトコル の安全性
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ホスト認証でサーバからクライアントに鍵を送付する際にmanin-the-middle攻撃がなされる可能性がある.クライアント側の
ユーザは,受け取った鍵のfingerprintを,他の手段で知り得る
fingerprintと照合することで,鍵の正当性を判定するとよい.
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試験について
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日時と場所
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7月22日(金) 9:10~10:40,A104
試験時間は90分?
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①持ち込み物チェック,
②解答用紙・問題用紙の配布,③解答
の合計が90分
持ち込み物チェックで時間をかけると,皆が損する!
遅刻は9:40まで,答案提出も9:40から
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試験の持ち込み物について
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自筆ノート1冊のみ持ち込み可
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
ルーズリーフOK?
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以下の条件をすべて満たすならOK
 すべて自筆(印刷物やコピーがない)
 バインダに綴じ,試験中取り出さない
復習問題をすべて書き写しておいていい?
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
教科書不可
授業中に配布した資料も不可
ノートへの貼り付けも不可
いいが,努力の方向としては感心しない.
○○は可?
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事前相談を.
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最後に,お願い
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「技術」を適切に説明する能力を養ってください.
1年半(以上?)の学生生活を左右する「研究室配属」は
時間をかけて検討・選択し,研究室で活躍してください.
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配属決定方法(プロトコル)で不審な点があれば,相談ください.
専門科目アンケートに協力ください.
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WISSなどでアナウンスされます.
こちらは,採点完了後に回答内容を見て,来年度の授業に
役立てたいと考えています.
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