GC/MSによるノニルフェノキシ酢酸類の分析 独立行政法人土木研究所 ○ 小森 行也 八十島 誠 田中 宏明 背 景 □ 内分泌攪乱化学物質の社会問題化 □ 国土交通省の実態調査(河川、下水) □ NP、NPEOが比較的高濃度で存在 □ NPはエストロゲン様活性が比較的強い □ NP関連物質の収支を求めるためにNPEC の測定が必要 下水道における実態調査結果(H11年度、中央値、μg/l) 物質名 流入水 ・ノニルフェノール 4.7 ・ビスフェノールA 0.53 ・アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル 0.07 ・フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 13 ・フタル酸ジ-n-ブチル 3.6 ・17β-エストラジオール 0.040 ・NPn=1-4EO 29 ・NPn≧5EO 81 放流水 エストロゲン様活性 0.1 0.001 0.02 0.00006 ND - 0.3 - ND - 0.0088 1 0.7 未測定 0.3 未測定 (-は2g/lで換算可能はデータが得られなかったもの) 目 的 □ NPnEC分析法の確立 ・GC/MSを用いた検討 ・LC/MSを用いた検討 ・HPLCを用いた検討 □ 下水試料への適用 ・下水試料を対象とした試験法の開発 (流入下水、処理水) 4 前処理方法 試料 メチル化 1L ろ過 ろ液 GF/B 残渣 超音波抽出 (メタノール5mL×2) 固相抽出 C18+SAX 溶出 メタノール5ml 14%BF3/メタノール0.5ml 90℃、1時間 放冷 水2ml、ヘキサン1ml 振とう 静置 ヘキサン層を分取 内標準物質(ピレン-d10) GC/MS 溶出 20%塩酸/メタノール5ml 5 GC/MS測定条件 カラ ム カラ ム 温度 G C 条件 注入口温度 注入法 キャ リ アガス 流量 イ ン タ ーフ ェ イ ス 温度 イ オン 源温度 MS 条件 イ オン 化法 イ オン 化電圧 検出モード HP-5MS 30m×0. 25mm df =0. 25μm 100℃( 1mi n) ~12℃/mi n~300℃( 1mi n) 300℃ パルス ド ス プリ ッ ト レ ス 1. 2mL/mi n 300℃ 230℃ EI 70eV 7 SI M ( 定量イ オン ; 221. 2, 265. 2, 309. 2) Q/IS 標準試料での検量線 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 y = 0.9316x R2 = 0.9901 0 0.2 0.4 0.6 検出量(ng) 0.8 1 1.2 8 標準試料繰り返し測定結果 (ng/μl) No. 1 2 3 4 5 平均 標準偏差( S) CV( %) NP0EC 0. 071 0. 066 0. 065 0. 064 0. 063 0. 066 0. 0031 4. 7 NP1EC 0. 045 0. 042 0. 041 0. 042 0. 040 0. 042 0. 0019 4. 5 NP2EC 0. 046 0. 041 0. 042 0. 044 0. 040 0. 043 0. 0024 5. 7 10 まとめ □ GC/MSによるNPnECの分析法を報告した □ GC/MSを用いた本法では下水処理水において 比較的低濃度(0.03μg/l)まで分析できる可能 性が示唆された □ 下水を用いた添加回収試験の結果、回収率は いずれも90%以上であった。 13
© Copyright 2024 ExpyDoc