4 システムの評価

4 システムの評価
4 システムの評価
4401050
4401088
工 保夫
山腰 諒一
1
4 システムの評価
システムの評価とは何か?
分析と評価とは区別
 評価とは意思決定である
 評価属性が複数個存在

①個々の属性の評価
②総合的な評価
●●●●●●●●●
○○○○○○○○○
評価
2
4 システムの評価
システムの認識

要素と相互関係(構造)が重要
例:小説
小説を構成する要素:登場人物
登場人物が多い=相互関係が複雑
=書き手も読み手も理解するのが大変
3
4 システムの評価
評価の難しい点

分析をいくら行っても、最後には評価者
の主観が入る

評価者だけでなく、問題に関係する人々
が納得できるものでなければ不満が残る
4
4 システムの評価
4.1総合評価の方法
A.階層構造モデルによる評価
5
4 システムの評価
階層化意思決定法(AHP)
1
2
3
4
5
階層図を作る(階層図の要素を決める)
各要素の重要度の一対比較を行う
一対比較の整合性をチェック
各要素の重要度の算出
代替案の総合評価
6
4 システムの評価
AHPの例
マンションを選ぶことを考える
1 階層図を作る(階層図の要素を決める)
マンションを選ぶときに自分で大切だと思わ
れる、通勤時間の短さ、家賃の安さ、部屋
の広さ、駅からの近さをようそとする。

7
4 システムの評価
2 各要素の重要度の一対比較
を行う
重要度を次のように決める
通勤時間の短さ->5
家賃の安さ
->2
部屋の広さ
->4
駅からの近さ ->3
8
4 システムの評価
3 一対比較の整合性をチェック
自分が選んだマンションを
通勤時間の短さ、 家賃の安さ、 部屋の広さ、 駅からの近さ
マンション 1
3
2
4
マンション 2
4
3
5
マンション 3
3
2
3
マンション 4
3
1
2
とする。重要度を上のようになった。
5
4
1
4
9
4 システムの評価
4 各要素の重要度の算出
マンション 1=3*5+2*2+4*4+5*3=50
=4*5+3*2+5*4+4*3=58
マンション 3=3*5+2*2+3*4+1*3=34
マンション 4=3*5+1*2+2*4+4*3=37
マンション 2
通勤時間の短さ
家賃の安さ
部屋の広さ
駅からの近さ
10
4 システムの評価
5 代替案の総合評価
マンション 1=50ー>二番
=58ー>一番
マンション 3=34ー>四番
マンション 4=37ー>三番
従って自分にとってマンション2が一番よい
物件だといえる。
マンション 2
11
4.1 総合評価の方法
B.入出力モデルによる評価
評価基準の階層構造モデルの作成や階層
図中の各要素の重要度の設定が不適切
AHPを利用した総合評価の結果に対し、
評価者が異議を唱えることもある
12
4.1 総合評価の方法
結果に異議を唱える場合①

評価者は自分なりの答えをもっている
AHPによる総合評価の結果と評価者の答えが
一致しない場合、結果の方に修正が加えられる
目的
階層モデルの完成
例 評価対象:ある製品の意匠(デザインなど)
評価者:製品の購入者
⇒購入者による意匠評価モデルの完成
13
4.1 総合評価の方法
結果に異議を唱える場合②

特定の評価者と同じ選考判断を下す
評価モデルが欲しい
代替案を入力すれば、ブラックボックスから
評価結果が出力される『入出力モデル』
代替案
評価モデル
構造は気にしない
結果
14
4.1 総合評価の方法
代替案
学習標本結果
学習標本
多変量解析
学習標本
階層型ニューラルネットワーク
学習標本
学習標本
15
4 システムの評価
4.2 評価の要点
4401031
草間賢
16
4 システムの評価
A.1属性評価
システムの評価問題は
評価者
代替案
評価基準
の3つから構成されている。
4.2節A項では、評価基準が単一属性の場合を考え
る。
17
4 システムの評価
評価基準が単一属性の場合の留意点
評価尺度
 経済性

18
4 システムの評価
評価尺度
名義尺度(nominal scale)
 順序尺度(ordinal scale)
 基数尺度(cardinal scale)
 間隔尺度(interval scale)
 比率尺度(ratio scale)
 絶対尺度(absolute scale)

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4 システムの評価
微妙な差異の限界
人間が認識できる差異の限界を丁度可知差
異(just noticeable difference)と呼ぶ。
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4 システムの評価
経済性(economical efficiency)
経済性の定義
経済性とは、最小の費用で最大の効果を
上げる
程度のことを言う。
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4 システムの評価
金額を評価尺度にする時の注意点



金額の価値は時間的に変化する。
 現価係数、終価係数、年価係数
金額の価値は空間的に変化する。
 国内における物価水準の地域差
 外国為替相場
金額の価値は、取得した経緯、用途によっても異
なる。
 資産売却益と営業収益
22
4 システムの評価
問 4.6
長期的な投資計画の評価では、現在価
値(現価)、 最終期の価値(終価)、各期
ごとに均等割にした価値(年価)が用いら
れる。現価、終価、年価を相互に時間換算
する方法について調査せよ。
23
4 システムの評価
終価係数(現価→終価)
S  P  1  i 
n
24
4 システムの評価
現価係数(終価→現価)
PS
1
1  i 
n
25
4 システムの評価
年金終価係数(年価→終価)
S  M  1  i 
n1
n

1  i  1
SM
 M 1  i 
n 2
  M
i
26
4 システムの評価
減債基金係数(終価→年価)
M S
i
1  i 
n
1
27
4 システムの評価
年金現価係数(年価→現価)

1  i
PM
n
i
1

1  i  1

M
n
n
1  i 
i1  i 
1
n
28
4 システムの評価
資本回収係数(現価→年価)
i1  i 
n
M  P
1  i 
n
1
29
4 システムの評価
B.多属性評価
4401052
竹田 宣廣
30
4 システムの評価
システムの評価では、
評価基準が複数の属性から構成され
ることが多い。
したがって
環境アセスメント (environmental
impact assessment)は、膨大な個数
の属性を考慮しなければならない。
31
4 システムの評価
(1)評価マトリックス
32
4 システムの評価
評価マトリックス
多属性評価は、属性や評価値を客観的に
計測できたとしても、
総合評価の規範がない限り評価者の
主観に依存するので…
・多属性評価は本質的に主観的である。
33
4 システムの評価
(2)効用関数
効用(utility)
評価者の感じる「満足」「有用性」の度合い
選考(preference)の関係 a b
代替案a( X  xa )が代替案b(X  xb)よりも
有用であることを表す
u( xa )  u( xb )
とする実数値への写像関数 u ( xa ) が
存在すればよい。
34
4 システムの評価
効用関数
任意の2つの代替案にたいして、評価者
の選考判断と矛盾しないように関数を構
築できれば、その関数を効用関数あるい
は
多属性効用関数
(multi attribute utility function)という。
35
4 システムの評価
効用関数の加法性と線形性
加法性
n
u ( x)   wiui( xi)
i 1
線形性
ui( Xi)  aiXi
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4 システムの評価
効用関数の例
37
4 システムの評価
(3)集団意思決定
システム工学での評価は、問題解決の代替案の
選考に関する意思決定(decision making)
である。
複数の評価者による評価、すなわち
集団(group)意思決定の難しさは、政治の世界
を傍観するだけで容易に推測できる。
38
4 システムの評価
39
4 システムの評価
一般可能性定理
(general possibility theory)
集団意思決定について、各構成員の自
由な選好順序から集団全体の選好順序
を構成することは論理的に不可能であ
るという主張である。
40
4 システムの評価
集団意思決定の理論
集団全体の効用の大きさを示す
グループ効用関数あるいは
社会的厚生関数(social welfare function)を
構成することが
論理的に困難であっても、
社会の中で意思決定は
下されねばならない。
41
4 システムの評価
C.不確かさと評価
(1)確率状況下の評価
4401011
伊藤 正人
42
4 システムの評価
(1)確率状況下の評価

投機や投資行為では、得られる利得損失
だけでなく、その成否の確率も考慮すべき
である

もたらす結果が確率に依存する評価問題
である宝くじ購入を考える
43
4 システムの評価
どの宝くじを購入するか考える場合

得られる利得の期待値(期待利得)を評価
基準に設定すると、人間の選好判断と対
立する結果が生じうる

利得に対する効用の期待値(期待効用)を
評価基準に設定した方が良い
44
4 システムの評価
無差別
「LOT1、LOT2について選好判断を下しかねる」
=LOT1とLOT2は無差別である
LOT1~LOT2と表記する


LOT1:確率4/5で10万円を得、確率1/5で0円
LOT2:確率2/5で30万円を得、確率3/5で0円
45
4 システムの評価
期待効用の計算
利得に対する効用u(0)を0に設定するなら、期待効
用の計算から
LOT1~LOT 2
4
2
 u (10) ≒ u (30)
5
5
 2u (10) ≒ u (30)


(4.11)
LOT1:確率4/5で10万円を得、確率1/5で0円
LOT2:確率2/5で30万円を得、確率3/5で0円
46
4 システムの評価
確実性重視効果

LOT3 LOT4、LOT5 LOT6と選好判断を下す時
に期待効用の計算から
LOT3
LOT 4
4
 u (20)  u (30)
5
 5u (20)  4u (30) (4.12)
LOT3:確率 1 で20万円を得、確率 0 で0円
LOT4:確率4/5で30万円を得、確率1/5で0円

LOT 5 LOT 6
1
1
 u (20)  u (30)
4
5
 5u (20)  4u (30) (4.13)
LOT5:確率1/4で20万円を得、確率3/4で0円
LOT6:確率1/5で30万円を得、確率4/5で0円
このように相反する不等式が導き出される
47
現象を確実重視効果という
4 システムの評価
C.不確かさと評価
(2)ファジイ評価
4400055
佐々木祐輔
48
4 システムの評価
(2)ファジイ評価
ファジイ理論は,主観的なあいまいさを処
理することができ,評価の問題とも親和性を
持つ.
ファジィ評価は,評価者の主観による属性
間の相互関係を効用関数に反映させる必要
がある状況下で用いる.
49
4 システムの評価
例) セキセイインコの品評会
主な評価属性
体の大きさ
頭の大きさ
顔形のよさ
羽色の美しさ
翼の斑模様の趣
注)各属性は相互に影響しあう
50
4 システムの評価
一羽のインコ r に対する評価値が(a)の棒
グラフのようになったとする.
51
4 システムの評価
評価値が等しい部分については属性間にバラン
スがあると考える.
全体
に関するバランスに寄与するのは
図(b)の⑤の部分であり,その評価値は
で
ある.
52
4 システムの評価
同様に,
④
③
②
①
ur(S3)-ur(S5)
ur(S2)-ur(S3)
ur(S1)-ur(S2)
ur(S4)-ur(S1)
となる.
53
4 システムの評価
図(b)の①~⑤の評価値に,
重み
を掛け合わせた総和が,インコ r の総
合評価値 ur に相等すると考える.
集合関数
について,
加法性
がなりたつとは限らない.
54
4 システムの評価
しかし,
単調性
(1)
までも否定できない.
さらに,
(2)
とする.
55
4 システムの評価
ファジイ測度
(1),(2)を満たす集合関数
ファジイ積分
図(b)出のようにファジイ測度を用いた重み
つき総和演算
56