PIXE法を用いた アジサイ中のアルミニウム測定

PIXE法を用いた凍結乾燥
アジサイ中のAlの絶対濃度測定
環境計測
柳川 昌逸
本研究の目的
①PIXE法でのアジサイ中に含まれてい
るAl濃度の絶対値測定。
②濃度測定のための試料作成(乾燥方
法)の改善。
①Alの濃度測定
これまでの研究
• アジサイでのAl測定。
• 花の色の違いによるAlの含有量比較。
濃度の測定
• 内部標準としてCo標準液を使用。
アジサイの特徴
一般の植物にとって、Alは有害
Alに高い耐性。

アジサイの花色は土壌環境によって
変化。

アジサイの青色は色素であるアント
シアニンとAlで発色。

測定したアジサイ
城ヶ崎
花、葉、茎
ホンアジサイ
花、葉、茎
ロシタ
花、葉
PIXE法と濃度測定
count
PIXE法(荷電粒子線励起X線放射法)
荷電粒子により元素を励起。
内部標準
求めたい元素
元素により放出された固有のX線を検出。
energy
測定したピーク面積比により濃度を算出。
②試料作成の改善
これまでの研究
押し花により試料を乾燥。

乾燥方法の改善
凍結乾燥法(フリーズドライ)で乾燥。

凍結乾燥の特徴
•低温、真空で乾燥。
•試料から抜け出した水分を水分トラップ
により収集することが可能。
•押し花乾燥よりも短時間で行なえる。
低温、真空であるため
酸化や熱による物質の
化学変化も防げる。
凍結乾燥の装置図
葉;2時間 花、茎;6時間
氷
60W 白熱電球
ピラニ
真空計
RP
試料
水分トラップ
(液体窒素)
凍結乾燥装置
PIXE実験装置
ターゲットホルダー
ダイヤホイル(9.4 m)
Si(Li)検出器
F.C
ビーム
ビームカレント
モニター
カーボン板
ターゲット
測定装置・条件
京都大学 工学研究科原子核工学専攻 放射実験室
加速器
入射粒子
ビーム電流
ビーム径
ビーム電流量
検出器
分解能
アブゾーバー
タンデム型加速器
2.5 MeV He2⁺ビーム
7.5 nA
2.0φ
10C (約15分間)
Si(Li)検出器
256eV
9.4 m厚 ダイヤホイル
アジサイ花のスペクトル
10
4
城ヶ崎
ホンアジサイ
Al
count
10
ロシタ
3
Co
10
10
2
1
Mg Si
S
P
10
K
Cl
Ca
0
1
2
3
4
5
energy(keV)
6
7
8
結果
[ppm(g/g)]
花
城ヶ崎(青)
ホンアジサイ(青+白)
ロシタ(赤)
茎
葉 910
230
280
180
80
960
350
190
1200
城ヶ崎
濃 度 (ppm )
1000
ホンアジサイ
ロシタ
800
600
400
200
0
花
葉 茎
まとめ
• 青い花>赤い花
• 葉~花>茎
• 内部標準としてのCo。
花:城ヶ崎910 ppm ロシタ280 ppm
• 凍結乾燥での試料作成。
Acknowledgement
• 日本アイソトープ協会滝沢研究所
仁科記念サイクロトロンセンター
伊藤 じゅん
• 京都大学 工学研究科原子核工学専攻
伊藤 秋男
土田 秀次
• 京都府立植物園
松谷 茂
• 京都府立大学 材料設計学講座
石田 昭人