ユーザインタフェース 第3回

ユーザインタフェース 第3回
Webページをデザインするさいの
心がけ
考えなくてよい選択
• ユーザは、目的のページに到着するのに何回
クリックさせられると、いらいらするか?
– あるサイトでは上限を決めている。
• Krugの主張: 「ユーザは、おしなべて、
何も考えずにクリックしている限り腹を立てない 」
– 自分が正しい方向に進んでいる確信があればよい
– 何回クリックするかは問題でない。
– 目的に到達するまでに、ユーザがしなければならな
い苦労の量の総計が問題
考えなければならない選択の例
• (Webではないが)MS
PowerPointで「ファイル
形式を選んで保存」の
場合
• 「PowerPoint97-2003プ
リゼンテーション」を理
解するのに、考えてしま
う。
• PowerPointには、97,
2002, 2003のバージョン
があり、これらでは同一
のファイル形式であるこ
とを知っている必要があ
る。
不必要な語を省く
• Krugの主張: 「Webページの文章は
半分までカットできる。 」
– さらに強力に「 半分にして、残りを半分にしろ 」
• 短くすると
– そのページの 雑音 を下げられる
– 有意義なコンテンツ を目立たせることができる
– ページが短くなるので、 スクロール しないで
確認できる情報が多くなる
•
無駄口 と 説明
をなくすと短くなる
無駄口(happy talk)、死すべし
• Webページでの無駄口とは
– サイトを訪問したユーザを歓迎するための文
– このサイトがいかに優れているかを主張する文
– アクセスした部分に掲載されているものを説く文
• 区別する方法
– 読んでみて「 はぁ~こりゃこりゃ 」と聞こえるか
• 無駄口(Happy Talk)は社交辞令
– Webユーザは忙しい ので、社交辞令は必要ない
(使い方の)説明、死すべし
• 使い方の説明は、誰も読まない
• 「失敗しながら、あれこれトライすること数回」
Webはそうやって使うもの
[問]以下の アンケートのサイトについて、何が悪いか考えよ
以下のアンケートは、このサイトの改良と利用者の皆さんの
ニーズによりよく答えられるサイトの構築にご協力いただくため、
皆様からの情報収集を意図して作成されています。
下にあるドロップダウンメニュー、ラジオボタンから回答を選択
してください。
アンケートにすべてお答え頂くのに2分から3分かかります。
回答を必要とするご意見、ご要望がございましたら、カスタ
マーズ・サービスまでご連絡ください。
問題点分析(改善前 188文字)
以下のアンケートは、このサイトの
改良と利用者の皆さんのニーズによ
りよく答えられるサイトの構築にご協
力いただくため、皆様からの情報収
集を意図して作成されています。
アンケートが何のために実施される
かは、みんな知っている。ユーザに
とって必要な文は「ご協力いただく」
だけ。これがあればユーザにお願い
していることがわかる。
下にあるドロップダウンメニュー、ラ
Webユーザなら、ドロップダウンメ
ジオボタンから回答を選択してください。 ニュー、ラジオボタンは見ればわかる。
アンケートにすべてお答え頂くのに
2分から3分かかります。
アンケートに答えるかを判断する
のに「2分から3分」という情報は有用
回答を必要するご意見、ご要望が
ございましたら、カスタマーズ・サー
ビスまでご連絡ください。
カスタマーズ・サービスへの連絡
先を示さないと意味がない。
改善後(89文字)
このサイトの改善のため以下の質問にお答え
ください。2分から3分で回答できます。
回答が必要なご意見、ご要望にはこのフォー
ムは使用しないでください。カスタマーズ・サー
ビスで承ります。
• 半分以下になっても、必要な情報は何も落ち
ていない。
ナビゲーション
• 厳然たる事実
– ごちゃごちゃしたWebサイトは、誰も使わない。
• こんなサイトには長くいないし2度と訪問しない
– 自分の探しているものが見つからない
– そのサイトがどういう構造になっているのかわから
ない
• わかりやすくシンプルで首尾一貫したナビゲー
ションが必要
[例] Do It Yourselfのお店
• 電動ドライバを買いに行ったとする
• 店員に尋ねるか、案内板を見て探すか
工具
家電用品
手動工具
電動工具
ガーデニング
研磨工具
• 期待どうりに見つかれば爽快、なければ退出
– ナビゲーションは 期待を裏切っては いけない
– ナビゲーションには 階層 がある
ウェブ・ナビゲーション入門
- Do It Yourself店でのナビゲーションとの共通点 • 何かを探している
• 最初に質問するか、ブラウズするかを決める
– Jakob Nielsenの定義
– 検索ボタンを探す
• 検索優先型ユーザ (search dominant user)
– ブラウズしてクリックできそうなボタンを探す
• リンク優先ユーザ (link dominant user)
• ブラウズの場合、表示 に従い階層を進む
• 探し物がなければ、 立ち去る
「階層を進む」とは?
典型的には
• トップページを見渡す
• そのサイトの主要なセクションのリストを探す
工具
家電用品
ガーデニング
手動工具
電動工具
研磨工具
• 正しそうな セクションをクリック
– ここでユーザに 考えさせては いけない
ブラウズ時の 移動 している錯覚
Webでは、現実とは違った、奇妙な感覚
• サイトの 大きさ の感覚がない
• 方向感覚 がない
• 位置感覚 がない
– 概念的な 階層構造 を思い浮かべないといけない
– 近道がない(だから、ブックマーク 機能ができた)
– クリックされるボタンの40%は「戻る」ボタン
• トップページは 北極星
• ナビゲーションの意義
(ここにもどれば何とかなる)
– ある場所から別の場所に移動する
– 自分の 現在位置 を把握する