平成25年度 環境浄化技術Ⅰ&衛生工学Ⅰ 4月9日 担当:今井 剛&関根雅彦 講義HP(今井担当): http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/ ~imai/kankyojouka/kankyojouka.html お知らせ この講義は、今井(循環環境工学科) と関根先生(社会建設工学科)の二人 で半分ずつ担当します。(今井:前半、 関根先生:後半) 6月4日に中間試験を行います(予定)。 ※中間試験の範囲は今井担当分のみ (定期試験の範囲は関根先生担当分のみ) テキスト 「衛生工学」 合田健・津野洋・中西弘・藤原正弘著 彰国社 4,400円+税 ISBN4-395-41065-0 3 成績について(今井担当分): 出席は「欠格条件」 ・やむを得ない理由で休む場合は必ず「欠席届」を提出 のこと (できるだけ事前に、「学期末にまとめて」は不可) ・また休んだ分の欠席レポートの課題を課しますので、 必ず指示を受けに来ること (課題提示の翌週に提出、「学期末にまとめて」は不可) ※欠席届、欠席レポートの提出がない場合は成績を出し ません 4 環境浄化技術Ⅰ&衛生工学Ⅰでは 上水道の内 主に水質、浄水処理プロセス (前半:今井担当) 下水道の内 主に水質、下水処理プロセス (後半:関根先生担当) について講義します。 もともと、衛生工学とは ↓ 生命を衛る工学 • 上水道、下水道、廃棄物処理・処分 :公害対策 →グローバル化:地球環境問題 環境工学へ そしてその手段として 環境浄化技術(衛生工学)が必 須 さて、講義開始です。 上水道とは(1) • 上水道とは,水道法(昭和32年)第三条の定義に従 えば ”導管及びその他の工作物により,水を飲用に適す る水として供給する施設の総体をいう。” 水道法第一条 清浄にして豊富、低廉な水の供給をはかり,も って公衆衛生の向上と生活環境の改善に資する。 「安全でおいしい水」「必要な水の安定供給」「地域格差のない料金」 水道事業は公営企業であり、原則的に独立採算制をとっている。 上水道とは(2) (H23.3.31現在) 上水道(計画給水人口が5001人以上 )1,443箇所 11,951万人 簡易水道( 〃 5000人以下)6,687箇所 専用水道(101人以上の自家用水道) 7,950箇所 488万人 43万人 このほか、水道用水供給事業(水道水を市町村水道へ卸売する 事業:98箇所)、簡易専用水道(ビル、マンションなどの受 水槽(10m3超)を有する水道)もある。 (工業用水道は上水道ではなく経済産業省の管轄) 上水道計画 (簡単に触れます) 上水道の構成 • • • • • • • 貯水 取水 導水 浄水 送水 配水 給水 原水を蓄える 原水の取り入れ 取水した水を浄水場まで 水の浄化,滅菌 浄化した水を配水池まで 配水池から需用者まで 配水管から分岐して,各戸の給水栓まで 上水道施設の構成(その2) (a)上水道施設 上水道施設とは、水源から水道水の原料たる原水を取り込 み、水路によって浄水場まで運搬して浄水場で飲める水に 変換し、さらにその水を各家庭や事業所などの消費者へ配 給するための都市施設 貯水施設 水道の構成 取水施設 水源施設 水質変換施設 貯水施設 取水施設 浄水施設 輸送施設 導水施設 送水施設 配水施設 給水施設 導水施設 浄水施設 送水施設 配水施設 給水施設 上水道の流れ 上水道施設の構成 (a)上水道施設 上水道施設建設にあたっての注意事項 (1)地形に節合し、地形を極力利用すること (2)都市の将来の発展に適合したものであること (3)施設の建設および維持管理が安全かつ容易であること (4)水道施設の建設費、維持管理費が安いこと (5)将来の施設の拡張、改良、更新に支障を生じないこと (6)広域的に見て、水道用水供給事業および水道事業相互 の間で合理的かつ相互融通的な施設の配置とすること 上水道施設設計の基本 (1)構造上安全で、水理的な諸条件を満たし、必要な能力 を備えていること (2)水質上安全であること (3)法令や基準に準拠していること (4)経済性に配慮しつつ、施工および維持管理が有利であ ること (5)将来の拡張、改良、更新に配慮していること 上水道諸量 • 普及率:H22年度(H23.3.31現在)で 97.5% • 水道の管理上で重要な3要素: 水量・水質・水圧 • 一日一人あたりの使用量:約200L • 給水量原単位:350L/人/day程度 • 人が口にする水の量:約2.3L 水道の年間給水量と1日最大給水量の推移 第1回目宿題 • トイレの1回のフラッシュ(大)は どれくらいの水量か? (節水型、超節水型と通常型の比較も行 うこと) (A4用紙に記入し、次回講義時に提出) 平成25年度 環境浄化技術Ⅰ&衛生工学Ⅰ 第6回目(ここから25枚目の スライドは5月21日の講義 代替レポート用資料) 講義HP(今井担当): http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/ ~imai/kankyojouka/kankyojouka.html 水道計画における基本要素 •給水区域 •給水人口 •給水量 •水道用水として利用できる水源 •水量 •水質 •そして、調査が必要 水道計画における調査 •予備調査 •基礎計画調査 •基本計画調査 ※詳しくはテキスト 水需要予測(1) •需要の推移に応じて合理的 に進める => 一気に作らない •計画年次は10年程度先 水需要予測(2) •水需要予測に必要なデータ (1)計画給水区域 (2)計画給水人口 (3)計画給水量 計画一人一日平均給水量 計画一人一日最大給水量 各種水量などの定義 予測の手法 一般的に(これまで)時系列方法で予測 し、水需要そのものを時間のみの関数と して推計してきた。 時系列解析とは「過去におけるデータの 変動が、時間の経過とともにどのような 回帰式で表現できるか」を分析するもの =>その回帰式で未来を予測する。 回帰式としては・・・次のスライド 第6目宿題 以下の5つの予測手法の特徴と適 用について調べる。(A4用紙に記 入し、5月28日の講義時に提出) •直線回帰 •2次曲線回帰 •指数曲線回帰 •べき曲線回帰 •ロジスティック曲線回帰 平成25年度 環境浄化技術Ⅰ&衛生工学Ⅰ 第2回目 4月16日 講義HP(今井担当): http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/ ~imai/kankyojouka/kankyojouka.html 水質 「水質」、「水量」、「水圧」 水道の3要素 用途によって、求められる質は異なる。 ・家庭用水、営業用水:水質(安全性) ・工業用水:軟水で有機物の少ないこと ・消火用水、雑用水:水量、水圧 水質基準 水道法第4条に基づく水質基準は、水質基準に関する省 令(平成15年5月30日厚生労働省令第101号)により、定 められている。 詳細:http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/kijunchi.html 水質試験(1) ・病原生物汚染の指標 一般細菌数、大腸菌数、亜硝酸・硝酸性窒 素、塩素イオン、有機物等 ・有毒物質 シアン、水銀、有機リン ・制限物質 銅、鉄とマンガン、カドミウム、フッ素、 硬度、蒸発残留物、フェノール類、陰イオン 界面活性剤 水質試験(2) ・化学的性質 pH(水素イオン濃度指数) ・外観 臭味、濁度、色度 硬度 ・水中のCa2+、Mg2+のイオン量を炭酸カルシ ウム(CaCO3)のmg/Lに換算して表したもの。 硬度= Mg2+ *100.08/24.31+ Ca2+ *100.08/40.08 = Mg2+ *4.12+ Ca2+ *2.50 宿題(1):カルシウム20mg/L、マグネシウ ム5mg/Lを検出した水の硬度を求 め、硬水か軟水か判定せよ。 pH ・水素イオン濃度をその逆数の常用対数で表す もの。水素イオン濃度が10-nグラムイオン/Lで あるとき、 log(1/10-n)=log10n=n [H+][OH-]=K[H2O]=Kw=1.0*10-14 宿題(2):0.1mol/L塩酸のpHはいくらか? 0.01mol/LのNaOH溶液のpHはいくらか? 第2回目宿題 (1)硬度の計算 (2)pHの計算 (A4用紙に記入し、次回講義時に提 出) 上水道水源の水質 ・天候、水温 ・アルカリ度、酸度、遊離炭酸 ・導電率 ・BOD5 Biochemical Oxygen Demand 生化学的酸素要求量 ・水中生物(参考テキストp.24-25) ・ウィルス 水質汚濁指標 ・BOD5(Biochemical Oxygen Demand) 好気性微生物によってその水が浄化される ときに消費される酸素の(要求)量 ・COD(Chemical Oxygen Demand) 化学的な酸化剤によってその水が酸化され るときに消費される酸素の(要求)量 ・窒素 ・リン 濃度規制と総量規制について ・濃度規制:ある一定濃度を超えて排出して はいけない ある意味、薄めればOK ・総量規制:年間の排出量そのものの規制 薄めても駄目:厳しい (東京湾、伊勢湾、瀬戸内海) 次のスライドへ 以下は、 古いスライド 水 源 テキスト27ページ 日本の降水量=>減少傾向 日本の人口一人あたりの降水量、特に水資源量は少ない! ← ← 降水量は多くても人口密度が高い場合の賦存量は少ない ← ← ← 水資源賦存量とは、水資源として、理論上人間が最 大限利用可能な水の量で、単に水資源量とも言う。 ← ← 水道の水源の種類 天水とは、「雨水」のこと。 伏流水とは、「河川の流水が河床の地質や土質に応じて河床の下 へ浸透し、水脈を保っている極めて浅い地下水。」 本来の地下水 と異なり、河道の附近に存在して河川の流水の変動に直接影響さ れるものをいう。伏流水は、地中で自然のろ過が行われるため、表 流水に比べて濁度など水質が良好で安定している。扇状地や厚い 砂礫層が堆積している河床をもつ河川水は地下に浸透し伏流水と なりやすい。石灰岩地域では水が石灰岩の割目を通って伏流水と なり再び地表に現れることもある。火山堆積物の中にも伏流水が 発達する。 流量と日数をプロット =>流況曲線 (テキスト30ページ) 豊水量:95(270)日これを下らない 平水量:185 (180)日〃 低水量:275(90)日〃 渇水量:355(10)日〃 取水:取水施設 (既に古い:入れ替え済み) 水質基準 ・健康に関連する項目(29) ・水道水が有すべき性状に関する項目(17) ・水質基準を補完する項目 -快適水質項目(13) -監視項目(26)
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