インターネット使用による弊害

インターネット使用
による弊害
佐藤広太
川村俊明
角川雄太
川村優人
大塚龍八
松田幸作
このテーマを選んだ動機
逆機能

文献1、2では、
インターネット使用の
順機能を述べていたが、
その逆機能である
「弊害」についての研究
はどうなっているのか?
インターネット中毒
具体的な弊害
• 性犯罪
• 生命に対する軽視
• 身体的能力低下
以上の弊害に比べ、我々
大学生に関連性の深い、
インターネット中毒は
どのような影響を
与えているのか?

1 メディア中毒としてのインターネット中毒
メディア中毒とは?
日本では、新しいメディア
に過度に接触すること。

950年前の「更級日記」より
主人公は噂に伝え聞いた
「源氏物語」が、ようやく手に入り、
読む機会を得て、
「昼は日暮し、夜は目の覚めたる

⇒
最も古いメディア中毒
読書中毒
限り、灯を近くともして、これを見
るより他のことなければ」
と熱中して、夢で僧が法華経の学習を勧
めたものも無視し、
果ては、将来は光源氏に愛され
た夕顔のような女性になるだろう
と夢想したが、
結局「まづいとはかなくあさまし」
と結論。
2.1 インターネット中毒の定義
日本

寝食を忘れてインター
ネットにのめり込んだり、
ネットへの接続を止めら
れないと感じるなど、イン
ターネットに
精神的に依存した状態。
アメリカ
①
②
精神疾患
インタ-ネット中毒
が実在するのかどう
か
現時点では不明
2.2 インターネット中毒の定義(アメリカ)
精神疾患
アルコール中毒や薬物中
毒と同じで、
早急に治療すべきである。
⇒
 オンラインで相談所の開
設
 DSM-Ⅳの精神疾患の
分類と診断の手引きのた
めの作成
実在不明

インターネット中毒が存
在するならば、何に対し
ての中毒であるのかを、
これからのインターネット
接触の状況から考えるべ
き
アメリカでの考え方を日本の大学生で調査
Griffithsの定めた
インターネット中毒の6要因
突出性(salience)
 気分の変化(mood
modification)
 耐性(tolerance)
 禁断症状(withdrawal
symptoms)
 葛藤(conflict)
 再発(relapse)

調査結果
1回目大学生3年生92名
2回目大学生457名
を対象にした。
↓
 アメリカで尺度化されたイ
ンターネット中毒尺度で
は、日本の大学生のイン
ターネット中毒は明らか
に出来ないということに
なった。

3 日本の学生における、インターネット中毒と
はどのようなものなのか?
携帯端末の普及
⇒インターネットは、パソコンのみで利用する形態から、
パソコンと携帯端末双方で利用する形態に移行している。
(総務庁の2001年度の『通信白書』13)でも、
2000年度末のインターネット利用者4708万人中、
パソコンからの利用者は3723万人(79.1%)、
携帯端末からの利用者は2440万人(51. 8%)であり、
1459万人(31.0%)が双方の利用を行なっている。

3.1 メールに関するアメリカの調査結果

全てを電子メールに頼り、
電子メール以外では発言できなくなり、
電子メールの世界に没頭し、
電子メールを信じ、
電子メールが届かなければ世間から無視されていると不安
になり、
電子メールの世界に生き甲斐を覚え、
電子メールがなければ生きていけなくなった人達が存在するこ
とを指摘した言葉
⇒電子メール中毒 あるいは熱狂的電子メール常習
癖(E-Mail Addiction) という言葉があることが報告(マルチ
メディア・インターネット事典)14)。
3.3 日本の学生に対する調査
 方法
•
•
•
•
•
2001年6 月に、大学1 年生434人に質問紙調査を実施した。
メール中毒はYoung 9 )のインターネット中毒尺度をメール
中毒用に修正して測定した。
尺度は20項目の質問に5 段階で評定(「まったくない」「めっ
たにない」「ときどきある」「たびたびある」「つねにそうだ」) 。
メール中毒の個人の実態を明らかにするために、
自由記述による回答を求めた。
インターネット不安は(Presno16)の「一般的心配」
「時間遅延不安」「検索不安」「用語不安」の4項目
からなる不安尺度に、 5 段階で評定(同上)。
メール中毒とインターネット不安の関連は、メール中毒者と非
中毒者で、インターネット不安の各項目の平均値を比較する
ことによって調べた。

結果
インターネット中毒尺度上で、Young 8 )の基準では、
合計値が20~39点は平均的なオンライン・ユーザー、
40~69点はインターネットが原因となる一般的な問題を経験している者、
70~100 点はインターネットの使用は生活に重大な問題をもたらす者
その基準を本研究の電子メール中毒尺度に当てはめて、
40~69点をメール中毒経験者、
70~100点をメール中毒者とした。
この基準により、結果を分類すると、
中毒経験者は26.7%(116人)、中毒者は0.9%( 4 人)。
自由記述で、中毒自覚者10.4%(45人)、中毒でない者84.1%(365人)、わ
からない3.6% (16人)、
以前は中毒であり現在は違う1.8%( 8 人)
なぜ日本の学生に当てはまらないのか?
パソコンは使わないが、携
帯電話でのメールのやりと
りをやっている人が多い。
若者の間ではインターネット
中毒者よりも、メール中毒者
の存在が考えられる。
インターネット中毒の度合いを調査するために
次のようなアンケートをメンバー内で行いました。
アンケート内容は以下の資料を参考にしました。
大学生のインターネット中毒とインターネット不安の関連についての実証的研究
http://gauge.u-gakugei.ac.jp/bulletin/Bulletin2002/Bulletin2002_16.pdf
次の質問に回答してください。
友人と仲良くするよりも、インターネットで得られる刺激のほうを求め
ることがあるか
周囲の誰かに、あなたがインターネットで過ごす時間について文句
を言われた事があるか
インターネットで楽しむことを考えて、現実の生活の問題を頭から締
め出そうとすることがあるか
インターネットをしている最中に誰かに中断された場合、ぶっきらぼ
うに言い返したり、わめいたり、いらいらしたりするか
深夜にインターネットをするために、睡眠不足になることがあるか
インターネットをやっていないときにインターネットのことを考えて
ぼんやりとしたり、インターネットをしていることを空想したりするか
インターネットをしているときに「あと2、3分だけ」と言い訳するか
インターネットをしている時間を短くしようとためして失敗したこと
があるか
どれだけ長くインターネットをしていたのかを人に隠そうとするか
他の人と出かける代わりに、もっと長い時間をインターネットの
やりとりで過ごすほうを選んだことがあるか
インターネットをしていないと気分が落ち込み、機嫌が悪くなって、
イライラするが、インターネットをするとすぐに解消できるという経
験があるか
結果
メンバー内では質問内容にはほとんど当てはまらなかった。
単純にインターネットという単語を、
メールに置き換えると当てはまるメンバーがいた。
この研究結果は、私たちにも実感できた。