PowerPoint プレゼンテーション

家畜衛生学(家畜生産学コース;金曜2限)
家畜衛生の概要
家畜衛生の目的:家畜の疾病予防と健康増進を通して、畜産経営の
高度化に寄与し、安全性の高い畜産物を供給することを目的とする。
家畜衛生の役割: 1.疾病要因の制御 、 2.科学に基づく予防、治
療および防除 、 3.畜産物の安全性の確保 、 4.畜産公害の防止 、
5.動物福祉に貢献
家畜の特性:経済動物(牛、馬、羊、山羊、豚、鶏)⇔伴侶動物
生産性:品種改良、規模、施設、管理体制 、飼養形態、飼育密度
集団衛生 :個体の健康、群の健康、地域防疫、国際防疫
安全性:人畜共通感染症、食中毒菌、カビ毒
疾病の発生要因:
生物因子:ウイルス、細菌、真菌、寄生虫、害虫
化学因子:毒物(農薬、有害植物)、有害ガス、栄養素の過不足
物理因子:密度、気象(温度、湿度、気流)、塵埃、騒音、光線
内的因子:年齢、遺伝、免疫、栄養、性(妊娠・分娩、去勢)
感染症の制御
感染症の三大要因:病原体、宿主、感染経路
病原体の根絶:人類が根絶したのは痘瘡(天然痘)と牛疫のみ
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Subfamily: Chordopoxvirinae
Genus: Orthopoxvirus
Camelpox virus (ラクダ痘)
Cowpox virus (牛痘)
Ectromelia virus (エクトメリア痘)
Monkeypox virus (サル痘)
Raccoonpox virus (アライグマ痘)
Taterapox virus (アレチネズミ痘)
Vaccinia virus (ワクチニアウイルス)
Variola virus (痘瘡、天然痘)
Volepox virus (ハタネズミ痘)
Tentative Species in the Genus
Skunkpox virus (スカンク痘)
Uasin Gishu disease virus (馬痘)
Genus: Parapoxvirus
Genus: Avipoxvirus
Fowlpox virus (鶏痘)
Genus: Capripoxvirus
Goatpox virus (山羊痘)
Sheeppox virus (羊痘)
痘瘡ウイルスは変異を起こ
さず、宿主特異性が強いこと
から、ヒトに予防接種すること
でウイルスが増殖する場所を
なくすることができた。
Pseudocowpox virus (偽牛痘)
Bovine papular stomatitis virus (牛丘疹性口炎)
牛痘ウイルスはヨーロッパ大陸と英国に分布し、ヒ
トの感染は稀であるとされてきた。しかし、今世紀に
入ってオランダ、フィンランド、ドイツ、フランス等での
感染例が相次いで報告された。ただし、感染者の大半
は少年・少女であり、痘瘡根絶後に育ったために種痘
を受けていない。
サル痘 (Monkeypox)
ヒトのサル痘は中央・西ア
フリカの主に熱帯雨林で流行
してきた(致命率数%~10%)。
ところが、2003年に突如米国
で発生し、アフリカ大陸以外で
のヒトサル痘感染の最初の事
例となった。ペットとして輸入し
たネズミが原因である。
牛疫根絶宣言 2011年5月
吸絶発
困、熱
難唾、
で液口
1 分腔
週泌内
程亢び
度進ら
ん
で、
出に
死血
亡性よ
る
下食
痢欲
、廃
呼
新たな地域に侵入すると
牛群のほぼ100%が死亡す
る。世界史における牛疫の
影響はローマ帝国衰退の引
き金になったほど大きなもの
であった。
日本でも明治4年(1886
年)に牛疫予防法を制定し
たが、明治6年の牛疫侵入
では4万頭以上、明治25-6年
に1万頭、明治30年にも7000 法定伝染病の対象家畜: 牛、水
頭規模での流行があった。
牛、しか、めん羊、山羊、豚、いのしし
アフリカスイギュウ、エランド、キリン、レッサークードゥー、イボイ
ノシシ、アジアの各種アンテロープ、ウシ科やブタ科の野生動物は牛
疫に対する感受性が高い。ただし、これらの野生動物の群が、牛群
と共存することなく単独で疾病を半永久的に維持できない。
FAO/OIE 牛疫根絶世界計画)
● 1994年に立ち上げられた。
家畜:予防接種
野営動物:生態系内に封じ込め、
疫学等に基づく制御計画によっ
て感染した保有動物の淘汰
蠣崎千晴博士は、1918年に世
界最初の牛疫予防液(不活化
ワクチン)を開発した。蠣崎予防
液は朝鮮における家畜の病気
の撲滅に貢献し、中国、韓国、
台湾、カンボジア、タイ、ベトナ
ムなどの牛疫撲滅に繋がった。
病原体要因:毒力(病原性)、伝播力(発病量、潜伏期間、排出量)、
宿主域(生物地理区)、抵抗性(温度、乾燥、消毒薬、治療薬)
新興感染症:微生物の世代交代時間は短く(増殖が速い)、遺伝的変
異(進化)によって宿主域や病原性などを変化させて誕生した新しい
病原体による感染症。
競合から共生へ:微生物と宿主の関係は、数万年単位で共生へと向
かい、特定の宿主には病原性を示さないか、軽度になる。それが保有
動物(reservoir)として病原体を維持し続ける。例:アフリカの口蹄疫
滅菌:全ての微生物を殺滅。乾熱(180℃、30分)、湿熱(121℃、10分)
殺菌:特定の微生物を殺滅。 例:結核菌を標的とした牛乳の殺菌
消毒:病原微生物を殺滅、排除して感染の機会を減らす。理学的(熱、
紫外線、放射線)、化学的(アルコール、塩素、ヨウ素、界面活性剤、
石灰、クレゾール、ホルマリン)➔抗菌、除菌などは法的審査がない
飲水:河川水を未消毒で与えた➜宮崎で鳥インフルエンザ
飼料:動物性蛋白原料のサルモネラ汚染
媒介昆虫・野鳥:蚊、ヌカカ、ダニ、サシバエなどの駆除、防鳥ネット
畜舎環境:踏込消毒槽、舎内作業着を区別
宿主要因:年齢、性(妊娠)、栄養、先天的抵抗力(皮膚と粘膜、白血
➨
球の貪食能、リゾチーム、表皮など)、後天抵抗(体液性免疫、細胞性
免疫)、活動免疫(自然感染、ワクチン、トキソイド)、受動免疫(移行抗
体、免疫グロブリン) 潜伏期
有症期
回復期 治癒
顕性感染:
持続性感染:
不顕性感染:
病後保菌(convalescent carrier) :回復期にある患者の保菌
慢性保菌(churonic carrier):持続性感染患者
健康保菌(health carrier) :治癒後の保菌
感染発症指数:病原体によって感染しても発症しない(不顕性感染)の
割合は異なる。天然痘や麻疹:95%以上、百日咳:60~80%、ジフテリ
ア:10%、日本脳炎や小児麻痺:数%
消化器系感染症
症状
呼吸器系感染症
排菌
移行抗体:ヒトは胎児期に大半が移行するが、家畜では出生後初乳を
介して移行する。
移行抗体の量は母畜の免疫状態に
よって異なる。もらった小遣いは
減って無くなるように、移行抗体は
仔畜において減少する。その間に
自己の免疫系を発達できなければ、
感染症で死亡する。大金持ちの子
供は生涯金を稼ぐ必要はないが?
IgG:免疫グロブリンの70-75%を占め、
強力な作用
IgM:10%を占め、初期免疫の主役だ
が、弱い
IgA:鼻汁、唾液、涙、腸管分泌液に含
まれる
IgE:アレルギーに関与
ワクチンブロック:生体を刺激すること
で免疫を獲得するので、移行抗体が
ある時期にワクチンを接種しても効果
はない。そのため、状態の異なる母
畜から生まれた仔を飼育すると、ワク
チンの接種時期が難しくなる。
狂犬病予防法:生後91日齢以
降に初回接種、その後30 日齢
防御のため
以上に追加接種。平均的事例
最小抗体価
として、様々なワクチンの接種
時期が定められている。
子育て支援:IgM産生は生後直ぐ始まるが、IgAは中学に入らないと成
人レベルに達しない。すなわち、呼吸器感染症は小学校に入学すると
罹患しにくくなるが、食中毒菌などの経口感染症は中学校に入るまで
は感染し易い。クソ親父が子供にレバ刺しを食わせるのは、無知ゆえ
の犯罪である(大人は下痢・腹痛で済むが、子供は死ぬ)。
免疫系の適切な発達を支えることと、年齢に応じた予防接種を励行
することが大事。副作用問題は、100万人に1人程度あり、社会的共同
責任を果たすしか解決策はない。
生ワクチンは体内で増殖するので免疫付与効果が高い(刺激が強い)
ワクチンの副作用
副作用:副作用のない薬は存在しない。
種痘後脳炎
治療効果と副作用の重大性を比べて
どちらを選択するかの問題である。
種痘後
患者数 死者数
脳炎数
ワクチンウイルス株を増やすために、
かつては動物の脳内接種しかなく、精 1945 1,614
310
製段階で脳成分が残ってしまうため、
46 17,964
3,029
47
386
85
100万に数名の脳炎患者が発生した。
48
29
3
細胞培養系で脳炎は解決した。
49
1950
51
52
53
54
55
56
57
58
59
1960
124
9
86
2
6
2
1
0
0
0
0
0
14
2
12
0
0
0
0
0
0
0
0
0
6
10
5
4
10
9
9
6
9
8
感染経路要因:病原巣(reservoir) 、感染源(source of infection) 、
侵入門戸、排出経路、感染経路(直接接触、胎盤感染、媒介動物感
染、水系感染、食物感染、空気感染)、海外病と検疫
検疫法:国内に常在しない感染症の病原体が船舶又
は航空機を介して国内に侵入することを防止するとと
もに、船舶又は航空機に関してその他の感染症の予
防に必要な措置を講ずることを目的とする。
中世の暗黒期には、欧州の人口の三分の
一から三分の二、約2,000万から3,000万人が
ペストで死亡したとされる。14世紀イタリアで外
来船の着岸に際し、40日間( quarantine )の沖
合停泊を命じ、病人発生、ネズミの死骸があれ
ば追放する措置が採られた。自分の都市(国)
を護るためには、「幽霊船」を生み出すこともや
むを得なかった。
検疫を濫用すると、貿易制限(戦争を招く)に
なるので、検疫対象とする病気・病原体は国際
法で決められている。
伝播様式と病態:一つの病原体が異なる伝播様式をとり、病態が変
化する。
森林ペスト
都市ペスト
アレチネズミ
プレリードッグ
ヒトノミ
ヒト
腺ペスト
肺ペスト
ネズミノミ
羊・牛
バッファロー
芽胞
家住性ネズミ
吸入
接触
菌体
喫食
ヒト 爆発的流行
肺炭疽:皮革職人、テロ
皮膚炭疽:畜産農家、
獣医師、解体作業者
腸炭疽:汚染食肉
草(土壌)
職業的曝露のリスクは衛生管理の教育・訓練により回避するが、
一般市民の曝露を防ぐことが最優先事項である。
家畜の特性:経済動物
生産性:品種改良、規模、施設、管理体制 、飼養形態、飼育密度
野生種
南太平洋諸島
赤色野鶏
中国大陸
愛玩用
朝鮮半島
日本
東南アジア
灰色野鶏
アジア種
コーチン
プラーマ
アシール
日本種
名古屋
三河
シャモ
チャボ
尾長鶏
東天紅
インド南部
セイロン野鶏
BC2500
BC700
BC500
AD1500
インド
ペルシャ
ローマ
新大陸
ヨーロッパ
セイロン島
緑襟野鶏
地中海沿岸種
ジャワ島
レグホーン
ミノルカ
アンダルシア
英国種
米国種
サセックス
コーニッシュ
ドーキング
プリマスロック
ロードアイランドレッド
ワイアンドット
少ない飼料で多くの肉を得るために品種改良がなされてきた
飼料効率(FER:Feed Efficiency Ratio)=
増体量
飼料摂取量
飼料摂取量
飼料要求率(FCR:Feed Conversion Ratio)=
増体量
短い期間で多くの鶏を育てるために生産方法が改善された
出荷羽数
育成率=
餌付け羽数
体重(kg)×育成率(%)
生産指数=
飼料要求率×出荷日齢
×100
家畜とは、ヒトの用途(使役、食料、愛玩)に合わせて野生動物を訓馳
し、交雑等によって品種改良してきたものである。用途に最適の系統
が残ってきたので、古い系統は生産競争の過程で消えてしまう。
<海外の雛メーカー>
育種用基礎系統群
系統造成群
エリートストック(ES)
原原種鶏(GGPS)
? 雄系統 ?
? 雌系統 ?
<輸入雛メーカー>
原種鶏(GPS)
♂:A Χ
♀:B
♂:C
Χ
♀:D
<地域生産グループ>
種鶏(PS)
<一般生産農場>
コマーシャルチック(CC)
♂:AB
Χ
♂:ABCD
ブロイラーの生産体系:
♀:CD
♀:ABCD
ABCDは遺伝背景
定期的に原種鶏(GPS) を輸入せざるを得ない。海外病の侵入。
集団衛生 :個体の健康、群の健康、地域防疫、国際防疫
豚コレラ清浄化への経緯
明治21年 北海道で初発して以降、大きな被害をもたらしてきた。
昭和44年 弱毒生ワクチンが開発、組織的接種により、発生激減。
平成4年 発生の最後。ワクチンを用いない防疫体制の確立による清
浄化を目指しことを決定。
第1段階(平成8年度~):ワクチン接種の徹底及び抗体検査の推進
第2段階(平成10年度~):段階的なワクチン接種の中止
第3段階(平成12年度~):原則として、全国的なワクチン接種中止
平成19年4月に清浄化を達成
生産コストの低減:
① 単味ワクチン換
算で約38億円/年
② ワクチン接種に
伴う飼養管理作業の
合理化
豚コレラ汚染国・地
域からの豚肉等の輸
入禁止
豚コレラ発生状況
2013年5月現在
赤: 発生国
青: 清浄国
黄: 発生はあるが、指定清浄地域からの輸入可
安全性:人畜共通感染症、食中毒菌、カビ毒
アフラトキシンはAspergillus flavusなど
が産生する発癌物質であり、肝臓癌の
原因となる。土壌中に生息し、乾燥不
十分な農作物・飼料で増殖する。
斜線:アフラトキシン検出
塗潰し:菌を検出
検出感度の
差異に注意
この真菌は熱帯から亜熱帯に広く分布
するが、日本では沖縄を除いて土壌中
に分布していない。
アフラトキシンは家畜体内で修飾を受け
て乳汁中に出るので、乳製品の汚染が
問題となる。国際的安全基準は、食品で
10ppb(0.01ppm)とされ、家畜用飼料もこ
れに準じている。
A: 細菌、ウイルス、寄生虫、害虫などの 生物学的危害因子
B: 重金属やカビ毒などの 加熱によっても失活しない危害因子
リ
ス
ク
・
レ
ベ
ル
の
モ
デ
ル
A
B
加熱調理
衛生検査
生産過程
処理・加工過程
流通過程
消費過程
危害因子の種類による
「農場から食卓まで」を通したリスクの変動
リスクが減るのは2箇所だけ
リ
ス
ク
・
レ
ベ
ル
の
モ
デ
ル
薬食動病
剤中物気
耐毒薬
性菌残
菌 留
査ににと
基よ畜
づる検
く法査
検律員
的温間増る輸
基度も殖に送
準管長につ距
も理く必れ離
な等な要、
細が
いのるな菌延
。法。時 び
ばをしを調
、室か殺理
菌温し滅時
はで、すの
増の食る加
殖放材。熱
す置や は
るす料 細
。れ理 菌
消費過程
農場
食肉センター
流通過程
素 飼 畜 動
畜 料 舎 物
薬
・
飲 環
水 境
食 解 カ 出
肉 体 ッ 荷
ト
検
査
輸 市 問 小
送 場 屋 売
店
調 保 喫
理 存 食
食肉の安全性に関わる社会システム(1)
リ
ス
ク
・
レ
ベ
ル
の
モ
デ
ル
農場における
適正な衛生管理
GAP
QAP
Pathogen
Reduction / HACCP
病原体低減/HACCP
解体処理工程など
食肉センターの
衛生管理
?
HACCP
消費者は
?
流通過程が
変わらなければ
リスクは
残る!
農場
食肉センター
流通過程
消費過程
素 飼 畜 動
畜 料 舎 物
薬
・
飲 環
水 境
食 解 カ 出
肉 体 ッ 荷
ト
検
査
輸 市 問 小
送 場 屋 売
店
調 保 喫
理 存 食
食肉の安全性に関わる社会システム(2)
Sanitary
Food Transportation
Act
食品輸送衛生法
(米国、1990)
リ
ス
ク
・
レ
ベ
ル
の
モ
デ
ル
GAP
QAP
流通過程の
衛生基準
?
消費者
教育
?
HACCP
農場
食肉センター
流通過程
消費過程
素 飼 畜 動 食 解 カ 出
輸 市 問 小
調 保 喫
「農場から食卓まで」の、全ての段階で安全性確保対策を実
畜 料 舎 物 肉 体 ッ 荷
送 場 屋 売
理 存 食
ト
環
薬
検
・
店
飲
施することによって、初めてリスクが小さくなる。
査
水 境
食肉の安全性に関わる社会システム(3)
家畜衛生の目的
家畜の疾病予防と健康増進を通して、畜産経
営の高度化に寄与し、安全性の高い畜産物を
供給することを目的とする。
家畜衛生の役割
1.疾病要因の制御 、
2.科学に基づく予防、治療および防除
3.畜産物の安全性の確保
4.畜産公害の防止
5.動物福祉に貢献