Web プロキシサーバにおける TCP

A Study on
Receiver‐based Management Scheme of
Access Link Resources for
QoS‐Controllable TCP Connections
2004/2/20
大阪大学 大学院情報科学研究科
情報ネットワーク学専攻
博士前期課程 宮原研究室
東 和弘
k‐[email protected]‐u.ac.jp
1
研究背景
• インターネットの急速な発展に伴うトラヒックの増加
インターネットの急速な発展に伴うトラヒックの増
加
→バックボーンネットワークの高性能化
• →バックボーンネットワークの高性能化
ボトルネックはエンドホスト,アクセスリンクへ移行
• ボトルネックはエンドホスト,アクセスリンクへ移
– エンドホスト資源管理方式[4] を提案
行
– エンドホスト資源の管理だけでは不十分
[4] を提案
–
エンドホスト資源管理方式
→アクセスリンク資源の管理が必要
– エンドホスト資源の管理だけでは不十分
• ボトルネックが動的に変化するネットワークへの対応
→アクセスリンク資源の管理が必要
– 例: P2P ネットワーク
• ボトルネックが動的に変化するネットワークへの対
– 様々な資源の管理が要求される
応
→資源の統合的な管理が必要
– 例:
P2P
ネットワーク
[4]
T. Okamoto,
T. Terai,
G. Hasegawa,
and M. Murata, “A resource/connection management scheme for HTTP proxy
2004/2/20
2
servers,” in Proceedings of Second International IFIP‐TC6 Networking Conference, pp. 252–263, May 2002.
アクセスリンクにおける問題
• アプリケーションの複数同時
実行による資源競合
– アクセスリンクにおいて輻輳が発生しやすい
送信側ホスト
• TCP の性質によるアクセスリンク資源の浪費
– short‐lived コネクション
• パケット廃棄の影響が大きい
P2P
– long‐lived コネクション
• アプリケーションの特徴を反映できない
• アクセスリンク資源を有効に活用できない
Network
Update
受信側ホスト
Streaming
ラストホップルータ
インターネット
アクセスリンク
2004/2/20
FTP
Web
3
提案方式
受信側ホストにおいて,
• アクセスリンクへのパケット到着レートの制限
– 全ての TCP コネクションに割り当てる受信バッファの
総量を調整
• アクセスリンクにおける輻輳を回避
• 優先順位に応じた受信バッファの割り当て
– 各 TCP コネクションに割り当てる受信バッファサイズ
を
変更
2004/2/20
• short‐lived コネクション: パケット廃棄の減少と反応時間の
向上
• long-lived コネクション: アプリケーションの特徴を反映し
4
た
到着レートの制限
~ 通常時 ~
RTT に変化なし
送信側ホスト
→アクセスリンク資源に
受信側ホスト
余裕
ラストホップルータ
インターネット
アクセスリンク
受信バッファの総量 ラストホップルータバッファ
• 全コネクションの RTT の変化に
よって輻輳状態を推測
– 変化なし→アクセスリンク資源
に余裕
– 増加→輻輳発生
• 受信バッファの総量を調整
– アクセスリンク資源に余裕→
増加
2004/2/20
– 輻輳発生→減少
5
到着レートの制限
~ 輻輳時 ~
送信側ホスト
RTT が増加
受信側ホスト
→輻輳発生
ラストホップルータ
インターネット
アクセスリンク
受信バッファの総量 ラストホップルータバッファ
• 全コネクションの RTT の変化に
よって輻輳状態を推測
– 変化なし→アクセスリンク資源
に余裕
– 増加→輻輳発生
• 受信バッファの総量を調整
– アクセスリンク資源に余裕→
増加
2004/2/20
– 輻輳発生→減少
6
受信バッファの割り当て
• short‐lived コネクション
– 優先的に割り当て
• スロースタートフェーズ中の輻輳ウィンドウサイ
ズの増加アルゴリズムを考慮
• 1 RTT ごとに 2 倍
• long‐lived コネクション
– アプリケーションの特徴を反映した優先度と
各コネクションの RTT を考慮
2004/2/20
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性能評価
~ 比較対象 (関連研究) ~
• Spring[1]
– ラストホップルータバッファと帯域遅延積を考慮して,受信バッ
ファを
割り当てる
– インタラクティブ型のアプリケーションの反応時間の向上
• Mehra [2]
– アクセスリンク帯域を優先度,最低転送レート,重みに従って共有
させる
– ストリーミングなどのサービスに対し,優先的に最低転送レートを
占有
• 従来方式
– 各 TCP コネクションに割り当てる受信バッファサイズを固定
[1] N. T. Spring, M. Chesire, M. Berryman, V. Sahasranaman, T. Anderson, and B. N. Bershad, “Receiver based management of
low2004/2/20
bandwidth access links,” in Proccedings of IEEE INFOCOM 2000, pp. 245–254, 2000.
8
[2] P. Mehra, A. Zakhor, and C. D. Vleeschouwer, “Receiver‐driven bandwidth sharing for TCP,” in Proceedings of IEEE
INFOCOM 2003, Mar. 2003.
性能評価
~ シミュレーション ~
A: 20Mbps, 5ms
B: 20Mbps,15ms
C: 20Mbps,25ms
A
ラストホップルータ
100Mbps, 25ms
受信側ホスト
128KB
アクセスリンク
Down: 4Mbps, 5ms
UP: 500Kbps, 5ms
128KB
20Mbps, 5ms
D
送信側ホスト
short‐lived コネクション
シミュレーション開始 100 秒後から確立
2004/2/20
B
C
• A, B, C から無限長サイズの
バルクデータ転送
– アクセスリンク帯域を
使い切る
– long‐lived コネクション
• D からランダムな間隔ごとに
30 KB のデータ転送
– シミュレーション開始 100 秒後
– 合計 100 回
– short‐lived コネクション
• 評価指標
– short‐lived コネクション
• コネクション確立時間
• データ転送時間
– アクセスリンクの利用率
– ラストホップルータのキュー長
9
性能評価~ シミュレーション結果 ~
short-lived コネクションの
データ転送時間
1
1
0.8
0.8
データ転送にかかる
時間が最も小さいが・・・
0.6
キュー長が短い
→遅延が小さい
キューイングによる
遅延が増加
0.6
0.4
CDF
CDF
short-lived コネクション確立時間
0.2
0
0
0.4
0.2
提案方式
0
0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 0.5
0
4
利用率が高く
アクセスリンクの
利用率が低下
3.5
3
2.5
0 2004/2/20
50 100 150 200 250 300 350 400 450 500
time [s]
Average Queue Length [packets]
Access Link Utilization [Mbps]
4.5
0.4
0.6
0.8
1.0
time [s]
time [s]
アクセスリンクの利用率
アクセスリンクの
0.2
キュー長が大きい
ラストホップルータのキュー長
80
→遅延が大きい
1.2
Spring
Mehra
従来方式
70
60
50
40
30
20
キュー長が短い
キューが頻繁に空
→遅延が小さい
10
0
0
50 100 150 200 250 300 350 400 450 500
time [s]
10
性能評価~ シミュレーション結果 ~
short-lived コネクションの
データ転送時間
1
1
0.8
0.8
0.6
CDF
CDF
short-lived コネクション確立時間
0.4
0.2
0
0
0.6
0.4
0.2
提案方式
0
0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 0.5
0
4
3.5
3
2.5
Average Queue Length [packets]
Access Link Utilization [Mbps]
4.5
0.4
0.6
0.8
1.0
time [s]
time [s]
アクセスリンクの利用率
0.2
ラストホップルータのキュー長
1.2
Spring
Mehra
80
従来方式
• 優先順位に応じて受信バッファを割り当てること
70
によって,
60
50
– short-lived コネクションの確立時間とデータ
40
転送時間が向上 3020
0 2004/2/20
50 100 150 200 250 300 350 400 450 500
time [s]
10
0
0
50 100 150 200 250 300 350 400 450 500
time [s]
11
性能評価~ シミュレーション結果 ~
short-lived コネクションの
データ転送時間
short-lived コネクション確立時間
1
1
0.8
• アクセスリンクへのパケット到着レートを制限する
0.6
0.6
ことによって,
0.4
0.4
– アクセスリンクの利用率が高く,
0.2
0.2
提案方式
– キュー長が短い
0
0
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 0.5
CDF
CDF
0.8
time [s]
アクセスリンクの利用率
4.5
4
3.5
3
2.5
0 2004/2/20
50 100 150 200 250 300 350 400 450 500
time [s]
Average Queue Length [packets]
Access Link Utilization [Mbps]
time [s]
ラストホップルータのキュー長
80
Spring
Mehra
従来方式
70
60
50
40
30
20
10
0
0
50 100 150 200 250 300 350 400 450 500
time [s]
12
まとめと今後の課題
• まとめ
– アクセスリンク資源管理方式を提案
• アクセスリンクにおける輻輳の回避
• 各 TCP コネクション,アプリケーションの特徴を反映
• 関連研究との性能比較によって提案方式の有効性を確認
– 統合方式を提案
• ボトルネックが動的に変化するネットワークへの対応
• エンドホスト資源管理方式との統合
• シミュレーションによって有効性を確認
• 今後の課題
– 実ネットワーク上での実装実験による性能評価
2004/2/20
13
提案方式の適用イメージ
short-lived
A
long-lived
B
アクセスリンク資源に
余裕
受信側ホスト
long-lived
C
ラストホップルータ
インターネッ
ト
ACK
long-lived
ラストホップルータバッファ
受信バッファの総量
受信バッファの総量
AA
B
C
2004/2/20
D
D
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提案方式の適用イメージ
~ 輻輳時 ~
short-lived
A
long-lived
B
輻輳発生
long-lived
C
受信側ホスト
ラストホップルータ
輻輳
ACK
インターネッ
ト
long-lived
ラストホップルータバッファ
受信バッファの総量
受信バッファの総量
A AB B CC
2004/2/20
D
D
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