サービス管理責任者研修テキスト 分野別演習 「サービス提供プロセス の管理に関する演習」 <介護(療養介護・生活介護)> 平成22年9月9日・10日 サービス提供プロセスの管理の実際(分野別演習) (目 次) 1 分野別演習のねらい 2 分野別演習の概要 3 分野別演習の展開イメージ 4 演習の実施方法 (1)「サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究①」 (アセスメント及び個別支援計画の作成) (2)「サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究②」 (モニタリングと個別支援計画の修正・変更) (3)「サービス内容のチェックとマネジメントの実際:模擬会議」 (支援会議等を想定したサービス管理責任者の役割についての体験的理解 及びサービス管理責任者の観点から支援内容を発展的に検証) 1.分野別演習のねらい ・サービス提供プロセス全般の流れ(手順)について、事例を活用しながら検証する。 ・アセスメント、目標設定、個別支援計画の作成、モニタリングや評価による支援方針 の変更などに関する具体的な技術を習得する。 ・ロールプレイ等を通じ、サービス提供職員への助言や指導のあり方を理解し、助言・ 指導の方法を学ぶ。 そのために、以下のような取り組みが求められます。 (1) 研修受講者全員が主体的に参加する。 (2) 多様な職種の受講者間での意見交換により、幅広い視点を持つ。 (3) グループごとの結論を導くための協働作業を展開する。 (4) 司会進行、記録、発表等の役割を分担して担う。 (5) 効果的なプレゼンテーション技術を学ぶ。 (6) 他者への助言をする者としての配慮や深い洞察力を養う。 2.分野別演習の概要 1.「サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究①」 ※ 事例1に基づき、以下の項目に重点を置いて演習を展開。 ・利用者像の適切な把握のために必要なアセスメントの実施 ・時間軸に配慮した支援目標を含む個別支援計画の作成 ・短期目標や到達すべき目標(ゴール)などの段階的な目標設定の必要性 2.「サービス提供プロセスの管理の実際:事例研究②」 ※ 事例2を用いて、以下の項目に重点を置いて演習を展開。 ・モニタリングによる、個別支援計画の変更・修正 (・利用者像の適切な把握のために必要なアセスメントの実施) (・時間軸に配慮した到達目標を含む個別支援計画の作成) 3.「サービス内容のチェックとマネジメントの実際:模擬会議」 ※ 事例2を基にして、サービス管理責任者の役割、視点を振り返り、 確認する。 ※ 事例に基づき、以下の項目に重点を置いてロールプレイを実施。 ・支援会議の場面を想定した会議の運営方法 ・個別支援計画作成(修正)に際しての連携の持ち方 分野別(介護)の研修のポイント (アセスメント等) ○ 障害が重いから地域生活以降は困難と初めから決めつけずに、どのような将来像を描くかに ついて利用者のニーズを明確化する支援が必要である。 → 障害が重いから今の生活で仕方がないと考えがちである利用者から将来の希望を聞き 取り受け止めるアセスメント方法を理解する演習内容とする。 (個々人を尊重した支援メニュー) ○ 受動的に介護を受ける生活ではなく、利用者の興味・生きがいに焦点を当てて主体的に生活 する事を支援する計画を作成する必要がある。 また、地域行事への参加やボランティアの利用など社会参加に配慮した計画とする必要がある。 → サービス管理責任者の業務において重要な視点(個別性の尊重、社会参加の促進)が 確認でき、それが生活介護・療養介護の個別支援計画に具体的に反映できる演習内容と する。 3 演習の展開イメージ ・各演習では、事例を用いながらサービス提供プロセス全般を扱う。 ・各演習では、プロセスのどこにウェイトを置くか、演習課題の難易度の設定、事例を検 証する際の視点など、事例を取り扱うことをとおして知識や技術を学ぶ。 一連のサービス提供プロセス 2日目午後 演習1 演習用事例1 個別支援計画作成のアセスメントや到達目標の設定などに重点 4時間 重点部分 3日目午前 演習2 演習用事例2 サービス開始後のモニタリングによる計画の変更・修正に重点 2時間 ※都道府県では3時間 3日目午後 演習3 3時間 重点部分 演習用事例2 模擬支援会議により、サービス管理責任者の役割を理解 サービス管理責任者の観点から支援内容を検証 4.演 習 の 実 施 方 法 (1)グループに分かれて実施 受講者を7(8)人×6グループに分けて実施。 メンバー構成は、都道府県、職種などにより偏りがでないように事前に組み分けする。 また、各グループでは、演習ごとに司会進行、記録、(発表)等の担当者を決める。 (2)演習方式 研修参加者全員が参加意識を持ち、相互の意見交換により効率的に研修効果をあげ るよう、小グループで検討するバズセッション方式を基本とする。 (3)演習スタッフ 講師となる演習スタッフは、全体進行と助言を担当する統括する演習リーダー1名、会 場内で各グループに対する助言などサポートを担当するファシリテーターを配置する。 (4)プレゼンテーションと全体総括 各演習とも、途中でプレゼンテーション等を実施し、グループ間での意見交換と演習 リーダーからの助言に基づいて総括を行う。 講師の役割分担 氏 名 坂本 洋一 牛谷 正人 所 属 和洋女子大学 生活科学系 社会福祉学研究室 社会福祉法人 オープンスペース れがーと 役職等 教授 演習での役割 リーダー (演習の統括) 副理事長 ファシリテーター 宇津木 文雄 障害者支援施設 聖マーガレットホーム サービス管理責 任者 ファシリテーター 岡西 博一 社会福祉法人 常成福祉会 丹沢自律生活センター総合相談室 総合相談室長 ファシリテーター 河原 雄一 (社福)藤沢育成会 障害者支援施設 湘南セシリア 施設長 ファシリテーター 菊本 圭一 障害者支援施設 ハートポートセンター ともいき 副施設長 ファシリテーター 名里 晴美 (社福)訪問の家 理事長 ファシリテーター 遅塚 昭彦 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部障害福祉課 相談支援専門官 ファシリテーター 備 考 演 習 1 「サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究①」 (アセスメント及び個別支援計画の作成) 《獲得目標》 アセスメントや個別支援計画の作成に関する知識と技術を習得する。 《内 容》 受講者には、事前課題として、事例1の概要を読み込んだ上で、「支援のための課題整理」を課 す(指定様式)。グループ内でその共有を図るとともに、個別支援計画の作成のための演習を行 う。 《研修企画運営のポイント》 □ 演習がスムースに進行できるよう、アイスブレイクも疎かにしない。 □ 事前課題の事例選定等、十分な準備を行い実施する。 □ 演習1の目的・手順を明確にして演習に入る。 □ 本人の状態やニーズの把握というアセスメントと支援の課題整理に演習の力点を 置く。 □ 個別支援計画の作成には、十分なアセスメントと支援の課題整理が必要であるこ とを明確にする。 演習1 「サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究①」 (アセスメント及び個別支援計画の作成) ・提供された情報から初期状態の把握(アセスメント)や課題の整理方法を学ぶ。 ・アセスメントから到達すべき目標や支援内容など個別支援計画の作成方法を学ぶ。 事例研究 ① 13:10 13:25 4時間 事例1を使用 14:35 14:45 演習① ・アセスメント・ 本人状況・相談 事例概 要・ 内容の確認 進め方説 ・支援方針の確 明、質疑 認 ガイダンス 休 憩 16:30 15:30 15:40 演習② ・ロールプ レイ準備 ・ロールプ レイ ・意見交換 演習③ 休 憩 ・個別支援計画 案の作成 演習④ ・支援計画の 発表 ・意見交換・コ メント 17:30 17:15 コ メ ン ト ・ 総 括 演習1の進行表 (1) 演習に関するガイダンス(15分) ①演習進行に関する説明と共通理解 ②演習事例の説明 (2)演習①:アセスメント・本人状況・相談内容の確認及び支援方針の確認(70分) ①本人状況の確認 ②支援方針の見立て、課題整理、ニーズ整理、援助目標設定 (3)演習②:・・・支援会議のロールプレイ(45分) ○演習①の事例について個別支援計画を作成するための事業所内支援会議のロールプレ イを行う。 (休憩10分) (4)演習③・・・個別支援計画案の作成(50分) ○演習①のアセスメント、演習②の支援会議に基づき支援計画案を作成 (5)演習③・・・各グループが作成した個別支援計画を発表する(45分) ①発表:演習③で決定した個別支援計画を発表 ②他グループとの意見交換、質疑応答 (6)コメント及び総括(15分) ・個別支援計画作成等に関するコメントとまとめ (1) 演習に関するガイダンス 13:10~13:25(15分) ・演習の進め方、注意すべき事柄の説明 ・事例の概要について説明 演習の基本的な進め方の共通理解 1.演習進行に関するガイダンス ↓ 2.アセスメント項目の検討と正確な状態把握 ↓ 3.ロールプレイ(事業所内の支援会議) ↓ 4.個別支援計画の作成・発表 ↓ 5.演習スタッフからの総括 事例紹介(抜粋) 知的障害のあるMさん(52歳)は、家族状況の変化により、在宅生活の 維持が困難となってきた。 そのため、母親からY施設のサービス管理責任者あて、Mさんの今後の 生活について相談がある。 Mさんは、現在利用しているY施設への通所を、引き続き希望している。 (以下、略) 1.氏名・性別・年齢 2.障害名 3.障害程度・手帳 4.家族状況 プロフィール(抜粋) M さん 男性 52歳 知的障害 区分5 ・ 療育手帳A2 両親と同居。 (以下、略) (2)演習① 本人状況の確認(アセスメント)・支援方針の確認 13:25~14:35(70分) 1.相談及びアセスメント内容を確認する。 2.利用者の状態像を共有化する。 3.支援の方針の確認。 4.援助の全体目標を確認し、共有する。 本人状態を把握するためのイメージ図 ★私自身のストレングス⇒私の持っている強み) ★家族歴・本人を取り巻く環境⇒私は今このよう ★本人の障害状況のアセスメント ⇒私の不安や苦痛、悲しみは・・・障害・病気・困 りごと 個別支 援計画 な生活をしてます。してきました。 ★利用者のニーズ・希望する生活の確認⇒私 は、こうゆう生活をしたいです。私の願いは○○で す。・夢・要望は・・・○○です。 ★生育歴・職歴のアセスメント ⇒私は、今までこのような生き方をしてきました。 ★本人のニーズを整理する ⇒ニーズに沿った支援者の診立て・アセスメント 記入様式1 № 意向等ニーズの把握 課題の整理表 初期状態の評価 (利用者の状況 ・環境の状況) グループ 利用者名 支援者の気になること ・推測できること (事例の強み・可能性) さん 解決すべき課題 記入様式1 № 記入例:演習事例とは 関係ありません。 意向等ニーズの把握 課題の整理表 初期状態の評価 (利用者の状況 ・環境の状況) 解決すべき課題 ①本人に合った仕事内容を 支援者が把握できていない。 ②規則正しい生活パターンの 継続が気になる。 ①どのような仕事が本人 に適しているかを探る。 ②生活状況を把握し、安 定した通所を図る。 人との関わりを持ちたい 対人関係は良好である ○体力的に週5回通えるか心 配である。 ①安定した通所を図る。 ②本人に合った日中活動 を探る。 在宅での生活を続けた い 家族の支援で生活は成り 立っている ①本人が吸引を必要とするな ど健康面が不安 通所での医療的ケアの強 化 ②家族が高齢のため自宅で の介護力が低下している ①通うための手段の確保 ②家庭での支援を検討す る ○発作が起こると1時間は安 静にするため、毎日通所に不 安がある 家族の主訴と本人の健康 状態との調整を図る。 4 6 支援者の気になること ・推測できること (事例の強み・可能性) さん 能力的に可能である 2 5 利用者名 仕事をしたい 1 3 グループ 毎日通所させたい(家 族) 日に数回発作がある 在宅での支援内容を検討 する (4)演習② ロールプレイ(事業所内支援会議) 14:45~15:30(45分) 1.演習①の事例について事業所内の支援会 議を想定したロールプレイを実施。 10分×2回=20分 2.質疑とコメント ロールプレイ・・・ 役割演技(やくわりえんぎ)とは、現実に起こる 場面を想定して、複数の人がそれぞれ役を演じ、 疑似体験を通じて、ある事柄が実際に起こった ときに適切に対応できるようにする学習方法の 一つである。ロール・プレイング(英 role playing または roleplaying、日本語では略称でロープレ などとも言う)という。 (2)演習③ 個別支援計画案の作成 15:40~16:30(50分) 1.演習①で共有化した利用者の状態像や援助の 全体目標を確認する。 2.演習②の支援会議の結果を確認し共有化する。 3. 個別支援計画を作成する。 支援内容・到達目標(長期目標、短期目標等)・ 時間軸(サービス提供期間)等の設定 個別支援計画 記入様式 2 利用者名 ○到達目標 グループ 作成年月日: 年 月 日 長期(内容、期間等) 短期(内容、期間等) ○具体的な到達目標及び支援計画等 具体的な 到達目標 支援内容 (内容・留意点等) 支援期間 (頻度・時間・期間等) サービス提供機関 (提供者・担当者等) 優先 順位 総合的な支援方針 平成 年 月 日 利用者氏名 印 サービス管理責任者 印 記入様式 2 記入例:演習事例とは関係 ありません。 個別支援計画 利用者名 ○到達目標 ○当面の 目標 グループ 作成年月日: 年 月 長期(内容、期間等) 一般就労に向けて、当事業所で就労能力の向上と就労先の支援を実施する。 短期(内容、期間等) 本人に適した仕事を探る。安定した通所が可能になるよう、生活パターンの充実を図る。 日 ○目標を叶えるため のお手伝い ○具体的な到達目標及び支援計画等 具体的な 到達目標 支援内容 (内容・留意点等) 支援期間 (頻度・時間・期間等) どのような仕事が本人に 適しているかを探る。 当事業所の部品の組み立て作業を実施する。当 初は、何が適しているか不明な点があるため、 本人の状況に応じ、無理のないペースでの実施 を心がける。 3か月 生活状況を把握し、安定 した通所を図る。 家庭での生活状況を確認します。また、通所に あたっての手段を確認し必要な支援を検討しま す。 3か月 サービス提供機関 (提供者・担当者等) 優先 順位 S施設 市役所 ハローワーク 1 S施設 2 総合的な支援方針 平成 年 月 日 利用者氏名 ○○ △△ 印 サービス管理責任者 ○原 ○一 印 (5)演習③ 16:30~17:15(45分) 1.作成した個別支援計画を各グループから発表 5分×6G=30分 2.各グループの個別支援計画に関する発表に対 する意見交換、質疑、コメント (6)コメント、全体的総括 17:15~17:30(15分) 1.個別支援計画作成等に関するコメント 2.演習1のまとめ 演 習 2 「サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究②」 (モニタリング及び個別支援計画の修正) 《獲得目標》 追加情報に基づく個別支援計画の中間評価(モニタリング)を行い、個別支援計画の修正に関 する知識と技術を習得する。 《内 容》 事例2を使用して、グループ毎に変更要因を検討し、本人や環境の変化等に対応した個別支 援計画の修正のポイントを明確にする。あわせて、サービス提供職員への指導助言のポイントを 明示する。 《研修企画運営のポイント》 □ 事例選定、必要な参考資料等、十分な準備を行い実施する。 □ 演習2の目的・手順を明確にして演習に入る。 □ 新たな事例2を使用して各グループで検討する変更要因を予め想定して、必要な 指導ポイントを確認しておく。 「サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究②」 (モニタリング及び個別支援計画の修正) ○ モニタリングや中間評価の方法と個別支援計画の修正・変更方法等を学ぶ。 事例研究 ② 8:30 8:40 2時間 (3時間) 事例2を使用 9:00 9:30 10:20 10:20 モニタリング ガ イ ダ ン ス 事例ケース の確認と追 加情報の 提示 支援目標の 見直しの検討 課題の整理表 作成 個別支援計画の 見直しと再作成 (全体発表) ※実施せず コ メ ン ト ・ 総 括 10:30 演習2の進行表 (1) ガイダンス(10分) ・演習進行に関する説明と共通理解 (2)事例ケースの確認と追加情報の提示(20分) ①演習事例の説明 ②追加情報の提示 ③ケースの状況について確認しイメージを共有 (3)モニタリングと支援目標等の見直しの検討(30分) ①支援実施経過とモニタリング結果の確認 ②課題を整理し、再確認された課題(ニーズ)に基づき、 支援目標(支援の内容、サービス提供期間等)等を見直す。 (4)個別支援計画の見直しと再作成(50分) ・見直された支援目標等を基に具体的な支援計画を立てる ((5)修正された個別支援計画の全体発表 ) ・各グループからのプレゼンテーション ※今回は1時間少ないため、講師からのコメント(6)で説明 (5)コメント、全体的総括(10分) ・見直された個別支援計画に関するコメントと演習のまとめ (1) 演習に関するガイダンス 8:30~8:40(10分) ・演習の進め方、留意すべき事項等の説明 ・役割分担の決定(司会者、記録者) ・モニタリングについてオリエンテーション (2)事例ケースの確認と追加情報の提示 8:40~9:00(20分) ①事例の概要について説明 ②追加で提示された情報(プロフィール、アセ スメント等)からケースの概要について理解 する。 情報提供1 事例の紹介(事例集から抜粋) 約20年前、T事業所(旧法の知的障害者通所更生施設) 開設時より通所を開始。 脳性まひ、てんかん、重度知的障害。 言語によるコミュニケーションは困難だが、周囲への関心が 高く、声や身振りで親しみを表現することができる。 てんかん発作が週3~4回あり、頻発した場合は座薬を使用 し入眠してしまう。 この他、加齢に伴う全身機能の低下が見えはじめ、健康面の 配慮は不可欠である。 (以下、略) 情報提供2 プロフィール(事例集から抜粋) 1.氏 名 S・K (女) 2.年 齢 47歳 (生年月日 S3○年○月○日) 3.障害名・疾患 脳性麻痺、てんかん、知的障害 4.身障手帳 1種2級 (以下、略) 情報提供3 プロフィール表 アセスメント票(事例集から抜粋) <ADL・感覚受容> 主なADL(本人の状況) 介護状況と留意点 1.寝返り不可で、どんな姿勢でも頚部の座りなし 2.寝返り不可で、腹臥位で頭をあげる。 3.寝返り不可で、仰臥位で頭をあげる。 4.寄りかかっての座位可能 ( 自力で可能・ 座らせれば可能) 5.寄りかかりなしで座位(自力で可能・座らせれば可能) 6.膝建ち可 7.つかまり立ち 8.独り立ち ・長座位はとれるが横に倒れてしまうので両 脇をクッションなどで固定する必要あり ・椅子に座ると前傾姿勢になりやすくそのま ま前方に倒れてしまう危険あり 移動 1.移動不可 6.腹這い可 11.両手支え歩き 2.半寝返り可 7.四つ這い可 12.片手支え歩き 3.完全寝返り可 8.いざり移動可 13.独歩(不安定) 4.背這い移動可 9.膝立ち移動可 14.独歩(安定) 5.肘這い可 10.つたい歩き可 15.走る 以前は後方から腰を支えて、介助歩行がで きたが、現在は立位をとることはできなく なった 排尿 <尿意の有無> <尿意の知らせ> 1.有 1.知らせない 2.なし 2.事後に知らせることがある。 3.不明 3.事前に知らせることがある。 4.いつも事後に知らせる。 5.いつも事前に知らせる ・事後に股間をたたいて知らせることあり ・普段オムツ使用しているが、排尿ないとき はトイレに座る。座ってから排尿まで時間が かかる ・便座に手を入れようとすることあり 姿勢保持 (以下、略) 個別支援計画書(事例集から抜粋) 利用者氏名 1 S・ K 作成年月日 H20年5月○日 利用者及び家族等の要望 ( 1) 本人 ( 言語的な表現で本人の意向を確認することは困難) ( 2) 家族 イライラも少なく なり、周りに気を配る等、本人なりに“ おとな” になってきた。親が見ている下ではなく 、本人 ひとりの個性でいろいろな人と仲良く なり、そういう人たちの中で生活してほしい。 ( 3) 備考 2 支援目標と課題 ( 1) 長期 ( 内容及び期間等) 本人らしい自立生活( 活動、暮らし) を確立する ( 2) 短期 ( 内容及び期間等) 地域の人との関わりを中心とした日中活動を展開する 3 具体的な課題及び支援計画等 要望実現の ための 具体的課題 本人らしさがさらに際 立つ活動の設定が必 要 支援内容 ( 内容・ 留意点等) 支援期間 ( 頻度・ 時間・ 期間等) 近隣の軽度認知症の方との 週1回 1時間半程度 かかわりを定例化し、本人だ 6ヶ月間 からこそできる役割を確立す る サービス提供機関 ( 提供者・ 担当者 ・ 摘要等) 日中活動支援事業 所 (以下、略) 優先 順位 1 (3) モニタリング及び支援目標等の見直しの検討 9:00~9:30(30分) ①支援経過を確認する。 ②モニタリングの結果により、新たな課題(ニーズ)を 再確認する。 ③支援目標、支援内容、サービス提供期間等につい て、必要な修正、再設定を行う。 課題の整理表 № 意向等ニーズの把握 初期状態の評価 (利用者の状況 ・環境の状況) グループ 利用者名 支援者の気になること ・推測できること (事例の強み・可能性) さん 解決すべき課題 (4)個別支援計画の見直しと再作成 9:30~10:20(50分) ①支援目標や支援内容の変更・修正 ②期間設定に関する変更・修正 ③個別支援計画の再作成 個別支援計画 利用者名 ○到達目標 グループ 作成年月日: 年 月 日 長期(内容、期間等) 短期(内容、期間等) ○具体的な到達目標及び支援計画等 具体的な 到達目標 支援内容 (内容・留意点等) 支援期間 (頻度・時間・期間等) サービス提供機関 (提供者・担当者等) 優先 順位 総合的な支援方針 平成 年 月 日 利用者氏名 印 サービス管理責任者 印 ((5)全体発表) ※実施せず ①各グループから、変更・修正された個別支援計画に 関するプレゼンテーション ②意見交換 (5)コメント、全体的総括 10:20~10:30(10分間) ○ 個別支援計画全体に関するコメント ○ 演習2のまとめ ○ 演習3についてのガイダンス 演 習 3 「サービス内容のチェックとマネジメントの実際」 【獲得目標】 ・ 模擬支援会議を通じて、会議運営の視点、あり方について学ぶ。 ・ これまでの演習を通じて、サービス提供プロセスの管理、サービスの質の確保、関係機関 との連携(地域自立支援協議会への参画)等、サービス管理責任者の業務と役割について 再確認する。 【内 容】 個別支援計画の作成・評価に係る支援会議の場面を想定し、各グループにおいて模擬支 援会議を実施し、チーム支援の重要性を確認する。 サービス管理責任者としてのサービス内容チェック、マネジメント方法について検討する。 ・アセスメントから終了時評価までの支援全体を振り返り評価する ・関係機関との連携等について討議する ・今回の事例を通じて、サービス管理責任者としての役割と業務の総括 【研修企画のポイント】 □ 演習に必要な参考資料等、十分な準備を行い実施する。 □ 演習3の目的・手順を明確にして演習に入る。 □ 業務と役割の検証に際して、「実施出来た業務や役割」、「課題となった業務や役割」と いった視点から実施出来るよう、例示資料を明示する。 「サービス内容のチェックとマネジメントの実際」 ・演習事例②の模擬支援会議をとおして、サービス管理責任者の役割を確認する。 ・サービス管理責任者としての基本姿勢やサービス提供プロセスの検証、さらにスタッフ及 び関係機関との連携のあり方、支援内容の変更のタイミングなどを含めて総括的に学ぶ。 事例研究 ③ 10:40 10:50 11:00 演 習 ガ イ ダ ン ス 支 援 会 議 の 確 認 3時間 演習2で使用した事例を使用 12:00 13:00 ロールプレイ 模擬支援会議 休 憩 13:40 サービス管理責任者の 役割、サービス内容の 確認、マネジメント業務 等についてのグループ 討議とまとめ 14:20 グループ発表 と全体確認 14:40 サービス管理責任者の 役割についてのまとめ と全体総括 *模擬支援会議及び演習で用いた事例のサービス提供のプロセスを振り返り、グルー プ毎にサービス管理責任者の役割について確認し、発表と意見交換を行う。 演習3の進行表 (1)演習のガイダンス(10分) ・演習の目的、進め方について説明 (2)模擬支援会議の設定(10分) ・事例②を用いた支援会議(演習2の流れとつなげ演習3を進める) ・設定は、個別支援計画をモニタリングし、個別支援計画の変更修正を行った後 の支援計画を本人や家族を含めた関係機関に説明し、今後につなげていくため の会議とする。 (3)模擬支援会議(60分) ・グループごとに場面を確認し、模擬支援会議の役割を分担する(5分) ・役割の設定について説明を受ける(役割カードの説明)(5分) ・ロールプレイは2グループで1組となり、実施と観察を交代で行う(10分×2)。 * 本人及び家族役は観察グループのメンバーが実施グループに入り対応する。 ・ロールプレイが終了した後のフィードバック(10分×2) *サービス管理責任者の役割や機能、本人の気持ちなどについて、サービス管理 責任者役、本人役、観察者などから意見や感想を述べてもらいグループとして フィードバックする。 演習3の進行表 (4)講義と演習を通して学んだサービス管理責任者の役割をグループで討議とまとめ (40分) ・事例のサービス提供プロセス、模擬支援会議等の体験的理解から、サービス管 理責任者の役割(サービス内容のチェック・マネジメント機能)を確認する。 ・事業所、地域におけるサービス管理責任者の果たすべき役割を討議し、サービス 管理責任者の役割を理解する。 (5)発表と意見交換(40分) ・各グループから発表(各グループ5分) ・意見交換 (6)3日間の講義及び演習についての全体総括(20分) ・3日間の研修を総括し、サービス管理責任者の役割について、再度、全体で確認。 ・今後、サービス管理責任者として「このように仕事をしていく」等、決意の確認。 ・参加者へのエンパワメントにより、今後の活躍に期待することを説明。 (1) 演習のガイダンス 10:40~10:50(10分) ○ 演習の目的、進め方の説明 ○ 模擬支援会議(ロールプレイ)に関する説明と役割 分担の確認 ロールプレイについて(概要) 1.ロールプレイとは ・ 現実に起こる場面を想定して、複数の人がそれぞれ役を演じ、疑似体験を通じて、ある事柄が 実際に起こったときに適切に対応できるようにする学習方法の一つである。 ・ 学習者は、役割を演じなければならないが、演じ方はたいてい演者の自由である。 ・ 対人関係や態度・行動を通して行われる学習に用いられる。 2.ロールプレイのメリット ・ 意志決定過程にみられるような物事のプロセスについて学ぶ可能性が高くなる。 3.ロールプレイの方法 1)事前準備 ・ シナリオ:準備の段階でシナリオを作成するか、役割だけを決めて自由に行うか、目的 によっ て決定する。 ・ 時間:決まっているわけではない ・ オリエンテーション:実施する前に学習者にその目的を十分に説明する。 2)実施 ・ 実施中にロールプレイをビデオに録画しておけば、後で見直すことができる。 3)フィードバック ・ ロールプレイ終了後、気づきや学びを話し合うことで、学習を深め、広げることが大切 ロールプレイ(ロールプレイイング)の目的 日常生活の中で、人は必ず様々な役割を背負って暮らしていることを考えますと、人生はまさにド ラマと言えます。その中で、常に同じような役割ばかりをこなしていますと、新たな人間関係を作り出す ことは大変難しくなります。 ロールプレイとは、参加者が自由な雰囲気の中で、あるテーマについて即興的に役割を演じ、協同 して、役割行動の変容を図るもので、日常生活におけるそれぞれの役割を見直し、新しい状況に応じ られるようになることを目的としています。 (1) 日常生活における自分の役割を見直し、日常生活での課題を解決する手がかりを得る。 (2) 参加者全員が、感情の解放をします。 (3) 新しい、突発的な状況に応ずることができます。 したがって、ロールプレイは日常生活のリハーサルとも言えるでしょう。参加者はうまく演ずる必要 はありません。大切なのは、いかに自分なりに自発性を発揮して演ずるかです。 自発性が回復されれば、ロールプレイでの新鮮な役割体験は、新しい役割を日常生活に取り入れ る原動力となります。 自発性とは、新しい状況においても、周囲と自分自身にとって、より適切な、望ましい対応ができる ということです。一般に、人は、新しい状況に対しては、他人の意見や自分の既有の体験をよりどころ として対応してしまいがちです。自発性は、そのような自分の外側から規制してしまうのではなく、自然 に自分の中から自分を動かしていくことです。 自発性は、まず役割をとること(役割取得)から、自発的に個性的に演ずること(役割演技)、さらに、 新しい役割を創造すること(役割創造)へと段階的に高まっていきます。 ロールプレイを行う上での注意 1) ロールプレイを理解しているファシリテーターをグループごとに配置すること 2) 事前準備(オリエンテーション):参加者が主体的に関われるように情報や知識の整理 3) 役割別の準備:各役割ごとに自分たちの役作りを行い,場面設定を話し合う 4) 役割演技・討議:役になりきって演ずる。時間内で場面を変えて複数回実施しても良い 5) 誰か一人が時間を占領しないこと 6) 振り返り(フィードバック):必ず自分の役やほかの役について感じたこと、考えたこと を振り返る時間をとり、ロールプレイの後,他の人へ感情・しこりが残らないよう配慮 〈時間配分の参考例〉 1) 知識の整理(5分) 2) ロールプレイの実施 ①役割別の準備(5分) ②1回目の演技(15分):個別支援会議の準備の支援者だけの話し合い 振り返り(5分) ③2回目の演技(15分):本人や家族も含めた関係者が参加した個別支援会議 振り返り(5分) (2) 模擬支援会議の設定 10:50~11:00(10分) ○ 事例:事例2(S.K.氏)と同じ ○ 場面設定: ・演習2のモニタリングの結果、変更修正した個別支援 計画を本人や家族、関係機関に説明する。 ・支援計画を進めるための役割確認の合意を得ることを 目的とする。 ○ 役割内容について、説明を受ける。 (3) 模擬支援会議の実施 11:00~12:00(60分) ○ ロールプレイは2グループで1組となり、実施と観察を交代で行う (20分×2)。 * 本人及び家族役は観察グループのメンバーが実施グループに入り 対応する。 ○ ロールプレイが終了した後のフィードバック(10分×2) *サービス管理責任者の役割や機能、本人の気持ちなどについて、サ ービス管理責任者役、本人役、観察者などから意見や感想を述べて もらいグループとしてフィードバックする。 (4)講義や演習を通じて学んだサービス管理責任者の役割について グループで討議とまとめ 13:00~13:40(40分) ○ グループ討議のポイント • サービス管理責任者の役割(サービス内容のチェック・マ ネジメント機能)を確認。 • サービス提供プロセスにおける、サービス提供内容等の チェックポイントは何か • サービスの質の担保のため、サービス管理責任者は事業 所、地域でどのような役割を果たすべきか → 様式にまとめる。 (5)グループからの発表と意見交換 13:40~14:20(40分) ○ 各グループから、様式に整理した内容を発表 する。発表時間は5分以内。 ○ 意見交換 (6) 3日間の講義・演習の全体総括 14:20~14:40(20分) ・ 3日間の研修を総括し、講義や演習を通して確認で きたサービス管理責任者の役割について再度、全 体で確認。 ・今後、サービス管理責任者として「このように仕事を していく」等、決意の確認。 ・最後に、講師より参加者へのエンパワメントにより、 今後の活躍に期待。
© Copyright 2024 ExpyDoc