聴き手を動かす プレゼンテーションのコツ 黒部 五郎(Goro Kurobe) 富山大学総合情報基盤センター Information Technology Center University of Toyama 目 次 (1) プレゼンテーションとは プレゼンテーションの特徴 プレゼンテーションの3要素 内容と人柄を伝える技法 プレゼンテーションの重要性 プレゼンテーションとビジネス 情報伝達のプロセス 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 2 目 次 (2) プレゼンテーション実施までのステップ 目的の明確化と聞き手の分析 ストーリーの組み立て ストーリー・ボードの作成 プレゼンターとしての基本 言語表現,音声表現,非言語表現 プレゼンテーション資料の作成 発問と質疑応答の技法 プレゼンテーションの準備と実施 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 3 プレゼンテーションとは プレゼンテーションとは,発表を通じて, 聞き手の態度や行動に何らかの変化を起 こすこと 聞き手に何も変化がなければ, プレゼンテーションは失敗 聞き手は,思い通りには行動 してくれないことが多い 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 4 プレゼンテーションの特徴 資料を使う 話の組み立てと順序が大切 画面を見やすくする プレゼンターが口頭で説明する 伝え方が重要である(言語・非言語表現) 聞き手と対面している 聞き手を集中させることが重要 柔軟な状況対応力が必要 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 5 プレゼンテーションの3要素 聞き手はプレゼンテーション を通して内容を知る 内 プレゼンテーション 技法が聞き手の理解 を助ける 2039/7/7 技 法 容 人 柄 聞き手はプレゼン テーションを通して 人柄を知る Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 6 内容と人柄を伝える「技法」 内容を組み立てて 資料を作成し 説明する 内 技 法 容 人 柄 その人らしさや 思いを どう表現するか 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 7 プレゼンテーションの重要性 商談 新製品発表会 企画の説明・説得 会社案内・説明会 ユーザー説明会 学会・研究会・協会における発表 会議,研修,講義 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 8 プレゼンテーションとビジネス 環境の変化・競争の激化 迅速で的確な意志決定が必要 情報の収集・伝達が重要 情報化時代,情報量の増大 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 9 情報伝達のプロセス 内 容 制約条件の確認 聞き手の分析 ・時 ・機 ・会 ・目的は何か ・レディネス (Readiness) 構 成 Framing 話し手 話し方 Delivery Skill 間 材 場 資 料 Briefing Paper 聞き手 内 2039/7/7 容 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 10 プレゼンテーション実施までのステップ 目的・テーマの明確化 聞き手の分析と制約条件の確認 ストーリーの組み立て 発表資料の作成 リハーサルの実施 プレゼンテーションの実施 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 11 目的の明確化と聞き手の分析 プレゼンテーションの目的を再確認する 主題を明確にし,効果的なタイトルを決める 聞き手に何をどの程度期待するのか明確にする 理解/納得/承認/賛成/購入(行動) 聞き手を分析する 地位や職位,所属部門などを分析する 個人の特性(経験,性別,年齢など)を調べる 聞き手の関心やニーズを把握する テーマに関する聞き手の知識レベルを知る 2039/7/7 Readiness:聞き手はどのくらいの準備状況にあるのか Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 12 ストーリーの組み立て オープニング あいさつをする 目的と議題の確認 興味・関心を持たせる 結 論 本 論 目的や聞き手のニーズに従って 内容を組み立てる 質疑・応答をする 結 論 クロージング キーポイントを要約する 必要事項を確認する お礼を言う 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 13 ストーリー・ボードの作成 優先順位 はじめに 背 景 問題点 解決策 まとめ 1 XXXX XXXX XXXX XXXX XXXX XXXX XXXX XXXX XXXX 3 XXXX XXXX XXXX 緊急の場合 は3以下を 切り捨てる 4 XXXX XXXX 2 2039/7/7 トランジション (つなぐ) Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 14 プレゼンターとしての基本 言語表現(Verbal Expression) 音声表現(Vocal Expression) 非言語表現(Nonverbal Expression) 言葉 メラビアンの法則 7% 言葉 = 7% 話し方 =38% 態度や表情=55% 2039/7/7 態度や 表情 55% Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 話し方 38% 15 言語表現(Verbal Expression) 聞き手の立場で言葉を使う 独りよがりな言葉の定義を避ける 専門用語(Technical Term)は聞き手に合わせ て使う 略語は確認して使う ATM = Automated Teller Machine (現金自動預払機) ATM = Asynchronous Transfer Mode (非同期通信モード) 具体例や例え話を適切に使う 話し言葉と書き言葉の違いに留意する (科学scienceか,化学chemistryか,など) 敬語を正しく使う 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 16 音声表現(Vocal Expression) 全員に聞こえる声で話す 第一声が最後列の席で聞こえるように声を出 す 多人数の場合はマイクを使用する 適度な速度で話す 早口に注意し,ゆっくり話す 大きい声を出そうとすると,ゆっくりになる 声に緩急(メリハリ)をつける 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 17 明瞭に発音する 口を大きく開けて発音する 特に語尾を明瞭に発音する (します,しません) 間(ま)を入れる 話の区切り目(句点(。)の部分)に,間を 入れる 立て板に水では理解できない キーワードの前に,アイ・コンタクト (Eye Contact)と間を入れる 不要な間は入れない 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 18 非言語表現(Nonverbal Expression) 1)姿勢 2)ポイント動作 3)アイ・コンタクト 4)ゼスチャー 5)表情 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 19 1)姿 勢 聞き手に正対し, 両足を軽く開き,体重を均等にかけます. 肩の力を抜き,リラックスします. 両手は両脇に置くか,前で軽く組みます. 体や首を揺らさないようにし, 歩きを入れます. 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 20 2)ポイント動作 話している箇所が分かるように,聞き手の視界 を遮らないようにポイントします. ポイントしたら,1~2秒間静止します. ポインターを振り回さないようにして下さい. レーザ・ポインターは動きすぎるので,可能な 限り「指し棒」を使います. 指し棒がないときは手を使い,指を揃えてポイ ントします. ポイントしたまま,画面を見ながら話さないよ うにして下さい. あくまでも聴衆を見て話しして下さい. 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 21 3)アイ・コンタクト(Eye Contact) アイ・コンタクトの目的 聞き手に熱を伝える 聞き手に刺激を与えて飽きさせない 聞き手の反応を見る 聞き手を引きつけるためにも,多くの聞き手に 視線を合わせる 1対1で話している気持ちで視線を向ける 流すのではなく,何秒か留める 凝視せず,柔らかい視線・表情で見るように 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 22 4)ゼスチャー ゼスチャーの目的 強調点を明確にする 視覚化を促進さる 聞き手を引きつける 聞き手は一般的に飽きっぽく 聞くよりも見ている 特に動いているものを見ている まして,事実をみているとは限らず,自分流に解釈 している ゼスチャーは,手の先だけでなく 腕全体を大きく使い 声の調子と合わせて,堂々と行う ただし,ゼスチャーの使いすぎには注意する 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 23 5)表情 心がけること 常に豊かな表情 笑顔 内容に合わせた表情 好感の持てる表情 自分で鏡やビデオ等を見て練習しておく 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 24 発表資料の作成 ストーリーボードに従って スライドのタイトルとテキストを作る 必要なデータや情報を調査・収集する 掲載する表やグラフを作成する 説明に必要な図形を作成する 写真やイラストを用意する 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 25 発問と質疑応答の技法 発問 質疑応答 聞き手からの質問を受け付け,回答しま す.必ず質問内容を確認し,結論先行型 で回答します.簡潔に答え,質問者自身 や他の聞き手に意見を求めるのもベター です. 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 26 リハーサルの実施 リハーサルを行ってスライドを切り替え るタイミングを設定する PowerPointの「リハーサル」機能を使用 して,スライドごとに掛かった時間を計 測する 時間を調整するために,話の内容や盛り 込んだ内容を調整する スライドの順番や数を吟味する 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 27 プレゼンテーションの実施 聴き手を動かすプレゼンテーションのこ つ プレゼンテーション準備作業のチェック シート 話し方のマナー 「あがらない」ために 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 28 聴き手を動かす プレゼンテーションのこつ 制限時間を守る 自然に語りかけるように話す スライドを指すには長い指し棒を使う 発問により聴き手を巻き込む 質問は,必ず内容を確認し,簡潔に答える 質問者には感謝の気持ちを表す 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 29 発問の技法 双方向のコミュニケーションを図るために,発問により 聞き手をこのプレゼンテーションに巻き込む 先ず,質問しやすい雰囲気を作り出す 発問し,聞き手を話の流れに誘導する 自問自答型の発問も効果的です 発問は,反応を予測しておくこと 戦略的な質問を考えておくこと 時には指名発問をして「○○さん,この件をどう思いま すか?」と言い,多数派が手を挙げるような発問のしか たをすることも有効 発問したときは,アイ・コンタクトをして,考えるだけ の間を置く 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 30 質疑応答の技法 聞き手からの質問を受け付け,回答する 必ず質問内容を確認する 「お尋ねになったには○○○ということです ね?」 結論先行型で,簡潔に答える 質問者自身や他の聞き手に意見を求める のもベター 質問者に感謝の気持ちを表す 「質問,ありがとうございます.」と入れる 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 31 プレゼンテーション準備作業の チェック・シート 1.テーマ: 2.想定する聞き手(対象者): 3.聞き手に期待すること: 4.ストーリーの組み立て: (結論を先にするか,後にするか) 5.発表用資料の再確認: (表紙,目次,タイトルと副題,・・・) 6.オープニングとクロージング: (オープニングで行う発問: ) 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 32 話し方のマナー (1)聞き手に会った服装をし,身だしな みを整えます (2)開始・終了時間を守ります (3)否定的なことは言わない (4)信頼感を損ねるような表現は避けます (5)感じよく挨拶で始め,終わりにはお礼 を述べて,印象深く締めくくりましょう 2039/7/7 Center for Teaching, Learning, and Technology, University of Toyama 33 聴き手を動かす プレゼンテーションのコツ ご清聴ありがとうございました. Thank you for your attention! 黒部 五郎(Goro Kurobe) 富山大学総合情報基盤センター Information Technology Center University of Toyama
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