ガンマ線連星 LS I +61 303放射モデル

ガンマ線連星
LS I +61 303放射モデル
2009/12/14
永江 修(広島大学)
Introduction①
Casares+ 05
コンパクト星の
軌道
※LS I +61 303について
Be星とNS or BH(軌道傾斜角不明)
軌道周期:26.5日(電波からγ線)
φ~0.23
2005-2006年:TeVガンマ線が観測⇒ガンマ線連星
Be星
(ガンマ線連星:PSR B1259-64, LS 5039, (Cyg X-1)…)
放射メカニズム:不明(二つの説あり)
Mirabel+ 03
μクエーサー
パルサーウインド
降着物質
ジェット加速
パルサーの回転E
パルサー風と星風の
ショック加速
Massi+ 04
Dhawan+ 06
μクエーサーと
思われていた頃
パルサー説が浮上の
きっかけになった観測
これまでの観測結果
電波観測
X線観測
Flux
近日点以外で
明るい
以前は遠星点に
近いほど明るい
軌道位相
電波とX線のずれ
超軌道周期@電波
理論放射モデル①
仮定
Be星の星風はclumpy、パルサー風は一定
↓
両風の圧力がバランスした所で相互作用。
Clumpyな故、逃げていく物あり
通常のbow-shockはできない
Neronov+ 07
※一方でclumpy星風とpulsar 風が
衝突したところは。。。
Be星:速度の違う高エネルギー粒子(赤道面vwind~106-7cm/s、極~108cm/s以上)
tesc~ D/vwind ~ 105(D/1012cm)(107/vwind) s
↓
違うエネルギーロス過程=Coulomb loss, IC loss, synchrotoron loss
(tescとtcoolの鬩ぎあいでロス過程が決まる)
理論放射モデル②
各々の過程の電子Cooling time
想定:~10MeV電子が星の光をIC(X線<10keV)、10MeV電子のシンクロトロン(電波)
• tCoul ~ 2x103(1010cm-3/n)(Ee/10MeV) s
• tIC ~ 104(L*/1038erg/s)(D/1012cm)2(10MeV/Ee) s
• tsynch ~ 3x105(1G/B)(10MeV/Ee) s
(i) 近日点付近 (D~5x1011cm)
n > 1010 cm-3 ⇔ tCoulが効く
⇔ 近日点ではICもシンクロトロンも出ない
(ii) D>1013cm =Dr ⇒ n<<1010cm-3
tsynchが効く(Be 星の極から出た星風と衝突)
(iii) D < Dr
tICが効く(Be星の赤道面から出た星風と衝突)
⇔ X線は連星の内側で、電波は外側で放射
電波はBe円盤と垂直な所での位相で明るい
最小のtescより短い
(comparable)
Cooling をうける
X線はBe円盤と
NS(!?)の相互作用
Be diskの歳差運動!??
4U 0115+63:激しく歳差(Warping)
10ヶ月
LS I +61 303
7ヶ月 8ヶ月
1ヶ月
Nagae+ 09
Hαは常にダブルピーク
偏光方位角に変動なし
LS I +61 303は激しい
歳差運動はしていない!!
近日点では暗い!??
Casares+ 05
観測2
近日点で
一番明るい
Be星
観測3
Pulsar wind modelとは相容れない
過去の傾向とも
異なってきた
ガンマ線連星との比較
※LS I +61 303(??)
※PSR B1259 (パルサー)
Chernyakova+ 06
※LS 5039(パルサー!?)
高橋+、岸下+09
今後の観測方針
※「すざく」衛星による新たな事実!?
近日点においてNHの変動あり(大きくなる)
近日点の前半後半でも変動あり(前半が大)
観測2
観測3
近日点周りのNHの変動を追う
ΔNH~1021-24cm-2
↓
軌道面傾斜角に制限
↓
コンパクト星に制限!!
(これまでの予想
X線dipなし⇔傾斜角小)
i=20°
3M8
i=90°
まとめ
• Be星のprecessionに解を求めるPulsar wind
modelは、やや軽率
• Pulsar wind modelで再現可能なPSR
B1259-63の変動とは似つかない
• 今後の観測および理論の発展に期待