生命科学の進展:遺伝子を中心として

分子医学の急進展:発生分化
を中心として
受精、発生がわかってくると
すぐ生殖医療が始まった
R.G.Edwards 初の試験管ベイビー
この功績で2010ノーベル賞
生殖医療の規制
ケース
精子
卵子
妊娠
呼び方
1
夫
妻
妻
(正常)
2
他人
妻
妻
人工授精
3
夫
他人
妻
体外受精
4
夫
妻
他人
貸し腹
5
他人
妻
他人
代理母
6
夫
他人
他人
代理母
代理母 Surrogate Mother
• 日本産科婦人科学会会告(1983年10 月)によ
る自主規制、厚生労働省は代理母出産を認
めていない、大阪高裁平成17年5月20日判決
も「公序良俗に反しーーー」
• 法制度は未整備
• 子を持つことは人権、国際人権規約B規約23
条では「家族を形成する権利」
• ドイツは代理母禁止、英は金銭授受を禁止
• しばしば生まれてくる子の「出自を知る権利」
は無視されている!
クローンは2種類:受精卵の分割
と体細胞クローン
体細胞クローンは全く同一の
遺伝子を持つ個体が作れる
ドリーで初めて成功
出産した
短命だった
下等動物や植物では体細胞
クローンは簡単にできる
生命科学研究の規制(続)
• クローン動物;1997.2.28 英国ロスリン研
究所 ドリー
• クローン人間はドイツ、日本などが禁止
• 理由:男女両性が関与する、偶然性が介
在することが各個人の唯一性が確保され
る=人間の尊厳
• 日本では胚性幹細胞は研究のみ承認
臓器移植(組織移植)
• 生体移植 皮膚、血液(輸血)、骨髄、一部
臓器
• 狭義の臓器移植は死体から
• 臓器移植法(1997.10) 脳死については各
個人が決める
• 15歳以上(民法上の遺言可能年齢)
臓器移植法の改正
• A案:①脳死を一律に人の死とし、②本人の拒
否がない限り家族の同意で提供できる、 ③年
齢を問わず、 →子供の臓器提供が可能、④親
族への優先的提供が可能
• 問題点:脳死を一律に人の死とすること
• 親の虐待を受けて脳死になった子から親の同
意で提供されて虐待の証拠が隠滅される懸念
• 脳の回復力が強い乳幼児の脳死判定基準が
確立していない→脳死すら判定基準は問題
• 優先的提供は平等の原則に反しないか
再生医学、組織は幹細胞から作れる
幹細胞の例:血液細胞
再生医療
• 幹細胞 未分化の細胞のこと
• 胚性幹細胞=ES細胞 全能性がある細胞、
胚からとる→クローンから作りたい→韓国の
葉教授の捏造事件
• 例 造血細胞
再生不良性貧血
白血病・骨髄異形性症候群
先天性免疫不全症
将来はパーキンソンやアルツハイマーなど
iPS細胞
• iPS=人工多能性幹細胞
• 体細胞を幹細胞に戻すことに成功した:皮
膚の細胞を遺伝子操作して幹細胞を作る
• 将来にヒトになりうる胚を使わずに幹細胞
が得られる
• 本人の細胞なので免疫の拒否反応がない
IPS細胞の問題点
• 安全性 ガン化の危険性
• 生命倫理上の問題 iPS細胞から生殖細
胞を作る 日本ではiPS細胞から作った胚
を子宮に移植することを禁止
• 比較的簡単に作ることも問題
生命の合成:人工生命
• 「スルメ」はイカに戻せるか?
微生物など下等生物は「できる」
• 1935 W.M.Stanley タバコモザイクウィルス
の結晶化に成功
• 1955 H.Frankel-Conrat ウィルスの再構成
に成功 物質から生きたウィルスを作った
生命合成ーゲノムの化学合成
• 2002 人工ウィルスの合成に成功(ポリオ)
• 2010 J.Craig Venter 細菌の人工合成に成功
細菌Aのゲノムを化学合成し、これを細菌Bの細
胞内に導入し、細菌Aに変換する
合成したゲノムには名前や格言を書き込んで
あったという
What I cannot build, I cannot understand