教養の化学

教養の化学
第1週:2013年9月23日
担当
杉本昭子
教養の化学

教科書
学術図書
必ず購入すること!
「物質科学の基礎としての化学入門」
千葉工業大学教育センター化学教室編

参考書
特に指定はない。
例:数研出版
視覚でとらえるフォトサイエンス
化学図録
自己紹介
東京医科歯科大学
生体材料工学研究所 分子設計分野
研究テーマ : 創薬化学
1)酸化ストレス度チェッカーの開発
2)新規癌転移抑制剤の開発
3)新規抗癌活性物質の探索研究
自己紹介
東京医科歯科大学
生体材料工学研究所 分子設計分野
HO2C
CO2H
研究テーマ : 創薬化学
1)酸化ストレス度チェッカーの開発
NH
HN
H
N
H
N
O
O
Bilirubin-IXa
自己紹介
東京医科歯科大学
生体材料工学研究所 分子設計分野
研究テーマ : 創薬化学
1)酸化ストレス度チェッカーの開発
2)新規癌転移抑制剤の開発
自己紹介
東京医科歯科大学
生体材料工学研究所 分子設計分野
研究テーマ : 創薬化学
1)酸化ストレス度チェッカーの開発
2)新規癌転移抑制剤の開発
3)新規抗癌活性物質の探索研究
講義を始めるにあたって

目的
現代人の常識として必要な化学の基礎知識、工科系大学
の卒業生として身につけておくべき化学の基礎学力を習得
すること。
物質の基本構造、化学量論の基礎、基本的な化学変化や
物性について平易に解説し、演習を数多く取り入れ化学の
基礎学力が確実に身につくようにする。

講義の進め方
原則、シラバスに沿って行う。(教科書とシラバスは必
ずしも一致していないことに注意)
講義はパワーポイントによるスライド形式を採用。
講義を始めるにあたって

1.
2.
3.
4.
5.
到達目標
物質構造、原子構造を理解する。
化学量論の基礎を理解し、基本的な化学量の計算が
できる。
基本的な物質の状態変化、化学反応の仕組みを理解
する。
トピックで取り上げた物質や現象の概略を説明出来る。
教養としての化学の基本事項をもとに、自然科学およ
び工学・生活科学の理解に応用できる。
講義を始めるにあたって

評価基準
演習
30%
未来ロボティクス学科: (20点満点X10回+導入の化学合格点)
情報工学科:(10回)
レポート
*期末試験 (共通)
20%
50%
100点満点で60点以上が合格
* 共通期末試験は教科書の章末問題(例題、練習問題)から、
数値、語句などを変えて、何問かを選び出して出題。
章末問題には無い問題は出さない。
講義を始めるにあたって

出席: 出欠管理システムと演習・コメントシート併用
 受講態度
1)考える癖をつける。
「単なる暗記」から「考える」へ
獲得した基礎知識(情報)を結び付けながら、
推奨
論理的に考え、想像し理解する。
2)ノートをつくる。
聞く、見る、読む、書く全ての作業が、物
事を理解する上で大いに役立つ。
講義を始めるにあたって

受講態度
禁止
1.
2.
3.
4.
5.
止むを得ない場合を除いて途中退席を禁止
私語、音の発生(携帯電話等)を禁止
他人の受講の邪魔はしない
大学は義務教育ではない
勉強はあくまで自己責任
化学とは
第1週講義
化学(Chemistry)とは何か
科学 Science
自然科学
物理学
化学
生物学
地球科学
天文学
数学
人文科学
哲学
芸術学
美学
心理学
教育学
文学
言語学
宗教学
社会科学
法学
政治学
経済学
社会学
文化人類学
歴史学 等
等
化学(Chemistry)とは何か
化学 Chemistry
自然界のあらゆるものは物質でできている。
化学は、物質の性質と構造を調べ、物質の
変化を研究する学問である。
物理化学
工業化学
生物化学
分析化学
合成化学
薬化学
など
化学を学ぶ意義
サイエンス・リテラシー Science literacy
科学の定義
定量性
再現性
論理的整合性
定義は非常に重要である。
定義によって初めて共通の言葉として情報が交換される。
化学を学ぶ意義
サイエンス・リテラシー Science literacy
科学的方法のプロセス
観察・先行研究
仮説の構築
実験の計画
実験
結果の解析
化学を学ぶ意義
サイエンス・リテラシー Science literacy
似非科学 Pseudoscience
前のスライドに述べた過程を経
ていないもの
例えば、水に話しかけると結晶
の構造が変わる・・?
化学を学ぶ意義
サイエンス・リテラシー Science literacy
よくある健康・科学番組の問題点
適切な対照群の設定
統計的な有意差を得るために必
要な例数の設定
実験データの検証と解釈
等の要件を満たしていないものがある。
例えば、赤ワインで血液サラサラ
化学を学ぶ意義
サイエンス・リテラシー Science literacy
を身につけて、惑わされないように、騙
されないように。
これから学ぶ種々な科学の講義を聴けば
そのことがよくわかるはず。
化学を学ぶ意義
 深刻な環境問題克服のために
工業大学卒業生として当然、身につけて
おくべき基礎学力のひとつ
 これから学ぶ専門科目の基礎となる
電気電子材料(半導体、LEDなど)研究の
基礎として、新機能材料の開発にむけて
意義はともかく、化学は面白い!
もう一度化学(Chemistry)とは何か
化学 Chemistry
自然界のあらゆるものは物質でできている。
化学は、物質の性質と構造を調べ、物質の
変化を研究する学問である。
それでは物質とは何か?
物質を少しみてみましょう!
ようこそ化学の世界へ
ようこそ化学の世界へ
台所を眺めれば・・・・
物質が,化学が溢れている
1. 湯気が立ち上っている空気
空気: N2 (78%) O2 (21 %) CO2 (0.04%)
H2O
ようこそ化学の世界へ
2. 台所で使うエネルギー
天然ガス:成分の1つはプロパン
3. お料理をおいしくするお酒:アルコール
ようこそ化学の世界へ
4. 料理に欠かせないお酢:酢酸
5. 化学調味料の王様:グルタミン酸
味蕾
味覚の受容器
ようこそ化学の世界へ
6. みんな大好き: お砂糖(sucrose)
+
グルコース(glucose)
がグリコシド結
合
フルクトース(fructose)
ようこそ化学の世界へ
ヒトの体、組織、細胞を眺めれば・・・・
物質が,化学が溢れている
例えば筋肉
筋肉組織と筋細胞
アクチンフィラメントとミオ
シンフィラメント
ようこそ化学の世界へ
ミオシン分子
蛋白質
トリプトファン
ロイシン
アラニン
グルタミン
他、計20種類のアミノ酸から構成されている。
ようこそ化学の世界へ
 身の回りにある物質、体を構成している
物質を例に考えてもわかるように、自然
界のあらゆるものは物質でできている。
 物質のほとんど(金属やイオン化合物を
除いて)は、分子でできている。
 分子は常に活動している。
ようこそ化学の世界へ
活動する分子
集まる分子
飛びだす分子
1個の水分子
空気中に飛び出す水分子
水蒸気を構成する水分子
はジェット機のように飛び
まわる
液体状態の水分子
氷の構造
水分子間に水素結
合が形成される。
結晶を作っている
分子ですら、結晶
中で振動や回転を
している。
ようこそ化学の世界へ
活動する分子
1分子の水
水の実態
ようこそ化学の世界へ
飛びまわる分子
空中に飛び出した分子は、グライダーのように飛びまわる。その速度は
時速数百キロに達する。温度が高いほど、質量(分子量)が小さいほど速
くなる。
速い
遅い
軽い
重い
壁に衝突する分子
分子も飛び続ければ、壁にぶつ
かる。分子が衝突した位では壁
は壊れないが、飛んできて衝突し
た分子によって押される。分子が
壁を押す力が、“圧力”である。圧
力は分子の飛ぶ速さ、質量、衝
突回数に比例する。
ようこそ化学の世界へ
変化する分子
分子は互いに衝突することもある。分子は衝突すると反応になる。衝突し
た2個の分子が反応して、新しい別の分子が誕生する。
台所のガスレンジでは、ガスが燃えて熱エネルギーを放出している。
燃える=空気中の酸素とガスの成分(プロパン)との化学反応である。
(a) C
+
O2
CO2
(b) 2H2
+
O2
2H2O
(c) C3H8
+ 5O2
反応する分子の例
3CO2 + 4H2O
ようこそ化学の世界へ
反応は熱を生む
O2
C
+
出発系
エネル
ギー
ΔE
反応熱
生成系
CO2
CやH2は燃えるときに
熱を出す。この関係は
位置エネルギーが運
動エネルギーに変化
する過程とよく似てい
る。
CとO2が反応して安
定なCO2が生成する。
出発系と生成系の間
のエネルギー差ΔE
が反応熱として放出
される.逆の場合は
熱を吸収する。
化学とは何か
まとめ
1.
地球、空気、私達の体など自然界のあらゆるも
のは、すべて物質でできている。
2.
化学は、物質の性質と構造を調べ、物質の変化
を研究する学問である。
3. 化学は、宇宙開発の現場からミクロの世界まで
そして私達の身近なところで常に息づいている。
第1週講義
これからの講義の参考に
1. どのような性質によって強酸、弱酸の違いが生
じるのか? 塩酸(HCl)、酢酸(CH3CO2H)を例に
して説明せよ。
2. 今日の講義の感想(難しさ、スピードなど何
でも構わない)