ESS-II報告: Atmosphere関連

ESS-II報告: Atmosphere関連
成田憲保(国立天文台)
Atmosphere I.
• Jacob Bean (CfA) New Results from Ground-Based Transit Spectroscopy
Observations
• Frédéric Pont (Exeter) The Complete Transmission Spectrum of an Exoplanet
from UV to IR
• Zachory Berta (Harvard) Hubble Observations of a Super-Earth Atmosphere
• Bryce Croll (MIT) Near-IR Thermal Emission of Hot Jupiters and the Spectral
Features of Super-Earths
• Suzanne Aigrain (Oxford) Gaussian Processes: the Next Step in Exoplanet
Data Analysis
• Neale Gibson (Oxford) NIR Transmission Spectra of HD189733: Application of
Gaussian Processes
• Kevin Heng (ETH Zurich) A New Method for Calculating Exoplanetary Spectra
from 3D Simulations
赤:GJ1214b関連、青:宇宙望遠鏡でのホットジュピター、特にHD189733b関連
Atmosphere II.
• Heather Knutson (Caltech) A Warm Spitzer Survey of Atmospheric
Circulation Patterns
• David Sing (Exeter) GTC Transiting Exoplanet Atmospheric Survey
• Jayne Birkby (Leiden) Observations of Optical Secondary Eclipses of
Transiting Hot Jupiters with the GTC
• Seth Redfield (Wesleyan) Detection of H-alpha Absorption in Exoplanetary
Exospheres
• Nikku Madhusudhan (Princeton) C/O Ratios in Exoplanetary Atmospheres
• Sukrit Ranjan (CfA) Characterizing Hot Jupiter Atmospheres with Hubble
WFC3
• Tristan Guillot (OCA) The Role of Atmospheres in the Evolution of Exoplanets
緑:地上望遠鏡でのホットジュピターのナトリウム、カリウム、Hα関連
Atmosphere of GJ1214b
• 唯一知られているM型星まわりのトランジット地球型惑星
(Charbonneau et al. 2009)
• 多くの観測者がさまざまな方法でトランジット観測を開始
• 多波長のトランジットの深さを惑星大気モデルと比較すること
で、惑星の大気組成に関する議論が活発になってきている
• 2010年に問題になっていたのは、2つのグループ(Crollらと
Beanら)でのKsバンドでのトランジットの深さに4σの差があっ
たこと→今回のESSIIで両者が2011年の新しい結果を発表
ESSIIでの発表内容
• BeanらとCrollらはどちらも新しいKsバンドの観測を行ったが、
どちらも2010年と結果が変わらなかったと主張
• Bean et al. → Ksバンドも含めてGJ1214bのトランジットの深さ
はほとんどfeatureless → ほとんど水(分子量が大きいためス
ケールハイトが小さい)の大気か、高層の雲に覆われている
• Croll et al. → Ksバンドで他の波長より深いトランジットを検出
→ 水素が主体の大気+雲
• どちらもKsバンドのフィルターは同じで議論は平行線
HD189733bのUV-IR transmission spectroscopy
• 地上高分散分光によるナトリウムの検出と、ハッブルによる
可視のブロードバンドなfeaturelessなtransmission spectrum
によって、惑星がほぼ雲に覆われているという描像
• ナトリウムの追加吸収プロファイルは惑星の雲の量(=天気)
を反映している
• 地上高分散分光で観測をしているのはHETとすばるのみ
• David SingとSeth Redfieldからすばるの結果はまだかと言わ
れる・・
GTCでのカリウム探索
• David SingらによるGTCの200hrプログラム
• カリウムの領域のナローバンドフィルターをそれ以外の領域
のフィルターを用いて、撮像観測によってトランジットの深さ
を比べる
• XO-2bではしばらく前に検出報告
• 今後はナトリウムのあたりのナローバンドフィルターを作って
ナトリウム探索などを考えているらしい
ホットジュピターでのHα検出?
• Seth RedfieldらのHETのグループが高分散分光での
transmission spectroscopyでHαの追加吸収を検出したと報告
• 4つのホットジュピターのうち1つのみで、SNはそれほど高くな
い
• 彼らのデータよりSNが高いデータをすばるで取得済みなので、
それでHαの結果の追試をして欲しいと言われた
現状まとめ
• 観測の側からはGJ1214bとホットジュピターの観測が盛ん
• GJ1214bの議論は今後もしばらく続きそう
• ナトリウムの追加吸収プロファイルが天気の指標として特に
イギリスのグループに注目されている
• 今後は時間変化の研究に移行するのでは
• 理論の側ではGJ1214bの他に、HAT-P-2bなどのeccentric
planetや、WASP-12bなどのモデルが発表されていた