第8回 関連多群の差の検定 教科書p172~191 問題例1 健常人3名につき、血中物質Xの濃度を季節ごとの調べた。 個体 春 夏 秋 冬 a 9 6 6 11 b 4 1 4 7 c 5 2 2 3 Xの濃度には個体差があるといえるか。 帰無仮説:Xの濃度に個体差、季節差を認めない 個体差によるバラツキも季節差によるバラツキも統計的である 対立仮説: Xの濃度に個体差、季節差を認める 個体差または季節差による要因で平均値に差がある 有意水準5%で検定 列間変動 二元配置分散分析法 行 間 変 動 B1 B2 ・ Bc 平均値 分散 A1 x11 x12 ・ x1c m1・ s1・2 A2 x21 x22 ・ x2c m2・ s2・2 ・ ・ ・ xij ・ ・ ・ Ar xr1 xr2 ・ Xrc mr・ sr・2 平均値 m・1 m・2 ・ m・c 分散 s・12 s・22 ・ s・c2 水準A1 10 水準A2 5 水準A3 1 B1 B2 B3 B4 水準の平均値 水準Bj B1 B2 ・ Bc 平均値 分散 A1 x11 x12 ・ x1c m1・ s1・2 A2 x21 x22 ・ x2c m2・ s2・2 ・ ・ ・ xij ・ ・ ・ Ar xr1 xr2 ・ Xrc mr・ sr・2 平均値 m・1 m・2 ・ m・c 分散 s・12 s・22 ・ s・c2 m・j x1j xij 列間変動 誤差変動 xij-m 総変動 水準Ai mi・ xi1 xij 行間変動 全体 sT m 総変動:(xij-m) 行間変動: (mi・-m) 列間変動: (m・j-m) 誤差変動: (xij- mi・ -m・j+m) 列間変動 行 間 変 動 B1 B2 ・ Bc 平均値 分散 A1 x11 x12 ・ x1c m1・ s1・2 A2 x21 x22 ・ x2c m2・ s2・2 ・ ・ ・ xij ・ ・ ・ Ar xr1 xr2 ・ Xrc mr・ sr・2 平均値 m・1 m・2 ・ m・c 分散 s・12 s・22 ・ s・c2 xij m mi m m j m eij eij xij mi m j m 総変動 (xij-m) x r c i 1 j 1 行間変動 (mi・-m) 列間変動 (m・j-m) 誤差(残差)変動 (xij- mi・ -m・j+m) ij m cmi m r m j m xij mi m j m 2 r i 1 ST=SA+SB+SE 2 c j 1 2 r c i 1 j 1 2 偏差平方和 ST xij m r 総変動: c 2 i 1 j 1 r 行間変動: S A cmi m 2 dfT=rc-1 dfA=r-1 i 1 2 列間変動: S B r m j m c j 1 dfB=c-1 2 誤差変動: S E xij mi m j m r c dfE=(r-1)(c-1) i 1 j 1 2 sA u 分散比: A 2 sE F分布:f(u:r-1,(r-1)(c-1)) 2 分散比: u B sB 2 sE F分布:f(u:c-1,(r-1)(c-1)) 二元配置分散分析 要因 偏差平方和 行間変動 56 列間変動 30 誤差変動 12 総変動 98 自由度 分散 r-1=2 28 c-1=3 10 6 2 rc-1=11 2 分散比 u A sA 28 14.0 2 2 sE 2 s 10 uB B2 5.0 2 sE F(2,6)α=5%=5.14 πF≧14.0<α 帰無仮説を棄却 Xの濃度に個体差が認められる F(3,6)α=5%=4.76 πF≧5.0<α 帰無仮説を棄却 Xの濃度に季節差が認められる 問題例2 4人の糖尿病患者にある薬物Aを投与し、0,3,6,12時間後の血糖値 を測定した。A剤投与後、血糖値に有意な変化があるといえるか。 有意水準5%で検定しなさい。(正規分布ではない) データ数 n=4 水準数:k=4 帰無仮説:A剤投与後の血糖値の変動はランダム H0:時間ごとの順位の和は統計量χ2rに従う 対立仮説: A剤投与後の血糖値の変動は経時的に変動する H1:時間ごとの順位の和は統計量χ2rに従わない Friedman検定(ノンパラメトリック法) B1 B2 ・ Bc A1 x11 x12 ・ x1c A2 x21 x22 ・ x2c ・ ・ ・ xij ・ Ar xr1 xr2 ・ xrc データは水準毎にどんな分布かは 問わないが水準間の変化を見たい 要因Bの検定 要因Aの検定 B1 B2 ・ Bc A1 準 x11 A2 x21 x12 準 x22 ・ ・ x1c 準 x2c ・ ・ xij ・ Ar ・ xr1 xr2 ・ xrc 位 位 位 水準数:k=r、データ数n=c 合計 R1 R2 ・ ・ Rr Friedman検定の統計量χ2r: B1 B2 ・ Bc A1 準 x11 x12 ・ 位 x1c A2 準 x21 x22 ・ 位 x2c ・ ・ xij ・ xr2 ・ xrc 位 ・ Ar 準 xr1 合計 R1 R2 ・ ・ Rc 水準数:k=c、データ数n=r 2r k 12 2 R i 3n(k 1) nk (k 1) i 1 Friedman検定表:χ2rの有意点 k=3 n 3 4 5 6 7 8 9 ∞ P<0.05 6.00 6.50 6.40 7.00 7.14 6.25 6.22 5.99 P<0.01 -------8.00 8.40 9.00 8.86 9.00 9.56 9.21 k≧5 自由度k-1のχ2分布 k=4 n 3 4 5 ∞ P<0.05 P<0.01 7.40 9.00 7.80 9.60 7.80 9.96 7.81 11.34 自由度k-1のχ2分布 Friedman検定 2 r k 12 2 R i 3n(k 1) nk (k 1) i 1 Friedman検定の統計量χ2r(k=4,n=4)α=5%=7.8 πχ2r≧8.1<α 帰無仮説を棄却 A剤投与後の血糖値に有意な変動があることが認められる 問題例3 5人の高血圧患者の尿水メタネフリン(MN)を2ヶ月毎に測定したところ 次の結果を得た。MNの排泄量には季節変動があるといえるか。 有意水準5%で検定しなさい。 患者 2月 4月 6月 8月 10月 12月 a 493 582 530 497 711 565 b 929 730 493 524 414 877 c 497 581 382 330 534 1134 d 432 615 451 392 1437 1442 e 729 818 463 440 437 550 平均 616 665 464 437 707 914 s 208 105 55 79 424 382 Bartlett検定 k M ( N k ) log e sE (ni 1) log e si 2 i 1 1 k 1 1 C 1 3(k 1) i 1 ni 1 N k M=23.08、C=1.10、χ2=21.03 等分散ではない 2 k=6,n=5 2 r k 12 2 R i 3n(k 1) nk (k 1) i 1 =10.9 χ2 (df=k-1=5)α=5%=11.07 πχ2≧10.1>α 帰無仮説を棄却できない 演習8.1 ある酵素-基質反応系で、pHを3段階、温度を4段階変化させて、その生成物の 量を調べた。調べた範囲のpH、温度で生成物の量に差があるといえるか。 有意水準5%で検定しなさい。 pH 温度 7.0 7.5 8.0 30℃ 5 12 7 25℃ 6 10 5 20℃ 3 8 4 15℃ 2 6 4 演習8.2 健常人6人に登山前後の血中GOTの動きを 経時的調べた。運動前後に血中GOTが優位 に変動してよいと考えてよいか。 有意水準5%で検定しなさい。
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