2014 年春学期(月・2限) SCM論 第1回 講義概要と重要概念の説明 + 座席決定 樋口徹 1 講義スケジュール 第1回 講義概要と重要概念の説明:物流の基礎 第2回 バリューチェーン1:主活動:物流とロジスティクス 第3回 バリューチェーン2:支援活動:物流管理:「アサヒビール」 第4回 サプライチェーンの枠組み:物流と関連組織:「鉛筆」 第5回 サプライチェーンの構造変化:物流サービス:「アマゾン」 第6回 プル型生産とプッシュ型生産:「デル」 第7回 ブルウィップ 効果: 「たまごっち」 第8回 製品ライフサイクルとSCM 「VTRとDVD」:中間テスト 第9回 アセットライトと規模の経済: 第10回 チェーンストア経営 「サイゼリヤ」:物流政策と物流関連法 第11回 コンビニの経営 第12回大和運輸の事例: 第13回在庫管理 第14回 物流コスト管理 第15回 総括:期末テスト 2 講義の目的と採点基準 • 講義の目的 企業経営および日常生活において供給網管理の重要性を 学び、消費者の手に商品が至るまでの様々な関係者がどの ようにかかわっているのかを理解する。ロジスティクス管理3 級合格程度の実力を身に着ける。 • 採点基準 中間と期末テスト各30%(合計60%) レポート数回(30%) 質疑応答や出席状況に基づく受講態度(10%) ※参考文献『ビジネス・キャリア検定試験標準テキスト ロジ スティクス管理3級』中央職業能力開発協会(2700円+税) 3 物流の基礎 • 物流(物的流通;physical distribution)は米国における大陸横 断 鉄道 の開通に伴って、商圏拡大した時に誕生した言葉 である。 ※自給自足生活なら大規模な物流活動は必要ない。 • 広域に物資を運搬するには、運搬(輸送)と 保管 を統合し て物流として捉えることが必要となる。輸送費用と保管費用の 合計が安くなるように、物流システムを設計するようになる。 • 国民生活の中で、物流費用(輸送費用、保管在庫費用、物流 関係管理費用)は約9%程度を占めると言われている。 • 国民生活に多大な影響を及ぼす物流を円滑にするために物 流インフラ(鉄道・道路・港湾・空港・物流センター)や法体系の 整備が進められている。 4 物流の機能 1. 輸送:自動車(トラック)、鉄道、船舶、航空機などの輸送手 段によって物品を移動する行為。石油やガスなどのパイプ ラインも輸送となる。 2. 保管:物理的に保存し、管理すること。倉庫や棚などの保 管設備の管理と物品の管理作業がある。 3. 荷役:物品の荷卸しから格納までの作業と出荷指示に基 づいたピッキング、仕分け、積み込み作業などが含まれる。 4. 包装:物品の輸送と保管の際に、物品の状態を維持・保護 するために容器などを利用する。個装(消費者が購入際の 包装状態)、内装(個装を1ダースなどの単位にまとめた包 装状態)、外装(輸送・保管に際して物品の保護目的のため、 箱、袋、樽、缶、折り畳みコンテナなどにいれた状態) 5. 流通加工:物流の過程において、値札付け、アイロン、パッ ク詰めなど工場あるいは店舗で行っていた作業を倉庫内で 実施。 5 図 流通機能 工場 完 成 品 ( 個 装 済 み ) ( 荷 役 輸送 (包装) ) 内 外 装 装 積 込 ( 1 カ ー ト ン ) 店舗 倉庫 ( 荷 役 ) 荷 卸 し ( 荷 輸送 役 ) 積 込 ( 保 管 ) ↺ (流通加工) ( 荷 役 ) 荷 卸 し (保管) ↓ 販売 値札付けなど 6 領域から見た物流の分類 動 1. 調達物流;メーカーにとっては原材料や部品の調達、流通 業においては仕入れに関する物流 脈 2. 社内物流;社内の拠点間の輸送と保管(倉庫→支店など) 3. 販売物流(配送);売り上げを上げるための物流(顧客ある 物 いはユーザーへの配送) 流 静 脈 物 流 4. 返品物流(リバース・ロジスティクス);返品、回収、廃棄に伴 う物流(原因は誤送、破損・汚損、製品の不具合、売れ残り) ※返品物流は販売物流の3倍の費用 5. 回収物流;納品に使用したパレットや通い箱などの回収、製 品の不具合(リコール)による回収がある。※3R(リデュース、 リユーズ、リサイクル)により注目集める 6. 廃棄物流;廃棄物の輸送や処分を行う物流。家庭からの一 般ごみは市町村に処理責任がある(産業廃棄物は排出業 者に責任がある)。 7 領域から見た物流の分類 サプライヤー (協力企業) メーカー (工場) 顧客 (ユーザー) 動脈物流 調達物流 静脈物流 社内物流 販売物流 返品物流 回収物流 廃棄物流 8
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