Document

論文紹介
Novae as a Class of Transient X-ray Sources
K. Mukai, M. Orio, and M. Della Valle
ApJ, 677, 1248, 2008
●銀河中心付近に発見されている暗い目のX線トランジエントの正体
●X線観測で探る、天の川銀河内でのNovaの発生率
5/26 新井
銀河中心からのX線源
近年のChandra, XMM-Newton衛星の観測
銀河中心付近の領域に
比較的暗いX-ray transientの検出:L ~ 1034---1035 erg/s
(Porquet et al. 2005, Sakano et al. 2005, Muno et al. 2005)
⇒ホントに銀河中心に分布している?
Muno et al. 2
根拠は、absorbing column, 天球上の分布
しかし、直接距離の指標として利用できるものはない。
L ~ 1034---1035 erg/s ←激変星降着円盤では明るすぎる(Sakan et al. 2005, Muno et al. 2005)
Non-Magnetic CVs
: 1030---1032 erg.s < 3x1032 erg/s
Magnetic CVs (Inter mediate polar : IPs) : 1033 erg/s < 1.3x1034 erg/s(GK Perのみ)
⇒ luminosityの点で、NSかBHの系じゃないと無理か
•GC TransientはBH&NSのsubluminousでしかない。
•新しいBH, NSの銀河内分布モデルが必要になる。
■CVsがさらに高エネルギー放射する方法:核融合なら可能
Classical Nova
and Recurrent Nova
激変星のサブグループ
白色矮星表面に溜まったガスによる熱核暴走反応
Enova~ 1045 ergs, Mshell ~10-4Msun
Vshell ~ 1000 km/s
Ejected shell
MV ~ -9
(c.f. SN Ia:MV~-19, II: MV~-17)
Mass donor
呼び方の定義
Classical Nova :初めて発見されたもの
WD
Accretion disk
Recurrence time > 103yr
Recurrent Nova
Recurrence time ~ 10-100 yr
最近の“新しい” Recurrent nova 候補
V2491 Cyg 2008/4月発見
Novaからの主なX線放射
1. Supersoft X-ray emission : late phase (WD表面)
EUV/soft X-ray < 1 keV ⇒ 吸収を受けやすい ため
銀河中心では見えない
2.
Shell Shock from Ejected shell :
early phase (爆発後数日から数か月)
Optically thin thermal emission
peak range : 1 --- 10 keV
この論文では、2.の成分のみに注目。
これまで出版されたデータを利用した。
Hachisu & Kato
2006
利用したデータ
•
•
極大から< 1000日のデータのみに注目
2-10keVの光度を観測値と距離を利用
して算出
極大から1000日までのX線光度曲線
Day=30
Ejecta中のプラズマ温度は、数か月間で20-30keV ⇒ ~1keVに減少する。
(Lloyd et al. 1992, Mukai & Ishida 2001)
2-10keVでの
光度のヒストグラム
Novaは、1034 erg/s 以上のピークをもつX線トランジエント
⇒ 銀河中心トランジエントの候補として考慮すべき存在
銀河中心トランジエント候補として
Novaのpopulation
Our galaxy のNovaの発生場所
銀河円盤、バルジの両方だが、、、
(Della Valle & Duerbeck 1993)
減光率の分布はM31の新星とよく一致
⇒ M31とOur Galaxyではprogenitor(WD)種族は同様らしい。
(WD質量∝減光率of 光度曲線)
M31では、バルジで発見される新星が主
⇒ Our Galaxyでもバルジでたくさん発生しているはず
Novaの発生率
天の川銀河 全体での新星発生率(推定値)
●24nova /yr (Della Valle 1994)
●35nova/yr (Shafter 1997)
当論文では、30 nova/yrを採用
⇒ 銀河中心 15分角の領域での発生率を見積もる
(XMM-Newton EPICのSgr A*の視野)
nova_rate(disk) / nova_rate(bulge) = 0.25 --- 0.40(Capaccioli et al. 1989, etc.)
銀河diskの表面積 : 850kpc2
scale height
: 100 pc (Della Valle & Livio 1998)
Nova発生密度
ρdisk=(0.4 --- 0.7)x10-10 novae pc-3 yr-1
太陽から銀河中心の距離を8kpcとすると、
5×10-4 nova yr -1 にしかならない。。。
ディスクNovaとは発生率がそもそも異なる
Novaの発生率 つづき
バルジ内でのnova density : 不確定性大
⇒ 2つの仮定
1.Della Valle & Livio 1998の仮定
銀河面から400pc以内に分布
2.Shafter 1997
中心領域 ~1kpcでほとんどのバルジ新星が発生
⇒ ρbulge~ 3x10-8 novae pc-3 yr-1
: disk novaeの100倍
銀河中心領域15’に、視線方向に積分すると、 ~0.1 yr -1
この位置の新星の大部分はほとんど発見されない(可視で見えない)
新星の発見数の現状(2001年以降、 1978-1993)
平均 6 nova/yr, 3.3 nova/yr
いまだに 25nova が未発見
⇒これらは混み合った領域 or 星間吸収が大きい領域 で発生しているはず
可視光では、難しく、今後も見込みがない
まとめ
• Classical Nova と Recurrent Nova : Lpeak = 1034---1035 erg/s
• Shell X-ray phase は数か月から数年つづく (10---1000day)
• Faint class X-ray transient候補として Novaは確実
• BulgeでのNova発生率は不明
• 可視光では、バルジ領域のNova発見はできない。
⇒銀河中心方向のX-ray transient捜索は新星の発見優良な手法
• 基本的にモニターされているので、本研究の目的で利用する価値あり