企業の仕組み 第6回 株主総会について 1 会社の機関 (会社として意思決定を行い、あるいは会社として業務を行う機関) • 会社の機関として、意思決定あるいは業務執行する主体は 自然人 (人)または 組織体 である。 • 主な会社の機関には、株主総会、取締役、代表取締役、取 締役会、監査役、監査役会などがある。 ※取締役や監査役は 自然人 であるが、取締役会や監査 役会は自然人の組織体(集合)である。 ※この中で、全ての株式会社にある機関は 株主総会 と 取締役である。 ※その他は、委員会設置会社、大会社(公開会社、非公開 会社)、その他(公開会社、非公開会社)などの株式会社 の分類によって、不要な(義務付けられていない)場合や 設置が禁止されているものがある。 2 株式会社の主な機関の関係 • 株主総会 は、株式会社の組織、運営、管理などの会社の基本 的な重要事項について意思決定を行う機関である(株主総会の設 置と年一回以上の開催が義務付けられている)。 ※日常的な運営まで口出しすることは不適切 • 取締役会 あるいは 取締役 が日常的な業務執行の意思決 定を行う。取締役会を設置するには少なくても取締役が 3 人は 必要。 ※取締役会を設置していない会社は、重要業務の執行に関する意思 決定を行う場合、取締役の過半数の承認が必要となる。 • さらに、取締役会が設置されている会社は、 取締役 の中から 代表取締役 を選定し、会社の業務を代表して行えるようになっ ている。 ※取締役会を設置していない会社は、取締役各自が会社を代表する。 • 株主総会は、会社経営が健全に進めるために、監査機関(監査 役、監査役会、会計監査人、会計参与など)を選任し、取締役や 代表取締役を監督する。 3 株式会社の主な機関の関係図 株主総会(会社の所有者の集まりで、会社の所有者である 株主が、会社の基本に関する重大事項(組織、運営、 管理等)に関して意思決定を下す機関である。 ) 選任 ・ 解任 選任 ・ 解任 報 告 取締役 (取締役会) 選定・解職 代表取締役 監 査 報 告 監査機関 日常業務の 監督と執行 従業員 (業務遂行) 4 会社法で定められた株主総会の決議(法定)事項 株主総会でしか決議できない事項( 法定 事項) 1.機関に関する事項: 取締役 や 監査役 の選任・解雇 2.組織に関する事項:①資本金額の減少、②定款変更、 ③事業譲渡、④解散、⑤合併、分割、 ⑥株式交換、⑦株式移転 3.その他:①一定の自己株式の取得、②役員の報酬・退職 慰労金の決定、③募集株式や新株予約券発行 ※株主や株主総会は、会社の 業務執行 を行う権利は ない(取引先や販売先あるいは特定の人間と契約を結ぶ 等はできない)。 5 法定事項以外の株主総会での決議事項 取締役会設置会社は、法定事項以外を決議する場合、全て 定款 で規定されていなければならない。 ※取締役会設置会社では、所有と経営の分離を前提とし て、法定事項以外は原則として取締役会で決議される。 例外事項が定款で定められることになる。 非取締役設置会社では、 株主総会 が万能機関として全 ての事項を決定することができる。 ※非取締役会設置会社は小規模であることが多いから 6 株主総会の決定事項 取締役会設置会社 (所有と経営の分離前提) 非取締役会設置会社 (小規模) 法定事項 法定事項以外は 全て定款に明記 法定事項以外も 全て決定可能 7 株主の株主総会 議題 の提案権 取締役会設置会社 株主 議題 提案 (請求) 取締役(会) 不 適 切 な 議 題 却下 適 切 な 議 題 議題 (招集 通知 掲載) 非取締役会設置会社 議決権の1%以上を保有 あるいは300株(定款で変 更可能)以上を保有してい 全ての株主が議題を る株主(公開会社は6か月 提案できる。 前から引き続き保有が必 要となる) 株主総会開催の 8 週間 前に取締役に請求しなけ ればならない。 当日でも可能 議題として適切と判断されるには2条件が必要。 ①会社法や定款に記載されている事項 かつ ②提案者がその議題に議決権を有する ※議題とはテーマに関するもので、議案 とは異なる。 議案は議題に沿って、具体的な案を出すことである。 8 株主の株主総会 議案 の提案権 株主 議題 提案 (請求) 取締役(会) 適切な 議題 議題(招集 通知掲載) 議案 提出 株主 取締役会設置会社 非取締役会 設置会社 議決権の1%以上を保有あるいは300株 全ての株主が (定款で変更可能)以上を保有している 議題を提案で 株主(公開会社は6か月前から引き続き 事 きる。 保有が必要となる) 前 株主総会開催の8週間前に取締役に請 求しなければならない。 当日でも可能 全ての株主が以下の条件を満たせば議案を提 出できる 当 ①議案が株主総会の議題に関するもの 日 ②その議案が法令や定款にしていないもの ③その議案が過去3年間に10%以上の同意を 得られなかったものでないこと ※①議題に沿う議案しか出せないのは、調査時間や欠 席者への配慮が必要であるからである。③は無駄な 議案を繰り返し扱わないようにするためである。 9 1株1議決権の原則 ある株式会社が10000株(議決権)発行していて、Aさんがその内 1000株(議決権)所有していたら、10%の議決権を持つことになる。 しかし、例外的に認められない場合がある。 1. 当該会社の議決権の25%以上を保有し、経営を実質的に支配 することが可能な関係にあるものとして法務省令で定める株主 (株式会社)は議決権を行使できない(= 相互保有株式 )。 2. 定款で 単元 株式を定めている場合の単元未満株(例.定款 で100株を1単元とした場合、50株では議決権は認められない) 3. 自己 株式(金庫株) 4. 議決権制限株 5. 基準日 以降に発行された株式 等 10 議決権行使の方法 1. 株主総会に出席 2. 代理人 に委任 3. 書面(一定の期日まで) 第三百十一条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要 な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権 行使書面を 株式会社 に提出して行う。 4.電磁的 方法(株式会社承諾後、一定の期日まで) 第三百十二条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるとこ ろにより、株式会社の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決 権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該株式会社 に提供して行う。 2 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株 式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んで はならない。 11 決議の方法 普通決議 :通常の決議方法(定款に定めのある場合などを除く) ①議決権を有する株主の過半数が出席(定足数の要件)し、 ②出席者の過半数が承認すれば、承認。 ※定足数の要件は定款で軽減や撤廃が可能 特別決議 :普通決議より厳しい決議方法 ①議決権を有する株主の過半数が出席(定足数の要件)し、 ②出席者した株主の議決権の 3分の2 以上の承認が必要。 ※定足数の要件は3分の1まで軽減が可能 特殊決議 :特別決議より厳しい決議方法 議決権を有する株主の半数以上が出席(定足数の要件)し、出 席者の議決権が全体の3分の2以上(特別多数の要件)承認。 または 総株主の半数以上が出席し、総株主 の議決権の 4分の3 以 上で承認(小規模株主多数が反対している場合有効になる)。 12
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