3.1D 確率・ファジイ モデリング

3.1D 確率・ファジイ モデリング
4402002
浅野 淳一
システムのモデリング

望まれるモデル


シンプルなモデル
本質を損なわない
不確かさを排除する必要がある

対象の本質が不確かさにあることもある
不確かさをモデル
不確かさのモデリング

確率モデル


事象の生起が偶然起きるときの不確かさを考
慮したモデル
ファジイモデル

事象の意味内容のあいまい性に起因する不
確かさを考慮したモデル
確率モデルの用語

確率事象


確率


起きるかどうか不確かな事象
確率事象に対応する値
確率変数


値が偶然性に支配されている変数
離散型と連続型がある
信頼性のモデリング

望ましいモデル


故障、破損、事故、災害といった事象は起きな
いほうが望ましい
モデルの不確かさ

対象の故障は、対象の物理的、機能的な構造
に依存する
故障モデルの基本概念
対象がn個の要素から構成されているとして、各要
素 に次の2値変数 X iを結びつける
i
Xi
1 (その要素は機能している)
0 (その要素は故障している)
対象全体についても、次の2値変数

 を結びつける
1 (その要素は機能している)
0 (その要素は故障している)
故障モデルの数式化
対象全体の故障という事象は、要素の故障の
AND/OR回路で記述可能
X  ( X1 , , X n )
T
  ( X )
 ( X ) を構造関数と呼ぶ
直列構造


左端から右端に信号を伝達するという事象
各要素が機能する事象はAND結合
1

2
N
構造関数を用いてモデル化すると
n
 ( X )  X 1 X 2 , X n   X i
i 1
並列構造


左端から右端に信号を伝達するという事象
各要素が機能する事象はOR結合
1
2
N
構造関数を用いてモデル化する
n
 ( X )  1  (1  X1 )(1  X 2 )  (1  X n )  1   (1  X i )


冗長性が並列構造の特徴
i 1
信頼性モデル



要素の故障という事象を確率事象と捉える
信頼性
 要素あるいは対象全体が正常に機能する
確率
モデル化
i 番目の要素の信頼性は
R  Pr   X i  1  ri
信頼性モデル(直列・並列)

各要素の故障が互いに独立な場合

直列構造の全体の信頼性R
n
R  Pr   ( X )  1   ri
i 1

並列構造の全体の信頼性R
n
R  1   (1  ri )
i 1
信頼性モデルの特徴



直列、並列構造モデルの組み合わせで表
現される
物の破損や故障に限らず、人災を含む事
故全般に適用される
信頼性の種類

要素の故障のメカニズム考慮しない

浅い知識としての信頼性モデル
要素の故障のメカニズムを考慮
深い知識としての信頼性モデル
深い知識としての信頼性モデル

構造物の破損についてのモデル

荷重-強度モデル
作用する荷重L/構造物の強度S/構造物の安全余裕Z
Z SL0
Zがこのとき、構造物は安全である
荷重-強度モデル
構造物の荷重や構造物の強度は時間、品質などで、
厳密に特定することはできない
LやSは確率変数
荷重L及び強度Sの統計的性質がわかるなら、構造
物の信頼性をRとすると
R  Pr  Z  S  L  0
と表せる
ニューラルネットワークの確率モデル

モデルの不確かさ



現実の神経細胞の挙動にはゆらぎがある
ニューラルネットワークのモデルに、ノイ
ズを加える確率モデルを得られる
2つの例

ランジュバン型


0から1までの連続的な状態をとる
ボルツマンマシン

0または1の2値の状態しかとらない
ランジュバン型
ニューラルネットワークモデル
dU i
  Ti jV j  Ii
dt
j
にノイズ
1
u iを加えることで次の確率モデルを得る
dU i
  Ti jV j  I i  ui
dt
j
ノイズ
2
u i は、ある分散値をもつ平均値0の確率変数
Vi (t )   Ui (t )
3
②と③とをあわせてランジュバン型モデルという
ボルツマンマシン
ニューロンの入出力関数  に確率論的な機能を持たす
ニューロンの状態 Vi が0あるいは1となる確率が、入力Ui
の値に応じて により与えられると考える
Pr Vi  0  1(Ui )
Pr Vi  1  (Ui )
4
5
Ui が大きいと Vi が1になりやすく、 Ui が小さいと V
が0になりやすい
②④⑤をあわせてボルツマンマシンと呼ぶ
i
ファジイモデルの用語

ファジイ事象


ファジイ集合


ある値の判断が状況や主観に応じて異なる事象
言葉の意味の曖昧さを数値化する手段
メンバーシップ関数


意味にフィットする度合いとして、0から1までの実
数を対応させる関数
定義域は離散でも連続でもよい
ファジイモデルの例


凧揚げの数学的なモデリングは素人には難しい
経験知識で制御方法を表現することができる



糸をきつく張ると繰り出し、糸がゆるむと巻き込む
曖昧な知識はファジイモデルで表現できる
凧糸の制御方法の知識も3本のファジイプロダク
ションルールとして表現できる
モデリングのメリット・デメリット

メリット


本質をとらえたシンプルなモデルの価値は失
われない
デメリット

モデルは対象を理想化したものであって、実
際の対象もモデルどおりと錯覚しやすい