電機メーカーの未来

国際文化学部 異文化コミュニケーション
1176526c 小原瑞季
○総合電機メーカー
・日立製作所
・東芝
・三菱電機
・NEC
・富士通
○総合家電メーカー
・パナソニック
・シャープ
・ソニー

日本のお家芸のテレビですら、韓国企業にぼろ負け
-北米でのテレビのシェア割合(2012年4月)
1位
2位
3位
4位
5位
サムスン (35.1%)
LG電子 (11.3%)
シャープ (8.9%)
パナソニック(7.6%)
ソニー
(7.4%)
2~5位合計
35.2%
参考 http://japanese.joins.com/article/891/150891.html
時期的なもの
構造的なもの

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リーマンショック
超円高で輸出不利(韓国は超ウォン安)
ヨーロッパ信用不安の長期化
中国経済の減速、日中関係の悪化
東日本大震災、タイの洪水
リーマンショック前(2007)
リーマンショック後(2009)
1ドル当たり
120円
90円
937ウォン
145ウォン
つまり為替変動による輸出効果は… 25%の減収減益 54%の増収増益
80%の格差
 飽和状態の国内市場
 構造改革への遅れ



白物家電(家事製品)、黒物家電(TVなどAV機器)の充満
2010年3月のエコポイントの終了
節電志向
国内での需要が減っている!
 こだわりの強さ
 日本的経営

こだわりの強さとは?
①自前主義
②「本社の壁」
③特定事業への固執



自社製品にこだわり、低コスト化・効率化が難しい
ブランド力を信じ、低コスト化を怠る
自社技術に誇りを持ち、タカをくくる。
時代やトレンドの少しずつの変化に気づけない
低コスト戦略の韓国などの新興勢力を見くびる

現地の事情やニーズをなかなか理解せず、
現地からの要求をなかなか受け入れてくれない本社
-予算増額
-人材補給
-現地ニーズに合わせた独自商品の開発
を認めず、
-グローバル戦略商品は販売ノルマ付きで送りつ
けてくる。

サムスンやLGなどの決定的な違いと言われている。
これら2社の特徴:徹底的な「現地化」
-現地市場の徹底的調査
-現地事情に相応しい商品構成
-本社からの豊富な予算で大宣伝を繰り返す
海外市場で、
韓国製品がよく知られ、使いやすく、よく売れ、
日本製品は知らないし、使いにくいし、売れない。

各社のテレビ事業への固執
・・・時には諦めることも肝心?
韓国企業が浸透してしまっている欧米市場での
テレビ販売にこだわるのではなく、
-新たな市場でのシェア獲得のための開発・研究
-欧米市場での韓国企業が弱い白物家電など
他の商品に力を入れる

こだわりの強さ=柔軟性のなさ
①自前主義
②「本社の壁」
③特定事業への固執
 こだわりの強さ
 日本的経営

日本的経営の特徴とは?
①決断力と経営スピード不足
②マーケティング力やデザイン力不足
③閉鎖的な各部門
④製品・技術のガラパゴス化

一企業内の各部門が閉鎖的
(企業のM&Aも補完的なものに終始しており、同じことが
言える。)
各部門の技術が孤立し、
部門を超えた連携による開発がない。
各部門独自のビジネスモデルに終始してしま
う。

日本独自の高技術
性能や技術は高いのに、
現地のニーズに合わず、
海外でなかなかシェアが伸びない。
(新興企業の低技術ながらも、現地の使用法に合ったシンプル
機能の製品の方が売れる事もある。)

日本的経営
①決断力と経営スピード
②マーケティング力やデザイン力不足
③閉鎖的な各部門
④ガラパゴス化

こだわりの強さ

日本的経営
→環境変化への対応力が弱い



世界経済情勢や為替の変化
アナログからデジタルへ
WINTEL体制 から A Ghostの台頭
・W=Windows
・INTEL
・A=Apple
・G=Google
・ho=ホンハイ
・s=サムスン
・t=TSMC

飽和状態の国内市場
海外市場へ

構造改革への遅れ
経営・体制見直し
現状
対応策

新興市場
-人口規模
-開発コストが低い

失敗しないために大切なことは…
現地化
 経営の現地化
 生産の現地化

経営の現地化とは?
・現地人スタッフとの役割分担
-企画・管理は日本人、販売・生産は現地スタッフ
・日本人のみの“密室政治”をやめる
-現地スタッフに不信感や疎外感を与えない、社内一丸となって。
・市場攻略
-徹底した市場調査
-ニーズに合わせた商品・価格構成
-現地の文化を考慮
-時代遅れや非効率でも現地のニーズに合わせる
-高級品から低コスト品まで幅広いニーズに応える
-大規模宣伝を繰り返す

経営の現地化の効果
・現地スタッフの信頼を得て、プロジェクトや
意志疎通のスムーズ化
・脱ガラパゴス化
(現地の人のニーズに合わせた馴染みやすい
商品の提供)

生産の現地化とは?
・日本企業が設計し、現地企業が生産をする(OEM)
・現地企業が設計・生産をする(ODM)
=日本企業が安全基準や性能の底上げを行い、
低コストで現地ニーズに合っていながらも
日本技術による品質保証が出来ている。
自前主義を脱し、
低コストで信頼のおける商品を提供出来る。

飽和状態の国内市場
海外市場へ

構造改革への遅れ
経営・体制見直し
現状
対応策

“本社の壁”を取り壊し、素早く柔軟な経営判断
-現地化を認める、サポートする
-マーケティング力、デザイン力改善
-決断力と経営スピードを持つ

特定市場にこだわらず、敵の弱い商品で商機をつかむ
-「何でもやりすぎるからだめなんだ」ではなく、
「何でもあるから韓国勢を打ち負かせる」

閉鎖的な部門体制を、オープンにし、技術協力を。

“草食系”から“肉食系”で対新興勢力
つまり…
環境変化に柔軟に
未発達な商品市場への参入
異部門間の協力で新たな開発を

海外市場へ → 「現地化の壁」を乗り越える

経営体制見直し → 「本社の壁」取り壊し、
柔軟でオープンで積極的な経営に

現地化に取り組み、海外市場の拡大
保守的な経営構造を一新し、
柔軟な対応と新たな可能性の獲得


現地化に取り組み、海外市場の拡大
・新興市場でのシェア・売上拡大
・低価格ながら高品質で信頼を得て
次世代消費者の獲得
保守的な経営構造を一新し、
柔軟な対応と新たな可能性の獲得

・環境の変化にも対応し、ピンチをチャンスに変える
・既存市場の見直しと改善

その結果…
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『日本の電機産業はこうして蘇る』 若林秀樹著 洋泉社 2011
年4月5日
『パナソニックはサムスンに勝てるか』 財部誠一著 PHP研究所
2011年8月8日
『ストリンガー革命 ソニーの何を変えたのか』 片山修著 祥伝
社 2010年8月5日