しまね高齢社会振興ビジョン21

しまね高齢社会振興ビジョン21
おしゃれで凜とした生涯現役社会・しまねの実現をめざして
平成15年6月
島根県
島根県健康福祉部高齢者福祉課
〒690-8501松江市殿町1
TEL:0852-22-5707
FAX:0852-22-5238
『しまねの高齢者福祉』
http://www.pref.shimane.jp/section/kourei/
島
根
県
は
新
た
な
高
齢
社
会
づ
く
り
に
挑
戦
し
ま
す
新たな高齢社会づくりに向けた取り組み姿勢
~新たな高齢社会づくりへの挑戦~
高齢社会を取り巻く環境条件が変化しています。
・21世紀初頭には我が国の高齢化率は、世界最高水準に達しています。中でも本県は全国
に先駆けて高齢化が進展し、我が国の未来を生きる地域といえます。
・今後、政治、経済、社会のあらゆる分野で「高齢者の世紀」が到来します。
・特に10年後には、“団塊の世代”が高齢期を迎えることで高齢者の位置付けが大きく変化し、
高齢社会のあり方についての認識も変化すると考えられます。
今こそ、高齢社会対策や社会全体のあり方を変革する好機です。
・これまでの高齢者像は、寝たきりで介護が必要、経済的弱者といった姿が典型でした。
・しかし、健康で経済的にも比較的余裕のある高齢者が増加しています。特に本県の高齢者
の大多数は健康で元気に生活しており、地域を中心となって支えている姿が見られます。
・また、県民の高齢期のイメージも変わるとともに、社会参加の意欲を持つ高齢者が多くなっ
ています。
あらゆる世代から求められる新たな高齢者像を描きます。
・これからの高齢者対策においては、高齢者がいつまでも主役の一人であり続ける社会を構
築していくという考え方への転換が必要です。
・そして、社会全体で議論を深めながら、高齢者を含めたあらゆる世代にとって、人々のいの
ち輝く社会、懐の深い高齢社会の実現に向けて、新たなビジョンを構築することが求められて
います。
65歳の平
均余命
10
65歳の平
均自立期
間
5
0 全
国
男
高齢者の就業率は全国平均を上回っており、特に第
1次産業では就業者の6割が高齢者です。また高齢
化が進む地域では、高齢者が中心的な役割を担うな
ど、地域の様々な活動を支えています。その一方で、
地域活動の低迷や集落機能の低下も懸念されてい
ます。
島
根
女
40~64歳者の回答
65~79歳者の回答
35
30
25
20
高齢期
と考える
年齢
は?
15
10
5
か
ら
歳
か
ら
0
60
県民意識調査によると、高齢期は70歳以上と考えて
いる人が多く、従来の65歳以上を高齢者とする概念
とのずれが生じています。また、高齢期における健康、
経済等への不安とともに就業や学習など社会参加へ
の高い意欲を持つ人が多くなっています。
全
国
女
40
変わる高齢期のイメージ
•
島
根
男
歳
•
15
80
地域を支える高齢者
女5位
男5位
20
か
ら
健康度の指標の一つである平均余命と平均自立期
間を見ると、本県は男女とも全国高位にあります。ま
た介護保険制度による要介護認定率を見ても、全体
では8割以上の方が介護を必要としていません。この
ように本県の高齢者は健康で元気に生活している方
が多いことがわかります。
歳
•
女2位
男11位
25
70
島根の高齢者は元気
基本
理念
おしゃれで凜とした
生涯現役社会・しまねの実現
一人ひとりが住み慣れた地域において、いつまでも自分らしさを大切にしながら自
立した生活を楽しみ、自分が持つ潜在的な能力や可能性を追求し、年齢にとらわれ
ず、いくつになっても現役意識を持ち続け、社会との関わりを持ちながら生きていく
(=おしゃれで凜として生きる)ことのできる社会の実現をめざします。
新たな高齢社会の基本理念は、県民一人ひとりが生涯を通じて自立した生活を楽
しみ、年齢にとらわれず様々なことにチャレンジしながら、生涯現役意識を持って生き
続ける、またそうした生き方を可能にする社会です。
ここでは、高齢期の生き方について、「おしゃれに生きる」=服装や身だしなみに限
らず、ライフスタイルや価値観を含めて人生を充実したものとして過ごすこと、また「凜
として生きる」=豊かな知恵やバランスの取れた判断力を持つ人生の先達者として、
次の世代から信頼される存在として生きることを提唱しています。
そして、高齢者はもとより、あらゆる世代の県民が自らの高齢期の生き方や身近な
社会のあり方について考え行動を起こすことによって、地域の魅力を引き出し、世代
を越えてふれあい支え合って生きていく、しまねらしい高齢社会を実現させようという
思いを込めています。
行動
指針
しまね輝く75歳宣言!
~私たちがつくる新しい高齢社会~
【75歳までは】
現役意識をもって、
豊かな経験知識を地
域社会に活かそう
しまね
輝く
75歳
【75歳になったら】
健康を維持し、能力
や趣味を活かし後進
の模範になる生き方
をしよう
●高齢者には、自ら知識、技術、経験を活かし社会を支えているという生涯現役意識の高まり
を期待します。
●間もなく高齢期を迎える壮年期の人々は、生涯を通じた地域社会への参画意識を高めます。
●すべての県民は、高齢者を知的体力の熟した存在と認め、現役世代と区別しない意識を高
めます。
あらゆる世代において高齢者や高齢社会に対する意識改革を加速させ、
「おしゃれで凜とした生涯現役社会・しまねの実現」に挑戦しよう!
めざすべき
社会像
しまねらしさを継
承する社会
高齢者が中心となって取り組む地域活動や伝
承活動などを介して、世代間や地域の連帯の再
構築を図り、高齢者が持つ知恵や経験、地域固
有の歴史文化、地域に根ざした暮らしを誇りを
持って次世代へと継承していくこと
自立した個人が形成
する社会
いくつになっても年齢や性別にとらわれるこ
となく、健康状態や意欲に応じて、自分の持
つ知識や能力を活かして暮らしていくこと
多様な世代が
連帯する社会
多様な社会参加を可能
にする社会
一人ひとりの価値観やライフスタイルを互い
に尊重しながら、趣味や生きがい活動などな
どにも積極的に参加し、社会の一員として実
感を持って生きること
あらゆる世代が相互理解のもとで交流や連
帯を深めながら、能力に応じて協力しあい、
支え合うことによって、世代を越えてふれあい
ながら暮らしていくこと
基本
姿勢
1 「日本の未来を生きる地域・しまね」としての挑戦
本県に顕著な高齢社会の状況を地域の特性として前向きに捉えながら、島根だから
こそできる未来への挑戦との気概を持って、高齢社会づくりに積極果敢に取り組みます。
2 高齢期・高齢者に対する意識改革の推進
「高齢者=弱者」という既成概念を見直すとともに、高齢者のもつ能力を積極的に評価し、高齢社
会づくりの主要な一人として活躍できる体制づくりが必要です。
県民の一人ひとりが、年齢にとらわれることなく、自らの能力や責任において生き生きと暮らし、生
涯にわたって地域との関わりを持ち社会貢献していくことのできる社会をめざします。
3 高齢者の活力を社会の原動力に
地域固有の歴史文化や暮らしの伝承などの主たる担い手として高齢者の経験と知識を活かすこと
が重要ですので、それぞれの年齢や身体能力等に応じたきめ細かな政策の推進が必要です。
特に、健康にも恵まれ身体機能の低下も少ない前期高齢者層には、地域活動の主体的な役割を
担うことが期待されます。
4 高齢者を含む高齢社会対策への施策転換
団塊の世代が10年ほどで高齢期を迎えることにより、高齢者の意識や姿も大きく変貌し、個性に満
ちた生き方を強く指向するものと想定されます。
高齢社会振興ビジョン21では、従来の高齢者対策から高齢者を含む社会全体の対策、すなわち「新
たな高齢社会への挑戦」へと姿勢を変革していきます。
施策
内容
4 地域住民が支え合う新たな絆づくり
1 多様な交流による新たな関係づくり
●社会参加 ●学習・スポーツ・文化活動
●ボランティア、NPO活動
2 生涯現役で輝ける場づくり
●世代間交流
●高齢社会や高齢期への理解
5 安全で快適な生活基盤づくり
●住まいや環境づくり ●情報通信
●雇用・就業 ●能力発揮 ●所得確保
6 健康で安心できる暮らしづくり
3 地域の資源を伝える場づくり
●伝承活動 ●地域資源継承 ●交流活動
●健康長寿日本一
●保健・医療・福祉の推進
推進に向けて
おしゃれで凜とした生涯現役社会・しまねの実現を目指して、県、市町村、県民そ
れぞれが役割と責務を担いながら連携して、各種の取り組みを進めることが重要で
す。県としては、県民運動の推進、高齢社会対策推進会議を設置するなど
ビジョン21の実現に向けて具体的な推進を図ります。