インターネットと プロトコル

インターネットと
プロトコル(TCP/IP)
H21 情報機器工学
インターネット

インターネット(Internet)とは
 地球規模のネットワークで、インターネットプロトコ
ル(IP)と呼ばれる通信規約を用いて接続された
ネットワーク

プロトコル(protocol)とは
 通信を行う際に必要となる伝送路や伝送方式に
関する規約(http, ftp, smtp など)
 プロトコルの異なるネットワークは基本的に通信
できない
インターネットの特徴

基本的に世界中のどんなコンピュータネット
ワークとも接続できる仕組みを持たせている
 物理的な通信媒体(光、電波、電気信号など)や、
ネットワークの規模(LAN、MAN、WANなど)が
異なるネットワーク同士を接続できる
→通信媒体や規模に独立

Inter + network → つなげる+ネットワーク
=ネットワークのネットワーク
インターネットの仕組み
どんなネットワークとも接続できる仕組みと
は?→Internet protocol(IP)
 “ネットワークにつながる、すべてのコン
ピュータにIPアドレスと呼ばれる番号を付け
て、情報の送受信先を決定する”、という規約

IPアドレスとは



ネットワークに接続されているそれぞれのコンピュー
タに割り振られている数字
世界中のネットワークで通用する住所または電話番
号のようなもの(例外もある)
0~255の数字の4つ組(IPv4:約43億通り)
 例)202.223.137.200(岐阜高専のwww)
 IPv6では約281兆5千億通り

各国ごとに設置された機関(NIC:Network
Information Center)が配布・管理(日本はJPNIC)
IPアドレスで通信できるのか?
疑問点
 IPアドレスの管理はNICが行っているので、通信を
するたびにNICに問い合わせをするのか?
 コンピュータはどうやってNICに問い合わせをするの
か?
 通信経路の確保はどうするのか?
 ・・・
ルータによりほとんど解決
ルーターの仕事
IPアドレスによるルーティング
XがYにデータを送信
→ルータAはルーティングテーブルから、
あて先Yを見つけてS1へ送信
→ルータCは・・・
ルーティングテーブルの例
IPアドレスとドメインネーム(DN)

IPアドレスは覚えにくい→人間が利用するに
は覚えやすい名前(Domain Name)が必要
 202.223.137.200→(www.)gifu-nct.ac.jp
 202.223.137.201→smtp.gifu-nct.ac.jp
 202.223.137.202→dns2.gifu-nct.ac.jp
 202.223.137.203→webmail.gifu-nct.ac.jp
 202.223.137.205→mx.gifu-nct.ac.jp
ドメインネームを使った情報伝送



IPアドレスとドメイン
ネームを交互に変換す
る仕組み→DNS
(Domain Name
System)
DNSは木構造
ドメインネームはDNS
サーバで管理される
root
edu
jp
ac
gifu-nct
com
lg
gifu-u
us
co
gifu
example.comドメインからwww.gifu-nct.ac.jp
へのデータ送信(IPアドレス取得)




com≠jpなのでrootにjpの(ドメインを
管理する)DNSサーバのIPアドレス
を問い合わせる
jpのDNSサーバにac.jpのDNSサー
バのIPアドレスを問い合わせる
ac.jpのDNSサーバにgifu-nct.ac.jp
のDNSサーバのIPアドレスを問い合
わせる
gifu-nct.ac.jpのDNSサーバに
www.gifu-nct.ac.jpのIPアドレスを問
い合わせる
root
edu
jp
ac
gifu-nct
com
lg
gifu-u
us
co
gifu
得られたアドレスへ
データを送信
TCP/IPのTCPとは?

正確にはTCP(Transmission Control Protocol:伝送制御プ
ロトコル)とUDP(User Datagram Protocol:ユーザデータグ
ラムプロトコル)のこと・・・

TCPは情報を確実に相手先に伝えるため、送信前に予め通
信経路を確定して送信(その他の信頼性確保のための作業
も行う)


→Eメール送信のようなもの
UDPは情報を速く送るため、送り先が確定(IPアドレスが判
る)次第、とにかくデータを送信する(届いたかどうかの問い
合わせもしない)

→ホームページの閲覧のようなもの
電子メールの仕組み①
①送信クライアントはメールに宛先を
付けてメールサーバへ送信
②メールサーバは宛先のIPアドレスを
DNSサーバへ問い合わせ
③メールサーバは宛先IPアドレスにしたがって送信
④インターネット経由で宛先のメールサーバへ送信
⑤受信クライアントはメールを受信
電子メールの仕組み②
ユーザ名@所属している機関のドメイン名
[email protected]

ドメインの詳細(後ろから読む)
 トップレベルドメイン:jp=日本
 第2レベルドメイン:ac=教育研究機関
 第3レベルドメイン:gifu-nct=岐阜高専
 第4レベルドメイン:edu=教育用電算システム
WWW(World Wide Web)の仕組み①

Webページと呼ばれる文書や画像の集合体である
Webサイトの世界的な集まり

Webページの閲覧にはIEやFirefoxなどのWebブラ
ウザでURLを指定
 Webブラウザ:Webページを記述する言語(HTMLなど)を
理解し、内容を表示するソフトウェア
 URL(Uniform Resource Locator):要求する情報がイン
ターネット上のどこに格納されているかを示す
WWWの仕組み②
yahoo
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/
URL指定
Webページ送信
Webブラウザがインターネット上の
Webサーバを探して、目的のホーム
ページを自分のコンピュータに表示
WWWの仕組み③
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/

HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)
 Webブラウザが、Webサーバに対してHTML形
式のファイルを受け取るためのプロトコル
 HTML(Hyper Text Markup Language)
Webページを作成するための言語
 文章のみならず、画像や音、他のWebページへのリン
クなどを埋め込んだテキスト(Hyper Text)を記述でき
る

TCP/IPのまとめ




インターネットでは情報の送受信にIPアドレスを利
用して通信する(IP)
IPにより送受信先のコンピュータを指定できるが、
実際のデータ送信については信頼性が低い
IP+TCPにより送信先の確定+信頼性を確保
TCPは信頼性を重視するため動作が遅く、基本的
に1対1の通信に向いている→動作が速く1対多の
通信向けのプロトコルを用意(UDP)
プロトコルの標準化

異なるプロトコルのネットワーク同士は通信不可
 →プロトコルの標準化

ISOによるOSI参照モデルの提唱
ISO:International Organization for Standardization
(国際標準化機構)
OSI:Open Systems Interconnection(開放型システム間相互接続)

TCP/IPはISOによる国際標準ではないが、事実上の標準プ
ロトコル
プロトコルの階層化




OSI参照モデルは、通信における各種機能を分割し、
階層化している
プロトコルの階層化→設計・実装が容易
各階層ごとに独立して約束事(プロトコル)を決めて、
コンピュータ同士が、同じ階層のプロトコルを利用し
てやり取りができるようにする
低レベル(ハードウェア的)な処理は下位層のプロト
コルで解決し、各プロトコルにはそれぞれの階層で
必要なことのみを処理させる
プロトコルの階層化の例
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/network/tcpip001/tcpip03.html
プロトコル階層の例
コンピュータA
第3層
(扱うデータの内容)
第2層
(データのやり取り方法)
コンピュータB
プロトコル3
第3層
コンピュータ同士が
どのようなデータを
授受するのか
プロトコル2
第2層
コンピュータ同士が
データをどのように
やり取りするか
第1層
(物理的に接続する方法)
プロトコル1
コンピュータ同士が
電気的につながる
までの手段
ネットワーク回線
第1層
OSI参照モデル


OSI参照モデルはあくまでモデルであり、ガイドライ
ンでしかない
OSI参照モデルは以下の7階層に分類される
ランク
層
機能
例
第7層
アプリケーション層
特定のアプリケーションが通信する方法
HTTP,SMTP,FTP,・・・
第6層
プレゼンテーション層
データ形式の定義や変換方法
SMTP,FTP,・・・
第5層
セッション層
通信の管理や制御、コネクションの確立/切断
第4層
トランスポート層
データ送信の管理、信頼性を確立
TCP,UDP,・・・
第3層
ネットワーク層
異なるネットワーク先への通信経路を確立
IP,・・・
第2層
データリンク層
直接接続されたノード間でのデータの電送制御
イーサーネット、PPP,・・
第1層
物理層
物理的な接続方法、コネクタ、ケーブルの形状
RS-232,無線,光、UTP,
回線交換型ネットワーク

2つのノード間を直接接続するための回線を用意し、
1回線1通信で占有される
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/network/tcpip001/tcpip04.html
パケット交換型ネットワーク

通信データをパケット(小包)と呼ぶ小さなデータに
分割し、送信する
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/network/tcpip001/tcpip04.html
課題
コンピュータネットワークにおいて「プロトコ
ル」とは何か、その必要性も併せて簡単に説
明しなさい
 回線交換型ネットワークとパケット交換型ネッ
トワークのそれぞれの利点と欠点について説
明しなさい
