消費税増税後による 節約意識の変化 100円ショップは本当に安いのか❕❔ 1 名古屋学院大学 16E0126 古賀翔平 16E0702 川島涼 目次 1.本研究の目的と背景 2.100円ショップ業界の現状 3.100円ショップの調査 4.商品比較(食品) 5.まとめ・考察 2 1.目的 2014年4月の消費税が8%に増税される直前に駆け込 み需要が見られた、また、増税後100円ショップの 利用者が増加したと感じた。 100円ショップについて調べることで、増税により 100円ショップの需要が増加したことは事実なのか、 また、消費者が賢い消費行動をとっていく上で、 100円ショップはどのように活用していけるのかを みていく。 3 http://www.seria-group.com/ http://www.cando-web.co.jp/ 4 100円ショップのセリア、キャンドゥ(ダイソーは非 上場のため除く)の売上高の推移 増税後100円ショップの売上高に変化は生じたのか 5 291億4400万円 (百万円) 31000 29000 27000 25000 23000 21000 19000 17000 増税後 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 H21 H22 H23 H24 春:4月1日~6月30日 夏:7月1日~9月30日 秋:10月1日~12月31日 冬:1月1日~3月31日 H25 H26 6 13.12 14.01 14.02 14.03 14.04 14.05 14.06 14.07 14.08 14.09 全社売上高 111.1 112 110.2 122.7 既存直営店売上高 103.3 103.1 101.9 113.7 110.7 112.2 14.1 110 109.1 111.5 109.6 109.1 102.1 104.1 101.3 100.9 102.7 101.5 100.5 http://www.seria-group.com/corporate/ 7 165億8800万円 (百万円) 16800 16600 16400 16200 16000 15800 15600 15400 15200 15000 増税後 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 H21 H22 冬:12月1日~2月28日 夏:6月1日~8月31日 H23 H24 春:3月1日~5月31日 秋:9月1日~11月30日 H25 H26 8 13.12 14.01 14.02 14.03 14.04 14.05 14.06 14.07 14.08 14.09 14.1 全社売上高 102. 6 101. 9 100. 9 113 98.7 102. 5 98.3 99.7 99.5 101. 8 99 既存直営店売上高 101. 5 101. 9 99.8 113. 2 96.8 100. 9 96.9 97.6 99.3 98.8 97 14.11 http://cando-web.irbridge.com/ja/MonthlyReport.html 9 (店舗数) 1090 1100 1050 1015 1000 970 939 950 900 850 800 880 844 809 H21 843 H22 808 827 H23 H24 セリア キャンドゥ http://cando-web.irbridge.com/ja/BusinessHighlights.html http://www.seria-group.com/corporate/ 854 H25 879 H26 10 3.100円ショップに関する アンケート調査について 11 初めに…… 12 アンケート調査の概要 アンケート実施日 平成26年 8月13日~11月2日 アンケートのサンプル数 回収サンプル数130 有効サンプル数130 欠損サンプル0 13 集計 アンケート 考察 分析 14 60代以上 13% 50代 19% 年齢 20代 16% 30代 14% 40代 38% 15 100円ショップに行く頻度 利用しない 2% あまり 行かない よく行く 21% たまに行く 65% 16 平均的に買う個数 11~20個以下 4~10個以下 3個以下 5.4% 49.5% 45.0% 17 100円ショップを利用する理由 その他 祭りの景品、お菓子のまとめ買い 2.7% 3.6% 39.6% 気軽に買える 26.1% 25.2% 品物がしっかりしている 何度行っても飽きない 品薄状態があまりない 8.1% 47.7% 品揃えが豊富 63.1% 品物が安い 金額が統一されている 地理的に便利 32.4% 27% 18 100円ショップでよく買うもの その他 電池 スマホ・タブレット周辺機器 装飾品 衣料品 調理用品 収納用品 掃除道具 手芸・クラフト バス・トイレ用品 食器類 インテリア用品 キッチン用品 園芸用品 おもちゃ コスメ・化粧品 文房具 飲料水 食用品 0.9% 8.1% 7.2% 1.8% 9.0% 18.0% 22.5% 16.2% 9.9% 14.4% 10.8% 9.0% 3.6% 9.9% 12.6% 15.3% 35.1% 60.4% 66.7% 19 100円ショップを利用しない理由 10.5% その他 品物を探すのが面倒 0.0% 47.4% すぐ壊れるイメージがある 52.6% 品質にこだわりたい 買いたいものがない 26.3% 地理的に不便 26.3% 20 生計 厳しい 11% ゆとりがある 7% 普通 82% 21 増税後、節約意識の変化 節約を していない 25% 変わらない 53% 節約を するようになっ 22 増税後、頻度の変化 増えた 3% 減った 5% 変わらない 92% 23 100円ショップは安いと思うか どちらとも言 えない 35% 安い 65% 高い 0% 24 25 検証内容について 1.ゆとりと行く頻度について 2.ゆとりと平均的に買う個数について (表1参照) 3.ゆとりと何を買うかについて (図1参照) 4.節約意識の変化と行く頻度について (表2参照) 5.生計と増税後の節約意識の変化について(図2、表3参照) 26 表1 生計について(=A) ゆとり有 3個以下 平均的に 買う個数 4個以上 10個以下 11個以上 20個以下 合計 度数 Aの% 度数 Aの% 度数 Aの% 度数 Aの% ふつう 合計 厳しい 3 43 4 50 37.5% 48.3% 28.6% 45.0% 5 42 8 55 62.5% 47.2% 57.1% 49.5% 0 4 2 6 0.0% 4.5% 14.3% 5.4 8 89 14 111 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 27 図1 コレスポンデンス分析の結果 28 表2 節約意識の変化(=B) 度数 2 Bの% 7.1% 0.0% 6.1% 3.1% 度数 2 4 0 6 Bの% 7.1% 5.8% 0.0% 4.6% 度数 24 65 31 120 Bの% 85.7% 94.2% 93.6% 62.3% 度数 28 69 33 130 Bの% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 変わった 増えた 行く頻度 の 変化 減った 変わらな い 合計 合計 既にして いる 0 変わらな い 2 4 29 表3 節約意識の変化(=C) 4 変わらな い 4 9 14.3% 1.4% 12.1% 6.9 20 62 25 107 71.4% 89.9% 75.8% 82.3% 4 6 4 14 14.3% 8.7% 12.1% 10.8% 28 69 33 130 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 変わった ゆとり有 生計につ いて ふつう 厳しい 合計 度数 Cの% 度数 Cの% 度数 Cの% 度数 Cの% 合計 既にして いる 1 30 図2 コレスポンデンス分析の結果 31 大多数の消費者が100円ショップは安いと思っている。 生計にゆとりのある人は園芸用品を、逆にゆとりのない人は 食用品を買っている。 生計にゆとりのない人は、100円ショップで一度に購入する 品物の数が多い傾向がある。 節約に対する意識の変化で、節約するために100円ショップ を利用する人も出てきている。 32 4.100円ショップと全国平均との商品比較 食用品 33 内容量(g) 250 200 200 200 140 150 100 200 200 140 94 94 140 100円ショップ 通常量 84 50 0 ① ② ③ ④ ①ハウスこくまろカレー中辛 ②ハウスカリー屋中辛(レトルト) ③ハウスカリー屋辛口(レトルト) ④ハウスこくまろカレー甘口 ⑤ハウスこくまろカレー辛口 ⑤ 34 100円ショップでの値段と平均価格 100円ショップでの内容量と平均の比較 100円ショップ 価格 100円 内容量 94g 平均 価格 119.8円 内容量 140g 35 100円ショップ 1g 1.06円 平均 1g 0.86円 上の図より、100円ショップで買うこくまろカレーは お得ではない!!! 36 37 100円ショップの需要の一時的な増加の要因として、 2014年の消費税8%への増税は、現段階では要因であ ると断定することはできない。 100円ショップは「安い」というイメージが定着して おり、ほとんどの商品がお得であると考えている消 費者が多いことが結果としてわかりました。 38 100円ショップには、食用品のようにお得ではない商品があります。 そこで、賢い消費者行動を行うにはどうするか?………. 100円ショップを利用する際には、「何がお得なのか、何がお得ではないの か」この点に注意して利用することで、賢い消費者行動がとれる。また、 100円ショップは使い方次第で、節約の一つの手段となりえるのではないか と考えました。 39 ・セリアHP http://www.seria-group.com/ ・キャンドゥHP http://www.cando-web.co.jp/ ・日経テレコンhttp://t21.nikkei.co.jp/g3/CMN0F12.do ・石村、加藤、劉、石村(2013) 「SPSSによるカテゴリカルデータ分析の手順」東京図書 40
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