テクスト意味空間分析法 最終プレゼンテーション 『仕事』 環境情報学部4年 兼好絢子 環境情報学部4年 横手朋子 「仕事」 しごと 【仕事】 〔動詞「する」の連用形「し」に「こと(事)」の付いた語。「仕」 は当て字〕 (1)するべきこと。しなければならないこと。「台所の―」 「―が片付く」「―に取りかかる」 (2)生計を立てるために従事する勤め。職業。「お―は何 ですか」「―を探している」 (3)〔物〕 物体が力の作用のもとに移動するとき、移動方 向の力の成分と移動距離の積で表される量。物体が仕事 をされると、それだけ運動エネルギーが増加する。 (4)裁縫。針仕事。「お隅が一人奥で―をしてゐる/真景 累ヶ淵(円朝)」 (5)しわざ。所業。「あの連中の―だといふのだがね/義血 侠血(鏡花)」 【大辞林 第二版】 「仕事」 「仕事」 使う人の状況によって意味が多様に変 化することば? 人々がどのように「仕事」という言葉を使 用しているのか、どういうニュアンスを持 ち合わせているのだろうか? 「仕事」の人々による使い分け方になん らかの傾向が見られるのだろうか? 分析方法 当初のねらい 年代別に「仕事」ということばの捉えられ方 を調べたい。 年代別(若年層、それ以上)ごとにそれぞ れ比較語を用意し、使用方法の違いを見 る。 若年層「仕事」に対する比較語:アルバイト それ以上の年齢層に対する比較語:職業 分析方法(つづき) アルバイト 仕事 職業 問題点 収集されたデータの投稿者は、無職、教員、 福祉関係に携わっている人が多い。 若者の投稿が少ない。 「仕事」と「職業」の対比のほうが「仕 事」と「アルバイト」の対比より汎用的で ある ⇒年代別のことばの使用のされ方は全体 を見る上でのひとつの指針とする。 スクリプト分析『仕事』 「仕事」 仕事を • する 14% • 終える 3% • こなす 3% • 持つ 2% • 続ける 2% 仕事の • 出来る 2% 仕事に • なる 2% 比較語として「アルバイト」 を選択 ヒット件数 • 仕事 4619件 • アルバイト 636件 比較語として「アルバイ ト」を選択 「アルバイト」 アルバイトを • する 21% 比較分析 仕事 VS アルバイト 仕事 • 生活そのもの • 社会的役割 • 続ける、追われるなど、生活のためにしなくてはい けないこと アルバイト • 学業の傍らやっているもの(辞書的意味。若者層) ⇒現在の生活の付随事項 • 人生経験(若者層、大人が過去の話を語るケース) • 目的達成のための資金調達の手段 ⇒一時的なもの 比較分析 (例文の抜粋) 仕事 • 「学徒動員で、私は横浜市の中心部貯金局で仕事 をしていましたが、午前中から空襲警報がうなり、 学生は家に帰されました。」 • 「今私は食料品の買い物、三度の食事に掃除、洗 濯、植木の手入れなど驚くほどにたくさんの仕事 に追われています。 アルバイト • 「私はアルバイトと奨学金のお陰で大学を卒業で きた。」 • 「アルバイトやボランティア、恋愛もしましたが、 私立なのでほかより早く週休二日制に移行したこ とも大きいと思います。」 比較語として「職業」を選択 ヒット件数 仕事 4619件 職業 720件 比較語として「職業」を選択 「職業」 職業が • ある 職業を • つけない 2% 職業に • 就く • する 3% 7% 2% 職業と • する 2% 比較分析 仕事 VS 職業 仕事 • する、こなす、終えるなど一過性のもの。 • 個人的タスクとして捉えられている。 ⇒こなすことの義務感 職業 • ある、つく、つかないなど汎用的なもの。 • 一過性ではなく、普遍的なものとして捉えられて いる。 ⇒アイデンティティと直結 ⇒場合によっては、ある種の使命感 比較分析 (例文の抜粋) 仕事 • 「今は無心でゴミを広い綺麗になった道路を見て 一仕事をした気になっている。」 • 「ゆったりと時間が経過する中、介護職員はばた ばたと時間に追われ、仕事をこなす。」 職業 • 「自分が就きたい職業があったというよりは、そ の方が家にお金を入れられて、母の助けになると 考えたからです。」 • 「52歳になってやっと自分に合った職業に就い た。」 その他分析結果 「仕事」について 年代別 若年層:聞いた話、見た話。現実と一線を 介す。将来自分が携わるもの。 熟年層:人生において義務、責任をもたら すもの。 性別 女性:家事との両立(またその大変さ)を 強調したい意識 男性:男は仕事が出来ないといけない、 という意識 結論 仕事はネガティブ?! 切迫感、倦怠感が感じられる表現が多く見 られた。 • 例:「仕事は毎日のルーチン」 義務感から仕方なく行っているという意識 が見受けられた。 • 例:「社会とつながるための手段」 職業やアルバイトと比較すると、期待、希 望や楽しみが欠如している印象を受ける。 改善すべき点 様々な問題は、すべて以下の点に総括される。 データの偏りと分散 投稿者は圧倒的に熟年層が多く、働き盛りの 30代や、それより若い層からの投稿が極端に 少ない。これによって偏ったデータとなって いる可能性が高い。 分析結果を見ると、助詞や関連語は多岐に渡 り、スクリプトにさえならない(複数件にな らない)結果がほとんどを占めた。スクリプ トだけを見ているのでは、公平な結果は得ら れないと感じた。 以上。 ありがとうございました。
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