スライド 1 - 兵庫県立大学 University of Hyogo

2013.12.21 イーグレ姫路
ベトナムの国立公園周辺における
炭を用いた循環型農業
及川洋征 OIKAWA Yosei
東京農工大学 大学院農学府
国際環境農学専攻
[email protected]
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Mt. Bach Ma
1450m
内容
1.なぜ大学による国際協力か?
2.プロジェクト紹介
3.今後の課題
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1.なぜ大学による国際協力か?
• 大学の柱: 教育・研究+社会貢献(普及・啓蒙)
• 途上地域フィールド拠点での「社会貢献(技術普
及)~教育&人材育成~学際研究」の相乗効果
国際環境農学(1999~)の実践
バイオマス利用技術
農村開発&環境保全
+プロジェクト実施を通した
地域活性化の視点
背景:なぜベトナム(フエ/バックマー)で?
なぜ炭を?
• JICAミニプロジェクト:カントー大学支援1999~
2002 「大学として国際協力に取り組むならベトナ
ムで!」
• バックマー国立公園 環境教育エコツーリズムセ
ンター長がODA(JDS人材育成事業)により農工大
に留学(2004~06)
• 事業提案者(本学OB)が炭・木酢の専門家だった。
→ 2008年 JICA草の根技術協力事業を開始
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炭の利用
•
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•
•
•
•
煙の出ない燃料
土壌改良  肥料投入とコストを減少させる
室内湿度の調節  調湿炭
においとり
家畜の下痢予防
水の浄化
日本の技術的知見をベトナム農村で実証・普及
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フエ市
ターゲット集落
トゥアティエン・フエ省
フーロック地区
核心地域
ナムドン地区
緩衝地帯
バックマー山 (1,450m)
ダナン市
ラオス
クァンナム省
0
10
20km
ホイアン
バックマー国立公園
(緑色の核心地域は、主に保護区。一部、行政・サービス地域が含まれる)
ケースー集落
54 世帯 267人(2008年)
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東京農工大学
草の根技術協力事業
農民参加型 木炭 多用途利用技術 普及計画
(バックマー・チャコールプロジェクト 2008.7~2013.3)
ベトナム
バックマー国立公園
国立公園の周辺住民に対して「炭を
用いた循環型有畜複合農業モデル」
を普及し、生計向上を図ります。
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炭を用いた循環型有畜複合農業モデルの普及
もみ殻くん炭
農産廃物など身近な素材を
活用して炭を生産
炭の活用
炭の活用
糞の活用
子豚に炭を給与し、 下
痢を予防
畜舎に散布し悪臭軽減
家畜糞と炭を利用して
炭入り有機肥料
(炭ボカシ)を生産
炭の活用
有機生産物を販売
生産物の活用
肥料の活用
炭や炭入り有機肥料を活用
し、有機野菜を生産
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(齊藤2012作成)
Follow-up:炭やき
もみ殻くん炭
・もみ殻など農産廃物や、アカシア植林木の枝などを用いて炭を
つくる。
・炭やきの煙から、もみ酢・木酢液を採取し、堆肥づくり・栽培・家
畜飼育に活用する。
Follow-up:家畜
炭を家畜に食べさせることにより、下痢が減り、抗生物質
の投与を減らせる。
家畜糞に炭を撒くことにより、汚臭とハエの発生をおさえる。
Follow-up:炭入り有機肥料
もみ殻くん炭と家畜糞入り有機肥料 (Bokashi Than)
Follow-up:栽培(野菜)
天然農薬の利用:ニーム、トウガラシ、
ニンニク、木酢液
Follow-up:モデル圃場の設置
ケースー集落農家が設置した炭を用いた循環型農業モデルの圃場
Follow-up:農家による販売会
フエ祭りでの販売会
地元の市場での販売会
Follow-up:技術研修の実施
モデル農家が研修講師となり
周辺の農家140名以上に技
術研修を実施した。
モデル農家は36世帯に増加。
11名に研修講師認定証を
発行した。
フォローアップ事業の実施体制 (2011-13)
バックマー
国立公園
農工大・国際技術協力支援室
荻原PL
ケオ
園長
リン副園長 コーディネータ 齊藤
環境教育
啓発販売
→ 施井
緩衝地帯住民
現地スタッフ
シャン*
ゴック
ジャン 啓発販売 ホアン
野菜・土壌 ジュン
環境教育
野菜(イチゴ)肥料
寺岡室長
事務局
支援室事務
及川 (PM),
鈴木 (副PM)
福家、青井
赤井→池谷
松田
教材編集担当
仲井→施井
家畜・炭やき
ヴェー、タム
協力者
フオン博士
農林大・農
ジュン女史
農業センター
トン博士
農林大・獣
医
向後、渡邊裕、
渡辺直、
分野担当
野菜(園芸、防除)
土壌肥料
家畜
炭やき
評価
木村*, レー
角田,田中, ラム
有馬
林谷*
谷口
タム
及川
(* =分野責任者)
仲井*,
鈴木, 福家, 青井
荻原、藤井、塚野
山田
有馬
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そのほかの農工大受託のJICA草の根技術
協力事業
• ウズベキスタン共和国シルクロード農村副業復
興計画:フェルガナ州における養蚕農家の生計
向上モデル構築プロジェクト(H24 終了)
• ウズベキスタン共和国シルクロード蚕業振興計
画-辺境農村における副業収入向上のための
技術移転モデルの確立-」 (実施中)
• ブラジルアマゾンの農村所得向上と環境保全
修復のための日系「遷移型アグロフォレスト
リー」普及認証計画(実施中)
3.どのように学生が参加したか?
• スカイプ授業 → 学部生の現地視察
• 短期交換留学(JASSO) → 卒業論文、修士論文
• JST 環境リーダー育成事業の海外実習プログラ
ム(修士、博士)
• JICA草の根技術協力事業の分野担当として(修
士、博士)
• JICAフィールド・スタディ・プログラム
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現地学生およびベトナム人留学生の
研究テーマとして
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現地人材育成との連携
• 現地協力大学の教員・大学院生・学部生の
実習・研究→ 卒論、修論、合同講義&実習
• 若手プロジェクトスタッフの成長(現場経験、
専門性、英語コミュニケーション能力)
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地域・国境を越えた農家交流
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「住民生計向上」をとりまく協力ネットワークの形成
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Xin cảm Ơn.
Welcome to Bach Ma!
東京農工大学 JICA草の根技術協力事業(草の根パートナー型)案件
「安全農産物サプライチェーン」による
トゥアティエン・フエ省の農家生計向上プロジェクト
安全農産物サプライチェーン
安全農産物生産者 生産物
支払い&
グループ
プロジェクト
対象地域
フィードバック
安全農産物直売所
消費者啓発センター
安全農産物
消費者 &
支払い&
フィードバック スポンサー
生産物
農工大学 フエ農林大学
フエ農林大学
附属農場
研修受講農家
(姉妹校)
農工大技術サポーター
農産物直売所
ベレッシュ
フエ大学
省との連携協力
カントー大学
(姉妹校)
プロジェクト対象地域
バックマー
国立公園
フエ近郊農村の小規模農家
←先行事業の現地化技術を
周辺地域に普及
地域内連携