第3章 第1節 情報の公開・保護と個人の責任 1 情報の受信にかかわる問題 2 情報の流通 3 情報の発信 情報Cプレゼン用資料(座学31) 担当 早苗雅史 1 1 情報の受信にかかわる問題 1 コミュニケーションにおける制約 情報の伝達 発信者 → 媒体(メディア) → 受信者 コミュニケーションの難しさ 形や色などの情報を言葉だけで伝えるの は難しい 2 1 情報の受信にかかわる問題 2 メディアリテラシー メディアリテラシー 様々な媒体を通じて伝えられる情報を,適切に 使いこなす能力 主体的な情報の取得 メディアによる情報伝達には,必ずメディアの意 図が存在 目的意識を持って役立つ情報を得ることが重要 3 1 情報の受信にかかわる問題 3 誤った情報と情報操作 嘘の情報,誤った情報 わざと流す情報 伝聞を繰り返すうちに誤った情報になるもの 情報操作 発信者が都合の良い情報だけを伝える 人による感じ方の違い 発信者には正しくても,受信者には必ずしも正し いとは限らない 4 1 情報の受信にかかわる問題 情報の信ぴょう性 発信者が明記されているか 発信者が信頼のおける人(組織)であるか 引用したものが明記されているか 他の情報(新聞,雑誌,文献,Web等)と の比較 情報発信者への直接問い合わせ 専門家の意見を聞く 5 2 情報の流通 1 情報公開とプライバシー 情報公開法 行政の判断や行動を市民がチェック 住民基本台帳ネットーワーク 個人情報保護法 プライバシーの権利 個人的な事柄に関する情報は,第3者が本人に 無断で公開することはできない 企業が蓄積・利用・流通している情報の中に,自 分がどのように扱われているかを知る権利 自分自身に関する情報をコントロールすることが 大事 6 2 情報の流通 第3者による個人情報の利用 第3者による個人情報の利用例 電話会社,税務署,勤務先,役所 警察,保険会社,病院,学校,銀行 クレジット会社 等 個人情報の保護制度 自治体 ・・・個人情報保護法案 民間 ・・・プライバシーガイドライン 7 2 情報の流通 2 ユーザIDの保護と不正使用 ユーザID(ユーザ名,アカウント),パスワード パスワードが他人に知られてしまわないように, 十分に気をつける 推測されやすいパスワード 誕生日,名前,住所 辞書に載っている単語 有名人の名前 パスワードを守るための工夫 紙に書き留めない 定期的に変更する のぞき見 8 2 情報の流通 3 通信の傍受と暗号化 傍受 他人が行っている通信の内容を受信すること 傍受によりプライバシー侵害の恐れ なりすまし 他人の名前を語って情報を受発信する 暗号化 秘密鍵暗号方式,公開鍵暗号方式 通信傍受法 受信傍受の厳格な条件や手続きを規定 9 2 情報の流通 4 フィルタリング フィルタリング 情報を内容に応じて選別すること フィルタリングソフト 制限すべきでないページの制限 ブラックリスト方式,ホワイトリスト方式 酒のページ 不適切 健康のページ 適切 禁酒のページ 不適切 フ ィ ル タ リ ン グ ソ フ ト 酒という言葉 は排除します 10 1 ネットワークによる 情報発信の問題 3 情報の発信 インターネットの発達 以前は情報発信はマスコミだけが持つ特権 個人が容易に情報を発信することができる 情報発信の責任の重要性 他人の権利を侵すことの内容に十分な配慮 が必要 11 2 情報発信にかかわる さまざまな権利 3 情報の発信 知的財産権 人間の知的活動により生み出される財産 に関わる権利 著作権・・・小説や音楽などの著作物 特許権・実用新案・・・発明・発見・工夫 商標権・・・企業の名称やマーク 知的財産権を侵すことは違法行為 情報発信で特に注意が必要 12 3 情報の発信 知的財産権の全体像 知的財産権 (知的所有権) 著作権 著作者人格権 著作権(財産権) 著作隣接権 工業所有権 特許権 実用新案権 意匠権 商標権 その他 その他 13 3 情報の発信 3 著作物とその保護 著作物 人間の創作活動により,思想や感情などをあら わしたもの 著作権法により保護 家庭内などの私的利用のためには複製可能 他の人に使用させる目的であれば無償でも違反 ネット上への直作物の無断発信は違法 使用する場合は著作権者の許可が必要 自分が発表する場合はどの様な権利を認めるか を考える必要 14 3 情報の発信 著作物の例(著作権法第10条) 言語 小説・詩・随筆・脚本・論文・講演など 音楽 楽曲や歌詞など。即興演奏も含まれる。 舞踊又は無言劇 ダンスやパントマイムなどの振り付け 美術 絵画、版画、彫刻など 建築 歴史的建築物など芸術的価値のあるもの 地図等 地図または学術的な性質を有する図面、 図表、模型、図形など 劇場用映画・ビデオカセットなど 映画 写真 プログラム コンピュータ・プログラム 15 3 情報の発信 著作者 著作物を創作する者をいう。 プロであるかアマチュアであるかは問わないから、 生徒であっても、著作物を創作すれば著作者とな る。 著作者になるには、実際に創作を行う必要がある。 アイデアを提供しただけの者や指示・発注をしただ けの者、作品の創作を指導しただけの者は、著作 者にならない。 16 3 情報の発信 著作者の権利の発生と保護期間 権利の発生 著作物が創作された時から(登録や届出は不要) 保護期間 著作者死後50年 (但し、法人著作、無名名義の著作物、映画は公表 後50年) 保護期間後 保護期間終了後、著作権は消滅し、誰でも自由に 使用可能。(パブリック・ドメイン) 国庫帰属になる場合、著作権は消滅する 17 著作権者の許可なく 著作物を利用できる場合 3 情報の発信 私的使用のための複製 図書館等における複製 引用 教科書への掲載 学校教育番組への掲載 学校その他の教育機関における複製 営利を目的としない利用 18 3 情報の発信 私的使用目的として許される場合 テレビからビデオで録画し、それを個人で見るこ と。 貸しレコード店から借りてきたCDをMDに録音し、 個人的に楽しむこと。 CDをパソコン上のMP3プレイヤーで個人的に 聞くこと。 アニメをパソコン上のキャプチャーで取り入れ、 自分のパソコン上の壁紙として楽しむこと。 19 3 情報の発信 私的使用目的として許されない場合 テレビからビデオで録画し、それをダビングしてコピーを 友人に配ること。 レンタルCDを借りてきて何枚かのMDに録音して、録音 したMDを友人に配ること。 サークル内(あるいは会社の一部署)の勉強会に、雑誌 の中の記事をコピーして資料として配ること。 コピーガードのかかっているビデオをコピーガード除去機 器を使用して個人的に複写すること。 著作権情報である電子すかし信号の入っているディジタ ルコンテンツの電子すかし信号を除去してコピーすること。 パソコンソフトを1部購入して、複数の端末が接続された LANで使用すること。(なお、LAN使用を認めるライセン ス契約がある場合は該当しない。) 20 3 情報の発信 4 ソフトウエアと著作権 コンピュータソフトウエアも著作権法で保護 フリーソフトウエア 著作権者が無償で活用することを許諾している だけで,著作権は放棄されていない Linux ソースファイルの公開 21
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