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セラミックス
5月16日(水)
ファインセラミックスの製造法
ニュ-セラミックスの特性支配因子
(組成と構造)
セラミックスの特性[:図2.1参照]
構造特性・・・内部の気孔,粒子サイズ等のマクロ因子に依存[:構造敏感]
機能特性・・・原子配列,原子価,イオン半径,電子状態等のミクロ因子に依存
図2.1 セラミックスの特性支配因子
[1]セラミックスの焼結法
『焼結法(Sintering)とは何か』
[定義]:粉末成形体を融点以下の温度に加熱して、粉末粒子が互いに表面拡散
(界面拡散)
(凝着,融着)して、多結晶体に変化する現象
(1)焼結体(多結晶体)の分類[・・・焼成状態による分類]
①多孔質体(:ポ-ラス体)
←従来型セラミックス(窯業製品)
②普通焼結体
③緻密体(気孔:内部ガスの残存に起因した空隙のない焼結体)
・・・ニュ-セラミックス,ファインラミックス
(2)焼結過程
①焼結初期(:低温焼結)=焼結反応前期段階
・・・焼成前の粉末成形体と変化は殆どない状態
(粉末粒子間に大小の空隙(隙間)があり、気孔率は30~50%程
度の多孔体)
②焼結中期(:中温焼結)=焼結反応中期段階
・・・粉末粒子間の界面拡散反応が進行し成形体の収縮に伴う
気孔の減少が開始する
③焼結終期(:高温焼結)=焼結反応後期段階
・・・粉末粒子間の気孔が消滅し、結晶粒が成長する
(粉末粒子どうしの界面反応(拡散)に伴う粒成長の発生)
↓
ex.Al2O3セラミックスの焼結過程に伴う
①外観(成形体の形状)[:図3.4参照]
②内部変化(成形体の密度,収縮率)[:図3.5参照]
③組織(微細構造)変化[:図3.6参照]
(3)焼結による粉末粒子の形状変化(:焼結反応の概念)[:図参照]
焼結による粉末粒子の形状変化:緻密焼結体ニューセラミックスの生成過程
(a)焼結前期段階(低温焼結)
L”
:焼結前の成形体と変化なし
(b)焼結中期段階(中温焼結)
:粉末粒子どうしの界面拡散反応が進行し、気孔減少に伴う収縮の発生[:L→L’]
(c)
図1 セラミックス焼結体緻密化機構
※さらに焼結が進行し(c)「焼結後期段
階(高温焼結)」になると粒子間の
気孔が消滅し、1つの球状粒子に成長する
[:直径L”の球体(L’→L”(L’>L”))]
ニュ-セラミックスの製造法
ニュ-セラミックスの製造法[:図3.1参照]
(1)一般的製造法
・・・多結晶・焼結法(:原料調整→成形→焼結:通常の工程)
(2)特殊製造法
①繊維製造法,②単結晶製造法[:図3.2,図3.3参照]
③結晶化ガラス製造法,④非晶質体製造法
⑤薄膜製造法,⑥表面コ-ティング法
図3.1 ニュ-セラミックスの製造法
※単結晶製造法[CZ法:チョクラルスキ-(Czochralski)法]
単結晶の種子結晶を高周波溶解や抵抗加熱法によって加熱・溶融し、
下部に設置された溶融体と接触し、上部に引上げ種子結晶と同じ方位
を有する単結晶を成長させる
・・・半導体Si製造用装置(8インチ・ウエハ-作製用)
図3.3 CZ法で作製したBi12SiO20単結晶
図3.2 単結晶製造装置(チョクラルスキ-法)
ニュ-セラミックスの焼結法
焼結:粉末成形体が融点以下の温度に加熱されることによって粉末粒
子が互いに凝着して、多結晶体に変化する現象
多結晶焼結体の分類
①多孔質体
②普通焼結体
③緻密体(気孔のない焼結体)・・・ニュ-セラミックス
焼結過程
①焼結初期(低温):焼成前の粉末成形体
(粉末粒子間に大小の空隙があり、気孔率は30~50%)
②焼結中期(中温):収縮に伴う気孔の減少が顕著に現れる
③焼結終期(高温):気孔が消滅し、結晶粒が成長する
・・・例)Al2O3の焼結過程に伴う外観変化,内部変化および微細構造
[:図3.4,図3.5,図3.6参照]
図3.4 Al2O3セラミックスの焼成温度と
外観変化(左から1000,1200,
1400,1500,1600℃)
図3.5 Al2O3セラミックスの
焼成温度と(a)密度と
(b)収縮率
図3.6 Al2O3セラミックスの焼成温度と
内部微細構造の変化