マクロ経済データの 時系列分析 同志社大学 中尾ゼミ 印刷用 分析の目的 マクロ経済データを日経NEEDSを使って収集 し,統計的に分析して,因果関係を明らかに する. 例①日本の株価が3万円超から1万円代に低 下した原因を解明する. 例②日本経済成長率が低下してきた原因を解 明する 仮説:所得増加⇒消費増加 説明変数被説明変数 所得消費 SHOHI=α+β・SHOTOKU α=所得ゼロ時の消費 β=1万円所得が増加する増加する消費 所得と消費のデータを1990年から2000年 まで集めて、消費関数を推定! 消費関数とは? 所得 消費 1990 所得と消費の関係 1991 1992 380 360 1993 340 1994 320 300 1995 1996 280 260 1997 240 220 1998 1999 200 300 350 400 450 500 2000 300 320 340 360 380 400 420 440 460 480 500 210 238 248 268 288 300 305 321 333 366 369 消費関数の推定方法 第1ステップ:データを収集します。 マクロ経済データ収集方法は以下で説明しています http://xplala.aa0.netvolante.jp/class/macrodatabase.pdf 第2ステップ:以下のサイトよりXXTSPダウンロードします. http://www1.doshisha.ac.jp/~tnakao/ 第3ステップ:XXTSPを起動.初期画面の説明は以下. http://xplala.aa0.netvolante.jp/class/HowToUseXXTSP.mht 第4ステップ:新しいTSPプログラムを作成.説明は下にあります. http://xplala.aa0.netvolante.jp/class/HowToTSPMacro.mht 第5ステップ:プログラムを実行します(初期画面を参照). データ収集:年データ① NEEDSデータベース の 『マクロ経済デー タ』を使って、年データを収集するとデータ には、年号が先頭に自動的に付加されま す。 例えば、 国内所得と民間消費のデータを 1990から2000まで収集して、 shohi.csvと言う名前で保存すれば データ収集:年データ② shohi.csvは右のように 年号 所得 消費 となります。したがって このファイルから、データを 読み込むときには、 年号 所得 消費 とする必要があります。 以下が、そのときのRead文 です。 1990 300 210 1991 320 238 1992 340 248 1993 360 268 1994 380 288 1995 400 300 1996 420 305 1997 440 321 1998 460 333 1999 480 366 2000 500 369 Read(file=“shohi.csv”) YR shoto shohi ; TSPプログラム① このときのTSPプログラムは以下のようにします: OPTIONS CRT; 画面表示用 FREQ A; A=年データ SMPL 1990 2000; サンプル期間指定 READ(File=“shohi.csv") YR shoto shohi; OLSQ shohi C shoto; 最小自乗法実行 END;XXTSPでプログラムを新しく作成する方法は http://xplala.aa0.netvolatne.jp/class/HowToTSPMacr o.mht 消費関数の推定結果1 次は赤で囲まれた部分を拡大 消費関数の推定結果2:拡大 紫⇒決定係数 緑⇒ C =切片 紫⇒説明できる割合 ブルー⇒SHOTOの傾き P-Value P値 P-値が0.1以下なら、統計的に有意⇒ 影響を与えているとする 例: SHOTOのP-値は0.00 →SHOTOはSHOHIに影響与えている。 (影響を与えていない確率が0%) P-値が0.1以上なら、統計的に有意 では ない⇒影響を与えていないとする (影響を与えていない確率が10%以上) 四半期データで3つの説明変数 説明変数として、 四半期データで 1995年第1四半期から2000年第4四半期まで 被説明変数に消費、 説明変数に、所得、利子率、株価を収集した場 合には、データは 年度+四半期番号 消費 所得 利子率 株価 となります。 データ内容 年四半期 消費 所得 利子率 199001 300 210 3 199002 320 238 3.2 199003 340 248 3.4 199004 360 268 3 199101 380 288 3 199102 400 300 20 199103 420 305 12 199104 440 321 1.4 199201 460 333 2.6 199202 480 366 2.8 199203 500 369 3 1992年第4四半期以降は省略 株価 12410 20438 30248 30268 35288 31300 26305 26321 23733 23366 13369 TSPプログラム②:四半期データ このときのTSPプログラムは以下のようにします: OPTIONS CRT; FREQ Q; 四半期データ SMPL 1995:1 2000:4 ; サンプル期間指定 READ(File=“shohi.csv”) YR shoh shot Risi Kabu; OLSQ shoh C shot Risi Kabu; END; データ収集し直した後で,XXTSP初期画面の『TSPファイ ルを変更』ボタンをクリックして,前のTSPプログラム①を, 上のように書き直せばOKです.XXTSP初期画面は http://xplala.aa0.netvolatne.jp/class/HowToUseXXTSP. mht 成長率 被説明変数か説明変数に成長率を使う場合. 例えば,所得shotの変化率(上昇率か低下率) をGRと名付けて利用する場合にはTSPプロ グラムは GR= shot / shot(-1); とします.このGRをOLSQで利用します. 例:OLSQ shoh C shot GR ……; ログ 被説明変数と説明変数の関係が曲線となると 場合には説明変数のログを取ります. 例えば,所得shotの対数値をLshotと名付けて 利用する場合にはTSPプログラムは Lshot =log(shot1); とします.このGRをOLSQで利用します. 例:OLSQ shoh C Lshot GR ……; 比率 収集したデータを使って比率(割合)を説明変 数か被説明変数にするケースもあります。 この場合には,例えば,消費を所得で割った値 =消費性向であればTSPプログラムで ShohShot=shoh/shot; として,以下のように使う. OLSQ shohShot C Lshot GR ラグ 被説明変数と説明変数の関係に遅れが存在 すると思われる場合.例えば,所得が消費に 与える影響に1期の遅れがある場合には, OLSQ shohshot C Lshot (-1) gr i KB; とします.遅れが2期であれば OLSQ shohshot C Lshot (-2) gr i KB; とします. 成長率・ログ・比率・ラグ OPTIONS CRT; FREQ Q; SMPL 1995:1 2000:4 ; →サンプル期間指定 READ(File=“shohi.csv”) YR shoh shot i KB; ShohShot=shoh/shot; →比率 LShot=log(Shot); →LOG SMPL 1995:2 2000:4 ; サンプル期間変更 GR= shoh / shoh (-1); →成長率 OLSQ shohshot C Lshot (-1) gr i KB; STOP; ↑ラグ END; ダービンワトソン値① 推定結果の右上の上から2行目に 例えば, Durbin-Watson = .677032 [.000,.000] というような表示があります. このダービンワトソン値が1.6より小さい場合には推 定結果が信頼できません.たぶん 重要な説明変数が抜けているか,推定式の形状が 真実と異なるためです. ダービンワトソン値② ダービンワトソン値が1.6より小さい場合には まずは,抜けている説明変数を考えて追加し てください. これがうまく行かない場合には OLSQ shohshot C Lshot (-1) gr i KB; とする代わりに AR1 shohshot C Lshot (-1) gr i KB;してく ださい. 推定結果の最下行にRHOが追加 これは抜けている説明変数の影響を表す Variable C Lshot GR i KB RHO Estimated Standard Coefficient Error t-statistic 0.550551 0.35142 1.65202 9.89E-07 3.54E-07 2.79235 0.232514 0.048954 4.95391 -0.0547 0.022627 -2.4617 1.222514 0.413711 2.99979 0.774023 0.136682 5.66294 P-value [.112] [.010] [.000] [.021] [.008] [.000]
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